柳川から長崎へ、6泊7日のシニア旅 ☆ 出島、崇福寺、諏訪神社周辺散策

2024/05/12 - 2024/05/18

昨年の九州旅行で訪れなかった福岡、佐賀、長崎を、レンタカーと市電を使って巡ってきました。
福岡では水郷巡りで知られる柳川を、
佐賀では吉野ヶ里歴史公園から、唐津を経由し活イカが美味しい呼子を、
長崎では平戸と長崎市街を訪れました。
歴史あり、自然あり、史跡あり、美味しい料理ありと、変化ある充実した旅でした。
これは7日目、出島、崇福寺、諏訪神社に関する旅行記です。

エリア 長崎市(長崎)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: ANAグループ 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

宿泊していた中華街近くのホテルから、歩いて出島に向かう途中で渡りました。
中華街から6分ほど、出島の東側、出島と向かいの江戸町を結ぶ、中島川に架かる日本最古の鉄製道路橋です。国の登録有形文化財に指定されている、長さ36m、幅5mほどの一方通行の橋です。橋の下には、明治時代に物資の運搬など荷揚場として利用された石段が残っています。

出島橋 名所・史跡

出島の入口に向かう表門橋の周辺に造られている、中島川沿いの公園です。藤棚の下には椅子も設置されていて、向かい合う出島を眺めることができます。緑は少ないですが、イベントが開けるスペースもあり、訪れた日には長崎市の花であるたくさんの紫陽花が運び込まれ、テントが張られイベントの準備が行われていました。

出島表門橋公園 公園・植物園

江戸町の護岸沿いには、かつて商家や奉行所、海軍伝習所などが置かれていたそうです。

出島 名所・史跡

長崎市街から出島に通じる、唯一の出入口をイメージした出島表門橋。
当時、多く役人が警備に当たっていたそうです。

出島 名所・史跡

日本が鎖国状態にあった江戸時代、西洋との唯一の窓口であった町の様子が復元されています。学生時代に訪れた時は出島の町並みがわかる模型があっただけでしたが、現在は19世紀初頭の出島の町並みが復元され、オランダ商館員の住居や部屋、日本人役人の詰所、蔵、調度品など充実した建築物や展示を見ることができます。

出島 名所・史跡

建物や展示物を見ながら、鎖国時代の出島に思いを馳せ、歴史散歩が楽しめるスポットです。オープンと同時に訪れたため出島内は空いていましたが、オープン30分後には修学旅行生や海外からの観光客が訪れ大変な賑わいになりました。静かな出島を体感したい場合はオープンと同時に入ることをおすすめします。
写真はオランダ商館長が使用していたカピタン部屋です。

出島 名所・史跡

カピタン部屋は商館長の住居であるとともに、お客様をもてなす建物だったとのことです。

出島 名所・史跡

オランダ貿易船船長の部屋。
二隻で来航するオランダ船のうち、最初に到着した船長が滞在した部屋を再現した一番船船長部屋。

出島 名所・史跡

倉庫蔵。
サトウキビや砂糖、染料の蘇木、商売用の脇荷などを収納していた蔵をイメージしています。

出島 名所・史跡

現在は出島の貿易やオランダ商館員の生活がわかる輸出入品が展示されています。
日本からは伊万里焼や銅、磁器などを輸出し、オランダからは天球儀やカットグラス、ビロード、織物、香辛料などを輸入していました。

出島 名所・史跡

オランダ船をイメージした展示物。

出島 名所・史跡

長崎市出島史料館分館の建物です。
館内には出島発掘の様子がわかる展示館です。

出島 名所・史跡

館内には発掘調査で出土した輸出用の陶磁器や、輸入された西洋陶器、骨製歯ブラシ、皿などが展示されていました。

出島 名所・史跡

1878年に建てられた英学校、その後、出島神学校として使用された建物です。現存する日本最古のキリスト教の神学校です。

出島 名所・史跡

1954年に長崎市立博物館から移設された陶製の柱。
出島にあったオランダの会社の窯のマークが刻まれています。
一見しただけでは陶製とはわかりませんでした。

出島 陶製の門柱 名所・史跡

出島内に展示されているミニ出島。
1820年に描かれた長崎出島之図を参考に、15分の1で製作された模型です。

出島 名所・史跡

出島の見学を終え、路面電車で崇福寺に向かいました。
崇福寺電停から3分ほど、400年程前に中国人の僧によって創建された黄檗宗の寺です。中国からやってきた人たちの希望で建てられた寺で、二層の屋根と門の両隣りに門戸を持つ朱色の三門や、中国で加工された材料を使用して建てられた、国宝に指定されている不思議な装飾が施されている第一峰門、中国人の仏師によって造られた明朝時代の仏像が保管されている大雄宝殿、航海安全の神様が祀られている媽祖堂など、中国らしさが感じられる見どころが多い寺です。訪れる観光客も少なく、静かな寺域をゆっくり鑑賞できました。

