2023.03 「春の乗り物まつり」の旅 Vol.4 悲運の高速艇「QUEEN BEETLE」に乗船して釜山へ

2023/03/16 - 2023/03/18

「どこかへ出かけたい」という欲求よりも「乗り物に乗りまくりたい」という欲求に負けて出かけることに。出発までの１ヶ月ちょっとの間にプランニングやら予約やらでバタバタと過ごしたが、意外とその時間も楽しんでしまう。ということで一部は行程未定なところを残しつつも「陸海空」と乗り物で移動する旅に出かけてみた。

「春の乗り物まつり」２日目。今日はお楽しみにしていた海路での移動をする。この海路移動の為に前泊しなくはならなかったので前日からの福岡行きとなっていた。そして１日乗り物を楽しんで初日終了。さてメインとなる２日目はどんな乗り物で楽しむのか....そろそろ行動開始しましょう。

※この旅行記にある制限やルールに関しては、その当時の事象です。お読みになっている現時点とは大きく異なることがありますので予めご了承くださいませ。

エリア 釜山(韓国)

• 旅行の満足度: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 船
• 旅行の手配内容: 個別手配

夜は明けたがまだまだ薄暗いうちにホテルをチェックアウトして南福岡駅へ。

南福岡駅 駅

JRで博多駅へ向かう。まだ６時台ながら通勤や通学の乗客の姿が多くみられた。

南福岡駅 駅

博多駅に到着。夜と朝とではその雰囲気がまるっきり違うよね。

博多駅 駅

博多駅前のバス停へ移動して路線バスに乗車することに。路線バス大国とも言われる福岡とあって、バス停に並ぶ人の列が長くて驚いてしまった。

かなり遅れてきたバスに乗り込む。積み残しになるか？と心配したがなんとか乗車。

路線バスの満員移動を楽しんで到着したのは博多港国際ターミナル。乗客の一部はその手前でどっと降りたが、どうやら学会があっての混雑も影響したようだ。

博多港国際ターミナル 乗り物

博多港国際ターミナルに来たということは....はい、これから船で出国します。

まだ2023年の3月なので海外渡航ができるようになったとはいえ、武漢ウイルスに対する各種申請などがあり緊張の時間がやってきた。

普段であればターミナルに到着したらまずはカウンターで乗船手続きをしてから出国となるはずなのだが、このご時世ながらの順路が用意されていた。

まずは列に並んで進み、第一関門で乗船予約状況と健康チェックをする。

第一関門をクリアすると第二関門へ。渡航先となる韓国に入国するための電子ビザ「K‐ETA」の申請の確認。

最終関門となるこちらではワクチン接種などを登録したファストトラック審査完了画面の確認。でも、これは往復で乗船する人に限ってのようだ。ファストトラックの申請ができていないと往復予約していた人は乗船できないようになっている。当日ここで慌てて申請していた人がいたけど、無事に乗船できたのかな？。

ちなみにここで韓国入国に必要な健康状態を記載するシートを渡されたので「Q-code（韓国入国時における検疫情報事前入力システム）の登録をしていますっ！！」と言ってみたら....係員から「あ゛っ、釜山港は対応していないのでお渡しした検疫シートにご記入ください」との回答....orz

３つの関門をクリアしてカウンターで乗船手続きをし乗船券をやっと入手できた。なんだか異様に時間がかかったような....。

乗船手続きを終えて２階の乗船待合室で出国手続きの時間までしばし待つことに。

まだまだ時間があったのでターミナルの展望デッキに上がってみた。

これから搭乗する "QUEEN BEETLE"の美しい姿が眼下に見えるっ！。これから乗船して日本海を北上するんだよね。

こちらはターミナル横に停泊しているカメリアラインの「ニューかめりあ」。昨夜、釜山港を出港して今朝ここ博多港に到着。このあと船内整備を済ませて昼に博多港を出港して夜に釜山港に到着するスケジュールが待っている。それまでは休息の時間だ。

