2024/03/24 - 2024/03/24
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mistralさん
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ポワティエでの3泊の滞在中、見るものといったらすべてがロマネスク漬けの
毎日だった。以前ヴェズレーに行った折、ロマネスクに関心のない同行者に
とっては多分退屈きわまりない数時間だったろうと反省。
今回は事前交渉していた。
ポワティエでは訪問先はどこもロマネスク関連になってしまうので、
代わりにそのあとの訪問先は好きな場所を選んでね、と夫に提案。
そう提案されて、どこに行ったらよいのか考えてしまったようだったが
それならロワール川沿いにあるシャトー巡りをしてみたいということに決まり
ポワティエからトゥールにやってきた。
mistralにとっては随分以前にパリから日帰りだったがロワールの古城巡りのツアーバスに乗り、有名どころのシャトー巡りをしたことがあったので、
ここは夫の希望を最優先することになった。
(表紙写真はクロ・リュセ城遠景)
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
3月23日
ポワティエ駅まではタクシーを呼んでもらってやってきた。
一方通行だったのか、途中イベントがあったせいか
来た時の倍の料金となってしまった。
駅の二階ホールから下を見ている。
2階からだと行きたい方向のホームに渡れるような
廊下ができていて便利らしい。 -
ポワティエ発 10:19 → サン・ピエール・デ・コー着10:52
乗り継ぎ
11:13→トゥール着11:18 の予定だった。 -
ポワティエ駅ホームで予定時間の列車に乗った。
サン・ピエール・デ・コー(St. Pierre des Corps)の乗り換え駅で、思わぬトラブルが発生した。
お隣駅のトゥール駅まではわずか一駅の距離だったので油断したせいなのか?
次に乗る電車の時刻、ホームを確認してそのホームに移動。
ホームに上がっていったら間もなく電車が入ってきたので
なんの疑いもなく乗り込んでしまった。
間もなく動き出してから、その電車がどうやら反対方向に向かって
いるらしいことに気がついた。
同じホームに、反対方向に向かう電車が、わずかな時間差で
入ってくるなんて思ってもみなかった。
この日の移動は楽勝と思っていたのに、突然見舞われた災難。
快速列車?だったため、次の停車駅はアンボワーズ。
翌日には、その駅まで行く予定だった。
やむをえずそこで下車。
もと来た方向に戻るため、そこで1時間以上待たなくては
ならなかった。
駅周辺には何もなく、スーツケースを転がしてまさかの
観光(アンボワーズ城、クロ・リュセ城などの観光の起点
でもあるけれど)もできずにただただ駅で時間をつぶした。
結局乗った電車は アンボワーズ発 12:37
トゥール着 13:00 となってしまった。 -
そんなトラブルの後に、トゥールにある宿泊先に(気分的に)
疲れ果てて到着した。
名前はResidence Hoteliere Central Parc という。
すぐそばには大きな公園があり、それに因んでいるようだ。
なので建物の写真などは撮ることも忘れてしまった。
アパートメントなので、到着時間を知らせて約束も
してあったので、担当の方には
かなりの時間をお待たせしてしまった。 -
外部にあるテンキーを押してロックを解除する方法
をメールにて知らせていただいていたが、
なかなかうまく作動せず、やっと建物内部に入った時に撮った写真。
どうやら解除ご、ドアを開けて入るタイミングがうまく
いかなかった為のようだった。 -
内部の案内板によると
宿泊予定の部屋「Poncirier」は上階にあるようだ。 -
-
部屋に入る為の鍵も
内部の収納ボックスから取れるようになっているため
無事に入室。 -
中庭ビューの綺麗なお部屋で設備も申し分ない。
(キッチン方向から撮影している。)
しばらく後に、約束していた担当の方の訪問があった。
事前に登録していたクレジットカードから引き落としができなかった
とのことで、どうしても会わなければいけなかったのだ。
この日はこのまま中休み....
