2022年8月夏の週末二泊一人旅～山形県鶴岡・酒田④：鶴ヶ岡城址周辺～

2022/08/19 - 2022/08/19

2022年8月お盆明けの週末に、山形県鶴岡市・酒田市へ二泊三日の一人旅に行ってきました。


行動制限がない3年ぶりの夏！といいながら、今までにないペースで急増する新型コロナウィルス・オミクロン株の国内感染者数を伝えるニュースが逸る気持ちを挫かせます。

こういう時は温泉の力を借り、旅先の非日常に触れることで、身体と心の健康増進と免疫力アップをすることが必要ですね。

今回の旅は首都圏から地上のアクセス面でやや不便なところにある山形県庄内地方を目的地にしました。


旅の1日目は上越新幹線とJR在来線特急を乗り継いで、最初に『クラゲの水族館』で有名な鶴岡市立加茂水族館を訪問し、その日の夜は近くの湯野浜温泉の民宿に泊まりました。


2日目は山岳信仰と修験道の聖地、羽黒山・出羽三山神社を訪れ、その後鶴岡市街に戻って鶴ヶ岡城址周辺を散策、夜は鶴岡市内にある湯田川温泉の老舗旅館に宿泊しました。

最終日の3日目は酒田市に移動して北前船の寄港地の面影の残る酒田の街並みを楽しみ、最後に庄内空港から一人旅初の航空機に搭乗して帰宅しました。





本編は2日目後半の鶴ヶ岡城址周辺の旅行記です。

エリア 鶴岡(山形)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

この前編は『2022年8月夏の週末二泊一人旅～山形県鶴岡・酒田③：羽黒山・出羽三山神社～』です。
https://4travel.jp/travelogue/11770040

