2023/02/17 - 2023/02/17
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Tagucyanさん
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毎年、自然災害でどこかしらの鉄道路線が被害を受けていますが、昨年9月の台風で被害を受けてしまった大井川鉄道に乗りに行ってきました。
現在大井川本線の家山ー千頭間が災害被害のため運休中。
始発駅の金谷駅から電車に乗り、家山駅からは不通区間をつなぐ代行バスに乗って、千頭駅まで来ました。
ここから、井川線に乗ります。
千頭駅に来たのが7年半ぶり、井川線に乗るのは14年ぶりです。
井川線も被害を受けていたのですが、昨年のうちに復旧しました。
今まで何度か乗ったことがありますが、いずれも通しで乗ってしまって途中下車したことがないので、今回は何度か途中下車しながら先に進むことにしています。
久しぶりの井川線、じっくり堪能しました。
堪能しすぎて写真が増えてしまい、今回はその第1話、接岨峡温泉のお湯に浸かるまでです。
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【その1】のつづき
東海道線との接点である起点駅の金谷駅から、元南海ズームカーに乗って家山駅へ。災害により不通となっている家山ー千頭間を走る代行バスに乗り換え、大井川本線の終点となる千頭駅に向かった。 -
代行バスの終点・千頭駅前に到着。
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大井川鉄道の本線と井川線の接続駅である千頭駅。
駅構内も広いけど、駅舎も大きい。千頭駅 駅
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千頭駅の駅舎内。
観光シーズンやSL列車が到着した時には混雑するが、現在はこんな感じ。本線が不通になっているのは大きい。 -
改札を入ってまっすぐ進むと現在は電車の発着がない本線のホーム。
そしてこちら、右の方に行くと井川線の乗り場がある。
本線は5番線まであるが、井川線は6番線の片面だけ使っている。 -
井川線の列車は、全て客車列車。
もともと軽便鉄道仕様で作られた路線なので、車両も小さい。
本線に比べると、ホームも低くできている。
ただし、線路幅は本線と同じ狭軌。
線路幅が同じなだけで、直通はしない。 -
途中に90パーミルという急勾配区間がある関係で、機関車は常に下流側に連結されている。
つまり、井川行きは編成の一番後ろが機関車になる。 -
構内は広く、側線がたくさんある。
実際にはとなりの川根両国駅に車両区があるのだが、実質的にここが井川線の車両の車庫のようになっている。 -
では乗りましょう。
機関車が一番うしろということで、先頭の客車には運転台がついているので、「クハ」になっている。
機関車+中間客車(今日は2両)+クハ客車 というのが基本的な編成。
カーブがきつい路線なので、客車間の移動はできない。 -
車内。車両が小さいので、こんな配置になっている。
車両は何種類かあって、ロングシート車両もあるらしいが、クハ客車はこういうタイプ。
ちなみに、車掌さんは往復ともに、このクハ客車の車内にいることが多かった。 -
運転席の後ろに、こんな席がある。
基本的にこの席に座っていた。ただしすごく狭い(-_-) -
千頭駅を出発。
この路線、現在はほとんど観光向けのダイヤになってしまっていて、これが本日の始発列車。 -
3分ほど走ると、最初の駅の川根両国駅に着く。
井川線の運行上の中心となっている駅で、駅構内に車両区と、乗務員区がある。川根両国駅 駅
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前回来たときもそうだったが、ここで乗務員交代することが多い。
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両国乗務区の建物。井川線の乗務員が所属。
駅舎と一緒になっている。 -
川根両国駅を出発。すぐに吊り橋の下をくぐる。
7年半前、家族できかんしゃトーマス号に乗ってきたときは、そのあとこの対岸に車を停めて、この吊橋を渡って駅を見学しに来た。両国吊橋 名所・史跡
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座った席からの眺め。アトラクションみたいで面白い。
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素掘りのトンネルも多い。
この車両の足元灯が車両ではなく台車に付いているらしく、台車の動きに連動して常に進行方向を向いて照らすようにできていて、うまい仕組みだなあと思った。 -
急カーブが連続する路線で、だいたい2~30km/hののんびりしたスピードで走っている。
そもそもスピードメーターの表示が40km/hまでしかないし。 -
もともと、大井川沿いのダムの建設及び保守のために、電力会社が作った軽便鉄道がルーツの路線。
いかにもそんな感じの線形。
現在も線路などの施設は中部電力が所有していることになっている。 -
