一休寺と鮎の山椒煮　神無月の京都に日帰りで遊ぶ

2023/10/24 - 2023/10/24

2023年、気が付けば今年もあと数か月。
それにしても今年の夏は暑かった。

10月の声を聞いて少し涼しくなったと思ったら、秋風と共にやって来たのが訃報の数々。

コロナが片付いたらゆっくり飲みましょう。
生きていたらまた会いましょう、なんて冗談半分で交わした約束が続々と反故にされた。

順番とはいえ、それでもねぇ。
あの時会っておけばよかった。
なんてことをもう思わないように、お世話になったあの人、この人に会いに行くことにした。
まあ、こっちが先に逝っちゃうかもしれないし。
不確実な時代、明日のことはわからない。

最初は、横浜で。
https://4travel.jp/travelogue/11864032

今回は日帰りで京都へ。


そして福岡へ。
年内最後は山形へ。
年が変わったら、兵庫にも行かなきゃな。

縁のあった場所、不義理をしたままの人に会いに西へ東へ。
今回は京都編。



紅葉の季節、古都へ向かう新幹線の座席を確保するのも一苦労。
am６時台の新幹線に乗り横浜から京都へ。

京都での所用は午前中に終わってしまった。
本日は日帰り予定、帰りの新幹線は20時である。

さて、どうする？
多くの観光客で歩くのもままならないであろう清水や東福寺に伏見稲荷、はたまた渡月橋にでも行ってその混雑ぶりを眺めるのも一興と思ったものの、疲れるだけだしね。

行ったことが無くて空いていそうな京都って、どこや？
と脳内会議。
思いついたのは、あの一休さんの一休寺。
アクセスは良いとは言えない。
京田辺なら混み合っていることも無かろうと行ってみることに。

エリア 京田辺(京都)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

スタートは学研都市線の京田辺駅

一休寺、HPにはタクシーで5分と書かれているが絶対ここには流しのタクシーなんて来ないな。

京田辺駅 駅

写真は帰りに撮ったので夕陽を浴びてますが、

一休とんちロードをゆるゆると。

20分ほど歩いて一休寺に到着。

正式名称は酬恩庵というらしい。

https://www.ikkyuji.org/

酬恩庵(一休寺) 寺・神社・教会

さすがにちょっと紅葉には早いですねえ。(2023/10/24)

