2019/09/11 - 2019/09/12
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ノーーウォリーズさん
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2019年9月上旬の約2週間、カナダのユーコン準州・アラスカ州南東部・カナディアンロッキーを旅してきました。この旅行記では、旅の後半4日間のカナディアンロッキーで主にトレッキングを楽しみます。旅の前半は北極圏に近い地域で巨大氷河を見て圧倒されたので、カナディアンロッキーでも引き続き氷河を探してみます。
近年の地球温暖化に最も影響を受けている観光スポットは、氷河と珊瑚礁と言われています。ここカナディアンロッキーの山頂にある巨大なコロンビア氷原から続く有名なアサバスカ氷河も、毎年平均10m後退しており100年前の半分の大きさになっています。環境活動家グレタ・トゥンベリさんも、私の1ヶ月後にアサバスカ氷河を訪れてるのは、それだけ影響があるからでしょう。残念ながらこのままでは今世紀中にも地球から消滅してしまうと言われる氷河を見るために、カナディアンロッキー一帯をドライブします。
- 旅行の満足度
- 3.5
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アラスカ州ケチカンから、アラスカ航空を利用してシアトル経由でカルガリーへ向かいます。できればケチカンからシアトルまでアラスカマリンハイウェイのフェリーで移動したかったですが、この区間は早さ重視で飛行機を利用です。カルガリー空港には深夜に到着します。
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翌朝9/11、カルガリー空港でレンタカーを借りてカナディアンロッキーのバンフ方面へと向かいます。4日間の滞在ですが、天気予報は思わしくなく、天気は下り坂です。この写真はカナディアンロッキーの山中に入る直前、晴れている場所と雨の場所が交互に現れます。
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初日が一番天気が良さそうなので、まずはカナディアンロッキーでのハイライトのレイクルイーズへと向かいます。レイクルイーズへは車で直接行けず、ご覧のレイクルイーズのビレッジでシャトルバスに乗り換えます。この写真は直前まで雨が降っていて、晴れに変わった瞬間です。
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ルイーズ湖 Lake Louiseの東端に到着、エメラルドグイーンの神秘的な色をした湖です。これは西方向に眺めた様子。
Fairmont Chateau Lake Louise ホテル
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トレッキングを開始します。目的地はレイクルイーズを周回して、その一番奥にあるプレイン・オブ・シックス・グレーシャー・トレイルへ向かいます。レイクルイーズ周辺にはいくつもトレッキングルートがありますが、山奥まで進み氷河に一番近くまで行けるこのトレイルを選びます。
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トレッキングの中間地点で、レイクルイーズ東方向に眺めた様子。出発地点の大きなホテルFairmont Château Lake Louiseが目立ちます。
ルイーズ湖 滝・河川・湖
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更に西方向に進むと、崖の淵を登ります。高低差は350m、比較的高低差が少なく難しい箇所はなく初心者向けです。谷間にはかつては氷河だったと思われる岩場が見られます。
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ビクトリア山 Mt Victoria(標高 3464m)には、大きな氷河というか雪の塊が遠くに見えます。今は9月の夏の終わりですが、ビクトリア山は万年雪に厚く覆われています。
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片道2時間弱・5.5kmを歩き、目的地のPlain of Six Glaciers Teahouseに到着、この小屋はネパールで見られるタルチョの旗が飾られています。昔のネパールトレッキングを思い出します。
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この小屋を守る犬です。ここで売られているものは全て高いですが、スタッフは毎日このルートを歩いて通勤していますので物価高は仕方がありません。
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南方向にある氷河らしき先端が少しだけ見えています。Google Mapで見ると、Plain of Six Glaciers Teahouseは高い山に囲まれており、名前が示す様にかつては6つの氷河に囲まれていた様な地形ですが、残念ながらもう氷河は残っていない様です。来るのが遅すぎました。
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山を降ります。帰る途中も天気は変わり虹が目の前に現れます。もう手でも触れるのではという低い位置です。
