＃５アールヌーボー探し2025年早春～装飾あふれるステキ病院で癒されたい～

2025/03/11 - 2025/03/19

くろねこツーリストのしるくんが2025年3月に参加したバルセロナに6連泊するツアー。
雨でスタートした滞在3日目の午後は、オリンピック村のレストランでお昼を食べてサン・パウモダニズム区域へ。華やかな元病院にうっとりし、郊外のコロニア・グエルへ行こうとしたら大渋滞！
予定からかなり遅れての到着となったため、トイレに行くヒマもなくバタバタと見学するはめに…。そのおかげ？か、コロニア・グエルの街を散策でき、ステキな建物にも出会えました。わ～い。

くろねこツーリストは、おもにアールヌーボー建物を見にヨーロッパをウロウロしてま～す。添乗員のしるくんが案内するタビを楽しんでね♪

【日程】
3月11日　夜、成田空港からカタール航空でドーハへ
3月12日　乗り継いでお昼過ぎにはバルセロナへ。グエル公園での雨のあとは虹♪
3月13日　歩いて旧市街の音楽堂、新市街の世界遺産をはしご
3月14日　雨のサグラダ・ファミリアは塔にのぼれず、ざんね～ん
3月15日　バスでフィゲラスとジローナへ。モデルニスモ建物もあってウキウキ
3月16日　ゴンドラで1周半して丘の上へ行き、午後は美術館でモデルニスモ
3月17日　ひたすらうきうきとモデルニスモ建物めぐり。けぷ
3月18日　大きすぎる朝食BOXを受け取ってバルセロナを早朝出発しドーハ空港へ
3月19日　お昼に着いた成田空港は春の雪でびっくり！

エリア バルセロナ(スペイン)

• 旅行の満足度: 5.0

• 一人あたり費用: 50万円 - 100万円
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

雨のバルセロナの３カ所目の訪問はこちらの、以前はサン・パウ病院(Hospital de la Santa Creu i Sant Pau)だったところ。
現在は地図で見るとサン・パウモダニズム区域(Sant Pau Recinte Modernista)になっています。
「2009年まで病院に使われていたんだって。前に来た時は救急車もいたんだよ」
2025年の現在は、モデルニスモ(＝アールヌーボー)がじっくり堪能できるスバラシイ！建物群です。きゃ～♪

サン パウ病院 現代・近代建築

「門のところから真っ直ぐ向こうにサグラダ・ファミリアが見えるにゃ♪」
サグラダ・ファミリアは、地図でみるとサン・パウから4ブロック、750ｍほど真南にあるんですね。

門のところから見ると両腕を広げたように建物が広がっておりまして、こちらの向かって右手側の端っこが見学の入り口です。
ちなみに反対側の左の端にはカフェがあります。

病院の時代にはこちらは女性患者専用の入り口だったとのこと。だから両側の彫像は、薬研のような道具を抱える女性なのかしらん。
ということは、カフェがある方が男性患者専用入り口だったんですね。

中に入るとチケット売り場とミュージアムショップ。
入り口でチケット代わりのシールを受け取り、矢印に沿って行くと…

それぞれの建物を地下でつないでいる通路に出るんですけど、そこにはなぜか病院として使われていた頃のようすをイメージさせるような画像の投影が…。
お医者さんっぽい白衣のヒトとか患者さんとか現代の俳優さんが演じているのだとは思いますが、ん～、病院で薄暗い地下廊下を亡霊のように動く画像って、ちょっとコワイよ～。一瞬、目の錯覚か？！なんて思っちゃったりもするし。

そんな地下廊下から階段を上り棟の一つへ。
同じ形のものが8棟ありまして、現在内部の見学ができるのは3棟。
こちらは、聖サルバドール分館。建物の装飾デザインをコラージュした展示や、設計者のモンタネールさんやここの歴史などの展示がされています。

展示物はちょ～っと外国語の説明文を読むのもめんどくさいし、ツアーでの訪問だと時間に制約もあるので、もっぱら注目しちゃうのは建物そのもの。
こちらは壁のタイル。斜めに貼られているのもおしゃれ～♪と思っちゃいますし、無地のタイルのあいまにこんな花柄のタイルがボーダーで入ってるなんてのもステキすぎる。うきうき

こちらは棟の端にある円形部分。
天井がドームになってる～～。高いところまで窓があって、陽がサンサンと入るし、なんて華やかな天井♪
この棟は円形部分が西側にあるので、西日が当たって夏は暑いかも。バルセロナの夏は日本より気温が高いし。という点では今の気候にはあわなくなっているのかも。う～む。

