2023/05/22 - 2023/05/29
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日之本オタさん
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さて、長い旅路でしたが、ホテルに着いたのが正午過ぎ、まだ時間がたっぷりあります。
このため、貴重な時間を有効に使おうと、スミソニアン航空宇宙博物館別館、別名ウドバーヘイジーセンター(Steven F. Udvar-Hazy Center)へ行くこととしました。
従って、今回はマニアックな内容となります。
スミソニアンの博物館はほとんどがワシントン中心地にかたまっているのですが、航空宇宙博物館本館に入りきらない展示物は、ワシントン国際空港の近くに別館として集められています。本当なら、空港に荷物を預けて空港からそのまま別館に行きたいところなのですが、セキュリティーの関係上、空港には荷物を預かってくれるところが無いため、面倒ですが一旦ホテルに立ち寄ったわけです。効率的には、ワシントンを出発する日に空港でチェックインして荷物を預けた後、別館に立ち寄るという方法が良いのですが、今回は帰りは午前の便なのでその手が使えませんでした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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まずは、さっきまでいた空港に戻ります。ホテルの前のバス停から空港への路線バスが出ているので、これに乗ります。
アメリカのバスは結構使えます。渋滞が少ないので、結構時間に正確ですし、車を持たない低所得者層への福利の側面があるため、運賃も安いです。たまにおかしな奴が乗ってきますが。 -
ホテルに来るためにもこのバスを使えば便利なのですが、バスと地下鉄共通のカードは空港では地下鉄の駅にしか売っておらず、地下鉄の駅とバス停は離れているため、来るときは地下鉄で来ました。
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昼間は一時間に一本しか走っていないためか、結構混んでいました。
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15分ぐらいで空港に着きました。降りたところは別館行のバス乗り場と同じところなので便利です。空港に乗り入れているのは、ここまで乗ってきた952系統と、別館行の983系統の2つしかないようです。
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別館行のバスはガラガラでした。空港から別館へはわりと近いのですが、なんせ路線バスなものでだいぶ遠回りをするため、35分かかります。
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航空宇宙博物館別館に到着しました。観光バスがたくさん停まっていました。
なお、地下鉄やバスは2時間以内は乗り継ぎ扱いとなるため、ここまでのバス代は最初の地下鉄運賃に含まれ、バスにはただで乗ったことになります。 -
別館入口です。
中はT字型の広い建物となっており、Tの3つの枝がそれぞれ、軍用機、民間機、宇宙機のコーナーとなっています。 -
入って右手は軍用機のコーナーです。
手前に大戦中の米軍戦闘機「F4Uコルセア」が吊るされています。逆ガル翼が特徴的な飛行機です。 -
左手奥は民間機のコーナーなのですが、手前は軍用機が続いているので、写真では軍用機しか見えませんね。
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まずは軍用機のコーナーから見ていきます。軍用機のエンジンがいろいろ並んでいます。
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なんといきなり「ネ-20」エンジンがありました。これは大戦中に日本が開発していた日本初のジェット戦闘機「橘花」のエンジンです。
おおー、感動。 -
わわっ、「アツタ31」です。これは「晴嵐」という水上攻撃機のエンジンです。晴嵐は「伊-400」潜水艦に搭載された攻撃機で、潜水艦でパナマ運河に近づき、潜水艦から発信してパナマ運河を封鎖することを目的としていました。終戦により中止となってしまいましたが。
よくこんなのが残っていましたね。 -
なんかわからないけど、プロペラ機のエンジンです。9気筒ですごくパワーがでそうですね。
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ここからは飛行機本体です。
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本物がずらっとならんでいてうれしい。
手前のは「F-100スーパーセーバー」戦闘機です。 -
一番手前は「F/A-18ホーネット」ですね。いまの米軍空母の中心戦力です。これはちょっと古いタイプですが、当時の曲芸飛行隊で使われていた機体です。。
その奥が「EA-6プラウラー」です。 -
「F-14トムキャット」です。映画「トップガン」の飛行機です。
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F-14はかっこいいので反対側からも撮影しておこうっと。
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「F-35ライトニングII」の試作機です。F-35は最新のステルス機で、航空自衛隊も導入しつつあります。
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「F-8クルセイダー」です。ベトナム戦争時の艦上戦闘機です。マンガ「エリア88」で主人公がこれに乗っていたことがありますね。
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「A-6イントルーダー」はベトナム戦争時の艦上攻撃機です。普通二人乗りの軍用機は前後に並んでいますが、これは横に並んで座ります。
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「F-4ファントムII」戦闘機。僕が一番好きな飛行機です。自衛隊でずいぶん長い間使われていました。
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「F-86セイバー」は朝鮮戦争時の戦闘機です。自衛隊が初めて採用した戦闘機だったかな。
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「Mig-21」です。ソ連の戦闘機まであるのかっ!