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この日の最後は、モレーン湖 Lake Moraineへ向かいます。日没寸前だったので、シャトルバスではなく車でアクセスできます。モレーン湖の色はより青が目立ち、近くにあるのに2つの湖は違う色をしています。私はモレーン湖は初めてですが、ニュージーランドのプカキ湖には3回訪れた事があり、氷河湖はいつも違う色をしていて幻想的です。
真冬のNZ絶景ドライブ・スノーボード・冬トレッキング・星空観測を満喫
https://4travel.jp/travelogue/11404002モレーン湖 滝・河川・湖
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翌日9/12、この日は車でアイスフィールドパークウエイを北上してコロンビア氷原を目指します。途中の景色はカナダで一番とも言われる風光明媚な景色、、なのですが早朝は生憎の天気です。写真は霧に囲まれたボウ湖 Lake Bowで山の上に僅かに氷河が見られます。
クロウフット氷河 自然・景勝地
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天気は回復しており、30分後に出発して後ろを振り返ると霧は消えて良く見える様になります。
ボウ湖 滝・河川・湖
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しかしまだ曇り空。。旅の前半は極北圏で奇跡的に毎日天気が良かったので、どんよりした天気に気分が沈みます。滞在4日間ずっと曇り時々雨です。周りは高い山に囲まれています。晴れだったら凄いんだろうと想像します。
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ペイト湖です。曇りでも見事な色をした氷河湖を展望台から眺めます。こちらは定番のアングルでの写真。
ペイトー湖 滝・河川・湖
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ペイト湖の上流の反対側には氷河が見られます。氷河湖であるからこの様なエメラルドグリーンの色をしています。カナディアンロッキーの高い山の周辺には無数の氷河があります。
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コロンビア氷原ディスカバリーセンターに到着です。ここからカナディアンロッキーで最も簡単に氷河の近くまで行けます。最初はこの写真の氷河が主役と思って写真を撮ったのですが、これは北側にある別のドーム氷河です。
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ディスカバリーセンターから、コロンビア氷原から降りる3本の氷河(西からドーム氷河・アサバスカ氷河・AAコル氷河)が一望できます。この写真は南東側の2つの氷河が写っています。右側がアサバスカ氷河 Athabasca Glacier、コロンビア氷原の主役なのに低い位置にありディスカバリーセンターからは目立ちません。温暖化で年々後退してしまったのでしょう。左側はAAコル氷河で、ほぼ無名な氷河です。今日はこれら2つの氷河の近くまで迫ってみます。
Glacier View Lodge ホテル
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アサバスカ氷河の展望台からこの景色が見られます。間近で見るとまだまだ大きい氷河であることを実感できます。展望台まではツアーに参加する事なく無料で誰でも行く事ができます。アサバスカ氷河が北米で最も有名な氷河です。
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この先ツアーに参加すればアサバスカ氷河の上を歩くことができます。ツアーは2つあります。特別なバスに乗って氷河の上まで行く雪上バスツアーか、氷河を自ら歩いて登る氷河ウォーキングツアーがあります。私はもちろん後者に参加します。
この写真は、ここから先は氷河ウォーキングツアー参加者以外は侵入禁止のサイン。氷河の先端までまだ100m以上距離があります。氷河は毎年平均10メートルほど後退しています。十数年前はここまで氷河があったのでしょう。昔の写真を見ると大氷河ですが、今では徐々に小さくなっています。将来はもっと小さくなるのでしょう。 -
アサバスカ氷河の上を歩き始めます。氷河の先端の方は土が混じっています。
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氷河をウォーキング中です。アサバスカ氷河は他の有名氷河と違い、凹凸が殆どなく歩きやすいです。靴にはチェーンスパイクを付けています。
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氷河の緩やかな勾配を歩いて登ります。標高は2200m、今は9月でただの雪なら溶けますが、氷河はこうして1年中固く凍っています。
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氷河に流れている水は飲用可能で、ペットボトルに入れて持ち帰ります。
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後を振り返ると、結構登ってきているのが分かります。