こちらは別の部分の天井。お～、全部タイルだ。
棟は天井も壁も床もすべてがタイル。衛生的ですよね。すっきり洗浄できるし。
衛生的な上に、いろいろな美しい柄で癒されるというスバラシイ効能があるんじゃないかなあ。
病院というと、白っぽいリノリウムの床に白い漆喰の壁と天井というのが日本の病院のイメージなんですけど、違いすぎる。うらやましいよ～。

建物の外に出ると、あちこちに樹がある中庭。果樹もあったりして、療養中の気分転換にもいい感じ♪です。
ビミョウに北側が高くなっている地形のところにあるんですね。傾斜があって排水にも便利にできている、と聞いたような…。

こちらの建物は手術に使われていた棟。
3階部分の正面壁面には猛禽類っぽい鳥のタイル絵となにやら文字。ここに描かれているのは著名な医者の名前らしい。へ～

「どの棟もカラフルにゃタイルと彫刻で飾られているにゃ。ドームの屋根は、ブダペストのエデンさんの建物に似てにゃい？」

次にやってきたのは聖ラファエル棟の展示室。1920年代の病棟のようすも再現されています。

「ステキにゃタイルのお部屋に入院できたんだね」
窓の両側にベッドが配置されています。大部屋でもカーテンで仕切られた病室に慣れちゃってるので、あまりにもオープンな…！感じもしますけど、2階分吹き抜けという解放感はすごいですねえ。ちょっと体育館にベッドを並べた感もありますけど。

病棟の端にある円形部分はデイルームだったところが再現されておりまして、え！あの椅子はトーネット(THONET)では？ 曲げ木だと軽いから、動かしやすくて病院にもいいですよね。

あ、前回来た時は、このあたりに救急車がわらわらいたんじゃなかったっけ。

次に来たのは、入り口を入るとすぐど～んと立っているこちらの管理棟。
以前来た時にも、この場所は入れたんですよね。たぶんここにインフォメーションもあったはず。
今回は階段を上がって上階を見学です。わ～い♪

階段を上りながら窓の方を見ると…

一番上の窓のステンドグラスがステキ～♪
やはり植物がモチーフかなあ。でも下の方はロウソクがあたりを照らしているようにも見える…かな？

こちらは２階の廊下部分なんですけど、ちょうどヒトの背丈ぐらいのところにある立体的な白い花の装飾は、それぞれがちがう花。
色が着いてたらすごいことになってるかも！と思ったり。一種類の花ではなくいろいろな花というところがモンタネールさんの趣味なのかしらん。音楽堂の柱の意匠も全部ちがったし。

こちらは廊下の窓。外が歪んで見える～。雨のせいだけじゃなくて、古いガラスだからですね。きっと。
上の方だけ入っているステンドグラスのデザインも植物っぽくていいなあ。

こちらは、事務室のような用途の部屋かな。
天井がとってもいいですねえ。拡大してみると…

どうしてもタイルの文様に目がいっちゃうんですけど、ちょっと教会の天井ボールドの印象もあるなあ。ここ。
春のイメージの天井だな～、ステキステキ♪

廊下からは、雨にけぶる建設中のサグラダ・ファミリアが。そうかあ、この100年、ずっと建設風景を見てきたんですね。サン・パウ病院は。ほう

わ～、この天井の花はカーネーションかな。モザイクでできてます。うっとり～。

次に来た部屋は、わ～、天井高い！ そして天井までくまなく華やかな装飾で彩られてる！
えっと、こちらは、設計者のモンタネールさんの名前を冠した「ドメネク・イ・モンタネールの間」なるスペース。
あれ？なにに使われていたか、という説明は無かったかな。講堂みたいな用途だったのかしらん。ここで職員会議とか、術前カンファレンスとかやってたり？ ←ドラマの見過ぎ♪

この部屋の柱は、同じくモンタネール設計のカタルーニャ音楽堂を彷彿とさせますね。
花柄が多くて、ガウディデザインよりモンタネールの方が好きかも♪ テキスタイル作ってほしいなあ。

最後に再びミュージアムショップ。天井が素晴らしすぎる～。
わ～♪　花のモザイク！　そこを縁取る茶色い線の部分も立体的なタイルだ！ やっぱり、モンタネールの設計だと華やかですねえ。うっとり

外に出てもまだ雨。あ、紫の花が咲いてる。
もう4時になろうかというところで、本日最後の観光地、コロニア・グエルへ移動です。

コロニア・グエルはバルセロナの中心街から30kmとの説明だったんですけど、ぐーぐるマップで見ると直線で15Kmぐらい。そんなに遠くないか。

20年前に来た時は、電車に乗って自力で来たところを、今回はぼ～っと寝てたら着いた！と思ったら、途中渋滞にあっていたようで、あれれ、あと20分で閉まっちゃう…？！サン・パウから小一時間かかってた！
バスを止めるのも、子どもたちの下校のお迎えに来ている自家用車で駐車場がうまっていて、どこに止めたら…状態。焦る現地ガイド氏。