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「SR-71ブラックバード」は高高度偵察機です。マッハ3で飛ぶことができ、実用機としてはいまだにこの飛行機が最速です。米軍はこの飛行機をとても大切にしていて、出撃前は滑走路に異物が落ちていないか目視でチェックしていたそうです。
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皆さん興味津々です。ちなみに、ここに限らずワシントンは学校の団体旅行の生徒がめちゃくちゃ多かったです。
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後ろから見たSR-71です。
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よく見ると継ぎ目に隙間が空いています。SR-71は高速で飛ぶため、機体が700度ぐらいまで熱くなってパネルが膨張することから、常温では隙間が空いています。このことから、オイル漏れが頻発し、保守が大変だったことから、早々に退役してしまいました。
ここからは蛇足ですが、この飛行機や大気圏突入する宇宙船やらが高熱になるのは、一般には空気との摩擦といわれていますが、実際には前面の空気が圧縮されての断熱圧縮による温度上昇が大きく影響しています。 -
ここからは大戦中の飛行機です。
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日本海軍の夜間戦闘機「月光」です。
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上から見たとこ
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日本陸軍の「桜花」です。人間が操縦して敵に突っ込んでいくロケット特攻機で、音速に近い速度にもなります。あきれたアメリカ軍は、当時この機体をBAKAと名づけました。
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なんと「震電」の前部分です。震電は日本海軍が開発していた戦闘機で、後ろにプロペラを持つ特殊な形状をしていました。いや~、なんでもあるものですなぁ。
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さっきエンジンの展示があった、潜水艦搭載戦闘機の「晴嵐」です。
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これも上から
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日本海軍戦闘機の「紫電改」です。ゼロ戦の次の飛行機ですね。
アニメ「紫電改の鷹」なんて知ってる人は相当な歳ですな。 -
紫電改の上にも映っていますが、ボーイング「B-29スーパーフォートレス」です。またこの機体は、広島に原爆を落とした「エノラゲイ」実機です。
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でかいです。こんなのが百機以上編隊をくんで爆弾を落としてきたのですから、とんでもないです。
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B-29の操縦席です。今の飛行機にはない形状ですね。
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大戦中にゼロ戦をポロポロ落とした「P-51マスタング」かと思っていたのですが、今写真をまじまじ見るとコクピットあたりがなんか違います。なんだろうこれ。ちゃんと説明を見ておけばよかった。
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ドイツの名機「フォッケウルフFw190」です。
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世界唯一の実用ロケット戦闘機、メッサーシュミット「Me163コメート」です。かわいいけどかっこいい。
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Me163のエンジンです。
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ここからは民間機です。
ただ、民間機は空港で一杯見られますので、軽く流しました。 -
言わずと知れた超音速旅客機「コンコルド」です。
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燃費が猛烈に悪いので、事故を契機に引退してしまいました。
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さて、いよいよ宇宙機です。
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まずはスペースシャトルのオービターです。これはディスカバリーですね。
ちなみに、業界関係者はスペースシャトルとは呼ばず、STSと呼んでいます。Space Transportation Systemの略です。 -
耐熱タイルがすごいです。これがはがれて事故が起こったわけです。
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オービターの後ろから
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オービターの貨物室に搭載しているロボットアームが展示されていました。カナダのSpar社が作ったので、カナダアームと呼ばれています。
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ロボットアームの先端です。SEEと呼ばれるもので、宇宙ステーションなどでも標準で使われています。
筒状になっており、これを把持対象にかぶせてつかみます。 -
SEEがつかむ相手で、グラップルフィクスチャと呼ばれる部分です。人工衛星などにこれがついており、この飛び出た部分がSEEの筒に入れば、SEEの中のワイヤで締め付けて引き込み、固定できるようになっています。
宙に浮いている衛星を捕まえるため、多少方向や位置がずれていても捉えられるようになっているんですね。
かつて僕はこれ関連の仕事をしていたことがあるため、思ず細かい説明をいれてしまいました。 -
アポロ計画の司令船です。海に落下するので、浮きがついています。
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ジェミニ計画、マーキュリー計画の司令船です。
アポロ計画の前段階で、宇宙往復の実験をしていた頃の宇宙船ですね。 -
アポロ11号で月に行って帰ってきた後、月で未知の病原菌に汚染されているといけないため、しばらく宇宙飛行士を隔離していた隔離設備です。
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宇宙に関するおもちゃも展示してました。
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こちらは各種ミサイルの展示です。
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火星探査用の「マーズパスファインダー」です。
クッションにつつまれて火星に落ち、その後左下のローバー「ソジャーナ」が移動しながら写真を撮って地球に送ってきました。もちろんここにあるのは本物ではなく実物大模型です。 -
ちょっと角度を変えて
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これは博物館のバックヤードで飛行機の補修をしているところです。
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も一枚
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大戦中にドイツがイギリスを攻撃したV2ロケットのエンジンです。
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大戦中の戦闘機搭載の機銃を国ごとに展示していました。
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博物館の土産物屋です。
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オービターの山積み
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精密な模型を売っていました。
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NASAみやげのコーナー
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見学を終えて帰りのバスを待っていると、次々にワシントン国際空港に降りていく飛行機が見えて退屈しません。
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いくらでも待っていられます。
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いっそバスがこないといいのに。
などといいながら、結局はバスを乗り継いでホテルに帰りつき、初日を終えました。
いやぁ、すばらしい博物館でした。
アメリカ旅行をされる方は、ワシントン乗り継ぎに設定して、乗り継ぎ時間を4時間ぐらいとっておくと、乗り継ぎの間にここに来られるのでお勧めです。
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