2024/12/21 - 2024/12/21
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kirinbxxさん
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ランチのあとは、今年オープンした上海博物館東館を訪れました。翌日上海博物館本館に行ってわかりましたが、ここは「東館」というより「新上海博物館」です。予約不要なので要予約の「上海博物館本館」より絶対にお勧めです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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世紀大道という地下鉄駅から上海博物館東館を目指します。泰州市では移動はタクシーでしたが、ここ上海では渋滞があるので地下鉄の方が到着時間が読めます。ただし地下鉄に乗るには、交通カードを買うか「上海Metro大都会」というミニアプリをインストールしてQRコードを出せるように準備しておくことが必要です。
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上海博物館東館の最寄りの駅は「上海科技館」です。7か8番出口から出て世紀広場を横切って上海科技館の西側にあります。
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駅にはおしゃれなコインロッカーがありました。
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地下鉄2号線「上海科技館」駅から方角が分かっていれば徒歩5分位。「上海博物館はこちら」という表示がないので博物館を見つけるのにとても苦労しました。
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開館時間は、10:00~17:30で定休日は火曜日。入場無料で予約も不要です。入り口は地下一階でパスポートと荷物チェックがあります。
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荷物検査を経て中に入ると広大なホールが吹き抜けになっています。
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建物は、地上6階地下2階で敷地面積は東京ドームと同じだそうです。
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目玉は、中国古代の青銅器コーナー。400点を超える青銅器コレクションは中国でも最大のものです。ということは、世界最大級と言うことですね。紀元前5世紀以後に始まる鉄器時代以前は、長い間、青銅器の時代でした。殷(商)の時代になると青銅器は複雑な形状と細かい洗練された装飾で作られるようになりました。
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殷(商)末期の酒器です。中英二カ国語のプレートはありますが詳細説明はありません。
中国人学者の訪問記にあった説明では「両側の肩には動物の頭と耳が、両側の腹部には牛頭の獣が装飾されています。首には2つの紐模様が、肩には6つの火の模様が装飾され、その間には8つの突き出た乳首模様があり、ドラゴン模様が補足されています。上腹部は動物の顔の模様、下腹部は鳥とバナナの葉の模様、丸足は動物の胴体と目の模様で装飾されている」とのこと。 -
殷(商)王朝末期から西周王朝初期(紀元前11世紀)に作られた酒器です。こまかな装飾が特徴的です。こちらははっきりと動物の顔だとわかりやすい。両面に鳳凰の模様が刻まれています。これは「中国古代青銅美術の至宝」とされているそうです。今風に言えば「ゴブレット」で酒器であると同時に祭器としても使われていました。
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現地のプレートには寄贈者の事だけ書いてこの器についての説明は一切なしとはどういうことやら。誰のための説明?
母癸甗、甗(げん)とは蒸し器の一種です。くびれの下の部分で湯を沸かし、上の部分にあるスノコの上で食べ物を蒸していました。中国古代社会、つまりは青銅器文化の最盛期だった西周王朝期には、このような日常の調理道具も祭器とされ細かな装飾が施されたそうです。
同様の青銅器は日本の博物館の幾つかも所蔵しています。 -
青銅器文明のそれぞれの時代について、文様についての説明がありました。視覚的に判りやすくていいですね。
殷(商)王朝末期から西周王朝初期が青銅器芸術の全盛期でした。レリーフ、平彫りの技術を駆使して、動物の面、龍、鳳凰、鳥などを精緻に描いています。 -
列鼎、その名のとおり同じ形状と装飾を備えた鼎(三脚)をサイズごとに並べたものです。所有者の階層や祭祀の種類などに応じて、異なる数の鼎 (通常は奇数) と簋 (通常は偶数) が使用されます。写真は春秋時代初期の龍文異形三脚です。簋は「き」と読み、穀物を盛るのに用いられたとされる器です。
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西周末期の楽器、「鐃」や「鐘」の一種です。叩く面によって違う音色になり、大きさを変えた物を多数使うことで音階をあらわすこともできました。
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これは前漢時代、今の雲南省東部にあった「滇(てん)」という国で用いられた祭器です。
同種の容器は多数発掘されていて、最も重要なのが「蓋」の装飾ですが、最も一般的なのが牛で、一頭、五頭、七頭、八頭の種類があります。
持ち手が虎なのもいいですね。欲しいなぁ。 -
こちらも同じく「滇」の青銅器。「滇」は、司馬遷によると、戦国時代の楚の将軍が遠征したものの母国が秦に侵略されたため帰国を諦めて建国した王国だそうです。秦王朝滅亡後に誕生した(前)漢が版図拡大を始めた時、これに朝貢するようになりました。
鞍のような形をした両端に丸い雄牛の彫刻があります。片面には3つの牛頭のレリーフ、その隙間は蛇と虎の模様で埋められています。
「滇」では(他にも世界中にそういう地域がありますが)牛は人々と極めて密接な関係をもっていて、重要な生産手段であり、富の象徴だったようです。 -
