1971/07/01 - 1971/07/01
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ソフィさん
1961年7月1日
私は、香港から夜の飛行機に乗り、今日の昼過ぎにやって来たイスタンブールで、今20人ほどの人に取り囲まれている。
集まっている人たちは、悪く言えば物見高いのだが、今まで一度も話したことのない日本人に、興味を持っているのだ。
日本といえば、自分たちが戦って散々悩まされたロシアを下した国であり、しかも黄色人種でありながら白色人種に勝った、世界の歴史に残る国である。
もう少しさかのぼれば、トルコの軍艦が日本で遭難した時、命がけで救ってくれたのも日本人だし、尊敬すべき近代トルコの父ケマルパシャも、日本人から教育を受けたと聞く。
その背景に「武士道」と呼ばれる哲学があり、その一方ではちょんまげに人力車なるイメージもある。
関心は深いが、いろいろなイメージが入り乱れていて、非常に理解しにくい国なのだ。
質問は続く。
「日本にはテレビが普及しているか」
「もちろんだ。日本製のテレビはいずれ世界を席巻するだろう」
「トルコをどう思うか」
「今日初めて訪ね、トルコ人の誇りの高さに、たくさんのものを習った」
「パリに行ったら、パリジェンヌのペンフレンドを探し、紹介して欲しい」
話は尽きないが、写真屋がやって来て一同の写真を撮ってくれたのを機に、皆と別れることにする。
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