河越、鎌倉、そして水戸の三都物語：02川越の町を散策　

2023/03/09 - 2023/03/09

喜多院や川越城をみた後、川越を散策した。川越には明治時代から昭和初期に建設された建物が多く残されており、見応えがある。特に川越大火後の明治時代に建設された蔵のような銅板を利用した扉がついた建物は当時の趣きを残しており、今もなお使用されているのだから「活きた博物館」と言ってもよい。

エリア 川越(埼玉)

喜多院の次に訪れたのは河越城だ。

川越城本丸御殿 名所・史跡

現在の本丸御殿は松平家の統治時代、1848年に建設されたものだ。

今は川越城と書くが、北条氏康が山内上杉家、扇谷上杉家、古河公方といった関東連合軍と戦った頃には河越城と呼ばれ、個人的にはこちらのほうがしっくりくる。

河越城は1457年に後に扇谷上杉家の家宰となる太田道灌と父親の道真が築城したと言われている。

付近にはいくつかの川が流れる湿地帯に築城した平山城で堅固な城だ。

ただ残念なことに現在の川越城には当時の趣きはほとんど残されていない。

現在の川越城は江戸時代の様相をそのまま今に伝え、それはそれで良いのだが。。。

とはいえ、扇谷上杉家を支えた築城の名手であり名将でもあった太田道灌の遺構をみてみたかった。

江戸時代の川越城の全景

因みに太田道灌は江戸城を築城したことでも知られている。

太田道灌は文武に長けた武士で戦略や統率力もずば抜けていたが、影響力があまりにも大きすぎたために扇谷上杉家の主君定正に恐れられ、1486年に主君の手により暗殺される。

それ以降扇谷上杉家は没落の一途をたどり、後北条氏に拠点の江戸城を奪われた後に拠点とした河越城までも奪われてしまった。そして1546年に北条綱成が籠もる河越城の攻防で多勢を占めていた関東連合軍の主翼だった扇谷上杉家は当主定朝が討ち取られ(一説では病死)、扇谷上杉家は滅亡してしまった。

川越城のすぐ横にある川越市立博物館がある。蔵のような造りをした建物で景観に配慮がされているのがわかる。主に江戸時代から明治時代のことが展示されているが、扇谷上杉家のことや室町時代のことももっと注力して押してほしいところだ

川越市立博物館 美術館・博物館

霧吹きの井戸

川越市の川越城の北にある博物館のすぐ近くにある和菓子屋さん。名前から室町時代後期の名将、太田道灌から名前をとったのはすぐにわかる。「河越城」だったころにこの城を築城した太田道灌と言えば戦国ファンで知らない人はいないだろう。道灌と言えば厳しいイメージだが、お店のスイーツはとても甘い。特にクリが白あんに練りこまれた和菓子は白あんの甘みと栗の甘みが一緒になり、とても美味しかった。甘すぎるので苦みのあるお茶といただこう。

川越菓舗 道灌 グルメ・レストラン

川越市内を歩いていると、宅地に忽然と堀が現れる。それが川越城中ノ門堀跡だ。これは1639年に藩主となった松平信綱が川越城を大改修し、築造された堀と門の跡だ。西大手門から本丸を目指して侵入した敵は中ノ門堀を含む3本の堀に阻まれて直進できないようになっており、城の弓兵や鉄砲兵がここで打ちかけるように作られている。

川越城中ノ門堀跡 名所・史跡

河越城から小江戸川越一番街商店街に出てきたが、その交差点直ぐにある伝統建築のお店は紋蔵庵 蔵の街店。慶応元年に入間郡古谷村で「紋蔵庵」として創業した。伝統建築なので明治時代に移転したのかと思いきや、意外や意外、2018年だとのこと。