ここどこ？な道をアセアセと歩く我ら。
う～ん。この赤茶けてちょっと崩れているのって、心配になりますねえ。空港から移動する時に現地ガイド氏が、今年は50年来の天気の悪さだ、と言っておられたんですけど、こういうとこにも表れていたのかなあ。

アセアセやってきたコロニア・グエル地下礼拝堂。ガウディの設計で、1908年に建設が始まり、1915年にこちらの地下部分が完成したところで、建設中断となってしまった教会です。

ツアーの団体さんなので、チケットなどなどはツアー会社がやってくれるんですけど、ここじゃないところで予約票をチケットに変えるという手続きが本来は必要なようで、ちょっと入り口の担当者と揉めておりました。
ということで、この入り口でしばし待機。
左手側のアーチの下が建物の入り口です。

コロニア グエル教会 寺院・教会

前回もわ～ステキ♪と見ていたステンドグラスの窓。なんかウルトラマリンの青が、以前よりも目立つ気がするなあ。
拡大すると…

壁のモザイクは、ちょっとガサガサの肌にも思えちゃったりするんですけど、ステンドグラスのみならず、そこにはまった金網がいいですねえ。

入り口の係員さんと話しがついて、ようやく中に入れました！
まあ、今どきはみんな電話持ってるので、連絡付きやすいですよね。閉館まであと20分です。ばたばた

あ、われわれだけの貸し切り状態だ。
天井の梁の感じは、カサ・ミラやフィゲーラス邸の上層階のスペースと同じ感じですね。ガウディならでは！なのかな。

「ガウディさんデザインの椅子に座ってみたよ♪」
20年前に比べるとなんだか椅子が新しくなっている気がする…ような。

外から見えていたステンドグラスの窓を内側から見るとこんな感じ。
夕方で、雨模様でもあるので、全体的にちょっと暗いこともあってなんだかとっても異世界に来ちゃった感じがする～。

あ～、この窓、一部を開けると蝶の羽みたいになるんですよね。
さすがに、今日は開いてないか…。ざんねん。

「後ろが主祭壇で、祭壇の後ろが高くにゃってて、そこにも行けたよ」
そこは、合唱隊のスペースですね。

こちらは、外に出て敷地の柵越しに撮った地下礼拝堂。真ん中の道のようになっているところは、近年の改修で鉄板がかぶせられてしまったそうで、ちょっと無粋な感じがするなあ。説明してくれた現地ガイド氏も怒っておられました。ふ～む。

と、「近年の改修」は最近の話かと思ったら、2005年に来た時にもらった資料に、そこの部分を修復した旨の説明が載っておりました。そうか、以前来た時にも見てたんだ。

インフォメーションでトイレを借りようと寄ってみるもすでに閉館時間。

ちなみに、コロニア・グエル地下礼拝堂のチケットはここで購入できまして、2025年11月現在では、日本語も選べるオーディオガイド付きで10ユーロ。
公式サイトでも購入できますけど、そこまで混むことも無いようなのでこちらの現地で入手してもいいかも、ですね。あ、でもバルセロナからの鉄道往復券付きのものもあるので、それは現地では買えないか。

このインフォメーションが入っている建物は、1900年にガウディの友人、Francesc Berenguer i Mestresの設計で消費生活協同組合＝生協の本部として建てられたもの。ひさし部分や窓周りのレンガが文様を描いているところがなかなかステキです。
インフォメーションでは、この街の歴史を紹介する展示もあるそうなので、そっちも見たかったなあ。時間が無くてホントざんねん！

ビジター センター 散歩・街歩き

トイレを借りれるところを探してちょこっと街をお散歩。

お♪レンガの文様がステキ。
調べたら、1894年頃にできたJoan Rubio i Beliver設計のCa l'Ordalなる建物。一戸建てに見えるんですけど、3戸がいっしょになったテラスハウスのつくり。イメージする「テラスハウス」とはずいぶん違うんですけど、まあ、3戸が同じ間取りである必要は無いか。

松ぼっくりがのっかったような特徴的な煙突と、壁の柔らかなカーブが何とも気になる建物です。
別の意味で気になるのは壁のカビのような緑色の部分。湿気多そうですね。う～む。レンガだとそこまでの調湿機能は無いのかな。

こちらは庭側。
地下室に続けて庭になっている、というちょっと不思議なつくり。あ、よく見ると庭は3軒に分かれてる。そうか、そういう風に区切るのか。
Plaça Anselm Clavé, 2T

