2010/04 - 2010/04
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ドクターキムルさん
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高野の切通を下りると大船一の地主であり、大船村の名主であった甘糟家が見えてくる。母屋の前には寄棟造瓦葺きの長屋門があり、保永5年(1708年)築と言われ、昭和60年(1985年)に改築されたものである。木造平屋建の母屋の屋根は高く、寄棟造であることから、萱葺き屋根に銅版を被せたものであろう。そうであるとすれば、長屋門に萱葺き屋根の母屋はありだったことになる。
通りに出ると直ぐが常楽寺である。近くの熊野神社も「お砂踏み」の多聞院も甘糟家を抜きには語れない。甘糟家は室町時代には上杉氏に仕え、熊野神社を勧請し、多聞院としてこの地に移したと伝えられているからだ。もともと、甘糟家は相模平氏の一族で、「吾妻鏡」よれば、「元暦元年(1184年)武蔵国住人甘糟野次広忠は、西海に赴いて平家を追討する旨を願い出たので、源頼朝は感激してその知行の萬雑公事を免じた」旨が記されていおり、承久の乱で戦われた宇治川合戦ではその一族と思われる甘糟小次郎が勲功の功名に名を連ねており、古くから歴史に名を留めている家系である。
常楽寺から熊野神社、多聞院を巡り、甘糟家を通って高野の切通に出るコースにはやはり歴史ロマンが漂っている。
(表紙写真は甘糟家長屋門)
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