釜山の元祖クラフトビールでへべれけ＆東萊温泉の「無人テル」に翻弄【坂の街釜山＆順天ハレの日その4】

2024/04/12 - 2024/04/13

　釜山で過ごす自由な１日。スロープカー巡りを終え、釜山を代表するクラフトビールのお店へ。ついつい飲み過ぎてしまい、夜７時を前に一人へべれけになってしまいました。
　夜はのんびり過ごそうと、温泉の出るホテルを予約してきたのですが、玄関の扉が開かない！？ 規制緩和のあおりを受け、寝床にたどり着くまで、さんざん苦労する羽目になりました。

エリア 釜山(韓国)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 1.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

　チャガルチのバス停でバスを降り、南浦（ナンポ）の街へ。いわずと知れた、釜山の旧市街地の中心です。
　ここまで観光客があまり寄り付かない街を巡ってきたので、外国人観光客あふれる通りが新鮮。

南浦洞 散歩・街歩き

　BIFF（釜山国際映画祭）広場。友人、叔母、ヨメさん…いろんな人と何度も来た場所で、懐かしいです。

BIFF広場 露店・屋台

　山手に目を転じれば、山腹道路沿いの、斜面にまでびっしり住宅が張り付いた街が見えました。ついさっきまで、あの場にいたんだ…

　南浦まで来た目的が、カルメギブルーイングのビールを飲むこと。カルメギとは釜山のシンボル・カモメのことです。
　近年では韓国でも多種多様なビールが飲まれるようになりましたが、カルメギは２０１４年に醸造をスタートした「老舗」になります。

　店の前には、4ヶ国語で「クラフトビール」と書かれていました。ちなみに韓国語では「手製麦酒（スジェメクチュ）」と表現します。

　窓際席はカウンターになっていて、一人でも気兼ねなく入れます。３０度に迫ったこの日、フルオープンのカウンター席は、ちょっとしたビアガーデン気分でした。

カルメギブルーイング南浦店 バー

　もちろんグループでやって来て、ワイワイというのも楽しい店。

　メニューは韓英のみ。カルメギではラガー、アンバー、IPAなど各種ビールが醸造されていて、サンプラーでは２００ｍｌずつ４種、15,000ウォンで呑み比べできます。
　ゲストビールもあるので、韓国のクラフトビールを各種飲んでみたい方にもおすすめ。

　午後は歩き通しで喉も乾いたので、さっそくいただきます！
　度数が高すぎないこともあって、クラフトビールとしては飲みやすい部類です。かといって大手のビールのように「軽いだけ」ではなく、風味はしっかり感じられます。

　つまみのポテトもやってきました。食べ応えがあって、うまい！
　ただボリュームがすごくて…店の雰囲気自体は１人でも入りやすいんですが、食事は複数人で食べる前提。この日は結局、このポテトが夕食になりました。

　サンプラーになかったヘイジーIPA（8,000ウォン）をお代わり。クラフトビールって度数に関わりなく、酔いやすいように感じるのは、私だけでしょうか。
　飲み干す頃には、一人へべれけになっていました。おごちそうさまでした！

　釜山駅のコインロッカーに預けた荷物を回収しに行きます。
　チャガルチ バス停の接近表示は大画面で、各方面のバスの現在地が一目で分かるスグレモノです。

　釜山駅ならほとんどのバスが経由するので、先にやって来たバスに乗車しました。中央バス専用レーンを快走。窓から入る夕方の風が、へべれけの体を冷ましてくれます。

　釜山駅前で下車。コインロッカーの荷物を回収して、地下鉄に乗り換えました。
　もし地下鉄で来て、改札を出て荷物を回収すれば、初乗り運賃が２度かかります。バスで来て地下鉄に乗り換えれば、乗継割引が適用され、初乗り運賃は１回分でＯＫです。

釜山駅 駅

　地上に上がり、明倫（ミョンリュン）駅で下車。

釜山都市鉄道 (地下鉄） 鉄道系（地下鉄・モノレールなど）

　釜山地下鉄の高架区間は、温泉川の上に作られています。川沿いは散歩コースにもなっていて、身近に感じられる河川です。

　明倫駅からは、ロッテ百貨店とロッテマートが屋根付きの歩道橋で直結。天気の悪い日に買い物に来るなら、絶好の立地です。

　今夜の宿は、東萊温泉ホテル。日本から、Agodaを通じて予約＆決済してきました。
　東萊の温泉街は、隣の温泉場駅周辺になりますが、この辺りも温泉が湧くようです。温泉水１００％を自慢するLEDに、期待高まります。

　しかし玄関が施錠されていて、押しても引いても開きません。（酔っ払いの）大声を上げてみても、誰も来る気配なし。
　明かりは付いているから、廃業ということではなさそうだけど、一体どうなってるの？

