2024/03/09 - 2024/03/10
158位(同エリア212件中)
れむさん
1日目のお遍路歩きが思いのほか楽しかったので2日目もお遍路歩きをすることには決めたのだが、どのルートをどう歩くか、前日夜、いろいろと悩んだ。
徳島市付近だと十三番~十七番が市内にも近く歩きやすいので悩んだが、やはり昨日の続きで六番~十番に決めた。しかし六番はバスがあるものの、十番札所が付近に交通手段がなく難しい。夜の飛行機で帰らないといけないので、不測の事態は避けなければならない。
十番札所に行くには、JR徳島線の阿波川島駅から徒歩1時間半。そこで朝早い電車がある阿波川島から入って、十番から逆打ちで六番に向けて歩くこととした。
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早朝の電車に乗るために朝6時過ぎにホテルを出発。前日疲れて早く寝た分、朝は早く目が覚めて準備もバッチリ。今回は素泊まり予約だったこともあり、朝食は前日夜にコンビニで買ったサラダやパンを部屋で食べた。
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市の中心部を流れる新町川のほとりを駅方面に向かって歩く。吉野川は徳島市中心部の少し北を流れるが、中心部も、この新町川を中心とした吉野川水系の河川に囲まれ、水の都とも言われているようだ。
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徳島駅から、これから向かう阿波川島駅までは、わずか20数キロの距離なのに、なぜか普通列車で行くと50分もかかる。特急だと20分ほどで着くので、少しばかり金はかかるが特急を利用することにした。
6:46発の阿波池田行き特急剣山1号、この高松行きの普通列車が出発後に入線するのを待つ。 -
特急剣山がやってきた。特急なのにわずかに2両。お遍路の人も含めて10数名くらい乗り込んだが、それでもガラガラである。
特急と言いつつ、20キロ先の阿波川島までの間に3駅停車する。 -
20分ほど乗って、7:10に阿波川島駅に到着。到着前に車掌がやってきて、切符を回収されてしまった。無人駅なので車内で切符を回収するそうだ。特急停車駅なのに無人駅なのか、、、。
到着後、出口に向かう跨線橋の上から今乗ってきた電車を撮影。徳島線は単線、周囲を山に囲まれ、大いなる田舎、という雰囲気である。 -
阿波川島駅から十番札所 切幡寺までは7km、徒歩1時間半以上かかるが、十一番札所までの遍路道とほぼ重なっている。十番から十一番までは12kmほどあり、このうち7km部分をこれから歩く形だ。
そのため、道中長いけれども、歴史ある遍路道を歩く楽しさを味わえる。駅を出て少し歩くと早速、川島神社という由緒ありそうなお寺が現れる。 -
川島神社の鳥居の先にそびえる川島城。駅から少し歩くと姿を現し、こんなところにこんな勇壮な城があるのかと驚かされる。戦国時代に三好家の一族である川島氏が築いた城のようだ。
1981年に復元されたが、耐震基準を満たしていない理由から現在は残念ながら入城できなくなっているとのこと。 -
川島神社の本殿。さぞかし由緒ある神社かと思いきや、こちらの創建は大正5年。これから向かう善入寺島の中にあった浮島八幡宮という674年創建の由緒ある神社が、吉野川改修工事で移転することになったため、その他の善入寺島の神社と合併する形でこの川島神社として移築されたようだ。
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川島神社から公園を抜けて道を下ると視界が一気に開けて、眼下に雄大な吉野川の流れと、そこにかかる川島潜水橋が見渡せる。
前日、徳島市付近でみた吉野川は河口付近で川幅がとてつもなく広い大河だったが、ここでは山野に囲まれて悠久の時を刻むような美しい流れである。 -
そんな吉野川にかかる、川島潜水橋。手すりなども無く、増水時はそのまま沈むことで抵抗をなくし橋の損傷を減らすようになっている。
ここもお遍路道となっており、切幡寺を示す道標がしっかりと立っていた。 -
橋の長さは285mあるが、車1台分しか通れる幅がなく、人と車ですれ違うのも怖い。中央部に車のすれ違い、その他に2箇所ほど人が退避できる場所があるので、そこで車が過ぎるのを待つ。
車の通りは多くはないが、それでも渡っている間に1、2台は通る。 -
橋の上から見渡す吉野川と四国山地の山々の景色は実に美しい。川の水もとても澄んでいる。
徳島市中心部からわずかに20キロ程度の距離で、こんなにも雄大な景色が広がっているとは思わなかった。 -
