2024/02/01 - 2024/02/21
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一人旅のラクさん
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大学の春節休み中に、鉄道だけを用いて新疆ウイグル自治区を旅行してきました。
今回は2月13日、14日のホータン観光と、14日、15日にかけてのトルファンまでの移動について書きます。
旅程
2/1 瀋陽発・移動(瀋陽→ウルムチ)
2/2 移動(瀋陽→ウルムチ)
2/3 移動(瀋陽→ウルムチ)
2/4 ウルムチ観光(街歩き)
2/5 ウルムチ観光(天山天池など)
2/6 ウルムチ観光(博物館)・移動(ウルムチ→クチャ)
2/7 クチャ観光(キジル千仏洞など)
2/8 クチャ観光(街歩き)・移動(クチャ→カシュガル)
2/9 移動(クチャ→カシュガル)・カシュガル観光(街歩き)
2/10 カシュガル観光(カラクリ湖など)
2/11 カシュガル観光(動物市場など)
2/12 移動(カシュガル→ホータン)
2/13 ホータン観光(ラワク寺院などホータン近郊)
2/14 ホータン観光(街歩き)・移動(ホータン→トルファン)
2/15 移動(ホータン→トルファン)・トルファン観光(交河故城)
2/16 トルファン観光(火焔山などトルファン近郊)・移動(トルファン→ウルムチ→アルタイ)
2/17 移動(トルファン→ウルムチ→アルタイ)・アルタイ観光(アルタイ市街)
2/18 アルタイ観光(街歩き・博物館)・移動(アルタイ→ウルムチ→瀋陽)
2/19 移動(アルタイ→ウルムチ→瀋陽)
2/20 移動(アルタイ→ウルムチ→瀋陽)
2/21 移動(アルタイ→ウルムチ→瀋陽)・瀋陽着
※旅行した当時は私は留学中の身でしたので、旅行の開始地点は遼寧省の瀋陽となっております。ご了承ください。
※列車のみで旅行するという趣旨のため、移動の場面がかなり多くなると思われます。
※当時の元/円レートは、1元=20.7円くらいです。
それではここからが本編です。
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こんにちは。2月13日の昼です。
昨日は体調が悪くてホテルから出られませんでしたが、今日はホータン郊外を中心に観光していきます。
13時30分頃、タクシーをチャーターしてまずは大漠湖杨生态景区という場所へ向かいます。 -
玉で有名なユルンカシュ川を渡り、ホータン市街を北へ行きます。
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30分ほどすると大漠湖杨生态景区に着きました。
ここは胡楊が群生している景区で、すぐ北にはタクラマカン砂漠が広がっています。 -
地図です。
胡楊は左下の池がある場所に群生しているので、そこを目指して歩きます。 -
砂漠の上の遊歩道を歩いて行きます。
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辺りは全部砂です。
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下を眺めると胡楊林が広がっています。
胡楊は乾燥に強く、また水が少なく塩を含んだ土地でも育つため、タクラマカン砂漠においては古くから建材や薪などに使われてきました。
今は冬なので葉はついていませんが、秋には綺麗に紅葉するらしいです。 -
所々にある休憩所。
人の姿はほとんど見当たりません。 -
30分くらい歩くと例の池がありました。
冬だからなのか今はあまり水量はありません。
水辺には胡楊や枯れた葦のような植物が生えています。 -
特に何があるわけでもないですが、いかにもオアシスらしい景色です。
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では来た道を戻り、駐車場の近くにあるタクラマカン砂漠を見渡せる展望台へ行ってみます。
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駐車場の裏にある遊歩道から展望台に行けます。
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どこまでも続くタクラマカン砂漠の景色です。
遥か北400km先まで砂漠が続いています。 -
遊歩道を乗り越え砂漠へ少し出てみることもできます。
市街からあまり遠くないので、手軽に砂漠を感じてみたいという人にはオススメの場所です。 -
さて大漠湖杨生态景区を後にし、お次はホータン市街から北東に約50km離れた場所にある、ラワク寺院(熱瓦克佛寺)へと向かいます。
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40分ほどしてラワク寺院に着きました。
ラワク寺院は、スタインによって発見された古代ホータン王国時代の仏教遺跡です。
