1996/02/14 - 1996/02/19
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旅人のくまさんさん
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<おわりに>
約1週間のさほど長くない旅行でしたが、楽しい旅になりました。Kdシスターズとの出会い、メルボルンでの日本人管理人の方との出会い、アメリカの老夫婦との出会い、圧倒的な鉱物資源の島、自然豊かな動物達の王国、そして少し悲しいアボリジニの人達。どれもこれもが、いっぱい思い出が詰まった旅でした。
この回想記を書き始めたのが3月の中頃でした。本文をすべて書き終えたのが今日、3月22日の午前です。最後は、昨夜から朝の5時前まで頑張りました。
回想の旅行記を纏めるのに、最初はもう少し時間がかかるかなと思っていました。3日ほどの間、寄り道を少なくして早く帰った効果があって、実質1週間以内で纏めることができました。
しかし、人の記憶は曖昧なもので、その時に一寸したメモを取っておけば何でもないことが、記憶の糸が絡み合うと、なかなか頭の整理が付かなくなってしまうことが体験できました。殊に、似たような事柄が2つ以上あると、その区別に時間がかかってしまいます。
こんな事情で、最初はもう少し沢山の短歌を織り込もうと考えていましたが、記憶を呼び覚ます方に注意をそがれて、こちらの方は、つい疎かになってしまいました。回想記の途中に詠んだ俳句を最後に記しておきます。他愛もない駄作ばかりです。
刈谷の洲原公園で(1999年3月18日)
春暖の鳥の仕草は大袈裟に
繋ぎたる小舟に人無し花蕾
船留むる小さき店の春落葉
日溜まりの家鴨薄目で我睨む
日溜まりに鳥居て我を威嚇せり
<補遺>
書き残したオーストラリアの印象などを、補遺として以下に纏めて記します。
<トダイ、グッダイ>
「a」を「エイ」より「アイ」に近い発音をすることは予備知識として持っていましたが、「トダイ イズ マンダイ」「グッ ダイ」 風に発音されますと、さすがに最初は少しとまどいました。どうしてもアメリカ読みの方が、多少なりとも耳に慣れているからです。
ところで、昨年(1998年)にイギリス旅行をする機会があり、ロンドンやバースを訪ねました。こちらも「アイ」の発音の方が多かったようです。つまり、オーストラリアは、今もキングスアイランドの伝統を守っているのかも知れません。
<肥満>
メルボルンでもシドニーでも、手にコカコーラ、ペプシコーラのペットボトルを携えている人を多く見かけました。歩きながらよく口にしていました。この国に肥満の人が多いのは、このコーラのせいではないかと、密かに合点がいきました。
マラソン競技では、要所々々でドリンクを使用するのが当たり前になりました。しかし、普通の量のエネルギー消費の日常生活では、糖分の多いコーラを絶えず口にしていたら、肥満は確実ではないでしょうか?もちろん、口の中を覗いてみたわけではありませんが、きっと歯医者さんが儲かっているに違いありません。
<大道芸人>
メルボルンでも見かけましたが、殊にシドニーではあちこちで色んな大道芸人を見かけました。シドニーの中心街の広場という広場で、何か大道芸を演じていると表現してもおかしくないくらいでした。
大道芸の種類も、音楽系から演技系と盛り沢山です。それぞれに結構人だかり出していますから、結構、商売として成り立っているのでしょう。オーストラリアの文化として認知され、大切にされているように思えました。見ている方も一緒になって、大いに楽しんでいたようです。
<鉱物資源>
この国の博物館をいくつか見学して、鉱物資源の多さと規模に圧倒されました。
メルボルンでもシドニーでも、一つの博物館に2、3時間か費やす事はできませんでしたが、限られた時間でも、鉱物資源のすばらしさを実感するには十分でした。少し大袈裟に表現すれば、大陸そのものが、豊富な地下資源を伴って、いきなり海洋上に頭を出してきたという感じもします。
博物館に飾られた原石は、殊更、際だった物を集めたには違いないでしょうが、そのことを割り引いても、その素晴しさに圧倒されました。金、銀、銅、コバルト、ニッケル等の原石が、産出鉱山毎にいくつも整理をされて並んでいる様は、誠に圧巻でした。オーストラリアの大陸の生い立ちと深く関わっている鉱物の数々です。
ダイヤモンド、オパール、水晶等の宝石類の大きな原石も圧巻でした。
<剥製>
ペンギン、コアラ、カンガルーなどの動物は、動物園でなく、こちらも博物館でお目にかかりました。決して生きている動物が嫌いなわけではありません。
皇帝ペンギン、王様ペンギン、アデラーペンギンなどが一堂に展示してありますと、大きさなどがよく比較できます。仕草が分からないのは残念ですが。
名前は忘れてしまいましたが、コアラを象程に大きくした有袋類や、大型鳥類の絶滅種を目の当たりにすると、胸が痛みました。多分、これらの種の絶滅には、史上最も凶暴な生物だと言われる「ヒト」が介在したことは疑いないはずです。
それにしても、象のような大きさのコアラの親戚を実見したときは、その大きさと迫力にびっくりしました。
<中国料理店、日本料理店>
旅慣れた人にお聞きしたことの1つが、「チャイナタウンへ行けば安くて美味しい料理が食べられるが、日本料理店は高くて不味い」と言う評判です。世界中同じ傾向のようです。
身近なところでは、お隣の韓国でも、怪しげな日本料理店はありますが、とんと入ったことがありません。最初から料理店セオリーを信じているせいかも知れません。全く経験しなかったわけではありませんが、少しばかりの経験では、セオリー通りでした。「日本料理」と看板を出しただけで、お金持ちの農協さんがわんさと押し掛けた時代を反映しているのかも知れません。
