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6回目の沖縄の一番長い日を辿る旅~戦後78年全戦没者追悼式と慰霊の日:令和5(2023)年6月23日金曜日(速報編)~<br /><br />令和5(2023)年6月23日金曜日、私は沖縄にいる。コロナの絡みもありここ3年間は来沖を控えていたが、新型インフルエンザが〝第5類〟扱いとなり、マスク着用も任意となった今日勢いも後押しし、4年ぶりに沖縄行きが実現した。目的はこの時期ならば言うまでもない〝沖縄戦全戦没者追悼式〟参列である。<br /><br />例年は黙祷を捧げる12:00ジャストに沖縄県営平和祈念公園にいることであったが、昨今の出来事による〝来賓の警備体制〟や〝参列者選択のの吟味〟等初めて訪れた戦後70年(平成27年)の追悼式と変わりつつあることを踏まえ、凡その式典開催時刻の間に訪問できれば良いかと思うようになってきた。そんな考えもあり、臨時駐車場に充てられた糸満観光農園に11:59到着し、黙祷を捧げた後シャトルバスに乗車。12:00過ぎの会場到着という行程を今年は取ってみた。<br /><br />会場についてみて思ったことは、まず警備の警察官の多さ。昨年の安倍前首相の襲撃事件の反省からだろう。ピリピリとした緊張感が伺える。同様に選挙応援で演説をした岸田首相に対する暗殺未遂事件、これも当然の如く影響しているであろう。ただ警備のためとはいえ4年前には〝参列者テント〟ではなく外野からでも式典の様子は伺えるものであったことは記憶している。しかし本年会場を訪れて思ったことは、外野からの式典の流れはほぼ見ることは疎か様子さえ伺えないものとなっていた。<br /><br />事前の主催側の発表では参列者席を500席増やしたことが期されていたように思う。ただそのことを私自身はあまり気に留めてはいなかった。と言うのも現実として〝参列者テント〟に入るのは招待者と一部の一般客に限られているということを知っていたからである。追悼式に参列している人数はマスコミで発表はされてはいるが、その他多くの沖縄県民他たまたまこの日に沖縄に来ていた観光客が園内芝生に座ったりしながら式の流れに聞き耳を立てている〝現実〟を知っていたからである。その数はゆうに10,000人を超えており、それだけの人数が平和祈念公園を埋め尽くしているにも拘らずその数は報道されてはいない。今年の数字も多分そうであろう。<br /><br />ただ今年のように外野からの式典の進行が伺えない状況を作ってしまえば、式典参加者は一挙に減ることとなる。勿論世間の関心が低くなってしまい参列者が減ってしまったということであれば、それは致し方ないと思えるところはある。しかし式典参加の〝主賓〟の警護のためであればそれは本当に必要なことなのであろうかと私は疑問に思えて仕方がない。事件が起こってしまってからでは仕方がないという理由かも知れないが、ここは先の沖縄戦における〝戦没者〟の追悼式である。つまり主賓は亡くなった兵士・住民・軍属・学徒である。そのような立場の方々に対して〝安らかにお眠り下さい〟というのが追悼式の意義であり、そこに〝お偉いさん〟が来る必要はないのである。<br /><br />確かに現代の日本に於いて〝暗殺〟という二文字はあってはならないものである。そしてそのような場所に於いて〝人を殺めよう〟とする行為自体を警戒せねばならないものなのかと不思議に思えてならない。参列者をはじめとしたこの日この時間に平和祈念公園に集まった人々の願いは、戦没者に対する〝安らかにお眠り下さい〟の願い以外にあるのだろうか?そのような場所に於いて厳重な〝要人警護〟が必要なのであろうか?私は不思議に思えてならない。<br /><br />主賓を入れ替えてしまう式典であるならば〝追悼式〟ではなく、選挙対策ではなかろうか?私はそう思う。<br /><br />今回のように式典ではなく〝式典参加者〟が主賓となる追悼式であれば私自身沖縄まで来る必要はないと考えている。玉城知事にもその旨は申し上げたい。誰のための追悼式なのか?そこに式典を囲ってまで警護をする必要を感じているのであろうか?<br /><br />私自身戦後80年(2025年)の追悼式をひとつの〝区切り〟だと思っており、それまでは6月の沖縄行きを続けたいと考えている。しかし今年のようなバカげた考えの元追悼式を催行するのでは、戦没者遺族の一人として行く〝価値〟はないと思われる。テレビで見ていた方が〝平和の詩〟の朗読は素晴らしいと言っていたが、私にはそれをじっくり聞く環境にはいられなかったことが事実である。<br /><br />イベントはやったら良いというものではない。寧ろ戦争の悲惨さを後世に伝えるべく行われる〝戦没者追悼式〟であれば尚更である。正直言って本末転倒であった今年の追悼式には失望した。来年は一人でも関心を持った人々が立ち寄って、厳かな式典の模様を聞いて感じられる実のあるものにして欲しいと願って止まない。