澤間駅。
沢間駅 駅
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こういう簡素な無人駅がつづく。
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鉄橋はこんな感じで立派。
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大井川と、寸又峡の方から流れてくる川と、もう1つ沢が合流する三叉峡と言われる場所。こういう見どころでは、車掌さんが観光案内をする。
そもそも、窓を開けて写真を撮る前提で案内しているし、こうなると車内を移動しやすい。他のお客さんもみんなそうしているし。 -
土本駅。
ここもこんな簡素な駅。土本駅 駅
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駅周辺には家が4軒ある。
結構近年まで、ここには車が入って来れずに、実質的に鉄道が唯一の足になっていたらしい。こういう話も車掌さんが車内案内していた。 -
時々、保線作業をしている作業員がいる。
線路に沿った道はないので、線路を歩いてくるしかないんでしょうね。 -
険しい崖の下に大井川、という区間が多い。
こんなところによく線路を敷いたよなあ。 -
川根小山駅。
ここにも保線作業中の人たちがいた。川根小山駅 駅
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この駅、「川猫山」駅という愛称がついていて、駅名標の下にその表記がある。関連のグッズもある。
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川根小山駅のちょっと先に集落がある。
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奥泉駅。
奥泉駅 駅
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この駅の周辺も集落だけど、駅は崖の下にあるので、列車からは見えない。
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並行している県道が大井川を渡るアーチ橋「泉大橋」。
これも車掌さんから案内がある。 -
この先に、長島ダムがある。ダム建設に伴い、線路が付け替えられた。
その旧線と分岐するところ。
線路が切り替わったのが1990年のこと。
私が初めて井川線に乗ったのはまだ旧線の時代だった。新線になってから来るのは3回目。 -
その先にある、アプトいちしろ駅。
ここからアプト式区間になるので、アプト式機関車の車庫がある。 -
この地点から、線路の間にラックレールが敷設されている。
これがアプト式機関車に付いている歯車とかみ合って、強力に坂を登っていく区間。 -
アプトいちしろ駅。
ここで後ろにアプト式機関車を連結するために、4分間停車。
ホームには自販機とトイレがあって、トイレ休憩のような感じになる。アプトいちしろ駅 駅
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連結作業を仕切るのは車掌さんの役目らしい。
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連結の準備をする車掌さん。
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側線で待機していたアプト式機関車がやってきた。
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ゆっくりと近づいて、
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連結。
アプト式機関車は、井川線の他の車両よりも一回り大きい。 -
アプトいちしろ駅を出発。
この区間だけは、アプト式機関車専用のノッチ(運転士さんが左手で操作している)を使用する。
それ以外の区間で操作しているノッチは、運転士さんの正面、メーター類の前にある。
アプト式機関車は電気機関車なので、この区間だけ電化されている。
なので、運転士さんはディーゼル機関車と電気機関車の両方の免許を持っているとのこと。 -
ここから、90パーミルの急勾配を登っていく。
(写真左に90パーミルの表記がある)
現在のところ、日本で唯一のアプト式区間。 -
すごい坂を登っているのが、体感的に分かる。
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はるか下に見えるキャンプ場。旧線はあそこを通っていた。
少し走っただけでこれだけ高低差がつく。 -
長島ダムが見えてきた。
短距離であのレベルまで登るために、新線はアプト式の急勾配になった。長島ダム 名所・史跡
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あのトンネルの手前までが急勾配区間。
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トンネルを出ると水平区間となり、ラックレールが途切れる。
