2015/05/04 - 2015/05/09
79位(同エリア396件中)
紅い翼さん
江戸時代から弁柄(ベンガラ)の生産で栄えた「吹屋」への旅も後半戦へ。
ここからは、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている吹屋の町並みに加え、明治時代に建てられた木造校舎や閉山となった銅山の坑道、そして山腹に石垣を積み上げたお城のようなお屋敷など、広範囲に残されている「吹屋ふるさと村」のスポットを順番に巡ってゆきます☆
ここ「吹屋」はアクセス面がけっこう難儀なので、行きたいな~と思いつつこれまでなかなか実行できなかったのですが、今回思い切って訪れてみて、ベンガラによってもたらされた往時の繁栄ぶりを示す遺産たちが、ひっそりとですが今も確実にこの山間の地に根付いていることがよ~く分かりました。
正直、ここまでのものが残されているとは………今回ばかりは(いい意味で)完全に期待を裏切られましたねぇ。。。
【 旅の行程 】
・吹屋小学校 ~ 吹屋・重伝建地区の町並み ~ ベンガラ館 ~ 笹畝坑道 ~ 広兼邸
【 2015・GWぶら~り周遊記・岡山縦断編 】
・旅行記その1 ~ベンガラが語りかける繁栄の記憶 吹屋・重要伝統的建造物群保存地区を
歩く①~
(岡山県高梁市): http://4travel.jp/travelogue/11073666
・旅行記その2 ~ベンガラが語りかける繁栄の記憶 吹屋・重要伝統的建造物群保存地区を
歩く②~
(岡山県高梁市): ≪この旅行記≫
・旅行記その3 ~今も天守が残る日本一高い山城・備中松山城登城記~
(岡山県高梁市): http://4travel.jp/travelogue/11088259
・旅行記その4 ~旅のフィナーレに、夕闇に包み込まれた幻想的な倉敷美観地区を歩く~
(岡山県倉敷市): http://4travel.jp/travelogue/11089459
【 2015・GWぶら~り周遊記・姫路編 】
・旅行記その1 ~新緑薫る“西の比叡山” 書写山圓教寺をゆく~
(兵庫県姫路市): http://4travel.jp/travelogue/11015611
・旅行記その2 ~威風堂々と聳える白鷺の天守閣・姫路城登城記~
(兵庫県姫路市): http://4travel.jp/travelogue/11033814
【 2015・GWぶら~り周遊記・鳥取横断編 】
・旅行記その1 ~時が止まった宿場町 因幡街道・智頭宿を歩く~
(鳥取県智頭町): http://4travel.jp/travelogue/11036326
・旅行記その2 ~日本一の“スナバ”鳥取砂丘 & 瀟洒な白亜の洋館・仁風閣へ~
(鳥取県鳥取市): http://4travel.jp/travelogue/11037617
・旅行記その3 ~因幡国の歴史の断片を追って・・・鳥取城跡登城記 & 古の万葉の故郷へ~
(鳥取県鳥取市): http://4travel.jp/travelogue/11041734
・旅行記その4 ~(ちょっと慌ただしく)三徳山三佛寺拝観 → 開湯850年の三朝温泉そぞろ歩き → 重伝建地区・倉吉白壁土蔵群巡り~
(鳥取県三朝町・倉吉市): http://4travel.jp/travelogue/11058283
・旅行記その5 ~霊峰・大山の内懐へと入り込み、修験道の聖地に残る社寺を巡る~
(鳥取県大山町): http://4travel.jp/travelogue/11070751
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通
- 2.0
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
≪(ひとつ前の旅行記で)鳥取県の米子から岡山県へと入り、江戸時代中期からベンガラの生産で隆盛を極めた“吹屋”へ。最初に訪れたのが、幕府天領の大庄屋としての豪奢な邸宅の姿を今に残す「西江邸」。≫
この旅行記はコチラ:http://4travel.jp/travelogue/11073666西江邸 名所・史跡
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≪さらに、重要伝統的建造物群保存地区に指定されている“吹屋”の町並みをてくてくと散策♪≫
【 これまでに訪れた重要伝統的建造物群保存地区(中国地方)】
・大森銀山(島根県大田市/鉱山町)
http://4travel.jp/travelogue/10568382
・豊町御手洗(広島県呉市/港町)
http://4travel.jp/travelogue/10747297旧片山家住宅 美術館・博物館
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ではでは、ここ「吹屋」中心部の町歩きを再開!