カメリアライン 乗り物

出国手続きが始まり手荷物検査などなくそのまま出国スタンプを押してもらって制限区域へ。さっそく目の前に免税店が現れたが買うものも無いのでそのままスルー。

ここは出国審査を受けた後の乗船待合室。右手には免税店もありちょっと手狭な感じだ。ここで待っている人も居たけれど私はそのまま進み２階から階段を降りて１階へ。

１階に降りてくるとかなり広い乗船待合室がある。ここで乗船時間までしばし待つことに。今のうちに仕事関係のメール処理をしておかないとね。

いよいよ乗船。細長い通路を歩く。歩き始めてすぐに右手に分かれる通路とその先の桟橋....昔はここからジェットフォイルに乗船していたんだろうな。

日本を出国している状況なのでシップサイドまでは外へは逃げようのない通路が長く続く。

いよいよこれから乗船する "QUEEN BEETLE" のシップサイドにやってきた。

クイーンビートル 乗り物

乗船して船内へ。Boeing 929 ....ジェットフォイルの船内とは比べ物にならないくらい広い！。

そして船内は洗練されたデザインで統一されている。

こんな対面シートまで設置されている。

この日は空いていたので指定していた座席以外に座ることもできていた。ただしクラスを超えて利用することは当然ながらできない。

船内前方にわずかながらシングルのシートが設定されていた。

そのわずかなシングル席が私がアサインしたシートだ。

ここに座って韓国は釜山を目指す。

こちらが博多港国際ターミナルで発券された乗船券。感熱紙のレシートタイプなのがちょっと残念かな。

パスポートへの出国スタンプは "HAKATA" 。奇しくも武漢ウイルス蔓延以前に最後に渡航した時の日本出入国のスタンプは "KANMON" だった。

その "KANMON" のスタンプを押した旅の記録はこちら。

　関釜フェリー乗船記（往路）
　https://4travel.jp/travelogue/11614326

　関釜フェリー乗船記（復路）
　https://4travel.jp/travelogue/11615074

韓国へ渡航するにあたりいろいろ調べてこの旅に臨んでいるのだが、入国に必要なQ-CODE（検疫情報事前入力システム）の手続き、入力をしたのに釜山港はQ-CODEに対応していないということで手書きのカードを渡されていた。

出航前の揺れていないうちに記入しておきましょう。

船内にはフリーWi-Fiの電波が飛んでいるようだ。今日は天候が悪く外の景色もそれほど楽しむことができなさそうなのでありがたく利用させていただいた。

船内キオスクのメニュー。出港してから開店するようだ。開店したら朝食に何か注文しようかな？。

まだまだ出航まで時間があるので船内探訪。こちらは大型荷物を収納できるスペース。航海時には扉が閉められ鍵がかかるのでセキュリティーには問題無さそうだ。

船内にはサイクルステーションもある。自転車とともに海外旅行が気軽に楽しめる施設だ。特殊手荷物運賃（他諸規定あり）で愛車と乗船して韓国旅行もできる。

さすが国際航路とあって免税店も完備。ここにはQUEEN BEETLEのグッズも販売されている。もちろんお土産に買ってしまった。

船内案内。客室は３層になっていて私が利用している１デッキはエコノミークラス。２デッキはビジネスクラスで３デッキは展望スペースになっている。

いわゆる銘板になるのかな？。

さて時間になったので定刻で離岸。係員の方が見えなくなるまで大きく手を振って見送ってくれた。

博多港をゆっくりと進む。右舷にはQUEEN BEETLEと同じく博多と釜山を結ぶフェリー「ニューかめりあ」の姿が同じ目線から見える。ターミナル屋上から見る姿とは違って迫力あるなぁ。

少しずつスピードを上げて博多港を出ていく。ウォータージェット推進が描く白い航跡。

こちらの出航とすれ違うように入港する九州郵船のB.929 ビーナスの姿が。

出航した後もテレビで放映されている「セーフティデモ」。日本と韓国の子供が可愛らしくコミカルに情報を伝えていた。

船内ではなんと酔い止めの薬が無料で配られていた。今日の航海はかなり荒れるという情報がアナウンスされていたが、ここまでサービスが良いとはびっくり。

私は乗り物に強いので薬は辞退したが....もらって飲んでおけばよかったかな？。

まだまだ博多湾を航行中。左舷の向こうには志賀島への「海の中道」が見えてくる。今年の２月に志賀島からJR西戸崎駅まで歩いたんだよなぁ。

↓そのときの旅行記はこちら↓
ANA「国内線どこでも片道7,000円」3レグ迷走旅 Vol.2 前夜入りの恩恵を受ける
https://4travel.jp/travelogue/11809926