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そして長島ダム駅に着く。
さっき見えたダムの真横にある駅。
アプトいちしろ駅からここまでの1.5kmで、標高が89m上がった。長島ダム駅 駅
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ここで、後ろに付いていたアプト式機関車を切り離し。
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切り離し作業中。
手前にいるアプト式機関車の運転士さんと、(見えてないけど)向こう側にいる車掌さんが手分けして作業中。 -
機関車が離れていった。
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この先、長島ダム建設に伴いできた接岨湖(せっそこ)に沿って走る。
接岨湖 自然・景勝地
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新線区間にできた、ひらんだ駅。
ひらんだ駅 駅
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近くに「平田」と書いて「ひらんだ」と読む集落がある。
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ひらんだ駅の先にあるトンネル。
トンネル内に周辺の景色のパネルが並んでいる。
それがよく見えるように、列車は徐行して進む。 -
トンネルを出ると湖を渡る。なんともいい眺め。
この鉄橋には「レインボーブリッジ」という名前がつけられている。
東京港に架かるレインボーブリッジよりも先にできた、こっちの方がオリジナル。 -
眼下には旧線の跡が見える。
初めて来た時は、あそこを通ったはず。 -
鉄橋を渡ると、駅がある。
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それが奥大井湖上駅。
「中部の駅100選」にも選ばれている駅。奥大井湖上駅 駅
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ホームには数人の観光客がいた。
ただ見送るだけの人と、列車に乗り込む人が両方いる。
ここにはあとで来ます。 -
駅を出るともう1回湖を渡る。
さっきの橋と合わせて「レインボーブリッジ」。
外部から駅へのアクセスは、鉄橋の右側に並行している歩道のみ。 -
トンネルをくぐると、さっき眼下に見えた旧線が通っていた廃トンネルがあって、左方向から合流する形になる。
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接岨峡温泉(せっそきょうおんせん)駅。
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着いた反対側のホームには、この駅始発の千頭行き列車が停まっていた。
まだ機関車のエンジンがかかっていなかったので、昨日の夕方に着いてそのまま今まで夜間停泊していたのではないかと推測。 -
そして、この駅で下車。出発を見送った。
(機関車が一番後ろなので、写真奥方向に走っていった) -
ホームから見た接岨峡温泉駅の駅舎。
まだ旧線だった時代は「川根長島」という駅名だった。接岨峡温泉駅 駅
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各駅に、地元の小学生が書いたと思われる「習字の作品」が貼ってある。
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駅舎内。
普段着姿のおじさんとおばさんが、駅員の仕事をしていた。 -
この駅の時刻表。
(※その後ダイヤ改正があって、現在は大幅に変わってます) -
開業当時からあるのではという感じの駅舎外観。
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駅前には一軒宿があって、日帰り入浴もできる。
せっかく来たので、ひと風呂浴びていきましょう。
・・・ところが、内部には誰もいなかった。
そこで駅に戻ってきて、窓口にいたさっきのおじさんに話をしたら、
「あれ、いません? じゃああとでお金を渡しておくから、入っていいですよ」。
そのおじさんにひとまず入浴料を払って中に入った。
ちなみに、駅から10分ほど歩いた集落内にも温泉宿や日帰り温泉施設がある。接岨峡温泉 森林露天風呂 宿・ホテル
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再び誰もいない中に入った。
貸しタオルが山積みになっていて無料で使えるらしい。 -
フロントらしき場所にあった手書きの料金表。
「お帰りなさい!!」いいですねえ。
日帰り入浴は大人600円、子供350円。 -
内部は、内風呂と露天風呂があった。
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カランのところには「ケロリン桶」。