紋蔵庵 蔵の街店 グルメ・レストラン

車の通行を別ルートにして観光客専用にすればもっと多くの観光客を呼べると思うが…。

一番街の蔵造りの町並み 名所・史跡

川越の中央通りを歩いていると蔵造りの町並みばかりに目がいってしまい、横に延びる路地を思わず見落としてしまうが、その小路の中でも趣あるのが稲荷小路。細い路地を歩いていくと稲荷神社があるが、こうした小路も趣があるので歩いてみよう。

稲荷小路 名所・史跡

バウムクーヘンのお店、川越バウム

川越バウムLab. グルメ・レストラン

豆菓子のお店、豆吉本舗 川越店

豆吉本舗 川越店 グルメ・レストラン

1895年（明治28年）に建造された有形文化財でもある滝島家住宅。現在は「熊重酒店」が営まれている。この建物の特徴は何と言っても重厚感のある蔵造りだ楼。銅板仕上げの観音開きの扉はまさに蔵のようにも見える。

右側が亀屋で左は茶和々 。

茶和々 川越店 グルメ・レストラン

時の鐘の横、甘味処・福呂屋

福呂屋 グルメ・レストラン

昔はモダンな建物だったであろう唐木木工

小江戸川越一番街商店街、蔵造りの町並みから時の鐘に延びる小路が「鐘つき通り」。遊歩道になっており、浸食点も多い制が大勢の観光客が行き来する。この通りにはスターバックスがあり、景観に配慮した建物になっている。

鐘つき通り 名所・史跡

スターバックスも景観を配慮した建造になっている。

時の鐘は元々1627年から1634年の間に川越城主、酒井忠勝が創建したのが最初で、「時」を告げていたのだそうだ。
時の鐘は、1893年（明治27年）に再建されたものだ。これは前年の川越大火で焼失したからだろう。現在も午前6時、正午、15時、18時に鐘が鳴る。

時の鐘 名所・史跡

建物は味がある床屋の銀パリ

陶舗やまわの原家住宅は有形文化財に指定されている。川越大火により1892年(明治26年)に川越は灰になったが、その直後に建てらた建物。元々は呉服商を営む山本平兵衛が蔵造りで作られている。黒漆喰の建物は重厚感がある。

陶舗 やまわ 専門店

奥の建物は陶路子（とろっこ）。

原家住宅の横の路地をまっすぐいくと長喜院という寺院がある。長喜院は室町時代後期の1550年に創建した寺院でもある。

長喜院 寺・神社・教会

観光客がここまで訪れることはないのでとても静かに安らぐことができる喧噪を忘れるにはちょうど良い。

やまわ蔵部陶芸教室は原家住宅の蔵

原家住宅

亀屋栄泉、今回は荷物を軽くするために「浮かれ月」という名前のあられを購入した。ワンパックちいさなものがあり、これがおすすめだ。オフィスで食べもよいし、今回のように旅の合間に食べるのにもちょうど良い大きさ。ただ気をつけないと意外とカロリーは高い。１００ｇで３９７カロリーだ

亀屋栄泉 グルメ・レストラン

オフィスで食べもよいし、今回のように旅の合間に食べるのにもちょうど良い大きさ。ただ気をつけないと意外とカロリーは高い。１００ｇで３９７カロリーだ

原家住宅

町が素敵な川越

小路にて

くらづくり本舗、レトロな雰囲気を漂わせるスイーツショップ

くらづくり本舗 一番街店 グルメ・レストラン

車通りが多い。何とかすればよいのに。。。

アートカフェ エレバート グルメ・レストラン

1893年（明治27年）に建設された山崎家住宅。黒漆喰の蔵造りの母屋とその隣の蔵が良い味を出している。

亀屋 本店 グルメ・レストラン

小江戸 まめ屋川越店

まめ屋 小江戸川越店 グルメ・レストラン

1901年（明治34年）ごろ松崎屋として建設された建物。元々砂糖商を生業とする建物だった。外観は黒漆喰で重厚感のある作りが特徴だ。窓に作られた銅板の観音開き扉も黒く塗られ建物に見事にマッチしている。屋根の箱棟はまるで蛇のうろこのような特徴的な造りをしている。