持参していたレトルトのカレー、パックのご飯などなど
アパートで自炊?してのんびりといただいた。
体力を何処かで温存しておかないと、とだんだん思うようになってきた。
無理は禁物。 -
3月24日 朝
朝食のバスケットをお願いしてあった。
(11ユーロx2人分)) -
バスケットからいろいろ取り出して
楽しみながらいただいた。
残った分はランチ(おやつ)用に持参、更に残りは
冷蔵庫に入れた。 -
翌日はロワール川沿いのシャトー巡りのミニバスツアーに
申し込んであった。
ツアーではアンボワーズ城には行くことになっているが
すぐそばにあるレオナルド・ダ・ヴィンチの終焉の地となる
クロ・リュセ城には行かないようだったので、
自分たちで行ってみようと計画していた。
朝食後のんびりとトゥール駅まで歩いていった。
トゥール発11:02 → アンボワーズ着11:20に乗車予定。
一台の自動券売機で発券をチャレンジしたが
欲張って往復のティケットを購入しようとしたせいか
うまくいかず、やむを得ず片道のみ購入できたのは
発車予定の2分前だった。 -
アンボワーズ駅に到着。
幸いバスが停まっているので、聞いてみた。
「Le Bus de la Ville d'Amboise」と書かれたバスで
アンボワーズ駅から出発して、主だった停留所をぐるっと
周って帰ってくるようで、クロ・リュセ城に行くには
アンボワーズ城で下車すれば良いとのことだった。(0.80ユーロ、1人)
バス下車後、レストランなどでにぎわっている一画で
ランチを済ませて、アンボワーズ城を通り過ぎてクロ・リュセ城
へ向かっているところ。 -
目的地に到着したようだ。
1516年、フランソワ1世によりフランスに招かれたレオナルド・
ダ・ヴィンチ
「モナリザ」「聖アンナと聖母子」「洗礼者ヨハネ」を携え
弟子のフランチェスコ・メルツィと、ミラノでの奉公人バッティスタ・
ダ・ヴィラニスを伴いクロ・リュセへとやってきた。
3点の絵画は後にルーブル美術館に飾られることになる3点の傑作。
王に仕える「初めての画家・技術者・建築家」と呼ばれた。 -
そしてここで亡くなった、と書かれている。
亡くなったのは1519年5月2日、67歳だった。
アンボワーズ城の聖フロランタン参事会教会地下に埋葬。
1863年の発掘調査で、彼の遺骨とされる断片から、そこが
彼の墓だと推定されている。
その後1874年、アンボワーズ城の敷地内にある、聖ユベール
礼拝堂に移されたそう。 -
クロ・リュセ城入り口にて入場料(一人19ユーロ)をお支払い。
アンボワーズ城からは400メートルの距離にあるクロ・リュセ城。
この館はバラ色のレンガと石灰岩から作られている。
1471年、国王ルイ11世の顧問エチエンヌ・ルルーにより建造。
1490年、シャルル8世の所有地となり、フランス王の居住城となった。
フランス王国の摂政だったルイーズ・ド・サヴォワはこの城に滞在、
後のフランソワ1世となるアングレーム公と姉のマルグリット・ド・
ナヴァルをこの城で育てたそう。 -
個人所有の展示館(レオナルド・ダ・ヴィンチパークと館長さんの
言葉にはあった)の為か高い価格設定か。
可愛らしいティケット、園内で上映していたアニメも見られたようだ。
現館長フランソワ・サンブリスさんのご両親が
歴史的建造物の公開にむけて、邸宅をルネサンス時代に
ダ・ヴィンチが暮らしたように蘇らせたいと挑んでこられた
意思を受け継がれたきたようだ。 -
最初に庭園を歩いてみることにした。
-
向こうに見えてきたのは
「ヘリコプター」
空気スクリューで飛ぶ一人乗りヘリコプターだそう。 -
移動手段は馬しかなかった時代、空を飛ぶ乗り物なんて
なかった時代に、いち早く飛行機やヘリコプターなどの
発想を抱いていたダ・ヴィンチ。
メリーランド大学のエンジニアリングチームが2019年から
このヘリコプターの基盤となる技術を設計しテストをした。
スクリューのようなデザインを用いてドローンを組み立て
飛行する様子を動画で紹介しているそうだ。
当時のダ・ヴィンチが手に入れられなかったアルミニウム、
プラスチックなどの材料や、バッテリー、コンピューター
システムなどの恩恵を受けていることは間違いないことだが
基本的な考え方はダ・ヴィンチの理論によっている。 -
写真は
全日空の前身の会社、日本ヘリコプター輸送の
社章の「ダビンチピン」だそう。
デザインに使われているのはダ・ヴィンチの構想した
ヘリコプター。 -
機関砲(後方から撮影)
最初に機関砲と名付けたのはダ・ヴィンチと言われているそう。
砲身がたくさん横並びで装備されている。 -
「アルキメデスの揚水スクリュー」