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アサバスカ氷河ウォーキングツアーは1グループ10人程度で、他の複数のグループが間を空けて出発します。バスツアーと比べると定員は少ないので、事前予約を勧めます。特により上流に行ける1日ツアーは人気の様です。私の参加した半日ツアーでは片道1時間・1.5km程を歩きます。
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左側には、雪上バスツアーで行くスポットが見えます。半日のアイスウォークツアーと雪上バスツアーは大体同じ位の高さまで登れますが、雪上バスのツアーでは決められた狭い範囲(圧雪された駐車場)から外を歩くことはできません。どちらでも同じ様な写真は撮れますが、経験値ではアイスウォークツアーが遥かに高いと思います。
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アイスウォークツアーでは、凹凸の氷河の上を歩く経験ができます。
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大きなクレバスが開いています。これは雪上バスツアーでは見られない冒険的なシーンです。ツアー以外では氷河上を歩くことは禁止されていますが、その大きな理由は安全性の為です。氷河は一見平坦に見えますが、こんな危険が潜んでいます。ガイドに体を支えられてクレバスを覗き込みます。
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アイスウォークでは氷河の真ん中から写真が撮れます(雪上バスツアーは左端からの写真です)。この日は残念ながら天気は良くなかったですが、山頂から吹き込む冷たい風を受けて厳しい自然を体感します。もし夏の様に暑かったら逆に不自然でしょう。
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この辺りが1時間で登った最高地点です。上流の方では土の不純物も少なくなり、透明な氷河が見られます。
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帰りの最後に僅かに晴れ間が見えた瞬間です。生憎の天気でしたが2時間の氷河ウォーキングの貴重な体験でした。ガイドツアーなら安全に氷河の上を歩けます。
コロンビア大氷原 自然・景勝地
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氷河探しはまだ続きます。この日の午後はすぐ隣(東側)にあるAAコル氷河 AA Col Glacierの近くまで歩いて登ってみます。この写真では、天気が良ければ氷河の上にアサバスカ山 Mt Athabasca(標高 3491m)が見えるはずです。なおカナディアンロッキーで一番高い山はロブソン山 Mt Robsonで標高3954m。
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まずは雪上バスのツアー専用の道路を歩いて雪上バスが待機している駐車場の近くに着きます。雪上バスは太いタイヤを履いていて迫力があります。
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目的地のバウンダリーピーク Boundary Peakを目指して山を登ります。アサバスカ山は雲に覆われまだ見えません。
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下を振り返った様子。左端に雪上バスの駐車場、正面にコロンビア氷原ディスカバリーセンターが見えます。バウンダリーピークまで踏み跡があるトラックに沿って登ります。
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氷河の先端と同じ高さまで到達します。この写真ではアサバスカ山の山頂はあと少しで見えそうですが、結局見えませんでした。この後雨が降り出して視界が悪くなったので、バウンダリーピークの登頂は諦めて引き返します。
カナディアンロッキーで氷河探しの旅でした。ピッケルとアイゼンを持って奥地まで行けばコロンビア氷原に側まで辿り着けるでしょうが、日帰りで気軽に氷河を見るのはこれが限界でした。巨大氷河を見るならアラスカ州やユーコン準州がやはりお勧めです。氷河が後退している現状は残念な事ですが、あえて見て感じたままを旅行記に書きました。 -
これがアサバスカ氷河の100年前(1917)と現在(2011)の比較。氷河の後退は一目瞭然です。
環境活動家グレタ・トゥンベリさんもこの1ヶ月後に当地を訪れたそうです。地球温暖化を防ぐには、グレタさんが主張する極端な環境対策が必要ですが、実現性は極めて低いかと思います。。
https://twitter.com/GretaThunberg/status/1187155719021350912
最後に、、氷河ウォーキングツアーがいつまでもあるとは限りません。私が2011年にニュージーランドのフランツジョセフで経験した氷河ウォーキングツアーは、現在では氷河が溶けてしまい地上から行けなくなり、ヘリツアーと組み合わせが必須な高額なツアーとなっています。同じくオーストラリアのグレートバリアリーフも、地球温暖化の影響を最も受けて珊瑚が消滅する事態となっています。
氷河トレッキングで探検家気分
https://4travel.jp/travelogue/10732362
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