　玄関回りをよく見てみたら、ドアロックの暗証番号が掛かれており、その通りに番号を押したら開きました。セキュリティの意味なし！
　フロントには誰もおらず、「無人テルとして運営」とのこと。韓国も日本と同様、宿のスタッフの常駐義務がなくなり、無人受付のホテルを「無人テル」と呼んでいるようです。

　しかし自動チェックインシステムがあるわけでもなく、「電話または携帯のメールで連絡して、鍵を受け取って下さい」とのこと。Agodaで海外からの予約を受けてて、それはないでしょ！
　僕は韓国語ができるけど、スマホはローミング非対応なので電話もメールもできません。隣の中華料理屋は電話を貸してくれず、周辺に公衆電話もなく、ほうぼう歩いた末、ロッテマートの案内所で電話を借りることができました。

ロッテマート (東莱店) スーパー・コンビニ

　荷物をホテルの適当な部屋に置き施錠して来たのですが、「特室」だったらしく、１万ウォンの請求を受けてしまいました。抗議したかったけど、面倒になり承諾。
　せっかくロッテマートまで来たので、ちょいと見物していきましょう。アサヒの「食彩」、日本では１年近いコンビニでの試行販売を経て、この春から本格出荷がスタートしました。韓国でも売り出したんなら、安定供給に自信アリ？

　夜８時過ぎというのに、世界のキッズの味方・トイザらスは営業中。

　プラレールは韓国向けパッケージになっていましたが、すべて日本の電車でした。韓国のKTXも商品化されているはずだけど、普通のおもちゃ屋には売ってないようです。
　韓国産「公共交通アニメ」タヨの登場人物、ミキサー車・クリスのおもちゃを、我が子への土産に仕入れました。

　改めてホテルへ。１泊５千円もしないだけあって建物は古びているけど、手入れは行き届いています。
　外から事実上出入り自由なのは一抹の不安があり、落ち着きません。

　特室なのでベッド広々。

　そして部屋のお風呂は、温泉です。ぬめりを感じられる、いいお湯。
　湯舟が小さくて、体操座りになってしまうのが惜しいです。

　あと韓国のどの温泉宿にも言えることだけど、便所と同居というのが、どうにもね…
　ユニットバスならあまり抵抗がないけど、洗い場が「便所の床」というのは、あまりいい気分ではありません。

　とはいえ、温泉は温泉。疲れた足をしっかりほぐし、リフレッシュできました。
　ロッテマートで仕入れたクラフトビールを飲みつつ、だらだらと一人時間を満喫。

　ここは韓国観光公社認定の優秀宿泊施設ですか、そうですか…。
　疲れもあったので１０時台には早寝。しかし３時頃に目が覚めてしまい、以後あまり寝付けませんでした。どうせ眠れないのならと、５時過ぎには起床して荷造り。

　５時４０分のバスに乗りました。土曜日の早朝のバスなのに、早出の出勤の人で席はいっぱい。お疲れ様です。

　温泉場で下車。飲食店が立ち並び、夜は賑やかそうです。
　韓国の温泉地は繁華街になっていて、日本の温泉街のイメージとは異なる…というのは一般論。別府出身の僕にとっては、東萊の温泉場も立派な温泉街だと感じます。

　クラフトビール専門店もありました。

　広い風呂に浸かりたくて、やって来たのは大盛館（テソングァン）ホテル。

　韓国の温泉ホテルは、大浴場が外湯になっているところが多いです。大盛館も、裏手に回ると「大盛湯」の入り口がありました。
　営業時間は５時半から１９時までと、早起き、早じまいなのも韓国流。入浴料は１万ウォンで、それなりに値が張ります。

　早朝とあって人は少なく、８年ぶりの韓国の温泉にゆっくり浸かれました。早起きは３ウォンのトクですね。
　露天風呂は窓が締め切られていましたが、閉鎖的なところが多い韓国の温泉にあって、自然光が入る浴室というだけでも嬉しいです。

　韓国の温泉は、浴室に布タオルを持ち込まないのが流儀。体を洗う時は、浴室内に積んであるアカスリタオルを使います。
　しかし明確に「タオル持ち込み禁止」と書いてある温泉は、はじめて見ました。郷に入っては郷に従え、ブラブラ入りましょう（笑）。

　当初は、この大盛館ホテルに泊まるつもりで予約。しかし仕事が建て込み、直前キャンセルの可能性が出たため、キャンセル料がかからないうちに、安いホテルに変更しました。
　しかし東萊温泉は、今後の家族旅行の候補地。部屋を見せてほしいとお願いしたら、快く鍵を貸してくれました。

　広くて清潔、いい感じ。
　ただ韓国のホテルでは珍しく、土足のまま部屋に入るスタイル。子連れの身としては、靴を脱げる部屋が望ましいんだよね。

　ヨメさんのことを考えると、部屋にも湯舟が欲しいところ。家族旅行ではなく、一人旅か友人との旅行で使いたい宿だと思いました。
　ってか、昨晩もここでゆっくりしたかった～！