6回目の沖縄の一番長い日を辿る旅~戦後78年全戦没者追悼式と慰霊の日:令和5(2023)年6月23日金曜日(速報編)~

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2023/06/23 - 2023/06/23

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6回目の沖縄の一番長い日を辿る旅~戦後78年全戦没者追悼式と慰霊の日:令和5(2023)年6月23日金曜日(速報編)~

令和5(2023)年6月23日金曜日、私は沖縄にいる。コロナの絡みもありここ3年間は来沖を控えていたが、新型インフルエンザが〝第5類〟扱いとなり、マスク着用も任意となった今日勢いも後押しし、4年ぶりに沖縄行きが実現した。目的はこの時期ならば言うまでもない〝沖縄戦全戦没者追悼式〟参列である。

例年は黙祷を捧げる12:00ジャストに沖縄県営平和祈念公園にいることであったが、昨今の出来事による〝来賓の警備体制〟や〝参列者選択のの吟味〟等初めて訪れた戦後70年(平成27年)の追悼式と変わりつつあることを踏まえ、凡その式典開催時刻の間に訪問できれば良いかと思うようになってきた。そんな考えもあり、臨時駐車場に充てられた糸満観光農園に11:59到着し、黙祷を捧げた後シャトルバスに乗車。12:00過ぎの会場到着という行程を今年は取ってみた。

会場についてみて思ったことは、まず警備の警察官の多さ。昨年の安倍前首相の襲撃事件の反省からだろう。ピリピリとした緊張感が伺える。同様に選挙応援で演説をした岸田首相に対する暗殺未遂事件、これも当然の如く影響しているであろう。ただ警備のためとはいえ4年前には〝参列者テント〟ではなく外野からでも式典の様子は伺えるものであったことは記憶している。しかし本年会場を訪れて思ったことは、外野からの式典の流れはほぼ見ることは疎か様子さえ伺えないものとなっていた。

事前の主催側の発表では参列者席を500席増やしたことが期されていたように思う。ただそのことを私自身はあまり気に留めてはいなかった。と言うのも現実として〝参列者テント〟に入るのは招待者と一部の一般客に限られているということを知っていたからである。追悼式に参列している人数はマスコミで発表はされてはいるが、その他多くの沖縄県民他たまたまこの日に沖縄に来ていた観光客が園内芝生に座ったりしながら式の流れに聞き耳を立てている〝現実〟を知っていたからである。その数はゆうに10,000人を超えており、それだけの人数が平和祈念公園を埋め尽くしているにも拘らずその数は報道されてはいない。今年の数字も多分そうであろう。

ただ今年のように外野からの式典の進行が伺えない状況を作ってしまえば、式典参加者は一挙に減ることとなる。勿論世間の関心が低くなってしまい参列者が減ってしまったということであれば、それは致し方ないと思えるところはある。しかし式典参加の〝主賓〟の警護のためであればそれは本当に必要なことなのであろうかと私は疑問に思えて仕方がない。事件が起こってしまってからでは仕方がないという理由かも知れないが、ここは先の沖縄戦における〝戦没者〟の追悼式である。つまり主賓は亡くなった兵士・住民・軍属・学徒である。そのような立場の方々に対して〝安らかにお眠り下さい〟というのが追悼式の意義であり、そこに〝お偉いさん〟が来る必要はないのである。