8月19日（金）羽黒山頂バス停13時発の鶴岡駅前経由エスモールバスターミナル行きの庄内交通バスに乗車し、内川通りバス停で途中下車しました。

ここから旅の2日目後半の鶴ヶ岡城址周辺を散策することにしました。

この時点で時刻は13時55分、この後鶴岡駅前15時38分発の湯田川温泉方面坂の下行きのバスに乗車する予定でした。

実質1時間ちょっとの滞在、ここではあまりゆっくりできないゾ。

路線バス (庄内交通) 乗り物

バス停から鶴ヶ岡城址に行く途中の交差点の角に、推定樹齢400年の『馬場町のタブノキ』が立っています。

タブノキは南方系の常緑樹で、比較的温暖な太平洋側の静岡県伊東で巨樹を見たことがあります。

冬は寒冷な東北日本海側のこの地で、なぜこんなに大きな樹に育ったのか、不思議に思いました。

そのタブノキのそばに西郷隆盛のレリーフと、彼の座右の銘『敬天愛人』の石碑があります。

明治維新の時、庄内藩は佐幕派の会津藩をはじめ東北・北越の諸藩と『奥羽越列藩同盟』を結び、戊辰戦争で薩長率いる新政府軍と激しい戦闘を交えました。

しかし旧幕府側の劣勢は避けられず、庄内藩もついに降伏することを決めますが、新政府側の裁定は意外にも寛大な処置でした。

この裁定を下したのが薩摩の重鎮西郷隆盛だったので、彼は庄内の『恩人』として感謝されたそうです。

鶴岡市役所の前を通り過ぎると、鶴ヶ岡城址の濠と『大宝館』が見えて来ました。

街の名前は『鶴岡（つるおか）』、城の名前は『鶴ヶ岡（つるがおか）』なので、間違えやすいです。

鶴岡公園 名所・史跡

鶴ヶ岡城址は鶴岡公園として整備されています。

県道47号線側から城内に入ると、先程の大宝館が正面に建っています。

1915（大正4）年に大正天皇の即位を記念して建てられた洋風建築の建物です。

現在は高山樗牛をはじめ郷土にゆかりのある著名人に関する資料展示室として使われています。

大宝館 美術館・博物館

道なりに進むと、左手に護国神社があります。

鶴岡護国神社 寺・神社・教会

右手には鶴岡市出身の藤沢周平記念館が建っています。

『用心棒日月抄』や『蝉しぐれ』が代表作の時代小説作家です。

鶴岡市立 藤沢周平記念館 美術館・博物館

そのまま直進するとすぐ左側に荘内神社の鳥居があります。

地名は『庄内』、神社は『荘内』とこれも間違えやすいですが、荘内は地元の銀行の名前にも使われていますね。

境内に入ってみました。

荘内神社 寺・神社・教会

社殿に向かって左側にある手水舎をのぞいてみると…

荘内神社 寺・神社・教会

手水鉢の中は色鮮やかな花手水でした。

荘内神社 寺・神社・教会

荘内神社は1877（明治10）年に鶴ヶ岡城の旧本丸御殿跡地に創建されました。

祭神は名君と誉れ高い、徳川譜代大名の酒井家の4人の藩主です。

荘内神社 寺・神社・教会

手水舎から社殿を撮ってみましたが、日陰になって花手水の花の色が映えない（涙）

荘内神社 寺・神社・教会

荘内神社でお参りを済ませて、再び県道47号線に戻って来ました。

鶴ヶ岡城は鎌倉時代に起源のある、平地に濠を巡らせた平城です。

現在の城郭の規模に拡張・整備したのは江戸初期に改易された最上氏に代わり、この地の領主となった酒井氏です。

鶴岡公園 名所・史跡

暫く歩いて致道（ちどう）博物館に到着しました。

この時点で14時20分過ぎで時間に多少余裕ができましたので、館内を見学することにしました。

入館料は一般800円、高校・大学生400円、小・中学生300円です。

致道博物館 美術館・博物館

致道博物館は、1950（昭和25）年に鶴ヶ岡城旧三ノ丸跡地に創設されました。

敷地内に移築された3棟の国指定重要文化財建造物と国指定名勝庭園があります。

博物館の名前の『致道』は庄内藩の旧藩校『致道館』に因んでいて、現在もその建物は残っています。

内川通りバス停からここに来る途中にありましたが、時間の都合で立ち寄れませんでした。

致道博物館 美術館・博物館

時間に多少余裕があると言っても、約40分余りです。

少し急いで館内を見学しましょう。

入口から見て敷地内右手に建つ洋風建築の建物は、国指定重要文化財の『旧西田川郡役所』です。

1879（明治12）年に竣工し、戦後1972（昭和47）年にここに移築されました。

3年前の2019年6月に発生した山形県沖地震の影響で、館内は立入禁止となっていて外観のみの見学でした。

致道博物館 美術館・博物館

庄内藩酒井家の江戸屋敷に建っていた赤門です。

赤門は旧加賀藩邸のあった東大と同様、徳川将軍家から輿入れがあった時に造られました。

致道博物館 美術館・博物館

赤門のそばに国指定重要文化財の『旧鶴岡警察署庁舎』があります。

1884（明治17）年に竣工した洋風建築の建物で、戦後1957（昭和32）年にここに移築されました。

内部が公開されていましたので、中に入ってみました。

致道博物館 美術館・博物館

致道博物館の館内と展示物は基本撮影禁止です。

入口だけ撮影しました。

致道博物館 美術館・博物館

旧鶴岡警察署庁舎の取調室だけ撮影可能でしたので、撮影しました。

手前は被疑者の席、奥は取調官の席です。

取調官は一段高い場所の椅子に座って、蓆に座る被疑者を見下ろしていたのですね。

江戸時代の被疑者に対する姿勢が、明治も変わらずに続いていたことがよく分かります。

致道博物館 美術館・博物館

2階に上りベランダから外の景色を撮影して、本編旅行記の冒頭の写真にしました。

本当はNGなのですが、何も展示物がないということで部屋も撮影しました。

致道博物館 美術館・博物館

次は『旧庄内藩主御隠殿』を見学しました。

藩主の座を後継者に譲り、隠居した元藩主の住まいですが、元々江戸屋敷に建っていたものを一部、北前船で運んでここに移築したのだそうです。

致道博物館 美術館・博物館

こちらも館内は撮影禁止、玄関先のみの撮影です。

内部はかつて城郭建築物が建っていた頃の鶴ヶ岡城のジオラマや、旧藩主の酒井家から寄贈された品々が展示されています。

致道博物館 美術館・博物館

御隠殿の縁側から、1976（昭和51）に国の名勝に指定された酒井氏庭園が眺められます。

外の景色の撮影はOKなので、縁側から撮影しました。

この庭園は1971（昭和46）年の大修理で復元されたものですが、趣きのある庭園の景色です。

致道博物館 美術館・博物館

紅葉の時期にはまだ早いですが、紅く色付いているモミジがありました。

致道博物館 美術館・博物館

御隠殿を出て次に『旧渋谷家住宅』に行きました。

江戸後期の1822（文政5）年に湯殿山麓の鶴岡市田麦俣地区に建てられ、その後1965（昭和40）年にここへ移築されたものですが、国の重要文化財に指定されています。

『兜造り』と呼ばれる独特な形の茅葺き屋根が特徴的な、3階建ての多層民家です。

2階と3階ではかつて養蚕が行われていました。

致道博物館 美術館・博物館

次に訪れたのは『民具の蔵』、江戸末期に鶴ヶ岡城内に建てられた2階建ての土蔵です。

内部は北前船や商業関係の資料、昔の手工芸品が展示されています。

致道博物館 美術館・博物館

最後に見学した『重要文化財民俗文化財収納庫』です。

昔使われた農機具や漁撈具、生活用具等の民具で、重要有形民俗文化財に指定されているものが展示されています。

展示物の中では、荷物を背負う時に背当てとして使われた『ばんどり』と呼ばれる民具の、多種多様な幾何学的デザインがとても印象的でした。
（写真に撮ってご紹介できないのが残念…）

致道博物館 美術館・博物館

見学もそこそこに博物館を後にして、最寄りの致道博物館前バス停から、予定では15時15分発で約5分遅れの鶴岡駅前経由エスモールバスターミナル行き庄内交通バスに乗車しました。

路線バス (庄内交通) 乗り物

バスは15時30分頃に鶴岡駅前に到着し、無事次の15時38分発の湯田川温泉方面坂の下行きの庄内交通バスに乗り継ぐことが出来ました。

これから旅の2泊目の宿泊先に向かいます。

本編旅行記を最後までご覧いただき、ありがとうございます。

この続きは『2022年8月夏の週末二泊一人旅～山形県鶴岡・酒田⑤：湯田川温泉九兵衛旅館さん～』となります。
https://4travel.jp/travelogue/11775938

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