川島潜水橋を渡り切ると、善入寺島という島に入る。日本最大の川中島で、吉野川の中洲として古代から人が住みお遍路道でもあったが、氾濫への対策として大正4年に住民が移住し、基本的に田畑を耕すだけの無人島となったとのこと。その時に先ほどの浮島八幡宮も川島神社に移転したようだ。
今はお遍路道としてはひたすら畑の中を歩く。 -
阿波川島駅から30分ほど歩いて時刻は7:40過ぎ。今日の天気はとても良いのだが、放射冷却もあって今朝はとても寒い。周りの畑を見ると霜が下りていて、氷も張っていた。
遠く四国山地の奥の山々は雪化粧をしている。 -
善入寺島から反対側の川の向こう岸へとかかる、大野島橋。こちらもやはり潜水橋。善入寺島には5つの橋が架けられているが全てがこうした潜水橋のようだ。
大野島橋は全長228mで、川島潜水橋よりは少し短い。橋桁に異常があるようで橋の周辺は現在、工事中。 -
大野島橋を渡ると、吉野川の北側に至り、ここからは再び昔ながらの街並みといった景色が広がる。のどかな住宅地だが、遍路道ということもあり、時折小休止できるような場所なども設けられている。
まだ朝早い時間だが、十一番藤井寺に向かうのであろう外国人お遍路さんカップルとすれ違い、挨拶を交わす。 -
大野島橋からまっすぐ遍路道を北上すると、1キロほどで突き当たりとなり、八幡宮が鎮座している。八幡宮といえば源氏の氏神だ。昨日のお遍路寺も義経が参拝したとあったので、このあたりも義経や源氏が訪れたのだろうか。
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八幡宮の本殿は立派で、木造本来の素朴さのようなものが感じられる。埋もれてしまうのがもったいないような趣ある神社だが、歩き遍路でなければ気づかずに通り過ぎてしまうだろう。そんな風に遍路道に静かに鎮座している。
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八幡宮のすぐ隣にもう一つ鳥居があり、こちらには粟島神社と書かれている。粟島は善入寺島の旧来の名前で、川島神社に移転した浮島八幡宮と同様、善入寺の人々が移住した際に島内からここに委託されたようだ。
本殿は八幡宮の裏手にあり、八幡宮より少し小ぶり。 -
さらに北上すると、向かう方面の山の中腹にお堂が見える。地図と照らし合わせるに、あそこが目的地の切幡寺のようだ。結構、山の上にあるなと思わせられる。
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四国第十番を示す石碑が立ち、ここから道は登り坂となる。小道の両側には遍路グッズを売るお店やお遍路用の旅館も建ち、門前町のような風情となってくる。
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建物が並ぶ通りを抜けると、徳島自動車道の下をくぐり、山道へ。山道を登って行くとやがて仁王門が姿を現す。
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仁王門までは車道を歩くが、仁王門を抜けてからは、車道と離れ、石段での登り坂。本堂まで333段の石段が続く。
昨日の四番札所は若干の上りではあったが、本格的な登りはここが初めて。この後の九番~六番にかけては平坦なので、今回唯一の山登りである。 -
とは言っても、5分ほど登れば333段は登り切ることができて、本堂に到着。時刻は午前8:40。阿波川島駅から1時間半という道のりであった。正面が本堂で、右手松の木の陰が大師堂。
まだ朝は早いが、参拝客も数名。仁王門まで車で来てそこから石段を登ってくる方が多いようだ。 -
手水舎で清めた後、鐘楼で鐘をついて、本堂、大師堂の順に参拝という昨日の流れを繰り返す。
お寺は西暦800年頃の創建。僧衣用の布を求めた弘法大師に織りかけの布を差し出した機織娘に、弘法大師大師がお礼に千手観音像を彫って差し出したところ、機織娘が観音菩薩に変身したことがお寺の名前の由来であり、本尊となっているようだ。 -
山麓から見えた塔が、こちらの切幡寺大塔。本堂、大師堂から更に一段登ったところに位置する。
元々、大阪住吉大社の神宮寺に豊臣秀頼が1607年に建立したものを、明治初頭に神宮寺が廃寺になった際にこちらに委託したものとのこと。 -
右上の塔が大塔。大塔からは山麓まで広く見渡せるが、若干木々の陰になってしまう。
一連の参拝を終え、最後は本堂脇にあるこちらの納経所で、御朱印をいただく。 -
2日目最初の御朱印を無事いただく。
ここからは再び333段の石段を下りて、次の目的地、九番札所 法輪寺へ。
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