～大学生５人でホームステイに参加した1984年夏、卒業旅行の1986年２月以来となるドイツとの再会、旧友の方々との再会、そして今回の旅で最も印象的だったラースとの劇的再会<br /><br />７月20日　　やっぱりドイツは最高だ！　　Liebes Deutschland!<br />　アルベルトにお礼を言ってコペンハーゲンを10時に出発。４時間掛けてドイツのリューベックにやって来る。中世ハンザ同盟の町として有名だ。デンマーク側国境からドイツ側国境の Puttgadenまでは再びトレインフェリーで約１時間。車も一緒に積んでいるのは今日知った。港では例の大風車群を発見、21基までは確認出来た。今回は必ず有るだろう、と思っていたパスポート・チェックは無し。1992年のＥＣ統合を意識してのことだろうか? <br />

１０９日間ユーラシア大陸横断　第４部　再会の巻（ｄａｓ　Ｗｉｅｄｅｒｓｅｈｅｎ）その１　ハンザ都市リューベックと崩壊した「壁」

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1990/07/20 - 1990/07/21

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旅行記グループ 108日間ユーラシア大陸横断（1990）　ソ連、北欧、ドイツ、オーストリア、チェコ、ポーランド、中国

砂布巾さん

～大学生５人でホームステイに参加した1984年夏、卒業旅行の1986年２月以来となるドイツとの再会、旧友の方々との再会、そして今回の旅で最も印象的だったラースとの劇的再会

７月20日　　やっぱりドイツは最高だ！　　Liebes Deutschland!
　アルベルトにお礼を言ってコペンハーゲンを10時に出発。４時間掛けてドイツのリューベックにやって来る。中世ハンザ同盟の町として有名だ。デンマーク側国境からドイツ側国境の Puttgadenまでは再びトレインフェリーで約１時間。車も一緒に積んでいるのは今日知った。港では例の大風車群を発見、21基までは確認出来た。今回は必ず有るだろう、と思っていたパスポート・チェックは無し。1992年のＥＣ統合を意識してのことだろうか?

エリア

リューベック(ドイツ)

$到着して食事、両替（１ドイツ・マルク＝DMは約 \95）を済ませＹＨへ向かう。やはりドイツの人は親切。バスを降りる時に、おじいさんがあっちだからねと教えてくれ、降りてからもおじさんが丁寧に教えてくれた。人の親切さはフィンランド以上だ。しかしそのＹＨは満員、そこで紹介してくれたＹＭＣＡも満員。せっかくリューベックに来たのだからこの際ホテルでも何でもいいや、でも40DMが限界かな、と思ってここアルトシュタット・ホテルに来たら、最後の部屋だと言われたので、50DMだったけど泊まることにした。敵もさるもの。<br /><br />（町のシンボル　ホルステン門　かつてはドイツマルク札にも印刷されていた中央部東独車トラバントにもご注目）$

　到着して食事、両替（１ドイツ・マルク＝DMは約 \95）を済ませＹＨへ向かう。やはりドイツの人は親切。バスを降りる時に、おじいさんがあっちだからねと教えてくれ、降りてからもおじさんが丁寧に教えてくれた。人の親切さはフィンランド以上だ。しかしそのＹＨは満員、そこで紹介してくれたＹＭＣＡも満員。せっかくリューベックに来たのだからこの際ホテルでも何でもいいや、でも40DMが限界かな、と思ってここアルトシュタット・ホテルに来たら、最後の部屋だと言われたので、50DMだったけど泊まることにした。敵もさるもの。

（町のシンボル　ホルステン門　かつてはドイツマルク札にも印刷されていた中央部東独車トラバントにもご注目）
　リューベックは中心部を川に囲まれた町。城壁が一部残っている。巨大な教会、可愛らしい市役所。初めて訪れるのに、どこか懐しい。川沿いのレストランでビールにシュニッツェル（ドイツ風カツレツ）を食べながらドイツに来た幸福感に浸っている小生なのでありました。
７月21日　　ＤＤＲ（東独）不法入国？　Jetzt gibt es keinen Grenze!　　
　真先に昨日泊まれなかったＹＭＣＡに行き今晩のベッドを確保して、午前中は町歩き。市役所広場ではサクランボを買って食べる。デンマークもそうだったけどサクランボが甘くて美味しい。広場近くでは手動オルガンと子猿３匹を連れたおじさんがいて人気を集めていた。見物客がくれたパンを取り合って子猿同志で喧嘩している姿がユーモラス。
　リューベックは両ドイツ最北部の国境地帯。中心から10キロも行けば国境だ。午後からは行ってみる。手前１キロの所までバスで行き、そこから徒歩だ。統一近しと言えども、パスポートチェック位はあるだろうと思っていたけど、検問所に人影らしきものはない。
　約２km歩いてゼルムスドルフという村へ行ってみた。辿り着くまで人家はほとんど無い。途中の池では高校生くらいの男の子が卑猥な本の回し読みをしていた。強固な社会主義体制下では全く手に入らなかったに違いない。村は小さくて何もなかったので、すぐに引き返す。
　帰り際には検問所に国境警備隊のおじさんがいたので、たどたどしいドイツ語で‘ＤＤＲに泊まりたければビザを取らなければならないのか？’と呼び止められもしないのに引き返して尋ねたのが運の尽き。‘日本人はビザを取得しなければならない’と言われ、15DMの大金を払わされるハメとなった。これぞ正直者はバカを見るの典型例。国境でのチェックもせず、正直に申告した者から15DMも徴収するＤＤＲもセコイと思いませんか。でも国境の係官の物腰は極めて穏やか。1984年に１日ツアーのバスで西ベルリンへ行った際に、まるで機械のような冷たい目で我々日本人でさえ写真に穴が開くのではないかと思える位パスポートと実物とを見比べられた頃とは、正に隔世の感があります。
　係官に‘国境を歩いても良いのか’と尋ねると‘構わない’と言うので、国境の地雷原の跡地を歩いてみた。中は破壊されていたが、監視塔にも登ることが出来た。意外なことに無人地帯である筈の壁の近くにも人家があり、手を振ったら応えてくれた。特に国境近くに住んでいる人は、ちょっとした外出の際にも随分面倒な手続きが必要だったそうだから、大変だったに違いない。
「ヨーロッパピクニック計画〜ベルリンの壁はこうして崩壊した」
　　　http://4travel.jp/travelogue/10216243
　ＢＲＤの再入国は壁の切れ目から。犬を連れたおじさんに‘国境はどこですか？’と尋ねたら、‘その白い棒のところだよ、但し去年の11月までだがネ’。人々の意識の中では既にドイツは統一されているのだ！
　ＹＨの人がトラヴェミュンデ Traveｍuende がきれいだよ、と教えてくれていたので夕方行ってみた。ここは海辺のリゾート地。向こうの海岸には監視塔跡も見える。砂浜に数百はあった日光浴用のカゴ？が壮観だった。夕食は屋台で酢豚ライス、炒めたジャガイモとピザ。ジャガイモがとても美味しかった。
＊旧東西ドイツ最北部の国境地帯。昔磯村さんのＮＨＫ特集で見た記憶がある。遥か遠くには監視塔も見える。
＊東西ドイツ国境地帯のモデル図。AERA1989年10月24日号。