ちなみに今いるのは、地図の中央の「国指定重要伝統的建造物群保存地区記念碑」と示されているあたり。
ちなみに「吹屋ふるさと村」って、重伝建地区を含む広範囲に点在するスポットの総称のようですね。
(4traの口コミガイドが紛らわしい?) -
ここからいったん重伝建地区の町並みを外れ、しばらく歩いてゆくと………。
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〔 吹屋小学校 〕
ものの数分で、視界の先に堂々たる木造の建物が見えてきました♪旧吹屋小学校 名所・史跡
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建物の正面まで行ってみると、石段の脇の石碑に「吹屋小学校」との文字が。
とはいうものの、既に数年前に廃校となってしまったそうで、あたりに子供たちの声は無くただ静まり返っているのみ。。。 -
校舎に近づいてみると、2階建ての堂々たる造り☆
1909年に竣工したというから、もうすで100年以上経た木造の建物のはずなんですけど、今でもしっかりと保存されているなんて、なかなかできないことですよね。 -
(吹屋小学校の風景①)
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(吹屋小学校の風景②)
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(吹屋小学校の風景③)
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イチオシ
建物の中に入ることはできませんので、外観のみの見学となりますが、昔懐かしい木造校舎の光景の中に、こんな立派な校舎を建てることができた往時の吹屋の繁栄ぶりが偲ばれます。
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で、もう一度吹屋の町並みの中心へと戻りましょう。。。
-
やっぱり屋根は赤褐色の石州瓦。
こういうところから町にこだわりというか統一感が出てますね。 -
〔 吹屋・重伝建地区の町並み 〕
誇らしげに建つ“重伝建地区”の碑。
1976年にこの制度が始まり、その翌年の1977年に指定された“老舗”ですからっ。 -
イチオシ
絶好の五月晴れですし、ではでは(最初来た駐車場に向かって)またこの吹屋の昔ながらの町並みを歩いていきますか〜。
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(吹屋・重要伝統的建造物群保存地区の風景①)
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(吹屋・重要伝統的建造物群保存地区の風景②)
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(吹屋・重要伝統的建造物群保存地区の風景③)
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少しズーム気味でも1枚パチリ♪
こんな山間に整然と建ち並ぶ商家群が、往時の繁栄ぶりの記憶を留めてます。
う〜〜〜んいいですねぇ、こうやって静かに散策できるのも。
最近の重伝建地区はけっこう観光化してるとこもあって、落ち着かないんだよなぁ。 -
(吹屋・重要伝統的建造物群保存地区の風景④)
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お蕎麦屋さんもまた渋い………。
(↑ま、もともとジャンルとしてそういう系ですけど)
あ〜〜〜、入りたいけど今日も日程が強行軍なんだよな。。。
また食事はクルマの中でカロリーメイトか? -
………後ろ髪を引かれる思いでお蕎麦屋さんの角を曲がり、もう少しだけ先へ。
このあたりは道幅もさっきよりも狭く、ちょっとまた別の雰囲気があります。 -
イチオシ
(吹屋・重要伝統的建造物群保存地区の風景⑤)
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そして、この地の守り神である「本山山神社」の鳥居から境内へ。
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石段の先には思ってたより小さ目な社殿が。
ただやはり、屋根は朱色ですね(笑) -
(吹屋・重要伝統的建造物群保存地区の風景⑥)
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このあたりで、“吹屋・重要伝統的建造物群保存地区”の散策も終わりに。
標高約500メートルの山間に、忽然と現れる赤褐色の石州瓦や薄赤色の外壁に覆われた独特の町並み。
前々からウワサでは聞いていましたが、これほど統一感のある光景は、これまで訪れた重伝建地区の中でも最高レベルかと。
アクセスがなかなか大変ですけど、“古い町並みフェチ”ならば絶対満足するはずです♪ -
〔 ベンガラ館 〕
重伝建地区を離れ、次に訪れたのがこちらの「ベンガラ館」。
明治時代の弁柄工場を当時の姿に復元したもので、「旧片山邸」に寄った時に購入した“吹屋ふるさと村周遊券”で入ることができます。ベンガラ館 美術館・博物館
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中に入ると、ベンガラで塗装された建物がいくつか並んでいるので、順番に廻っていきます。
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(ベンガラ館の風景①)
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建物の中には、当時の製造工程を実物とともにパネルや音声で解説しています。
こういう“お勉強系”のスポットは、写真で紹介するよりも実際に見てみないと分からんので、ここではサクッとお示しする程度に。 -
(ベンガラ館の風景②)
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〔 笹畝坑道 〕
「ベンガラ館」の次に訪れたのが、車で数分のところにある「笹畝(ささうね)坑道」です。
既に廃鉱となった銅山の坑道を活用した観光用坑道で、こちらも例の“周遊券”で入ることができます。吹屋銅山笹畝坑道 美術館・博物館
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吹屋銅山は807年に発見されたと伝えられるほど歴史は古く、江戸時代には天領として採掘が行われ、明治時代以降は三菱の経営により日本三大銅山の1つとして吹屋の繁栄の基礎となりましたが、1972年に閉山となったそうです。
受付でヘルメットを装着し、いざ坑道内へGO!