博多港を出てから徐々にスピードアップ。一直線の白い航跡が....といいたいところだが、意外と右に左にと微妙にずれている。これは船のコントロールや動揺防止の為にウォータージェットの吐出方向を微妙に変えているからだそうだ

航海速力36Ktを誇る高速船ながら船尾にはオープンデッキが備えられている。以前、同航路を就航していたジェットフォイル B.929 「ビートル」の時代からは信じられないような世界だ。

博多港を出航してやっと落ち着いたところで船内キオスクで朝食とデザート（？）を購入。

ちょっと遅めの朝食の前に....ちょっと遅めの「グッドモーニングあわあわ♪」をいただきます。

そういえば早朝チェックアウトしてからターミナルまで一直線できたからコンビニなどに寄ってこれなかったんだよね。フリースペースではすでに持ち込んだビールなどで宴会が始まっていた。....ちと失敗したかな？（→でも成功だったかもー後述ー）。

船内キオスクで購入した「プルコギ飯」で朝食を。メインのプルコギ飯が美味しかったのは当たり前として....付け合わせが絶品だっただよなぁ～。

付け合わせだけでビール呑める感じ♪。

朝食を終えた後は船内でまったりと....過ごしていたつもりだったが、揺れのおかげでウトウトとしてしまった。そのまま寝ていればよかったが、途中で目を覚ましてしまった。

しばらくして左舷に対馬の島影が見えてくる。順調に航海が....と言いたかったが、時化の影響で船体は大きく動揺して船内は大変なことに。いたるところで蛙の合唱が行われ、賑やかだったビール持込グループも青息吐息。乗り物に強いと自負している自分も危なくなってきている状況で「何で乗船時にカッコつけて酔い止め薬を貰わなかったんだろう」と大反省。でもなんとか持ちこたえそうか？。

無事（？）に釜山港に入港。その手前からスピードダウンしたので横風の影響を受けて左右に大きく動揺し始めた。さすがにこの揺れはひどかったので船央の席に移動してなんとか難を逃れることに。

そんなことを書いていると QUEEN BEETLE への乗船を躊躇する人が出てくるかもしれないが大型低気圧の影響での大時化（前日は確か欠航だった）なので、平時はそれほど動揺しないと聞いているので安心して乗船してほしい。

まもなく着岸。湾内の様子を船尾のオープンデッキから見たかったのだが、エコノミーエリアからは制限されていて船尾に移動できなくなっていた。というのも着岸後にビジネスクラスの乗客から先に下船（乗下船口は船尾にある）させるため、エコノミーの乗客は到着前には船尾に近付けないようになっているのだ。

それほどの時間もかからないうちに下船できた。ネットで事前に調べていた時には下船まで１～２時間かかるという情報を見ていたので、あっさりと下船できたのには驚いてしまったよ。

釜山港国際旅客ターミナル 船系

釜山港ターミナルまでちょっとした距離を歩く。

釜山港国際旅客ターミナル観光案内所 散歩・街歩き

歩きながら QUEEN BEETLE の美しい姿をいろいろな角度で鑑賞する。

博多港ではシップサイドまで狭小通路を歩くので船体の美しい姿を望むことができない。なので釜山港は絶好の撮影チャンスなのだ。

釜山港国際旅客ターミナル 船系

下船後、国際旅客ターミナルで無事に入国。武漢ウイルスの世界的なパンデミックで海外渡航ができなくなって久しいが、自分にとって３年ぶりの海外の地に到着することに。ちょうど３年前に訪れたのもここ釜山だったので、この地から海外旅を再スタートするような気持になってしまった。

さて３年ぶりの海外、それも「乗り物まつり」....次の乗り物は何になるのか？。

釜山港国際旅客ターミナル 船系