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龍安寺、仁和寺(御室桜のお寺)、福王子神社、をすぎると、山越に出る。山越から小倉山までを嵯峨野と呼ぶ、と言う人がいます。視界が開け、広沢池が目の前に広がる。私のいちばん好きな景色。おとなしい遍照寺山の姿とその前に広がる静かな沼。遠くに一軒の家。何百年もの間つづいている日本の景色。こころのふるさと。落ち着く。なごむ。

嵯峨野: Nostalgic Japan

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2005/10/02 - 2005/10/02

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nomonomo

nomonomoさん

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龍安寺、仁和寺(御室桜のお寺)、福王子神社、をすぎると、山越に出る。山越から小倉山までを嵯峨野と呼ぶ、と言う人がいます。視界が開け、広沢池が目の前に広がる。私のいちばん好きな景色。おとなしい遍照寺山の姿とその前に広がる静かな沼。遠くに一軒の家。何百年もの間つづいている日本の景色。こころのふるさと。落ち着く。なごむ。

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  • 芭蕉の「名月や 池を巡りて 夜もすがら」はこの池で詠まれたとのこと。<br />うなづける。

    芭蕉の「名月や 池を巡りて 夜もすがら」はこの池で詠まれたとのこと。
    うなづける。

    広沢池 自然・景勝地

  • 広沢池をすぎた田園地帯をあるくと、子供時代の田舎を思い出す。昭和30年代の田んぼはこんな風だった。案山子がちらほら。あぜ道に彼岸花が咲く。樹木のかげには朝顔も。

    広沢池をすぎた田園地帯をあるくと、子供時代の田舎を思い出す。昭和30年代の田んぼはこんな風だった。案山子がちらほら。あぜ道に彼岸花が咲く。樹木のかげには朝顔も。

  • このあたりに、「千代の道」があった。しかし、実際は、歌(虚構)が先行し、後世の人がむりやり現実の道に同定しようとしたものという。<br />藤原定家は「嵯峨の山 千代の古道跡とめて 又露わくる望月の駒」と詠った。道の同定に馬を用いた。これは、「名馬は道を知っている」、との故事によるという。

    このあたりに、「千代の道」があった。しかし、実際は、歌(虚構)が先行し、後世の人がむりやり現実の道に同定しようとしたものという。
    藤原定家は「嵯峨の山 千代の古道跡とめて 又露わくる望月の駒」と詠った。道の同定に馬を用いた。これは、「名馬は道を知っている」、との故事によるという。

  • 枕草子にも「野は嵯峨野さらなり」と書かれている。清少納言になった気分で散策。このあたりは、平安貴族の別荘地帯でもあった。

    枕草子にも「野は嵯峨野さらなり」と書かれている。清少納言になった気分で散策。このあたりは、平安貴族の別荘地帯でもあった。

  • 北嵯峨高校のわきを有栖川が小川となって流れている。田園地帯をすこし上ると、大沢池。<br />ここの風景も良い。

    北嵯峨高校のわきを有栖川が小川となって流れている。田園地帯をすこし上ると、大沢池。
    ここの風景も良い。

    大覚寺 寺・神社・教会

  • 奥の大沢池庭園に、「名古曽の滝」の跡がある。小倉百人一首に入っている歌、「滝の音は 絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ」(藤原公任)のご当地である。

    奥の大沢池庭園に、「名古曽の滝」の跡がある。小倉百人一首に入っている歌、「滝の音は 絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ」(藤原公任)のご当地である。

  • 大覚寺はその廊下が好きだ。足の裏で床板の感触を味わいながら歩く。嵯峨天皇になった気分。五大堂の濡れ縁からみる大沢池と遠くに見える広沢池を昔のひとは、中国の洞庭湖に模したという。<br /> さらに山のほうにいくと駆け込み寺の直指庵があり、その前の細谷川は吉田光由が菖蒲谷池からトンネルを掘って水を引いたという。

    大覚寺はその廊下が好きだ。足の裏で床板の感触を味わいながら歩く。嵯峨天皇になった気分。五大堂の濡れ縁からみる大沢池と遠くに見える広沢池を昔のひとは、中国の洞庭湖に模したという。
    さらに山のほうにいくと駆け込み寺の直指庵があり、その前の細谷川は吉田光由が菖蒲谷池からトンネルを掘って水を引いたという。

    大覚寺 寺・神社・教会

  • 大覚寺から清涼寺を過ぎ、さらに西に歩くと、鳥居本。「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。細い街道に沿って、茅葺屋根の家が続く。きれいなみやげ物屋が多く、古い家屋というより、明るい手のよく入った門前街の印象を受ける。この道(愛宕街道)を北に登って行くと、清滝に出る。

    大覚寺から清涼寺を過ぎ、さらに西に歩くと、鳥居本。「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。細い街道に沿って、茅葺屋根の家が続く。きれいなみやげ物屋が多く、古い家屋というより、明るい手のよく入った門前街の印象を受ける。この道(愛宕街道)を北に登って行くと、清滝に出る。