あ、なんかこの扉の曲線。ガウディ作品にもあったような…。
以前来た時にもらったコロニア・グエルの街を紹介するリーフレットによると、1917年にFrancesc Berenguer i Bellvehíの設計で建てられた女子学校で、その後、教区会館になり、1933年からは図書館として使われている建物なのだとか。
Carrer Aranyó, 12

銅像が真ん中に立つ広場へ。
あ、このヒトがこの街をつくったグエル氏だったのか。へ～

右手奥に見える黄色い建物がカフェだそうで、ツアーのみんなでゾロゾロそちらに向かいます。

あ、なんかちょっとおしゃれな雰囲気。床はシンプルな幾何学文様のタイルだし。
こちらのお店で、現地ガイド氏が状況を説明し、ガイド氏と添乗員さんがコーヒーをサクっと自腹で飲み、ツアーの方の中でなにやらテイクアウトするヒトもいたりして、少額ながら支払いをして、みんなでトイレを借りたのでした。「ぐらしうす！」

このバル、隣りに劇場がありまして、街の社交の中心だったらしい。へ～～～
1910年にはできてるようなので、ということは100年以上、ずっと営業してるのか。ほ～
Bar Restaurant Ateneu Unió
Plaça Joan Güell, 5

カフェを出ると遠目に、気になる建物発見！
左端に塔がくっついてる！ 屋根瓦はなんだか日本的な印象かな。
あちらは、1916年にできたCasa del Mestre＝「先生の家」と呼ばれていた建物で、インフォメーションが入っていた建物と同じFrancesc Berenguer i Mestres設計によるものだそう。
「先生の家」は真ん中に見えているアーチの橋で左手側の建物と繋がっています。左手側にあったのが学校。当初は男子専用で、のちに共学の学校に。
20世紀初頭は男女別学だったんですね。
Carrer Barrau, 25

コロニア・グエルは小さな街で、そんなにウロウロできる場所はないんですけど、こんなステキなレンガが模様を描く建物があったりして、礼拝堂だけ行ってサクっと帰るだけではもったいない街かも。
Carrer Reixach, 9-1

同じ通りの12番地の入り口上にはカワイイ植物をあしらった鉄細工♪ 星のような花が咲いてますね。
奥にフクロウっぽい鉢に入ったグリーンが置いてあるんですけど、え？そこってどうやって水やりするの？
Carrer Reixach, 12b

5時半にはコロニア・グエルをあとにしてホテルへという予定だったんですけど、帰りもちょっと渋滞で、一度ホテルに戻れるほど夕食の時間に余裕はない、ということで、直接レストランに行くことに。

あれ？何かこのあたり、来たことある…なエリアへ。あ、ここ、グエル別邸のご近所だ！

地下鉄Maria Cristina駅近くのEl Corte Inglésのそばにある、こちらのLa Botiga Pedralbesでごはん。
さすがに、ちょっ～と予約より早かったようで、添乗員さんが「お願い！」と交渉しておられました。我らのグループが一番のりですね。

今晩はタパス料理ということで、写ってないですけど、スペインオムレツに揚げたてアツアツ！の生ハム入りコロッケ、パン・コン・トマテ。
ここのパン・コン・トマテはバゲットを切ってというより大きめに割いて、トマトを塗りました、という感じのもの。美味しかった～♪

それと、えびとアボカドのカルパッチョに、ちっちゃいイカフライ、写真の真ん中にごそっとのってる多過ぎるイベリコ豚の生ハム。と焼いた夏野菜かな。
器が陶器のものが多かったからか、なんだか和風な感じして、日本の飲み屋で集っている気分にも。

料理を取り分けてると、距離が縮まる感じで、「どうしてこのツアーにしたんですか？」というような話から、100年前のバルセロナを舞台にしたカルロス・ルイス・サフォンという作家を教えてもらい、帰国後に早速読んでみました。面白かった！教えてくれたSさん、ありがとう！

飲み会なのに(？)ちゃんとデザートとコーヒー付き。とろ～りチョコのフォンダンショコラとバニラアイスにカフェコルタードでしめて、2時間ちかい夜ごはんは終了。意外と時間経ってました。

そしてそして、大量の生ハムは塩気が強くてとてもそんなに食べられず、もったいないな～と思っていたら、お持ち帰りできるとのこと。数枚いただいて帰りました。これが中身のわりに大きな容器で、そこはちょっとナニでしたけど、ありがたい！　旅の後半はツアーの夜ごはんが付いていないので、これでごはんにしよ～っと♪

ホテルに戻ったら8時半。ふう
こちらは、部屋の電話。なんとまあクラシカル！懐かしい。
今どきのなので、もちろん回ったりはしないんですけどね。

生ハムを冷蔵庫にしまい、のんびりお風呂に入っていたら、11時過ぎ。
おやすみなさ～い。
(-_-)zzz

インサイド バルセロナ アポロ ホテル