1996/02/14 - 1996/02/19
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<2006年2月16日(金)>
<朝の散歩>
昨日、ツアーのコースで連れていって貰ったフィッツロイ公園は、ホテルから歩いても近い距離にあります。その公園と、手前のトレジャリー公園を食事の前に散歩することにしました。
フィッツロイ公園には、キャップテンクックの家があることを知りましたし、大木が生い茂る庭園内には、多くの鳥たちが集まってくることも昨日体験しました。公園の大木は、まさしくその公園の風格を現しています。
手前のトレジャリー公園は、旧大蔵省に隣接しており、その建物に沿いながら、朝の散歩から戻ってきました。気分爽快でした。
<バイキング>
朝食だけは唯一オプショナルに加えて貰っていました。それで泊まったホテルの1階で済ませました。椅子に黙って腰掛けましたら、すぐに男性のウェイターさんがやって来て、
「バイキング」
と、教えてくれました。一瞬「バイキング」の意味が分かりませんでしたが、指さしてくれた先に、それらしきセットがありました。それで、すぐに理解でき、お礼を言って、席を立ちました。早速、好きなだけ皿に盛りつけて席に戻りました。
コーヒーだけは先ほどのウェイターさんが運んでくれました。アメリカン風だったので、お替わりも頼みました。帰りには、テーブルにチップを少々置いておきました。ラテン系の実直そうな小柄な人でした。
食事の質と量とも十分で、デザートの果物の種類も豊富でした。普段はあまり果物を口にしませんが、このときばかりは、幾種類もの色とりどりの果物に手が伸びてしまいました。
<メルボルン散策>
今日は早めに出かけることに決めました。行き先は国立博物館、美術館などです。小銭も必要だと思い、ホテルのフロントで、
「エクスチェンジ プリーズ」とあわせ、
「スモール プリーズ」
と頼んで、小銭も手に入れました。同じホテルに2泊しますので、荷物を部屋においておくことができ、便利でした。連泊のいいところです。小さな手荷物だけの支ましメルボルン市内散策に出かけました。出かける前に、ベッドメイクのお礼の小銭も忘れずに置いておきました。
<国立博物館>
国立博物館はホテルからは西北側にあり、歩いて行けない距離ではありません。しかし、トラムが丁度便利良くできているので、これに乗って出かけることにしました。目指すトリムは茶色です。
博物館の造りは荘重で、石段を何段も登ったところに入り口がありました。壁には「チャインジング マン チャインジング トモローとか何とか(正確には忘れてしまいました)」の大きな幕が吊り下げられていました。イベント中のようでした。この時もチェンジの発音ではなく、チャインジでした。
この大陸で発見された化石類と、アボリジニの芸術遺産が素晴らしく、見応えがありました。
<国立美術館、州立美術館>
この二つの美術館は隣接していて、ヤラ川を南に渡った西側に位置しています。さすがに国立の方は規模も大きく、近代的な建物です。入り口付近には噴水が設えてあり、憩いの場としての機能も整備されているようです。
今回の旅行を通じて、博物館には惹かれる事が多かったのですが、美術館はさほどでもありませんでした。美術館では、荘重なバロック風の作品、殊に着飾った肖像画を多く目にすることができましたが、感激するほどではありませんでした。
歴史が古くない国の宿命でしょうが、イギリスの影響を残している謹厳な作品が多かったようです。むしろ、アボリジニの素朴な芸術の方に心が動きました。
<トラム>
最初の日にトラムの乗り方を聞いていましたので、戸惑うことはありませんでした。もし、知らずに初めてだと、結構びっくりするに違いありません。なにしろ、同じ線路を有料と、無料のトラムが走っているのですから不思議です。茶色のトラムだけが無料とは、いくら考えてみても、自分では思いつきません。聞いてみなければ分からないことです。
この無料のトラムには、市内案内の車掌さんまでいるのですから、そのサービスの良さに恐れ入りました。線路添いの名所旧跡を、懇切丁寧にガイドしてくれました。男性だけでなく女性のガイドさんもいました。
<民族資料館>
残念ながら、正式な名前は忘れました。手元の2冊のガイドブックにも、現地で貰ったパンフレットにも記載されていません。場所だけは良く覚えています。フラッグスタッフ公園の東側です。無料のトラムが回っている線路に面した北側です。
何気なく、覗いてみたら、大変に興味を惹かれました。また、ここでお会いした、日本人の年輩の管理人さんの話しが有意義でした。お名前を書き留めなかったのが残念でした。旧称を橋本さんと言われたような気がしますが、なにしろ3年前の事なので、正確には覚えていません。