かつては一帯に仏教寺院が建立されていたようですが、そのほとんどは砂に埋もれてしまい、現在見ることができるのはただ一つの仏塔とそれを取り囲む壁だけです。 -
ごく小規模な博物館?が併設されているので、ささっと見ていきます。
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当時の寺院の様子を復元したジオラマです。
写真だとわかりにくいですが、中央の建物の壁に仏像が彫られています。
建築模様や仏像は、ガンダーラ美術に影響を受けていたといいます。 -
新疆ウイグル自治区の各県がどこにあるかを示しているジオラマ。
ホータン市は写真の右奥に位置しています。 -
博物館を見終えたのでラワク寺院へと行ってみます。
辺りはもう完全に砂漠の風景です。 -
ラワク寺院が見えてきました。
寺院を囲むように設置された遊歩道の上から見学できます。 -
これがラワク寺院です。
仏塔の頂上付近は大きく破損していますが、先程のジオラマと見比べると確かにその面影があります。
寺院の下半分は意図的に砂に埋められており、その姿を拝むことはできません。 -
砂と同化していてわかりにくいですが、泥土で作られた壁が寺院を囲んでいます。
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辺りのタクラマカン砂漠の風景。
もしかしたらまだ辺りに遺跡が埋まってるかもしれないと思うと、なんだか感慨深いです。 -
遊歩道の側に紅柳という植物が生えていました。
紅柳は秋になると葉を落とし根本付近に枯れ葉の層を作るのですが、春の砂嵐の季節になると今度は吹いてきた砂が枯れ葉の上に蓄積し、枯れ葉と砂の層を作り出します。
木が成長するにつれこのサイクルが何度も繰り返され、数十年、数百年すると写真にあるような、まるで小山のような見た目となります。 -
それでは駐車場まで戻って、次の目的地に向かいます。
-
最後に向かうのは赞木庙遗址(クカマリム窟)、NHKの新シルクロードでは牛角山遺跡という名前で呼ばれていた場所です。
ホータン市街から南西30km、カラカシュ川のほとりに築かれたこの遺跡は、東晋時代の高僧法顕によって記された「仏国記」、また玄奘三蔵の記した「大唐西域記」にも記述があるという仏教遺跡です。
当時は仏教王国ホータンを代表する遺跡でしたが、時が進むとイスラーム化し、現在はイスラム教信者の信仰の場となっています。 -
ラワク遺跡から2時間かけて近くまでやってきたのですが、なんと通行止めになっていました…
近くの検問所にいた人に聞くところによると、現在ここら一体は再開発中らしく、当分は赞木庙遗址に立ち入れないとのこと。
観光地化されていないため事前情報も殆ど得られなかったとはいえ、こんなことになっているとは… -
ネットで拾った写真になってしまいますが、これが赞木庙遗址です。
カラカシュ川の畔にある岩山の中に石窟が掘られており、この中で僧達が修行をしていたといいます。 -
中はこんな感じみたいです。
先ほども述べた通り現在はイスラム教徒の信仰の場ですが、その内部は今も昔も変わらぬままでしょう。
ホータンで一番行ってみたかった場所なんですが、無念… -
悔しいですが市街へ戻ります。
再開発の中で取り壊されたり観光地化されずに、そのままの姿を保ってくれることを祈ります。 -
帰る途中カラカシュ川が一望できる場所がありました。
ちょうど日暮のタイミングのようで、向こうの崑崙山脈の中に日が消えていきます。 -
再びタクシーに乗って市街へ。
そろそろお腹も空いてきたので、タクシーで直接夕食を食べに行くことにします。 -
西域金驼铃餐厅というお店にやってきました。
少し高めの観光客向けのお店と言った感じです。 -
お店の横にはユルンカシュ川が流れており、食事をしながら眺めることができます。
-
一品目がやってきました。
名前はわかりませんが、ウイグルの家庭料理らしいです。
味は酢が効いていて、例えるなら酢の物ナムルといった感じの料理でした。 -
お次は主食のラグ麺。
野菜ががたっぷり入っています。
ラグ麺と言っても店によって色々アレンジがなされているので、旅行中何度も食べても飽きがきません。 -
お次はマンタ(餃子)。
これも旅行中何回か食べましたが、ちょっぴり量が足りない時に少し頼むと丁度いいです。 -
最後にヨーグルトのデザート。
ローカル感はありませんが、店内は綺麗で装飾も凝っていますし、観光客が来るにはぴったりの店だと思います。 -
夕食も食べたのでホテルへと戻ります。
明日はホータン市街を少し観光して、夕方からは列車でトルファンへと向かいます。 -
日付が変わって2月14日の昼です。
あまり時間に余裕はありませんが、今日は市街の方を観光していきたいと思います。 -
まずやってきたのは远东国际玉石市场です。
ここは玉の市場のような場所で、露店や販売店が密集しています。
ホータンは玉の産地として有名で、古くから交易品や献上品として重宝されてきました。
しかしほとんどもう採り尽くしてしまったようで、近年玉の値段は高騰し続けているといいます。 -
