2022/08/01 - 2022/08/01
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ちふゆさん
2022年8月1日(月)、この夏最初の青春18きっぷ利用の旅に出る。今回の行先は福井。あと1年半で敦賀から先の北陸本線が北陸新幹線の延伸で第3セクターになるので、それまでに行きたいところがあればと思ってたのだが、娘一家が恐竜博物館に行ってる写真を見て、私も行こうという気になった。青春18きっぷに付いては以前に書いたものがある。
https://4travel.jp/travelogue/11790100
JR奈良線の山城青谷を7時半前に出て、京都で湖西線の新快速に乗り換えて敦賀まで行き、10時前の北陸本線福井行に乗り換える。敦賀の2つ手前の近江塩津から北陸本線になり、両駅の間の新疋田駅の南の新深坂トンネル(1966年開通)で福井県に入る。ちなみに木ノ本方面への上り線の深坂トンネルは1957年開通。で、福井県については以下に書いた。
https://4travel.jp/travelogue/11744997
北陸本線については以前にも書いたが、敦賀から福井までは1896年(明治29年)に延伸された。ただし、この時点では北陸トンネルはなく、敦賀・今庄間は険しい山地を避け海側の杉津駅(現在は北陸自動車道上り線杉津PAになっている)経由で建設された。
https://4travel.jp/travelogue/11768555
北陸トンネルは新幹線以外の鉄道トンネルでは最長のトンネルで13870mある。1962年開通。1972年の山陽新幹線六甲トンネル開通までは、日本最長のトンネルだった。福井県の嶺北と嶺南を隔てる木ノ芽峠の直下を貫いている。我々の世代には1972年に発生した死者30人、負傷者714人を出した北陸トンネル火災事故が記憶に残る。
11時10分前、予定通り福井駅に到着(下の写真1)。福井駅及び福井市については下記に書いた。
https://4travel.jp/travelogue/11826631
ここでえちぜん鉄道勝山永平寺線に乗り換える。えちぜん鉄道(えち鉄)は福井市、勝山市、坂井市などが出資している第三セクターの鉄道。京福電気鉄道が福井県下で運営していた越前本線および三国芦原線を引き継いで運営するために2002年に設立された。
旧越前本線の勝山永平寺線と三国芦原線を運営している。また、福井鉄道福武線との相互直通運転も行っている。三国芦原線は2009年に東尋坊に行った時に乗ったことがある。
前身の京福電気鉄道は1942年(昭和17年)に設立され、その時点では福井県では京都電燈が1914年(大正3年)に開業させた越前線(現在の勝山永平寺線)のみ保有していた。その後、三国芦原電鉄、永平寺鉄道・丸岡鉄道を合併して三国芦原線、永平寺線、丸岡線としたが、丸岡線は1968年に廃止された。また、永平寺線も現在の永平寺口駅以北が1969年に、以南が2002年に廃止された。
勝山永平寺線は福井と勝山を結ぶ路線。起終点駅含む23駅、27.8kmを結び、全線単線で電化。日中通常は全線を結ぶ電車が2本運行され、日曜以外の朝に福井行の快速が運転されている。また、冬季を除く土休日や夏休み期間には観光列車として「恐竜列車」も運転されている。
上述のように京都電燈が1914年に越前電気鉄道として新福井・市荒川(現在の越前竹原)間を開業したのが始まり。同年中には大野口まで延伸された。1918年(大正7年)に大野三番(後の京福大野)まで延伸。1929年(昭和4年)には福井まで延伸された。
これも上述のように1942年に京福電気鉄道が継承し、越前本線となる。1974年に勝山・京福大野間が廃止され、現在の区間になる。2000年と2001年に続けて正面衝突事故を起こし、全線運行休止となる。2003年にえちぜん鉄道勝山永平寺線として運転再開。
JR福井駅の東側隣接地にあるえちぜん鉄道福井駅は1929年に京都電燈越前電気鉄道線の福井駅として開業。当初は旅客ホームと本線のほか、複数の電留線があった。1997年に福井駅付近連続立体交差事業により仮線に移行、地上仮設駅となる。さらに2015年に北陸新幹線の高架上に設けられた仮設駅に移り、2018年のえちぜん鉄道の高架化完了により現在の駅が開業した。
2階建て(下の写真2)で1階に切符売り場に改札口がある(下の写真3)。2階に上がると島式ホーム1面2線(下の写真4)。福井口で分岐する三国芦原線の電車も福井まで乗り入れており、1番線から発着し、勝山永平寺線は2番線から発着する。
11時25分発の電車で勝山に向かう(下の写真5)。福井口で三国芦原線が分岐すると東に方向を変え、九頭竜川左岸(南側)を遡って行く。途中、かつては永平寺線とクロスしていた永平寺口を過ぎる。永平寺までは7kmほどあるので、歩くのはしんどいな。私は永平寺は行ったことあるが、1回目は社内旅行のバスだったし、2回目は自分の車だった。
12時20分過ぎ、少し遅れて終着勝山駅に到着(表紙の写真)。勝山駅は上述のように1914年京都電燈によって開業した駅。1ヶ月後に大野口まで延伸されてから1974年までは中間駅だった。