北斉王朝時代に作られた白石佛像です。南北朝時代と呼ばれた混乱の時代、北東部に興った国家ですが僅か20数年で後に隋の文帝となった楊堅によって滅ぼされています。
仏像は高品質の大理石製で、精巧な彫刻が施されています。記録は失われていますが北斉時代の王室の石窟から出土した可能性があるそうです。同様のサイズと様式の仏像が、英国ヴィクトリア・アルバート博物館、フランスのセヌッチ博物館、および日本の何カ所かにあります。体を包み込むような仏教徒の衣装と頭の模様は、インドのグプタ芸術の影響とされています。頭が大きく、上半身が細く、全体的に幾何学的な形状をしているのが、北斉時代の特徴です。この様式は隋時代の彫像に直接的な影響を与えました。 -
石千佛造像碼、南北朝時代に華北統一を果たした北周時代のものです。高さ171cm、長さ81cm、幅17cm。この石碑には千体以上の仏像が彫られており、石碑の中央と上部には大きな窪みがあり、一仏、二弟子、四菩薩が彫られています。本尊は蓮の台座の上に鎮座しており、蓮の台座の隣にはライオンが見張りをしています。この数千の小さな仏像は、非常に繊細で、眉、目、鼻、口が細かく彫られています。これほど多くの仏像が描かれているのは、誰もが仏陀になれるという大乗仏教が推進する思想と関係があると言われています。
北周の武帝は廃仏政策を行ったことで有名な人ですが、其れ以前に作られたのかな? -
他にも多くの仏像が展示されていました。
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どの国でもそうですが、こういう頭部だけがきれいに残った像もたくさん見つかったようです。
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玉山という種類の玉(翡翠)の彫刻です。清の時代には、もともと山の形をした翡翠を使って山水画の景色を彫ることが流行しました。これも、山水画に多い小さな東屋のある山を表現しています。
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翡翠でできた杯ですが説明板には「人物紋桃式玉杯」とあり、英語の説明では'Peach' cup with a 'bearded man' handleとなっていました。持ち手が髭男?
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龍をかたどった翡翠のペンダント、戦国時代(紀元前475-221年)のものだそうです。
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各階の通路にはいろいろなショップがありました。
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「海上書画館」は、上海を拠点に発展した書画の流派や芸術文化を展示・研究するギャラリーのこと。2024年11月に一般公開が始まった新しいギャラリーのようです。
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上海は19世紀末から20世紀初頭にかけて、中国文化の中心地の一つとなり、そこを拠点とした画家達は「海上画派」と呼ばれました。
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明代中期の代表的文人である文徴明は日本でもよく知られていますが、その次男である文嘉という人の画がたくさん展示されていました。
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中国画には、漢詩に詠われた情景を絵にするというジャンルがあるそうです。この絵は杜甫の「雷声忽送千峰雨」から始まる詩を描いた物だそうです。
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現代中国画の巨匠と評されている斉白石の作品です。農民出身の木工で文人的素養がなかった彼は、長い間正当な評価を受ける事ができませんでしたが、日本に留学経験があった高名な画家である陳師曽が1922年に東京で開かれた日中共同絵画展に彼の作品を紹介したことで、国際的評価が高まったそうです。
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高其佩という、17世紀後半から18世紀前半の画家の作品です。彼は筆を使わないで、長く伸ばした爪、手のひら、指などを使って絵を描くことで有名でした。この絵は画家自身の53歳の誕生日を祝うために書かれた物です。
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横に長い山水画もかなりありました。
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もちろん陶磁器のコーナーもありました。これは戦国時代に作られた緑柚の鼎です。例によって獣の頭がつけられています。
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彩絵陶舞俑です。説明には「東漢王朝」とありますが、日本では「後漢」というのが一般的ですし、その後半は三国時代とも呼ばれる時代でした。俑は生前の生活が死後も続くようにと作られた副葬品で、これは三国のうち蜀のものでしょう。
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こちらは3-4世紀頃、西晋(魏のあとに司馬炎が建てた王朝)時代の緑柚で虎をかたどっています。そっくりなものが東京国立博物館にもありますが、具体的な用途は判っていません。
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こちらも副葬品として作られた馬。少し色がついてきました。
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これは似たようなものを見たことがある人は多いでしょう。唐三彩、その名の通り唐代に作られた鉛柚を施した陶器です。これも副葬品です。
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ちょっと不気味なフォルムのこれは、青柚鸚鵡杯、緑柚の「オウム」をかたどったカップです。隋王朝のころに作られた物だそうです。角度によってはのんびり風呂に浸かっている老人にも・・・