管の内部には螺旋があり、回転することで連続的に
上方へ水を移動させる装置。粘性のある液体の輸送
にも適していて現代でも使われている。
スクリューを回転させるのは、風車、人力、牛、モーター
などによる。
この原理は現代でも使われているものだそう。 -
旋回橋
片側の岸辺に備え付けた支柱を軸にして滑車で橋を旋回させて、
船が川を上り下りするときには、船の通行に支障がないように
橋を岸辺に横付けし、人が川を渡るときには、川の流れと
垂直の方向に旋回させて両岸を橋渡しする仕組み。
万が一、敵が攻めてきたときにも応用ができる。 -
実際に橋を渡ってみたけれど
しっかりとした構造のようだった。 -
この庭に自生している植物のスケッチが数多く
残されているそうだ。
自然は彼にとって一番のインスピレーションの源となっていた。
膨大な手稿を残したといわれるダ・ヴィンチ。
現存しているのは3分の1とされる5000ページほど。
1965年にスペイン王立図書館で発見された「マドリッド手稿」
この手稿はダ・ヴィンチの手が離れた時のままの状態で発見
されたそうで、彼が手掛けた研究の20パーセントに及ぶもの
だったそう。 -
展示室へ入った。
ウィトルウィウス的人体図は
古代ローマの建築家ウィトルウィウスが考案した人体の
普遍的なプロモーションを視覚化した作品だが
ダ・ヴィンチはこれに幾つかの変更点を加えていた。
ダ・ヴィンチが描いた人体図の正方形は、おへそではなく
男性器を中心として描かれていること、
ウィトルウィウスが足の長さは身長の6分の1と記述していた
部分を、実際に計測して、身長の7分の1に変更している。
すでにあるものを修正して洗練させるという方法は、
ダ・ヴィンチの王道のパターンだそうだ。。 -
ギャラリー レオナルド・ダ・ヴィンチへ
体験型スペクタクル、とあった。 -
彼の様々な傑作が
次々と投影されてくる。
細部にわたり見ることができ、左右にも画面が広がっていき
不思議な気分。 -
数学と幾何学は
ミラノで出会ったルカ・パチョーリから学んだそう。
遠近感を使って表現する透視図や
黄金比についての研究を重ねたそうだ。 -
そんな研究の成果を示す解説板の展示。
-
更には都市計画にも携わった。
建築工事の準備としての測量。
コンパス、方位磁針、オドメーターなどの使用から
ミラノの地図を作製したそうだ。
ペストの流行によって街の衛生状態は劣悪だったが
ミラノの街を機能的で清潔な都市にする為に
運河による排水をし、社会的に幾つかの階層に分けて、
組織化された都市のイメージを造りあげていった。 -
-
孔雀が数羽、園内を闊歩していた。
-
撮影は出来なかったが白い孔雀も見かけた。
-
クロ・リュセ城内部へと入る。
模型の展示室
ここには40ものダ・ヴィンチの模型が展示されていたようだ。
あまり詳しく見ることもなく、通り過ぎてしまった。
写真の模型は「鎌つき戦車」。壁のテレビでは、その戦車が
回転しながら動く画像が映し出されていた。
5世紀もの時代を先取りしていた彼の機械類。
これらの模型は、ダ・ヴィンチのオリジナルデッサンを基に、
当時使われていた資材を集めてIBM社が完成したそうだ。 -
地下道
言い伝えによれば、この地下道はアンボワーズ城に
通じているそうだ。
実際はどうなんだろう?
フランソワ1世は、レオナルド・ダ・ヴィンチを父と慕って
いて、年間、1000エキュ金貨による年金を与え、
この地下道から頻繁に訪れてきていたようだ。 -
厨房(恐らく)
ダ・ヴィンチは生涯採食主義だったそう。
右手は彼が冬の夜に温まっていたという暖炉。
オーク材の梁の下に、吊り輪を取り付け、ジビエを吊るして
調理していた様子がそのまま展示されていた。 -
-
ルネサンス様式の大広間
レオナルド・ダ・ヴィンチが、訪ねてきたフランソワ1世や
王国の大使、芸術家を迎えた広間だそう。
15世紀当時の様子の再現のために、資材にもこだわった
職人さんたちは、当時と同じ技術を用いて復元したようだ。
椅子、チェスト、タペストリーなどは、この館の住人たちが
使っていたものだそう。 -
書斎
薄暗い空間に足を踏み入れた瞬間、人の気配がして驚いた。
ここではバーチャル技術を駆使し、1617年10月10日の
ダ・ヴィンチとルネサンスの偉大なプリンス、ナポリ王国
の跡継ぎ、アラゴン枢機卿との出会いの瞬間を見ること
ができる。
枢機卿がクロ・リュセ城のダ・ヴィンチを訪問した際に
モナリザを含む3つの傑作を紹介している場面だそう。
(枢機卿の秘書が、フランスでダ・ヴィンチを訪問し
3枚の絵を見せてもらったことを記しているそうだ。) -
ダ・ヴィンチのアトリエ