野外に売り場が設置されています。
-
玉がずらりと並べられています。
玉と言っても質や大きさによって値段はピンキリで、安い物だと100元程で買えますが、高い物だと数万元、数十万元するものもあります。 -
お土産にこの薔薇の形に彫られた玉を買いました。
値段は150元くらいだったのでまぁ安物ですが、ホータンで買った玉なのは確かです。 -
野外だけでなく普通の玉販売店もあります。
露店にはあまり高価な玉は売られていませんでしたが、販売店などにいけばもっと質の良い玉が売られているかもしれませんね。 -
市場の隣を流れるユルンカシュ川。
この川から玉が採取されるのらしいですが、現在は枯渇しているためもっと上流の方に行かないと採れないみたいです。 -
さて玉市場を後にして、次にホータン国際大バザールへと向かいます。
写真に写っている大きな建物が入り口なのですが、入る前の通りからかなり混んでいます。 -
ホータン国際大バザールにやってきました。
ここはホータン市街の中心部に位置するバザールで、特に日曜日は大勢の人が訪れるらしいです。 -
中に入りました。
野外の通りには屋台が並んでおり、その横の建物の中にもお店が並んでいます。 -
屋内の方はこんな感じで、主に服屋なんかが並んでいます。
ただ、旅行者の私が買うものはあまりなさそうです。 -
屋台でいちご飴を1本買ってみました。
特に新疆名物というわけではないと思いますが、普通においしいです。 -
まだ30分も滞在していませんが、列車の時間が差し迫っているので駅へと向かいます。
もう少し早起きすればよかったと後悔。 -
15時15分、ホータン駅に着きました。
間に合うか不安でしたが、なんだかんだ発車時刻の50分前に着くことができました。 -
私が乗るのは16時06分発のウルムチ行きの列車で、途中のトルファン北駅で下車します。
トルファンまでは約20時間の列車旅です。 -
検票を終えホームへ出てきました。
今夜は車中泊となるため、硬臥(寝台席)を予約しました。 -
硬臥の様子。
そこまで混んでいる様子はありません。
列車16時06分になると定刻通りに駅を出ました。 -
ユルンカシュ川を渡り、古代の西域南道に沿って東へ東へと走ります。
-
カシュガルの動物バザールで買ったピスタチオが残っていたのでつまみます。
そういえば今日はまだいちご飴しか食べていなかったので腹ペコです。 -
車窓の景色。
文字通り砂漠の真っ只中を走ります。 -
19時半くらいになると、少しずつ日が暮れてきました。
-
夕暮れとどこまでも広がるタクラマカン砂漠の地平線。
法顕伝に記されている「上には飛ぶ鳥なく下には走る獣なし」という一句も、この大流砂の風景を見て思いついたのでしょうか。 -
暗くなってきたのでそろそろ食事をとります。
どうやらこの列車に食堂車はついていないらしいので、車内販売でカップラーメンとパンを買いました。 -
少し足りませんが、車内で売られているものはかなり割高なので今日はこれで我慢です。
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20時半なると完全に日も暮れ、21時にもなると外は真っ暗になりました。
-
22時になると硬臥車の明かりが消えました。
列車は若羌という町を過ぎると進路を北に変え、ロプ湖や楼蘭遺跡の近くを通り(と言っても線路からずいぶん離れていますが)、タリム盆地を縦に切りながらトルファンへと向かいます。
トルファン北駅へは、明日の11時45分に到着予定です。 -
おはようございます。2月15日の朝です。
夜も明けて砂漠地帯は通り過ぎ、現在は天山山脈の山岳地帯を走っています。 -
山岳地帯を抜けて少し走ると、ちらほらと建物が見えるようになってきました。
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11時40分、定刻より5分早くトルファン北駅に到着です。
とりあえず駅の外に出ます。 -
改めてトルファンに着きました。
トルファンはトルファン盆地に位置するオアシス都市で、5世紀には高昌国が成立し強勢を誇りました。
高昌国の時代には仏教が栄え、630年には天竺への旅の途中の玄奘三蔵が1ヶ月間滞在し説法を解いたとされています。
郊外には現在も仏教遺跡や城址が数多く残されており、当時の隆盛を忍ばせます。
ではタクシーに乗ってホテルへと向かいます。 -
今日泊まるのは桔子酒店というホテルです。
-
お部屋はこんな感じ。
個人的にはこの旅行中一番高評価だったホテルでした。
この後は少し休憩して、午後からは交河故城を観光していこうと思います。
といったところで今回はここまでです。
ホータンでの観光は少し物足りないところもありましたが、またいつか来た時にリベンジしたいです。
次回はトラブルがあってあまり観光できなかったんですがトルファン編です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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