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こちらはぐっと時代が下って、南宋の有名な青磁窯である龍泉窯(りゅうせんよう)のものです。日本では鎌倉時代から室町時代に多くの名品が輸入され皇室や大名の間で「砧(きぬた)青磁」と呼ばれ愛されました。当然、日本全国の美術館に名品が多く残されています。中国浙江省龍泉県及びその付近にあった窯で、主に上質な青磁を多く焼造していた中国宋代から元代の代表的な青磁窯です。唐時代から青磁や黒釉の陶磁器を生産開始し、本格的に青磁の生産に取り組むのは北宋時代に入ってからです。南宋から明代初期が最盛期であり、淡い釉調の青磁が特徴的です。
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一般的に最も良く知られている中国陶磁器と言えばこれ、「景徳鎮」でしょう。元の時代に始まり、清のころまで続きました。
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1634年製の、彩海龍文皿、直径26.3cmあります。明王朝最後の皇帝の時代に作られたものですが、この文様は「古くさく」制作の技法が「ちょっと雑」なのだそうで、衰退した王朝を象徴している、というのが専門家の評のようです。
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東酒堂という銘の入った龍文茶碗です。実に美しいものですが、制作されたのは嘉靖帝から万暦帝までの1522年~1620年の間、大国だった明がもはやどうしようもなく衰えていった時代でした。
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これは万暦帝の時代に焼かれた五彩の急須です。名宰相張居正の手腕で財政が好転し、文化は爛熟し、この万暦五彩(日本では万暦赤絵と呼びます)が生まれました。しかし張居正の死後、万暦帝は堕落し、最も長かったその治世の後半はずっと引きこもりとなって「明朝は万暦に滅ぶ」という状況に陥りました。
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こちらは万暦帝とは逆に明の最盛期を築き上げた永楽帝の時代に焼かれた白柚の水差しです。実に優美な姿をしています。
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これは明朝の初代皇帝である洪武帝の時代に焼かれた鉢です。
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時代が下って、明を滅ぼした清の康煕帝の時代に焼かれた五彩の花瓶です。色鮮やかに描かれているのは康煕帝と妃や女官達でしょうか。
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青白柚蓮華文の花瓶、清の雍正帝の時代のものです。
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随分と高足の碗です。こちらも同じく雍正帝の時代に作られました。
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展示室は大体こんな感じです。
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古代中国の貨幣は、貝殻から始まったそうです。光沢や形状の美しさと希少性から珍重されるものが、交換の媒介物として広く使用されました。貝殻でできた貨幣をためておくための容器。安産祈願に使われたという説も。
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やがて青銅で作られた貨幣が流通しました。
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戦国時代になると、国によって形状が違うようになりました。
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斉・趙・燕ではこのような包丁・刀子の形をした刀貨が多く作られました。
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戦国中期以後、秦をはじめとして使われるようになったのが円板の中心に、丸(円形円孔貨、円孔円銭)あるいは正方形(円形方孔貨、方孔円銭)の穴を空けた貨幣です。
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時代が下ると、一般流通以外の目的で作られることも増え、金や銀の通貨も生まれました。
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そして紙幣へ。
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迫力の大量展示。
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1960年に発掘された、明の時代の木製副葬品です。蜀の時代のものもそうでしたが、一つ一つに動きがあって面白いです。
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踊っているようなのもあります。こんなに沢山の人形を副葬品として入れた人はどういう人なのか、調べてみましたが別に歴史に名を残す程の人ではなかったようです。ごく普通の大金持ちか、役人かだったのでしょうか。
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博物館の屋上庭園です。
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江南新古典庭園「雲林」として造られました。庭園は東・中・西の3つのエリアに分かれ、回廊が巡らされ、楼閣や舞台が設けられています。
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ここからループを歩いて降りてゆけます。少し揺れるので怖い人は怖いかも。ざっと見るだけでも2-3時間かかりますが、お勧めの博物館です。
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