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露天風呂。保温用のシートが被さっていたので、入るときだけどかした。
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露天風呂は低い囲いに囲まれていたけど、景色自体は眺めることができた。しばらくまったり。
アルカリ性のお湯で、入るとスベスベした。
いいお湯でした。 -
お風呂のある本館の斜め下にある、こちらが別館。
廊下でつながっている。
管理している方の自宅も兼ねているっぽかった。 -
駅前にあるのはその旅館1軒だけで、そこから「駅前通り」が続いている。
左側の建物は屋根付きの列車車庫で、ウィキ情報によれば「かつて夜間停泊に使われていた」現在はよくわかりません。 -
ちょっと歩くと踏切があった。
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下流方向。さっき通りました。
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反対方向。接岨峡温泉駅のホームが見える。
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「駅前通り」はさらに森林の中を下っていった。
この先に集落があるのだが、時間切れとなってしまったのでここまで。 -
再び駅に戻ってきた。
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窓口で(こんどはおばさんがいた)記念に入場券を購入。
改札のあたりに列車の車掌さんがいて、私が持っていたフリー切符を確認。 -
着いたときにはエンジンがかかっていなかった千頭行きの列車が、エンジンかけてスタンバっていた。
これに乗って、少し戻ります。
長くなってしまったので【その3】につづく
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この旅行記へのコメント (2)
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- Akrさん 2023/03/19 13:29:37
- 大井川と聞くとリニアに結びついてしまいます
- Tagucyanさま
こんにちは。
最近、大井川と聞くと、あの知事さんの顔とリニアが浮かんできます。
早く作らないと私が生きているうちに乗れないじゃないですか 笑
スミマセン、話が脱線しまして。
大昔(昭和の頃)、大井川鉄道で寸又峡温泉へ行ったことがあるのですが、写真が一枚もなく、どうやって行ったのかが思い出せません。SLかわね路号に乗ったのは覚えていますが記憶が曖昧です。旅行記を拝見して既視感がある場所もあるのですが。。。
井川線は、ちょっと黒部峡谷鉄道のような雰囲気ですね。
オープンエアな客車は無いようですが。それにしても90パーミルは凄い。アプトじゃないと登坂できないでしょうね。そういえば、かつて横軽もアプト式だったなと。
粘着式鉄道に比べ、アプト式は「引っかかってる感」があって急勾配でも安心ですね。
乗り心地は如何ですか?
そして、温泉。大自然に囲まれての温泉は至福の時でしょう。
次はなにか食べに行くと見ました 笑
Akr
- Tagucyanさん からの返信 2023/03/19 21:24:39
- いろいろと揉めてますね
Akrさま
こんばんは
リニアの大井川の最上流部分を横断するトンネル、揉めてますね。わたし的にはそれ以上に、大都市圏の下をくぐるトンネルがホントにできるのか、そっちが心配です。同じような工事をしている外環道のトンネル現場でいろいろ問題が出て地元と揉めてますしね。
寸又峡温泉ですと、千頭駅からバスで行ったか、井川線で奥泉まで行ってそこからバスに乗り換えたか、たぶんどちらかでしょうね。井川線は曲がりくねっていてスピードが出ず、並行している路線バスのほうが所要時間が短いので、一般的には前者かなあ、なんて思います。
黒部峡谷鉄道と井川線は、ダム等の電源開発のために電力会社が敷設した路線がルーツという共通点がありますね。個人的には初めて乗ったときはまだ旧線の時代で、現在のアプト式区間に切り替わったときに改めて乗り直しに来た思い出がある路線です。
井川線の列車は、機関車が編成の一番下流側に連結されている客車列車で、アプト式機関車はさらにその下流側に連結されるので、歯車が噛むガリガリという振動は伝わってきません。あの急坂をずんずん登っていく感覚は、ケーブルカーに近かったですね。
ずっと前から気になっていた接阻峡温泉に、今回は途中下車して浸かってみました。山間の静かなところにある露天風呂、良かったです。あの1週間後、泉源のポンプが故障したとかで、一体の温泉施設がみんな休業してしまったんですよね(現在も休業中)。タイミング的にも結果オーライでした。
このあと、食べには走りますが、もう1話はさまると思います。いつも以上に写真を撮りすぎました…
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Tagucyan
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