それこそ、世界中のあちらこちらで。それに大きな都市には、例外なくチャイナタウンがあって、豊富な食材で安価に食事を供しています。「オスシ」や「サシミ」などの単品の店は聞きますが、食材豊富なジャパニーズタウンは例が少ないのではないでしょうか。
少しだけ同情するなら、日本料理に一番合う「日本酒」が醸造酒のため、取り合わせで供給することが困難なせいかも知れません。私個人としては、白ワインと日本料理でセットにしたらと思います。それもフランスワインの辛口が一番ですが、そのほかにも色んな組み合わせがあって良いのではなでしょうか?
<ユウカリの木>
ユウカリの葉をコアラが食していることから有名です。名古屋の東山動植物園には、オーストラリアのタロンガ動物園から寄贈されたコアラがいます。この珍客の食用として栽培されているユーカリを、幾度か実見することができました。
なかなかの大木になりますが、堅すぎて建築資材には不向きだと言います。それで利用されているのが配電線の電柱としての用途です。電柱であれば、穴をあける程度で、あまり加工がいりません。
このことを最初に聞いていましたので、それとなく観察していたら、メルボルンではコンクリート柱をほとんど見かけず、木柱ばかりでした。これがユウカリの木なのかは判断できませんでしたが、沢山使われていることだけは間違いないようです。
ユウカリの葉にはユウカリ油等の有用成分が多く含まれていると言い、コアラとは先住民のアボリジニの言葉で、「水を飲まない」動物を意味するようです。(1999年3月20日完)
(補遺)2010年3月に開かれたフラワードームに出展されていた、オーストラリアの植物の写真を追加しました。
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2010年3月に開かれたフラワードームに出展されていた、オーストラリアの植物の展示状況です。入口近くの光景です。地元新聞で紹介されていた、山火事に強いススキの木等です。
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ヤマモガシ科のセルリアです。
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ヤマモガシ科のグレビレア・ロビンゴードンです。西オーストラリア原産の常緑低木です。
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ヤマモガシ科のテロピアです。ワラタの別名を持ちます。
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赤い花は、名札のセルリアとは別の植物です。名前は分かりません。
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ヤマモガシ科のセルリアです。
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フトモモ科のカリステモンです。別名ブラシの木です。
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カリステモンの花のアップです。
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名札が隠れて読めません。後ろの文字はシドニーです。
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フトモモ科のカリステモンです。花房がボトルブラシのように見える常緑小高木です。
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カリステモンの花のアップです。
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エキゾチックな黄色の花ですが、名前は調べていません。
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ミカン科のボロニア・ピナータです。ボロニア属は、オーストラリアに固有の植物で、70種ほどが分布しています。高さは1.5メートルくらいになります。
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ウコギ科のブラッサイアです。高さが30mにも成長する常緑高木です。
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名前は確認しませんでしたが、キク科の植物のようです。花びらが、けだるく後ろに反っています。
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覚え難い名前のエレモフィラ・ニベアです。白っぽい葉と、紫の花のコントラストが印象的です。
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ススキノキです。オーストラリア南西部の乾燥地に自生します。自生地は野火が多いところですが、枯れた葉の基部が茎を保護しているため、中までは火が通りません。野火に耐えてその後でたくさんの花をつけることで有名です。
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ミモザアカシアです。
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ミモザアカシアの花のアップです。マメ科の植物です。
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