「久しぶりに、たくさん日本語を話すことができました。日本を離れて30年近く(27年?)になります」
と、喜んで頂けました。実は、資料館の入口の近くで、この方と視線が合った時、
「あなたは日本人ですか?」
と、日本語で話しかけられたのが、きっかけでした。
「そうですよ」
と、日本語で応えましたら、
「日本人向けの案内には出ていないのに、よくここまでおいで下さいました」
と、最大級に喜んでもらえました。この資料館の由来を、
「掘削している途中で、敷地内でオーストラリア建国時の色んな遺物が出てきたましので、この倉庫のような建物は、取り壊しが中止になり、急遽、民俗資料館として保存されることになりました」
と解説してくれたり、
「塀が高かったのは、イギリスから連れてきた囚人を収容するためだったのでしょう。二階にハンモックの部屋というのがありますが、これは是非ご覧下さい」
とも教えていただきました。このハンモックの部屋というのは、実際にハンモックを吊して再現してありましたが、凄まじい詰め込み方であり、唖然としました。
1階の政治風刺の部屋は、時間の許す範囲で、案内をしていただきました。人形や漫画で強烈に政治風刺を表現したものありました。自国だけでなく、欧米も風刺の対象にされていました。
「今オーストラリアでは総選挙が近づいていますので、ここへの見学者が増えています」
と、喜ばれていました。一般的なオーストラリア人の日本の首相に対する評価は、
「日本の首相はあまりにも早く替わりすぎるので、今誰がなっているのか、ほとんど知っている人は居ません。こちらでは日本の首相選びを、子供の遊びに例えて揶揄しています」
「それは椅子取り合戦です。ストップの合図があるまで椅子の周りを回り、ストップがかかると、最寄りの椅子を奪い合う遊びです。誰かがはじき出されていきます」
と言う話しでした。身の上話も、
「私の亭主はオーストラリア人で、孫もできました。時間の余裕ができましたので、公務員の資格でここに勤めています」
等と語ってくれました。一通り見学した後で、事務所を尋ねてお礼を述べましたが、
「機会があったら、また是非立ち寄って下さい。メルボルンは静かで、いい町ですから。この資料館の事も、皆さんに伝えて下されば嬉しいのですが、、。」
と、別れを惜しんで資料館を後にしました。
<ファーストフード>
昼食はフリンダース・ストリート駅の構内で簡単に済ませました。この構内で、ファストフーズの店を見つけましたので、
「ディスワン アンド コーラ プリーズ」
と、ハンバーガーを頼みましたら、
「ウィッチ サイズ?」
と聞かれました。それで、
「レギュラーサイズ プリーズ」
と言って、普通のサイズのハンバーガーとコーラを買いました。残念ながらビールは置いてありませんでした。そういえば、日本でもマクドナルドやロッテリアには、この種の飲み物は置いてないので仕方がありません。
店の中には椅子席も設えてあり、そこで食事をしている人も何人かいました。空いている席を探して、食事を済ませました。さすがにハンバーガーの味は、日本とさほど替わらず、コーラも一緒でした。世界標準と言ったところでしょうか?
<メルボルンのチャイナタウン>
チャイナタウンはホテルのすぐ西にありました。一通り歩いてみましたが、さほど大きな規模ではありませんでした。ジェットツアーの事務所もこの一角の南側にありました。
本通りから西に入った南側の店に席を取りました。メニューは結構ややこしいものでした。暫く眺めて、エビチリやシーフードを中心に幾品か頼みました。ビールの他にワインも頼みましたので、まずまずの値段を取られました。付近一帯も伝統を感じさせる煉瓦造りの家が多く、店の中も大衆店と言うより、やや専門店と言った感じでした。相場といったところで、納得いきました。
<セント・ポール寺院>
その寺院は、フリンダース・ストリート駅の北に位置していました。中には入らず、外から眺めただけです。尖塔が素晴らしい、ゴチック風の建物でした。
訪れたのは夕刻で、もう薄暗くなっていました。寺院の周りには、制服を着た子供を連れた家族が、続々と集まってきていました。どうやらミサでも始まるようです。家族を含めて、宗教が日常の中に組み込まれている国は羨ましい限りです。
子供の躾の点から見ますと、日本は相当に危険な状態になってしまっているのではないかと、常々心配しています。躾をされる子供ではなく、その親の躾が問題だという指摘が実感される場面に、たびたび遭遇するようになりました。
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