    嵯峨鳥居本 名所・史跡

  • 鳥辺山の煙(火葬)、化野の露(風葬)と言われたようで、ここは葬送の地であったという。鳥居形の送り火の行事が残っている。

    鳥辺山の煙(火葬)、化野の露(風葬)と言われたようで、ここは葬送の地であったという。鳥居形の送り火の行事が残っている。

  • 化野念仏寺は弘法大師や法然上人に由緒があるお寺。明治時代に化野に散在していた無縁仏約八千体を集め、供養するようになったという。<br />鳥居本の町並みが切れる平野屋でユーターン。南へ戻り、嵐山へ向う。<br />

    化野念仏寺は弘法大師や法然上人に由緒があるお寺。明治時代に化野に散在していた無縁仏約八千体を集め、供養するようになったという。
    鳥居本の町並みが切れる平野屋でユーターン。南へ戻り、嵐山へ向う。

  • じきに落柿舎。向井去来の棲家で、芭蕉が元禄四年(1691)に十七日間滞在して「嵯峨日記」を書いたところという。

    じきに落柿舎。向井去来の棲家で、芭蕉が元禄四年(1691)に十七日間滞在して「嵯峨日記」を書いたところという。

    落柿舎 名所・史跡

  • 小倉山をすぎるとトロッコ嵐山の駅。線路を越えるとそこは竹林。右に大河内山荘。ここの竹林も良い。大河内伝次郎がこの山荘を買ったとき、この竹林の参道も「込み」だったのだろうか。得をした。

    小倉山をすぎるとトロッコ嵐山の駅。線路を越えるとそこは竹林。右に大河内山荘。ここの竹林も良い。大河内伝次郎がこの山荘を買ったとき、この竹林の参道も「込み」だったのだろうか。得をした。

    大河内山荘庭園 名所・史跡

  • 竹林は、この下の、野宮神社の前も良い。

    竹林は、この下の、野宮神社の前も良い。

    嵐山 竹林の小径 自然・景勝地

  • ついで、嵐山公園をのぼる。展望台から、はるか下の保津峡を見下ろす。時間が合えばトロッコ汽車が見える。この川は保津川、大堰川、桂川、淀川と名前を変える。出世魚を思い出す。

    ついで、嵐山公園をのぼる。展望台から、はるか下の保津峡を見下ろす。時間が合えばトロッコ汽車が見える。この川は保津川、大堰川、桂川、淀川と名前を変える。出世魚を思い出す。

    嵐山公園 公園・植物園

  • 嵐山公園を下りると、川べりに出る。南に下ると小督の塚。高校時代、平家物語を読んで小督の悲話にこころを打たれた。修学旅行で京都に来たとき、夕方の自由時間にわざわざタクシーを駆ってこの塚を見にきた。記憶では、当時の塚はもっと塚らしかった。でもあまりの小ささに涙が出た。今の塚は藪に埋もれている。悲しさが増す。芭蕉も「うきふしや 竹の子となる 人のはて」と詠んだ。

    嵐山公園を下りると、川べりに出る。南に下ると小督の塚。高校時代、平家物語を読んで小督の悲話にこころを打たれた。修学旅行で京都に来たとき、夕方の自由時間にわざわざタクシーを駆ってこの塚を見にきた。記憶では、当時の塚はもっと塚らしかった。でもあまりの小ささに涙が出た。今の塚は藪に埋もれている。悲しさが増す。芭蕉も「うきふしや 竹の子となる 人のはて」と詠んだ。

    小督塚 名所・史跡

  • 祇王や小督の悲しみを知ってか知らずか、渡月橋の周辺は喧騒そのもの。早々に退散。東に向かう。

    祇王や小督の悲しみを知ってか知らずか、渡月橋の周辺は喧騒そのもの。早々に退散。東に向かう。

    渡月橋 名所・史跡

  • 鹿王院(参道が美しい)、車折神社(芸能人の祈願所。なかなか世俗的で面白い)をすぎ、有栖川を渡り、広隆寺へ。<br />広隆寺は国宝第一号の弥勒菩薩があまりに有名ですが、お庭も雰囲気があってとてもよいところです。隣に東映太秦映画村があるのが新旧の奇妙なコントラスト。<br />妙心寺をすぎて、進々堂でコーヒーを飲んで帰る。<br />

    鹿王院(参道が美しい)、車折神社(芸能人の祈願所。なかなか世俗的で面白い)をすぎ、有栖川を渡り、広隆寺へ。
    広隆寺は国宝第一号の弥勒菩薩があまりに有名ですが、お庭も雰囲気があってとてもよいところです。隣に東映太秦映画村があるのが新旧の奇妙なコントラスト。
    妙心寺をすぎて、進々堂でコーヒーを飲んで帰る。

    鹿王院 寺・神社・教会

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