入口上の小さな社が、なにげに鉱山で働く労苦を思い起こさせます……。 -
坑道内は足元はしっかり固められているものの、周囲は(コンクリートではなく)昔ながらの木組みなんかが残っていて、あまり手を加えていないのが逆に雰囲気が出てていいですね☆
あと、やっぱり涼しいというか少しひんやりとするくらいの気温。。。 -
(笹畝坑道の風景①)
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しばらく細い坑道を進んでゆくと、少し広めの空間になっている採掘現場へ。
………あ、あそこに誰かいる!!! -
ちょんまげを結っているところをみると、江戸時代から来た方のようでした(苦笑)
当時は坑道を掘るのも運ぶのも人力ですから、大変な重労働だったことでしょう。 -
(笹畝坑道の風景②)
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イチオシ
そして、ここから順路は斜め上へと続いていきます。
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(笹畝坑道の風景③)
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上坑道をしばらく進んでゆくと、ついにダンジョンクリアー。
一瞬ドラ○エ気分も味わえます(笑)
実は観光用に開放しているのは約320メートルのみだそうですけど、坑道の中は暗く細いのでついつい慎重な足取りになってしまうため、もっと長い距離を歩いた気分になりますな。 -
(笹畝坑道の風景④)
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最後に、坑道出口の少し上にある“露頭”と呼ばれる地表に露出した鉱石を見たところで、この坑道探索も終わりに。
ちなみにここ出口が坑道入口の真上にあたるので、中でけっこう上ってきたことになります。
今回歩いたのは吹屋銅山のほ〜〜〜んのさわりだけで、本当はもっともっと地の底深くまで坑道が続いているそうで、長い年月をかけて吹屋の富を蓄積してきた大元に接することができました♪ -
イチオシ
〔 広兼邸 〕
吹屋への旅で最後に訪れたスポットが、映画『八つ墓村』のロケ地になったことでも有名な「広兼邸」です。
駐車場に車を止めて見上げてみると、お城のように高く積み上げられた石垣の上に並ぶ邸宅群………これ本当に一民間の家ですか???広兼邸 名所・史跡
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こちらの「広兼邸」も、江戸時代に銅山経営とローハ(弁柄の原料)の製造で財を成した庄屋・広兼家が1810年に建てたお屋敷だそうで、あの石垣の外観のインパクトは、(ひとつ前の旅行記で訪れた)「西江邸」以上ですね!
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(広兼邸の風景①)
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(広兼邸の風景②)
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回り込むように延びる坂道を歩き、この“楼門”から邸宅の中へ。
てか、こんな重厚な門があるなんて………ベンガラの富恐るべし。。。 -
門をくぐると、正面の2階建ての本宅を中心に、離れ屋敷や土蔵が整然と建てられています(ちなみにここから有料)。
まずはお庭の方から観ていくことに♪ -
(広兼邸の風景③)
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(広兼邸の風景④)
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(広兼邸の風景⑤)
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(広兼邸の風景⑥)
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庭を囲むように、“客間”や“主人の居間”、そして手前に見える“離れ屋敷”が配され、さらにその奥にベンガラで塗られた“土蔵”が建ち並んでいます。
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また、“離れ屋敷”の内部はこんな感じ。
建物の中には入れませんが、こうやって外から見学できるようになっていました。 -
イチオシ
建物が山腹にあるため、(豪邸ですけど)横長で無駄なくコンパクトな配置になっている印象。
ちなみに、左手の石州瓦の塀の下は、例の石垣が積み上がっています。 -
その塀の向こうに視界を広げると、こ〜〜〜んな景色が☆
まさに山の中に忽然と現れた大邸宅って雰囲気。 -
そして、お庭の反対側へも。
“本宅”の土間には入れるみたいなので。 -
(広兼邸の風景⑦)
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(広兼邸の風景⑧)
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あ、あの“楼門”の中には入れるようになっていて、昔は“不寝番部屋”になっていたんだとか………いつの時代も下っ端は大変だ(苦笑)
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(広兼邸の風景⑨)
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イチオシ
ではでは、このあたりで「広兼邸」を辞すことにしましょうか。
このスポットに訪れると、まず偉観としか言えないこの外観に圧倒されますよね〜。
あれ、ここって民間の住宅じゃなかったっけかなと(笑)
同じ「吹屋ふるさと村」にある「旧片山邸」のように、建物の内部に入ることはできませんが、外から眺めるだけでも、過去この地をベンガラがもたらす富が凄さを想像することができました☆ -
(広兼邸の風景⑩)
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ということで、旅行記2冊にわたったここ「吹屋」観光も、これで無事おしまいに。
(元々分けるつもりは無かったのですが、何だかんだてた1冊だと大部になってしまうので…。)
今回、「吹屋ふるさと村」として指定されているスポットをひと通り巡ってきましたが、その昔ベンガラによって富栄えた遺産が、ひっそりですが今も確実にこの地に根付いていることがよ〜く分かりました。
公共交通機関ではなかなかアクセスが大変ですけど、こんなお天気のいい日にドライブがてらぶらりと訪れてみるのもいいでしょう。
ま、重伝建地区好きなワタシ的には“ついに念願がかなったー”って感じですが(笑)
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