2023年5月ベルギーからのドライブ旅行41 ヴェズレー(Vézelay)

2023/05/03 - 2023/05/18

コロナ禍あけを待って4年ぶりとなるロマネスク紀行の復活はベルギーからスタートしました。今回も車でオランダ、ドイツ、フランスを巡りました。10日目（5月14日）。この日４番目の訪問地はサン・レヴェリアン(Saint-Révérien)から北東に47kmの距離にあるヴェズレー(Vézelay)です。

エリア ヴェズレー(フランス)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: ANA

サン・レヴァリアンから北東に46km走るとヴェズレーに到着します。フランスの最も美しい村に加盟している村ですし、サンチャゴ巡礼路のスタート地点のひとつになっている世界遺産の村でもあります。
途中の道から見上げる村の景色も圧巻ですが、多くの観光客がいるのでこれまでの旅と比べると人の多さに圧倒されます。村の入口の駐車場ですが混んでいます。

村の入口から北東に850mほど坂道を登るとヴェズレー大聖堂に着きます。

ヴェズレーには過去２回訪れています。昔は交通の便も悪く、最寄り駅のセルミゼール・ベズレーからのバスも一日一往復しかなかったことを記憶しています。

昔に比べると村も整備されたいぶ賑やかになっています。

ヴェズレーの聖マグダラのマリア大聖堂(Basilique Sainte-Marie-Madeleine deVézelay)は12世紀に建設された修道院教会です。フランスのロマネスクを代表する教会で1979年には世界遺産登録もされています。

1997年より修復作業が行われており現在も修復中です。私は過去２回この大聖堂を訪れていますが、白く洗浄された教会は、これまでの印象とだいぶ違う物に見えました。

正面のタンパンは1856年に、建築家ヴィオレ・ル・デュクの指導の下に製作された物でネオ・ロマネスク様式の物で、最後の審判を表しています。

フランス革命の破壊によりほぼ平面に成り果てていたそうです。

北側の扉口、ここから中に入ります。入口の柱頭にはケンタウロスがいますね。

こちらはナルテイクス内の中央ポータルになります。

この中央ポータルのタンパンはフランスロマネスク芸術の最高傑作といわれています。

両手を広げるキリストは、聖霊の降臨を表現し、手の下にいて祝福を受ける使徒たちは世界に布教に向かおうとしていいます。

ファザードに造られた５つのランセット窓からの明かりがナルテイクス内を明るくしています。

ナルテクスの扉に施された鉄細工の文様は、19世紀の細工師によるロマネスク風の作品です。

左柱にいるペテロとパウロ。

ナルテクス北側のポータル。キリストの復活が刻まれています。

戦う悪魔と天使、外側には鳥獣。

同じく戦う天使と悪魔、外側に鐘を鳴らすポーズの人が。

ナルテクス南側のポータル。幼少期のキリスト。

右柱の柱頭は降誕の天使(ガブリエル)と、ユリシーズとセイレーン。

左の柱頭は悪魔を狙う射手と槍を持つ裁きの天使(ミカエル)。

身廊から眺めた内部。ここからは柱頭彫刻の写真が並びます。整理していて撮ったと思っていた柱頭の写真がなかったりブレていたりで総ての柱頭をご紹介出来るわけではありません。写真も柱の順番どおりではないので悪しからず。

まず、穀物を臼に注ぐ旧約聖書を象徴するモーセ。挽いた穀物を集めるパウロ（新約聖書）が刻まれた柱頭。神秘の粉ひきと銘されています。

似ていますが、こちらは楽園を吹く４つの風。袋から風を吹き出す様子で、風が擬人化されています。

こちらの柱頭。旧約聖書からの一場面のようですが詳細は不明との事です。

悪い金持ちとラザロの死。

教師と生徒。

カインの死。

聖マルタンと異教の木。

ダビデとライオン

遠くて小さな映像ですがアダムとエバ。

植物文様が刻まれた柱の土台。

通俗な音楽と高貴な音楽。

ライオンの穴のダニエル

ヤコブと天使。

ヤコブを祝福するイサク。

側面は狩りから戻るヤコブ。

ユダの仲間。

女による聖ベネディクトの誘惑。悪魔が女性をして誘惑させる場面ですね。

サウル王殺害者の処刑。

聖アントニウスとパウロの食事。

ウジェニー修道院長。男装した女性修道僧のウジェニーの逸話。

悪魔の戦い。

象と思われる対峙する動物。

アブサロムの死。

ダビデとゴリアテ。

バシリスクと獣。

ファラオの息子を斬首する天使。

モーゼと金の牛。

聖アントニウスの前で聖パウロの墓を掘るライオン。

聖アントニウスの幻視。

聖ペテロの解放。

同上

天使ラファエルが悪魔アスデモウス懲らしめる。

モーゼによるエジプト人殺害。

地下祭室。

クリプタは12世紀の物です。

シンプルな主祭壇。

奥にマグダラのマリアの聖遺物箱あるとの事です。

聖歌隊席。この後陣部分はゴシック期の物になります。

袖廊から外にむかいます。

回廊部。

チャプターハウス。

こちらは外部の翼廊と鐘楼の一郭です。

まだ修復作業が続いています。正面が終了していて良かったです。

持ち送りの彫刻。昔はこんなだったのか記憶にありません。

帰路になります。

坂道の途中にある旧サン・ピエール教会。最初に訪れたのは1980年だと記憶していますが当時は納屋として利用されていました。

観光価値が上がったので整備されたようすですが、教会として利用はされていません。

村の入口の有料駐車場に戻りました。ナバープレートの番号を打刻して清算する方式です。入庫時間は防犯カメラに記憶されていますので、経過時間によって金額が示されます。最近はこのような方式が普及していますので、旅行中はレンタカーのナンバーは忘れないようにしましょうね。

この旅行記へのコメント （2）

• ミータさん 2023/12/02 14:00:18

  ヴェズレー

  ようやく私も知っている場所が出てきました。とは言うものの、行ったことはありませんが。以前、ブルゴーニュ地方を訪れたとき、ここにも立ち寄りたかったのですが、日程的に難しくて断念しました。ロマネスクの教会も有名ですが、ロマン・ロランの家があるので、いつか行けたら良いなと思っています。ただ、本当に交通の便が悪いですよね。

  クリスさん からの返信 2023/12/03 16:43:03

  Re: ヴェズレー

  個人の場合パリから日帰りのバス観光はあるのではと思いますが、ここは車でないと一泊覚悟の旅になりますね。
  ロマン・ロランの家は昔行った時は普通の民家でした。今回は行きませんでしたが今は、ミュージアムになっているので見学する事が出来ます。近郊のクレムシーの生まれですが晩年ここで生活し、死後はクレムシーの墓に葬られています。