回顧録　2014年9月　九州出張ついでの周遊(1)　国東半島と杵築

2014/09/14 - 2014/09/14

過去の旅行を思い出しつつ整理，作成した回顧録兼備忘録．
作成中に再発見もあり，再訪のきっかけになるやも．

2014年9月九州出張の際の前後の休日を使った文化財巡り．
未訪の大分県では国宝を有する富貴寺・宇佐神宮や別府，湯布院の温泉街などを回った．
隣接福岡県では出張先の北九州門司港地区や福岡市街の文化財を中心に散策．
初日の9月14日は羽田より大分空港へ飛び，レンタカーで国東半島へ．

エリア 大分

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: レンタカー ANAグループ 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

羽田空港．右側の窓側席だった．
離陸後，上空よりＤ滑走路．
気づかなかったが奥にはゲートブリッジも写ってた．

羽田空港(東京国際空港) 空港

川崎人工島．
川崎市川崎区浮島町沖の直径200mの円形の人工島．
東京湾アクアラインの建設および換気用に造成された．

湾岸線横浜の鶴見つばさ橋．
1994年開通，三径間連続鋼斜張橋，橋長1,020m，中央径間長510m．

鶴見つばさ橋 名所・史跡

大黒埠頭．

大黒埠頭 名所・史跡

河口湖付近．
左側座席なら富士山が見えたようだ．
席が埋まっているわけだ．

河口湖 自然・景勝地

本栖湖．

本栖湖 自然・景勝地

甲府盆地．
左下のほうに富士川が．

飯田市付近．
南アルプスと中央アルプスの狭間．

犬山城が確認できた．

国宝犬山城 名所・史跡

濃尾平野北部．
揖斐川・長良川・木曽川．

琵琶湖北部．
彦根城も確認．

姫路城．
この時は天守の覆いが取れたばかりくらいだったか．
2015年年末訪問．

姫路城 (姫路公園) 名所・史跡

岡山市上空．
右側の川が旭川で，蛇行している箇所が岡山城と後楽園．

呉上空．左に江田島，奥に広島湾．
この年の夏の土石流災害箇所も肉眼で確認できた．
山の緑を爪で掻いたように地肌が露になっていた．
遠めでも壮絶さが伝わった．

江田島 自然・景勝地

江田島上空．
2011年年末に行った江田島の旧海軍兵学校も確認できた．

海上自衛隊第1術科学校(旧海軍兵学校) 名所・史跡

岩国市錦帯橋上空．
真ん中の山頂に岩国城．

この後着陸態勢．

錦帯橋 名所・史跡

大分空港よりレンタカーで北へ17kmほど，国東市国東町横手の泉福寺に．
1375年大友氏の一族の田原氏により創建，大友宗麟により焼き討ちにあったが，中津藩主細川忠興により再興された．曹洞宗寺院．
境内拝観自由．門前駐車場あり．

泉福寺山門(仁王門)．
1733年建造，三間一戸二重門，入母屋造，桟瓦葺，大分県指定文化財．

泉福寺山門安置仁王像(阿形像)．

泉福寺山門安置仁王像(吽形像)．

泉福寺仏殿．仁王門の先正面に建つ．
1524年建造，木造一重，入母屋造，茅葺，国重要文化財．
戦国の戦禍から逃れたようだ．

泉福寺本堂．仏殿奥一段高い箇所に建つ．

泉福寺開山堂．仏殿右手奥に建つ．
写真右の覆屋の中に開山堂はある．
開祖無著禅師の墓の覆屋と礼堂を兼ねて造られた
1636年建造，木造一重，切妻造妻入，杮葺，国重要文化財．
左の建物は昭堂

国東半島の風景．
山中では切り立った崖が多く見られる．
群馬の妙義山付近の感じに似ているように思われる．

泉福寺から西へ20km，峠を越え豊後高田市田染蕗の富貴寺に．
718年創建と伝わる天台宗寺院．本尊は阿弥陀如来．
拝観時間8:30〜16:30，拝観料\200，駐車場あり．

富貴寺(大分県豊後高田市) 寺・神社・教会

富貴寺門前にある石殿．
ちゃんと入母屋造になっている．
大分県指定文化財．

富貴寺(大分県豊後高田市) 寺・神社・教会

富貴寺山門．
木造四脚門，入母屋造，桟瓦葺．
両袖に石造仁王像が安置されている．

富貴寺(大分県豊後高田市) 寺・神社・教会

富貴寺大堂．
平安後期の建造，木造一重，宝形造，行基葺，国宝．
行基葺は本瓦葺の一種で丸瓦の下部分が広がっている．
本尊の木造阿弥陀如来坐像(重文)を安置する．
参拝当時は某ビール会社のＣＭでイケメンミュージシャンと一緒に出てきていた．