仲町の交差点のところにある山崎美術館がある。天明3年に創業し、川越藩御用達の店だった亀屋の一角に立つ蔵を利用した美術館が1982年（昭和57年）に開館した。館内には川越藩お抱えの絵師、橋本雅邦の作品を中心に山崎家に代々伝わる美術工芸品が展示されている。有形文化財に指定

山崎美術館 美術館・博物館

川越の蔵が建ち並ぶエリアには到底場違い化と思うような建物がいくつかある。その一つがこのギリシャ神殿風の建物。元々は武州銀行河越支店として1928年（昭和3年）に建てられたものだ。現在は川越商工会議所として使用されており、国指定の有形文化財でもある。

川越商工会議所 名所・史跡

仲町の交差点から大正浪漫夢通りへと歩いていく。

その途中に仲町観光案内所があった。周辺の建物と同じような建築物なので明治時代に建設された建物なのだろうか？観光案内所では荷物を1個600円で預かってくれる。なお館内はフリーWi-Fiになっている。パンフレットが置かれているので情報収集にも良い。

仲町観光案内所 名所・史跡

ウナギの店、林屋。建物は築130年以上で、かつてはコメの卸問屋として使われていた。

林屋 川越店 グルメ・レストラン

亀屋山崎茶店は1877年（明治10年）に江戸時代から続く亀屋から分家したお店だ。

地酒とはかり味噌の店の伊勢源は川越の地酒の老舗で創業は1867年（明治元年）。

伊勢源酒店 グルメ・レストラン

大正時代の趣きを残す

大正浪漫夢通り 名所・史跡

いせや

いせや グルメ・レストラン

喫茶店の大正館

シマノコーヒー 大正館 グルメ・レストラン

大正浪漫夢通りから蓮馨寺に訪れた。蓮馨寺は「れんけいじ」と読み、後北条氏と山内上杉軍、扇谷上杉軍、古河公方軍など関東連合軍を河越屋戦で倒した北条氏康の御由緒六家の一つ大道寺政繁の母親、蓮馨によって創建された。そのような創建の経緯があるが、1602年には葵の紋所がゆるされている。

蓮馨寺 寺・神社・教会

川越熊野神社がある。こんな川越のような場所にも熊野神社が！？と驚いてしまった。川越熊野神社は1590年に紀伊半島の熊野から分祀された開運・縁結び・厄除けの神社だ。御朱印も得ることができるのでぜひ訪れてみよう。

川越熊野神社 寺・神社・教会

川越市の小江戸蔵里にある喫茶店。喫茶店は小さいが、カウンターがあるので一人でも入りやすい。

クラ カフェ グルメ・レストラン

落ち着いた雰囲気のカフェなので、歩き疲れたときにスイーツをつまみながらお茶をするのもよい。日中暑い中歩き疲れたとき、キンキンに冷えたストレートティーがたまらなくおいしく感じた

埼玉県川越市にある小江戸蔵里にある鏡山酒造の売店ではなんと、有料試飲が可能ある。西日本では鏡山酒造自体ほとんど知られていないが、飲んでみるとなかなかうまい。地元の広島のお酒と比べると甘みはないが鼻に抜けている独特の大吟醸の風味を楽しめた

小江戸蔵里内 鏡山酒造 売店 グルメ・レストラン

川越市にある蔵里には、利き酒専門の蔵がある。

ここは500円でコインを3つ購入し、1コインで自販機に並ぶお酒を飲むことができる。

ここで日本酒を選択

種類はとても豊富だ

カップをここに入れてコインを入れて好みの酒のボタンを押す

出てきたら飲みつくす！

おつまみもある。

どれも美味しそうで目移りする

ワインのような味のものもある。

ほかにも酒のあてもコインで購入するシステムはなかなか面白い。いろんなお酒を飲むことができるので、お勧めの場所だ。

くら市場 昭和蔵 グルメ・レストラン