(3部屋から構成されている。) -
-
陳列棚はこうだったのではないか?と想像される
ような品々が並べられていた。 -
-
-
-
瀕死の状態のダ・ヴィンチを見舞うフランソワ一世の絵、
この絵は翌日訪れたアンボワーズ城に掛けられていたもの。 -
マルグリット・ド・ナヴァルの部屋
(後のフランソワ1世の姉にあたる)
ルネサンス期、初めての女流作家でもある方。
1509年、若くして結婚すると同時に、ボッカチオの
「デカメロン」から着想を得て、小説「エプタメロン」
を書き始める。72編の短編小説など、アンボワーズを
舞台にして書かれているそうだ。
肝心のダ・ヴィンチの部屋の写真は撮らなかったようだった。 -
マルグリットにまつわる数字を型押ししたという
テラコッタタイルが敷き詰められている床。
壁際にある椅子は、イタリアルネサンス様式の
X脚チェア(ダンテスカ) -
-
通路にあった美しい窓。
-
その一部分。
-
-
-
外部通路に出て、塔を下って降りてきた。
-
右側にあるのがクロ・リュセ城。
入口はそこにあった。
残りの大部分は広大な庭園で、そこにダ・ヴィンチ構想の
機械類が設置されていた。
ほんの一部しか見ることができなかったのは残念なことだった。 -
帰りは駅まで歩いて戻った。
橋を渡りながら後ろを振り返ると
丘の上に聳えるアンボワーズ城の姿が見渡せた。 -
ひっそりとしているアンボワーズ駅。
アンボワーズ発 15:38に乗車 -
トゥール駅まで戻ってきた。
-
重厚な外観のトゥール駅。
翌日はこの駅前近くで待ち合わせて
ロワール渓谷のシャトー巡りのツアーバスに乗ります。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 川岸 町子さん 2024/05/28 06:58:07
- ドキドキ
- mistralさん、おはようございます。
目的地と反対方向へ向かう快速電車、
チケット購入後に電車に乗り込まれる時は、2分前
ドキドキしましたが、しっかり目的を果たされて、良かったです!
ご主人さまのご希望コース、新しい視線で楽しめましたね。
Apartmentにご宿泊、さすがです!
私はかつて東欧で利用し、便利だし広いし、キッチン使えて、本当に助かりました。
ところが今は事前のやり取りが億劫で、ついつい敬遠しがちです。
言葉のネックもありますし。
昨年イタリアで宿側が時間を守らないことが3回あり、さらに敬遠してます。
mistralさんのようにスマートに利用できればと、憧れます(*^^*)
町子
- mistralさん からの返信 2024/05/28 20:03:46
- RE: ドキドキ
- 町子さん
こんばんは。
いつもコメントをいただきましてありがとうございます。
> 目的地と反対方向へ向かう快速電車、
> チケット購入後に電車に乗り込まれる時は、2分前
> ドキドキしましたが、しっかり目的を果たされて、良かったです!
ポワティエの旅行記がなかなか終わりになれず、ロマネスク漬けにもいささか
飽きてきていました。
1箇所に滞在しているときにはさほど問題はおこりませんが、宿を変えたり
移動する際の乗り物などでトラブルが起こることが多いですね。
> ご主人さまのご希望コース、新しい視線で楽しめましたね。
気分転換になりますよね。
クロ・リュセの訪問はなかなか良いところで私も楽しめました。
> Apartmentにご宿泊、さすがです!
> 私はかつて東欧で利用し、便利だし広いし、キッチン使えて、本当に助かりました。
> ところが今は事前のやり取りが億劫で、ついつい敬遠しがちです。
> 言葉のネックもありますし。
アパート滞在、自由にのんびりできるのは良いのですが
事前のやりとりなどはやはり億劫ですね。
このアパートはかなり前にチェックインをするようにとお知らせがきて驚きました。
booking.comさんを通して、その真偽を問い合わせていただいたりしました。
当日のチェックインではなく事前の(それもかなり前の)チェックインをすることで
当日のバタバタを避けているようでした。
> 昨年イタリアで宿側が時間を守らないことが3回あり、さらに敬遠してます。
> mistralさんのようにスマートに利用できればと、憧れます(*^^*)
オーナーさんが時間を守ってくださらないと困りますよね。
私たちもなかなかスマートにはできず、宿をかえる際にはやはり疲れ果てたり
トラブルがあったりで大変です。
丁寧にいつも読んでくださりありがとうございます。
mistral
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