富貴寺(大分県豊後高田市) 寺・神社・教会

富貴寺大堂．
軒下縁側の様子．

富貴寺(大分県豊後高田市) 寺・神社・教会

富貴寺国東塔．
この界隈にはこういった石製の工作物が多く残っている．

富貴寺(大分県豊後高田市) 寺・神社・教会

富貴寺から南へ約5km，豊後高田市田染真木の真木大堂．
8世紀初頭に創建された七堂伽藍を有した大寺院馬城山伝乗寺の堂宇のひとつとされる．寺の衰退とともに仏像が真木大堂に集められたようだ．
堂内に安置する9躯の仏像が国重要文化財に指定されている．
中でも水牛にまたがる大威徳明王像が印象的だった．
奥の宝物館的な建物に安置されている．

真木大堂 寺・神社・教会

真木大堂本堂．
かつて多くの仏像を安置していた堂宇．
仏像拝観時間8:30〜17:30(夏季)，拝観料\200，駐車場あり．

真木大堂 寺・神社・教会

真木大堂から南へ3kmほど移動．豊後高田市田染平野の熊野磨崖仏に到着．
この急峻な石段を昇ると途中左側に巨大な磨崖仏が現れる．
拝観時間8:00〜17:00(夏季)，拝観料\200，駐車場あり．

熊野磨崖仏 寺・神社・教会

熊野磨崖仏不動明王像．
息を切らして石段を昇ると現れる．
高さ約8メートル．軟らかい岩壁に刻まれているため風化が進行している．
国重要文化財．

熊野磨崖仏 寺・神社・教会

熊野磨崖仏伝大日如来像．
通常の大日如来とは頭部の造形がことなるそうだ．
国重要文化財．

熊野磨崖仏 寺・神社・教会

熊野磨崖仏から南へ11kmほど，国道10号を走行中に見えた石橋．
日出町藤原にある赤松橋．
1897(M30)年建造，旧国道10号線の八坂川に架かる．
石造アーチ橋(石拱橋)，幅員5.9m，橋長47m，高さ3.7m，径間18.5m(2連)．

赤松橋から東へ5kmほど走り重光邸．杵築市本庄893-1.
昭和の動乱期に外相を幾度に渡り務めた重光葵が少年期を過ごした杵築の屋
敷．

重光家 名所・史跡

続いて杵築城下に入る．
杵築城は室町〜戦国期の木付氏の居城．
八坂川の河口にある台山の上に築かれている．南北を川，東を海に囲まれた天然の要害．

杵築城 名所・史跡

杵築城天守．
1608年に落雷焼失後再建されなかった天守．現在は鉄筋コンクリート造の模擬天守が建つ．
藩政期は杵築藩の藩庁が置かれたが，山の上にあるここは使われなかった模様．
内部は歴史資料館になっている．9:00〜16:30，入城料\300，無休．
共通観覧券対象施設(7箇所で\800)．

杵築城 名所・史跡

杵築城からの眺め．
北東側かと思われる．
手前は近年の埋立地だろう．

杵築城 名所・史跡

続いて城下町へ移動．
杵築城から北台武家屋敷を結ぶ坂，勘定場の坂．
藩政期に収税や金銭出納の役所があったことから呼ばれる．
城へ出入りする家老達を運ぶ馬や駕籠担ぎのことを考えて作られているらしい．

勘定場の坂 名所・史跡

北台武家屋敷の最も城寄り，勘定場の坂上に建つのは磯矢邸．
藩主の休息所として使われた．
開館時間9:00〜16:30，入館料\200，無休．
共通観覧券対象施設．