ただ間違いなく紅葉の名所だな、ここ。

こういう案内図もいつかデジタルサイネージに変わるんだろうか？

一休さんはここに眠っているらしい。

墓に興味はないけれど・・・

一応覗いてみる。

方丈

拝観料は500円。

一休寺さん、良い業者を見つけたと見えてHPも小冊子もしゃれている。

ふむ。

やっぱり紅葉の名所ですねえ。

ふむ、ふむ。

Catch Me If You Canっていう映画、ありましたね。

雄々しい虎の絵が。

私が捕まえるので、虎を屏風から出してくださいと言ったとかいう話にちなんだ絵だろうねえ。

屏風だったらもっとよかったのに。

まあしかし、顔をアップすると足の短い猫だな。

なにはともあれ、今年はタイガースの年でしたね。

遅めの時間であったこともあり貸し切り。
静かなもんだ。
午前中は観光バスが来ていたらしく、ラッキーでした。

なにやら由緒ある瓦のようだけれど・・・

一休さん、八十一歳で大徳寺住職となった時もこの寺から通われた、とHPにあった。

81歳で大徳寺に通った？
ホンマかいな？

と思っていたが写真の様な椅子？籠？で通っていたらしい。
担ぐ人、さぞかし大変だったろうねえ。

檀那之間　狩野探幽筆　「林和靖図」

凄いなあ、と思うものの複製であるらしい。

京の夕暮れ。
柿の実でもあれば絵になりそうだ。

誰もいなかったのでもう一周させていただいて庭へ。

庭は思いのほか広かった。

本堂（法堂）

宝物殿

直筆だそうな。

ところで、「一休」というのは、「人間の持っている悩みと悟りの間で一休みする」という意味らしい。

少年一休像

亡くなったのは文明13年（1481）11月21日。
88歳だったという。

橋の端には苔が。

庭の石仏

誰の作かは不明。

なんだかちょっとオリエンタルっぽいな。

思いのほか良い時間が過ごせました。

さて、どうしますかね。

日が暮れると条件反射で飲みたくなる。

物凄く惹かれるカフェが道の途中に会った。

良い店名だこと。

なんだか興味津々のカフェだがググると珈琲鑑定士の経営するカフェであり美味い珈琲は飲めるらしいがビールは無いようだ。

https://cafe-saboroso.com/

このまままっすぐ京都駅に行くと新幹線の時間にはちょっと早い。
京都駅前の立ち飲み屋にでも行って時間をつぶすかと思いながら、ダメもとで伏見の割烹に電話を入れる。

ありがたいことに、電話の向こうの声は、
“お待ちしておりますぅ”と言った。

出汁巻き食べよ。

棚倉孫神社 寺・神社・教会

伏見の酒蔵を抜けて。

秋の日は釣瓶落としとはよく言ったもの。

きぃーざくらっ！

今日は出汁巻きを食べなきゃな、と思うのは先日横浜の店で頼んだ出汁巻き、玉子焼きに出汁がかけられた斬新すぎる一品だったからだ。
ちゃんとした出汁巻きが食べたい。

出汁巻きは京都に限る。

京都の秋の夕暮れは、コート無しでは寒いぐらいで・・・・
と始まる古い歌があるけれど、

10月下旬なのに扉は開いているし、暖簾もなんだか夏っぽいのが今年の暑さを物語る。

常連さんの間に挟まって。

のどが渇いていたのでまずビール。

気になったのは、
もどりかつを　と
明石のサバ生ずし


さば生ずし、関西では酢で締めたさば(アジの場合もあり)を生(き)ずしと呼び、
関東ではしめ鯖と呼ぶ。
関西ではしめ鯖という言葉は使わないのかというとそうでもなく、三条駅からほど近い赤垣屋はしめ鯖とメニューにある。

北海道で生(なま)すしと言えば握りずしを指す・・・らしい。

道民が関西の居酒屋に行ったら悩むだろうなあ。

さばにかつを
どちらも魅力的だったので二種盛にしてもらった。
気がつけば戻りカツオの季節だ。

まぁ、美味いこと。

何気に菊の花びら。

次いで鴨。これは麦焼酎お湯割りで。
鴨ロースはハーフサイズにしてもらった。

こちらには、もみじの若葉。

鴨が好きで、メニューにあれば、焼き鳥店でもフレンチでもイタリアンでもタイ料理でも必ず頼むのだけれど、今のところここの鴨が一番。

最後に煮あがったばかりだという子持ち鮎の山椒煮をぬる燗で。
もう一日寝かせたほうが旨くなるって言われたが、煮あがった鮎がずらーッと冷やされているのを見たら、あれ頂戴って言わざるを得ないな。

しかし、こんなものが美味いと思える日が来るなんて・・・

うまい穴子ありますと品書きに。
この穴子はどうやって食べさせてもらえるの？
と訊くと寿司を勧められた。

〆に穴子寿司二貫。
穴子の下には大葉が忍ばせてあった。

ゆっくりしたいところだけれで本日は1時間ほどで退散。

あの鮎、美味かったな。
あの鴨、美味かったな、

なんて思いながら伏見大手筋商店街を歩いていた時に、出汁巻きを頼み忘れたことに気が付いた。

ほんと、間が抜けている。

伏見大手筋商店街 市場・商店街

京都駅でお約束の551。

551蓬莱 JR京都駅店 グルメ・レストラン

予約しておいた新幹線は予想通り満席。

新幹線の車内販売は2023年の10月末日。

ワゴンが戻ってきたらビールでも買おうと思っていたが戻ってこなかった。
これで見納めですかね。

京都駅 駅

ビールを買おうと思って手にした財布の中から、一休寺のレシートが出てきた。


ひとやすみ　ひとやすみ

もう、飲むなってことでしょうね。
了解。

さて来週は福岡へ。
お世話になったあの人に。