2023年5月ベルギーからのドライブ旅行39 ラ・シャリテ・シュル・ロワール(La Charité-sur-Loire)

2023/05/03 - 2023/05/18

コロナ禍あけを待って4年ぶりとなるロマネスク紀行の復活はベルギーからスタートしました。今回も車でオランダ、ドイツ、フランスを巡りました。10日目（5月14日）。この日のスタートはサントル＝ヴァル・ド・ロワール地域圏のシェール県に属するアヴォール(Avord)と、2番目のラ・シャリテ・シュル・ロワール(La Charité-sur-Loire)です。

エリア フランス

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: ANA

5月14日ヌベールを出発して最初の訪問地はアヴォール(Avord)です。ヌベールを出発するとロワール川をすぐに渡河するので、行政区はブルゴーニュ地域圏からフランスの中部地域に位置するサントル・ヴァル・ド・ロワール地域圏のシェール県にかわり47kmほど行くとブールジュ近郊のアヴォールに到着します。

街の東端にあるサン・ユーグ・ダヴォール教会教会(Église Saint-Hugues d'Avord)は12世紀に建てられたロマネスク教会de1911年にフランスの歴史的記念物に指定されています。

この教会には11世紀から12世紀の美しいフレスコ画が残されておりますが、残念ながら閉まっていました。それが見学出来なかったのは今回の旅では一番のがっかりでした。

ファザードの中央に神秘の子羊をあしらったクロスは1133年の記載のある、外観では見どころとなる箇所なので写真に収めて次の目的に向かいます。

次の街はラ・シャリテ・シュル・ロワール(La Charité-sur-Loire)です。アヴォールから北東に36km走りロワール川を渡りまたブルゴーニュに戻ります。この街はヌベールから北に26kmの距離にあり、ともにロワール川の右岸沿いに位置する街になります。

ロワール川はマッシフセントラル(Massif Central)と呼ばれる中央高地に源流を持ちフランスの中央部を流れる河で全長は1,012kmになります。オルレアン以西のイルドフランスは観光地として有名ですね。

ラ・シャリテ・シュル・ロワール浅瀬に位置していた事から交通の要衝として街が発展していったようで5,000人弱の人口があります。

お目当てはノートルダム教会(Eglise Notre-Dame de La Charité-sur-Loire)。創建は700年頃と言われていますが8世紀にサラセン人やヴァイキングの侵略により放棄され、11世紀半ばにクリニューの支修道院として再建された大規模な修道院でした。フランス革命以降は域内の多くの修道院と同じ経過をたどり、工場等として使用されたりしていましたが、ロマネスクリバイバルにより1840年歴史的記念物として復活しています。

教会の横にはツーリストインフォメーションがあります。

ロマネスクとしての見どころはこの鐘楼、聖歌隊席、翼廊や身廊の一部となります。

まず鐘楼の外側壁にあるブラインドアーチのタンパン彫刻。

聖母の昇天を刻んだタンパンで中央のキリストは栄光、荘厳のポーズですが右手の聖母側を向いているのが変わっています。左には二人の天使がいます。まぐさには聖母の生涯の場面を見る事が出来ます。

本来はこのアーチより中が身廊部分ですが、破壊され一部は住居や工房として利用されていた経緯があります。

聖堂の内部。

現在残る身廊のアーチ。

こちらは翼廊の部分になります。

カウンターファザード。暗部ですが上部にオルガンがあります。

身廊に残されているタンパンは身廊にあった物ですが、再建に携わったプロスペル・メリメ(Prosper Mérimée)が移設した物になります。

キリストの変容が刻まれています。

キリストの神殿奉納の場面。

サイドチャペル。

聖歌隊席、周歩廊に建並ぶ柱頭彫刻。

聖歌隊席の外側にある礼拝堂。

フレスコ画の断片があります。古い物のようですが詳細はわかりませんでした。

北側の袖廊。

側面扉口にある呼び鈴。古い柱頭を利用しているようです。