2025/03/03 - 2025/03/03
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プロムナードさん
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2025年2月~3月のネパール→インド→パキスタンの旅を記録します。雨のタキシラで、安宿に引きこもる一日です。
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痛恨の出費となった高級ホテルの朝食をいただく(ラマダーンでもサーヴしてくれる)。チャパティ、オムレツはいいとして「グリーンティ」として出てきたものは予想外の色。濁った紅茶、あるいはプーアル茶に似ている。味も発酵系のお茶の味だ。
シルクロードを通って訪れた玄奘三蔵がこの地にお茶を伝えたという説をネットで読んだ。ほんとうかどうかは知らないが、ここから遥か東の国でも「緑茶」が存在するのは面白いと思う。日本に茶を伝えたのは遣唐使らしい。 -
今日は一日雨らしい。タクシーやチャーター車で移動する旅でもないし、こういう日は宿で休んでいるしかない。
高級ホテルに2泊する予算はないので、まずは昨日のトゥクトゥクおじさん(以降、彼の名をターリクとする)に頼んで安宿へ連れて行ってもらう。これはかなりリスキーだ。どこに連れていかれるかわかったものではない。そしてたどり着いたのが…… -
こちら。
一度ラーワルピンディに戻って〝ちゃんとした〟安宿を探し、泊まって、またタキシラまで来るという選択肢もあったのだが……。 -
・入口は格子で施錠されている
・Googleマップにない
・英語の表記がない
・○○を○○られない
など役満で赤信号の宿だ。どうするか…… -
まあ泊まる。1500ルピー(約700円)とかなりぼられている気がするが(国内客ならその半分以下だろう)、外は大雨だし寒いし交渉のカードがない。せめて複数の部屋をみて、灯りが切れていたり給湯器がない部屋を避ける。
洗ってなさそうなシーツと水気を含んだふとんにはややたじろぐが、雨風をしのげるだけですごいことだ。壁紙が剥がれてふとんに白い粉をまぶしているのはご愛嬌。Wi-Fiもちゃんと機能する。少なくともこの旅行記がアップされているのなら。 -
難点はひとつで、トイレがフィンガー式であること。ネパール、インド、パキスタンのこれまでのトイレには幸い「自分で手に持つ式ウォシュレット」というべき小さなシャワーがついていたが、ここにあるのは指をつける桶だけ。伝統的だ。今朝からまたお腹を下しているので心配ではある。でもまあ、気をつければ死ぬようなものではないしな。
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雨で気温が上がらずかなり寒い。そこでお湯を使ってフットバスをする。シャワーは存在しないので桶に湯を溜めることしかできないし、かなりぬるいので身体にかけるのは厳しいが、フットバスならそこそこ温まる。
今日は体調回復の日とし、①体温維持、②水分と栄養の補給、③休息、の3点を心がけたい。④精神的癒しも欲しいところだが……。 -
窓からの風景。こういうのは、ホテルに比べて段違いに良い。なにかこう、薬物に耽溺しながら安宿に居着いてしまう放浪者の日常を想起させられる。
窓の鍵がないので外から入られちゃうな、などと思うので私はまだそんな心境にはほど遠いのだが。 -
屋上には住まいがあって宿のオーナー家族がいらした。目が大きく可愛らしいお子さんと遊んだり、オーナーのネット宣伝用動画として宿の感想をいわされたりした。外国人が珍しいのだろう。
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小ぶりになってきたので少し出かけてみる。お腹に爆弾を抱えているが、かといって閉じこもっている気にもなれない。
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タキシラの中心は路地の小迷宮になっている。ここでもGoogleマップが活躍する。大人がすれ違うのも厳しいほど細い路地をどうマッピングしたのだろう? 経路を表示すると明らかに個人宅と思われるところへ突っ込んでいくのはこわいが、それも含めて路地歩きはとても面白い。
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迷宮を出ると鉄道に突き当たる。鉄道じたいが徒歩のひとびとにとっても幹線道路になっていて、老若男女が行き来している。スタンド・バイ・ミーみたいな日常。
この旅は限られた期間で長距離を移動するため、これまでは都市から都市へ移るだけだったが、ようやくやりたい旅が始まった気がする。やはり田舎で、適当にぶらつくというのが最高なのだ。 -
やけに広い空き地で少年たちが野球っぽいゲームを楽しんでいる。のんびり牛とひとが横切っていったりする。
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この市街地のはずれにぽっかり空いた広場、子供が遊び牛飼いが横切る小高い丘が、紀元前6世紀・アケメネス朝ペルシャ時代からの古代都市の遺構を示す「ビール・マウンド」とのこと。
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アレクサンドロス大王が征服した世界の東の涯てに、城壁をもった古代都市「タクシャシラ」があった。いまでは世界遺産に指定されているその遺跡群のひとつが、ここなのだ。
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なにか巨大な建築物が残っているわけでもない。遊んでいる子供の叫び声や、街なかに轟くアザーン(礼拝の呼びかけ)を聞きながら、ここが遥か西方から到来したギリシャ人たちの世界の涯てか……と感慨深げに佇んでみる。
なんてことをしてたらボールが転がってくる。大人が子供にボールを投げ返すという、ベタなドラマの演出みたいなイベントが発生。 -
野球っぽいゲームをしていた少年たち。挙動不審な外国人を横目でチラチラ見てるのはわかってたが、ひとりに「写真撮っていい?」と聞いた瞬間、「オレも! オレも!」と全員集合。
「How are you?」
「What is your name?」
と教科書英語をたくさんぶつけられる。TikTokアカウントを聞かれるところには、昨夜の青年たちとの世代の違いを感じる。
別れ際にひとりが「あなたはムスリムか?」と尋ねるので違うよと答えたとき、心底びっくりする顔を見せたのが印象的だった。まるで、異国に非ムスリムが実在するとは思ってもみなかったという風。少年たちにとって、もしかすると私が初めて直接会話する外国人だったのかも知れない。彼らにとっては、私が世界の涯てからやってきた者なんだろう。
かつてタクシャシラと呼ばれ、いまタキシラと呼ばれるここは、古代にガンダーラと呼ばれた王国の一都市だった。アレクサンドロスだけでなく、多くのひとびとが遠方からやってきた地だ。この旅の目的地となる古代王国の領域に、ようやく足を踏み入れたことになる。 -
帰り道では、果物屋さんの屋台ばかり目についた。ラマダーンだが果物だけは大っぴらに売っていいらしい。バナナを買って帰る(胃腸が治れば柑橘類が食べたいところ)。
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ふたたび路地の小迷宮を戻る。別のルートを試したが、往復すればそれなりに目印が記憶されるので、数日いればすっかり馴染みの路地になるだろう。
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部屋に戻って少し経つと、外では雷鳴と大雨。ぎりぎりのタイミングで助かった。
お腹の具合のほかは、軽い頭痛と空咳に症状が移っていて、治る兆候だと解釈する。しめったふとんと洗っていない服が気になるが、とっとと寝てしまおう。明日、この地を離れる。
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