確かに現代の日本に於いて〝暗殺〟という二文字はあってはならないものである。そしてそのような場所に於いて〝人を殺めよう〟とする行為自体を警戒せねばならないものなのかと不思議に思えてならない。参列者をはじめとしたこの日この時間に平和祈念公園に集まった人々の願いは、戦没者に対する〝安らかにお眠り下さい〟の願い以外にあるのだろうか?そのような場所に於いて厳重な〝要人警護〟が必要なのであろうか?私は不思議に思えてならない。

主賓を入れ替えてしまう式典であるならば〝追悼式〟ではなく、選挙対策ではなかろうか?私はそう思う。

今回のように式典ではなく〝式典参加者〟が主賓となる追悼式であれば私自身沖縄まで来る必要はないと考えている。玉城知事にもその旨は申し上げたい。誰のための追悼式なのか?そこに式典を囲ってまで警護をする必要を感じているのであろうか?

私自身戦後80年(2025年)の追悼式をひとつの〝区切り〟だと思っており、それまでは6月の沖縄行きを続けたいと考えている。しかし今年のようなバカげた考えの元追悼式を催行するのでは、戦没者遺族の一人として行く〝価値〟はないと思われる。テレビで見ていた方が〝平和の詩〟の朗読は素晴らしいと言っていたが、私にはそれをじっくり聞く環境にはいられなかったことが事実である。

イベントはやったら良いというものではない。寧ろ戦争の悲惨さを後世に伝えるべく行われる〝戦没者追悼式〟であれば尚更である。正直言って本末転倒であった今年の追悼式には失望した。来年は一人でも関心を持った人々が立ち寄って、厳かな式典の模様を聞いて感じられる実のあるものにして欲しいと願って止まない。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
交通
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
観光バス レンタカー JALグループ ANAグループ JRローカル 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
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この旅行記へのコメント (2)

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  • たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん 2023/07/01 12:33:27
    時代の流れなのかも知れません…。
    琉球熱さん

    こんにちは。ご無沙汰しております。
    継続が…と言われるのは恥ずかしい限りですが、半ば意地になっているところもあるように思います。このイベントがどのように変わって行くかということをこの目で確かめたい気持ちのような…。

    要人警護の理由は仰るように安倍さんの一件でしょう。しかし選挙応援と慰霊式典では意味合いが違うように思えてなりません。戦争によって多くの人命が失われ、それを追悼する式典に於いて暗殺を企てるものがいるならば、日本人の国民性も終わったと言わざるを得ません。

    日本全国からあのように警察官を集め、僅かな時間に行われる総理の平和宣言に人と金を費やすことは合点がいきません。また取り方によっては〝政治的利用〟とも見えました。

    テレビで見るということが今後は最適な〝式典参加〟の様にも思えてきました。会場にいたところでその〝平和の詩朗読〟を見ることはできない上に、音声も聞こえ辛く内容もパンフレットで初めて知ったことが事実なので…。

    たかティム。
  • 琉球熱さん 2023/07/01 09:56:28
    慰霊の日
    たかティムさん、ご無沙汰です
    今年も行かれたんですね
    継続しているところに、たかティムさんの本気度がわかります
    頭が下がります

    極めて個人的に「リメンバー6.23活動」は続けていますが(笑)、ここ4年ほど沖縄自体に上陸していません

    今年は沖縄戦に関するマスメディアでの取り扱いが少なかったような気がします
    一方で、式典での高校生の詩の朗読は打たれました
    昨年は非常に不自然な印象でしたから

    警備が厳しくなったのは、やはり安倍氏襲撃の影響でしょうね
    事情は分からなくもないですが、たかティムさんご指摘のように、そもそも誰のための式典なのかと、私も釈然としません

    ---------琉球熱--------

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