崇福寺 寺・神社・教会

崇福寺の入口に建つ三門の先に造られている、国宝に指定されている朱色の四脚門です。中国で材料を加工し日本に運び、組み立てられた門です。かつては寺の一の門だったようですが、三門が建てられてからは二の門になったそうです。軒下には中国らしい極彩色の模様が施され、いかにも中国寺院という雰囲気が感じられる門です。

崇福寺第一峰門 名所・史跡

崇福寺内に建つ、国宝に指定されている二層の屋根を持つ建物です。本堂に当たるお堂で、殿内には本尊の釈迦をはじめ、中国人の工匠によって造られた仏像や仏具が保管されています。下層部分は中国建築様式ですが、上層部は和風の要素が取り入れられています。お堂の床は石で、中にはたくさんの赤い蝋燭が供えられていて、全体には中国寺院らしさが感じられました。

崇福寺大雄宝殿 名所・史跡

大雄宝殿に保管されている仏像群。

崇福寺大雄宝殿 名所・史跡

大雄宝殿の向かいに建つ護法堂。お堂の中央に観音、右に韋駄天、左に関帝が祀られている、重要文化財に指定されているお堂です。

崇福寺 寺・神社・教会

鐘楼と鼓楼を備えている鐘鼓楼です。二階には音を響かせ拡散させるために、火灯窓や丸窓が造られています。護法堂同様、朱色で重要文化財に指定されている建物です。

崇福寺 寺・神社・教会

崇福寺電停そばに残っています。鎖国時代、丸山遊女は出島オランダ商館に出入りを許された唯一の女性で、オランダ行きと呼ばれていました。その遊女が丸山の表門を通らず、階段を下り玉帯川（現在の電車通り）から小舟に乗って出島へ向かったそうです。オランダ行きの遊女が通ったことからオランダ坂と言われたと説明板に記されています。住宅街にある道で見つけにくい坂道で、細い坂道と階段が電車通りへ下っています。

丸山オランダ坂 名所・史跡

諏訪神社電停から諏訪神社に向かう地下通路には、長崎くんちに関する説明と傘鉾、傘鉾行列の様子が描かれた絵画が飾られていました。

グラバー園の長崎伝統芸術館で諏訪神社の長崎くんちのビデオを見て、興味を持ち訪れました。諏訪神社電停そばの鳥居から石段が始まります。大楠そばの駐車場から大門までの急な石段を見上げ、長崎くんちの迫力ある映像を思い出しました。

諏訪神社 寺・神社・教会

鎮西大社と称えられる長崎の総氏神で、長崎くんちが行われる際のメイン会場になる神社です。
写真は長坂と呼ばれる、大門に向かう急な階段です。

諏訪神社 寺・神社・教会

諏訪神社拝殿の姿です。拝殿までは長い階段を上がらなければなりません。

諏訪神社 寺・神社・教会

見どころの多い神社で、広い境内にある狛犬巡りができます。印象的だったのは、恵比寿社前にあるトゲ抜き狛犬と蛭子社にあるカッパ狛犬です。心のトゲを抜いてくれるトゲ抜き狛犬と頭に皿のある優しい表情のカッパ狛犬が気に入りました。

諏訪神社 寺・神社・教会

諏訪神社にお参りした後、休憩するために新大工町のシーボルト通りに向かいました。商店街の先にシーボルト宅跡があります。青果店と魚屋、衣料品店、スーパー、ドラッグストア、銀行、クリニック、美容室、喫茶店など、地元密着の商店街です。

シーボルト通り 名所・史跡

喫茶店に入りミルクセーキとコーヒーで休憩しました。ゆっくり食事をしたり、おしゃべりをしたり、地元の人たちが利用する居心地のよい店でした。観光客が少ない商店街通りでした。

シーボルト通り 名所・史跡

全ての見学を終え、長崎空港に向かいました。
長崎空港へは、新地中華街バス停から空港バスに乗りました。片道1200円で、交通系ICカードで乗ることができます。予約制ではなく、20分毎の運行で、県営バスと長崎バスが運行しています。新地バスセンターの窓口で、もし満席だった場合は次の便に乗ることと、長崎バスターミナルホテルのフロント横で乗車券が買えることを聞きました。GW明けの比較的観光客が少ない時季だったためか、乗ったバスは半数以上空席でした。運転手さんのわかりやすく丁寧な案内と運転が印象的でした。

空港バス (長崎空港) 乗り物

空港到着です。
長崎空港の3階には展望デッキがあります。出入口に雨天兼用の傘があり、日差しが強かったので日傘として使わせてもらいました。自動販売機の前にテーブル、椅子が置いてある一画は屋根が設置されていました。長崎空港は海に囲まれた島にあり、海や遠くの陸が望めました。

長崎空港 3F展望デッキ 名所・史跡