駅舎に隣接する単式ホーム1線と島式ホーム1面2線の計2面3線を有する。この時点では単式ホームの1番線とその向かいの島式ホーム2番線が交互に利用されており、3番線は保線機械などが留置されていた。駅の先に留置線として使用されている線路が100m先まで続いているが、京福大野まで伸びていた時の名残。
駅舎は1914年(大正3年)開業以来のもので、2004年に島式ホーム上にある待合所も含めて登録有形文化財に登録された。2013年には内観の一部を建設時の吹き抜けに戻すなどの改修工事が行われた。昔ながらの風情のある駅で、映画のロケーション撮影などにも使用されたことがあるらしい。入口の看板には「駅」の旧字体である「驛」が使われている。
駅舎の手前(北側)にはテキ6形電気機関車と無蓋貨車ト68が動態可能な状態で展示されており、横に保存館が建てられ説明板が掲げられている。テキ6形電気機関車は1920年(大正9年)に京都電燈が自社設計で製造したもの。1980年まで貨物輸送車として織物製品や木材を運送していた。
現役引退後は福井口車庫で車両入替作業に使われていたが、2009年に現在地に移され、その後、2011年に勝山市に寄贈された。旅客会社が保有する動態可能な電気機関車では日本最古。屋根のない無蓋貨車ト68はえちぜん鉄道の前身の京福電気鉄道福井鉄道部最後の在籍貨車だった。
駅前のロータリーの真ん中には全長3mを越えるフクイサウルスが置かれている。隣には子供と思われる小型の恐竜像も置かれている。2011年に駅前ロータリーが整備された時に設置されたようだ。フクイサウルスは1989年に勝山市で発見された化石で、2003年に新属新種の恐竜として「フクイサウルス」と正式に命名された。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.25760314506945230&type=1&l=223fe1adec
勝山駅は勝山市の鉄道中心駅。福井県北東部の嶺北地区に位置する勝山市は恐竜化石の宝庫としても知られており、福井県立恐竜博物館もあることから「恐竜のまち」を標榜している。
人口は約2万1千人で、県内の17市町中9位とちょうど真ん中。県内9市で一番少ない。1954年の市発足時の人口の半分余りになっており、さらに近年は人口減少が続いている。
面積は約254平方mでこちらは県内で4番目に大きい。東から南に掛けて大野市、南から西に掛けて福井市、永平寺町、坂井市と、さらに北側は石川県との県境で、加賀市、小松市、白山市と接している。
この辺り、九頭竜川の形成した河岸段丘上には旧石器時代から人々の住んでいたことが明らかとなっている。縄文時代の生活の跡がいくつか確認されている。
奈良時代に開かれたと伝えられる白山中宮平泉寺は、白山信仰の一大拠点となる。その後、越前文化の中心的存在として商工業が繁栄し、文化も大いに高まり栄えたが、戦国時代の1574年の一向宗徒の焼き討ちによりその栄華を失った。
勝山の地名はその一揆勢が立て籠った御立山(現在恐竜博物館があるところから谷を挟んだ向かい(南)の小山)を「勝ち山」と呼んだことから起こった。
江戸時代に入り、1623年に福井藩初代藩主の松平(結城)秀康(家康の次男)の5男松平直基(結城松平家の祖)を藩主として越前勝山藩が成立するが、1644年に2代目藩主の松平直良が隣の大野藩へ移封となり廃藩となる。
その後、約半世紀を経て1691年に、小笠原氏が入封し再び勝山藩が立藩される。以後明治維新まで小笠原氏8代がこの地を治めた。この時代に勝山城が築かれたが、江戸後期の1822年に焼失し、4年後に再建されたが、明治時代に廃城となり取り壊された。現在の市役所辺りが城跡中心部だったが、遺構は何も残ってない。ちなみに後で寄る模擬天守を持つ勝山城博物館はこの勝山城とは位置・形式ともに無関係。
明治維新後は機業が勃興し、羽二重を中心とする絹織物の製造が盛んになり、昭和初期の人絹織物の導入によって織物立国を形成した。戦後も設備の近代化や技術革新により、高級合繊織物の一大産地として国内外に知られている。
行政的には1869年(明治2年)の廃藩置県によって勝山藩は勝山県になり、さらにその2年後に他の越前国の県と再編され福井県となる。1889年(明治22年)の 町村制施行で1町9村の区域をもって勝山町が発足。その後、猪野瀬村を編入し、さらに1954年(昭和29年)の町村合併法により、周辺の8村と合併し勝山市となった。
1988年に、市内で1億2千万年前の肉食恐竜の化石等が発見されて以来、この地域一帯は全国でも貴重な恐竜化石の宝庫としてクローズアップされている。2000年に福井県立恐竜博物館が開館し、200719年には日本で初めて恐竜の皮膚痕化石が発見され話題となった。
勝山市関係の著名人としては1984年のロスオリンピックの女子バレーボール代表選手だった三屋裕子(58年生れ)は勝山中学でバレーボールを始めた、広島カープで活躍した横山竜士(76年生れ)は市内出身で福井商高に進んだ。女子バトミントン選手で活躍中の山口茜(97年生れ)は平泉寺小学校、勝山南部中学、勝山高校とずっと市内。
まずは越前大仏へ向かうが、続く
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