磯矢邸 名所・史跡

磯矢邸客間の座敷．

磯矢邸 名所・史跡

藩校の門．藩校学習館の藩主御成門．
1788年建造，切妻造，本瓦葺．
現在でも小学校の門として子供達を迎える．

磯矢邸から西へ2軒目が能見邸．
幕末建造の推測される格式高い家柄の屋敷．
邸内見学自由(9:00〜16:30)，年末年始休み．

能見邸 名所・史跡

大原邸長屋門．能見邸西隣．
杵築藩の家老職を務めた大原家の屋敷．
開館時間9:00〜16:30，入館料\200，無休．
共通観覧券対象施設．

大原邸 名所・史跡

大原邸玄関．
見事な入母屋造の玄関部．
前には蘇鉄が植わる．

大原邸 名所・史跡

大原邸の屋根裏の様子．
近年改修されたのか綺麗だった．

大原邸 名所・史跡

大原邸内部の様子．
赤い壁の部屋．

大原邸 名所・史跡

大原邸．
木造平屋建，寄棟造，玄関部入母屋造，茅葺．
質素堅実と格式高さが共存する屋敷だ．
回遊式庭園もある．

大原邸 名所・史跡

酢屋の坂．北台の武家屋敷と商人の町をつなぐ土塀と石垣が印象的な坂．
坂上が大原邸．
写真は坂上より．

酢屋の坂 名所・史跡

酢屋の坂．坂下より．
名前の由来は酒屋が坂下で始めた酢の販売店より．

酢屋の坂 名所・史跡

酢屋の坂下の建物．
煉瓦造の煙突が目に止まる．

酢屋の坂下の建物．幕末の建造で杵築市指定有形文化財．
現在は酢屋ではなく，1900(M33)年創業の味噌醸造元綾部味噌が入る．

志保屋の坂．酢屋の坂のトイメンの坂．
酢屋を開いた塩屋(酒屋)が坂下にあったのが名前の由来．
また酢屋の坂と商人町である谷町を挟み込む形から日本唯一のサンドイッチ型
城下町の名が生まれている．
写真は酢屋の坂上より撮影．

志保屋の坂 名所・史跡

志保屋の坂．坂上より．

志保屋の坂 名所・史跡

志保屋の坂を上ると南台武家屋敷群．
坂上にあるのが中根邸．
杵築藩家老中根氏の隠居宅．
邸内見学自由(9:00〜16:30)．

中根邸 名所・史跡

中根邸に隣接する城下町杵築を紹介するきつき城下資料館．
サンドイッチ型の城下町が一目でわかる模型，木付が杵築になった要因の徳川幕府の朱印状などを展示．
入口には杵築天神祭りの山車も展示(写真)．
開館時間9:00〜16:30，入館料\200，月曜及び年末年始休み．
共通観覧券対象施設．

南台を東の端まで行くと見晴らしのいい場所に邸宅が．
戦前戦後に検事･代議士･大臣を務めた杵築名誉市民一松定吉の邸宅である．
杵築市に寄贈され，南台の一番高い場所に移築されたもの．
守江湾，杵築城を望む．
屋敷の造りは豪華さと合理性を併せ持つ．
開館時間9:00〜16:30，入館料\100，年末年始休み．
共通観覧券対象施設．

一松邸(きつき城下町資料館内) 名所・史跡

一松邸の内部．
一本ものの梁．

一松邸(きつき城下町資料館内) 名所・史跡

一松邸の内部．
大きな硝子．屋内からでも見晴らしが良い．

一松邸(きつき城下町資料館内) 名所・史跡

一松邸玄関前からの風景．
八坂川の河口部．左の丘の上が杵築城．

一松邸(きつき城下町資料館内) 名所・史跡

南台を西へ進む．南台本丁界隈．
電柱電線がないのがよい．

路地を曲がる．
石垣作りの垣根．

この後北台に戻り杵築を離れる．

杵築から別府へ向かう途中12kmほど走り日出町の旧成清家日出別邸(的山荘)に立ち寄る．
馬上金山の経営で財をなした成清博愛が1915(T4)年日出町に建てた別邸．
現在は日本料理屋として利用され，庭園の見学が可能なようだ．
写真主屋は1915(T4)年建造，木造平屋一部2階建，入母屋造，桟瓦及び鉄板葺，国重要文化財．
他の重文4棟とともに指定への答申直後の訪問だったと思う．

的山荘 公園・植物園

旧成清家日出別邸(的山荘)北離れ．
主屋正面向かって左側に建つ．
1917(T6)年建造，木造2階建，入母屋造，桟瓦及び鉄板葺，北面土塀附属，国重要文化財．

的山荘 公園・植物園

旧成清家日出別邸(的山荘)土蔵．
北離れ北側に建つ．
大正期の建造，土蔵造2階建，切妻造，桟瓦葺，国重要文化財．
ほかに正門と東離れが国重文．

的山荘 公園・植物園

旧成清家日出別邸(的山荘)説明板．正門裏にあった．

この後温泉街別府へ．

的山荘 公園・植物園