1961年7月1日続<br /><br />今トルコの、イスタンブールに来ている。<br />ホテルに着いた直後、2時間の観光バスに乗り、日露戦争を思い出すことになった。<br />その話を続ける。<br /><br />日露戦争の原因を大掴みにすると、二つあるように思う。<br />その第一は、当時のイギリス、ロシア二大国の、極東における勢力の対決。<br />もう一つは、日本の眼前にある朝鮮半島の不安定と、その隙を狙う清国次いでロシアの進出、それを防ごうとする日本との衝突である。<br /><br />ロシアは一部日本の勢力圏であった樺太を奪い、北海道を狙おうとする一方、日本が日清戦争の結果一旦借地権を得た（三国干渉の結果失う）遼東半島に軍事拠点旅順を築き、韓国領内に進出する勢いを見せていた。<br />次には日本を犯し、太平洋に進出するだろうと考えられていたのだ。<br />この辺りの詳細については、またの機会にまとめることにして、先を急ぐ。<br /><br />極東への補給路シベリア鉄道の完成が近づき、日本の危機感は高まる。<br />そして、座して待つよりと、交戦に入る。<br /><br />結果はかろうじて日本の勝利に終わったが、大きな要因は、以下の三つと考える。<br />興隆しつつある日本国民の、高い愛国心。<br />世界の世論対策も含めた、日本の総合戦略の素晴らしさ。<br />ロシア国内の、反帝政行動などによる混乱。<br />立地条件の差は大きいが、ロシアと戦ったトルコと比べれば、興味深いものがある。<br /><br />日露戦争による日本の勝利は、その後の世界史に大きな渦巻きを残すことになった。<br />その際たるものは、しばらく続いていた白人絶対優位社会の転換であり、その流れは第二次大戦後の植民地独立につながると考える。<br />

パリ日記 235 トルコから見る日露戦争（2）

0いいね！

1971/07/01 - 1971/07/01

9846位(同エリア10159件中)

#美術館・博物館

ソフィさん

1961年7月1日続

今トルコの、イスタンブールに来ている。
ホテルに着いた直後、2時間の観光バスに乗り、日露戦争を思い出すことになった。
その話を続ける。

日露戦争の原因を大掴みにすると、二つあるように思う。
その第一は、当時のイギリス、ロシア二大国の、極東における勢力の対決。
もう一つは、日本の眼前にある朝鮮半島の不安定と、その隙を狙う清国次いでロシアの進出、それを防ごうとする日本との衝突である。

ロシアは一部日本の勢力圏であった樺太を奪い、北海道を狙おうとする一方、日本が日清戦争の結果一旦借地権を得た（三国干渉の結果失う）遼東半島に軍事拠点旅順を築き、韓国領内に進出する勢いを見せていた。
次には日本を犯し、太平洋に進出するだろうと考えられていたのだ。
この辺りの詳細については、またの機会にまとめることにして、先を急ぐ。

極東への補給路シベリア鉄道の完成が近づき、日本の危機感は高まる。
そして、座して待つよりと、交戦に入る。

結果はかろうじて日本の勝利に終わったが、大きな要因は、以下の三つと考える。
興隆しつつある日本国民の、高い愛国心。
世界の世論対策も含めた、日本の総合戦略の素晴らしさ。
ロシア国内の、反帝政行動などによる混乱。
立地条件の差は大きいが、ロシアと戦ったトルコと比べれば、興味深いものがある。

日露戦争による日本の勝利は、その後の世界史に大きな渦巻きを残すことになった。
その際たるものは、しばらく続いていた白人絶対優位社会の転換であり、その流れは第二次大戦後の植民地独立につながると考える。