2019/09/05 - 2019/09/06
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ノーーウォリーズさん
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9月上旬の約2週間、カナダのユーコン準州・アラスカ州東南部・カナディアンロッキーを旅してきました。最初のユーコン準州(一部アラスカ州)での旅の目的は、オーロラ・紅葉などの大自然、カナダ最北の北極海へのロードトリップ、極地(南極、グリーンランド)を除くと世界最大のクルアニ大氷河の絶景を眺める事です。ユーコン滞在は僅か7日間ですが、見どころ満載で寝る暇もない冒険旅行でした。ユーコンというとオーロラだけのイメージが強いですが、他にも沢山の魅力を見つけました。
この3番目の旅行記は、最初にドーソンシティからアメリカ・カナダ最北の国境の道トップオブザワールドハイウェイ「世界の頂上の道」をドライブします。紅葉したツンドラのパノラマが楽しめます。次にユーコン準州の世界遺産クルアニ国立公園を目指します。ここでは極地を除くと世界最大の大氷原と、神秘の雲に隠された山と呼ばれるカナダ最高峰のローガン山の絶景を遊覧飛行で眺めます。地球温暖化で氷河は溶けていると言われていますが、世界最大の氷原の現状を実際に確認します。
- 旅行の満足度
- 4.5
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ドーソンシティ Dawson Cityの様子。昨日までの3日間デンプスターハイウェイの強行日程で疲れが溜まっていたので、この日は昼ごろまでゆっくりします。ホワイトホースまでの帰り道は、あと2日間残っています。なので1日で最短距離を走るクーロンダイクハイウェイではなく、アラスカ州へ回り道して2日間で景色の良いトップオブザワールドハイウェイとアラスカハイウェイ経由のルートを選びます。
ドーソンシティ空港 (YDA) 空港
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ドーソンシティの側を流れるユーコン川。かつてゴールドラッシュ時には多くの人で賑わった港も今では閑散としています。
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この日(レンタカー5日目 9/5)は、ユーコン川を越えてトップオブザワールドハイウェイ Top of World Highwayをドライブして最初は西へ向かいます。ユーコン川には橋は無いので、ご覧のカーフェリーで渡ります。
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小さなカーフェリーです。ドーソンシティの川向うにはキャンプ場があるだけです。その先はアメリカ(アラスカ州)しかありません。
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川の反対側から見たドーソンシティ、紅葉に覆われた黄色の小さな町といった雰囲気です。似た名前のドーソン クリークと区別する為、名前にシティが付けられますが、ここにシティらしい高い建物はありません。
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トップオブザワールドハイウェイ「世界の頂上の道」の文字通り、北極圏に近い山々の背の上を通るパノラマです。これより北側には道はありません。
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ここも未舗装の道です。未舗装ですが路面は良好で、雨続きでなければ普通車でも十分走れます。デンプスターハイウェイと比べれば走りやすい道です。トップオブザワールドハイウェイは、9月中旬から冬の間は完全にクローズとなります。この日はクローズまであと数日という状況です。あと数週間で雪景色に変わるのでしょう。
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景色は頻繁に変わります。この丘では一面が黄色の低い木に囲まれています。なかなかの眺めです。
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更に高度を上げると木はなくなり一面は赤色に変わります。北極圏まで行かなくても、ここでも同じツンドラの光景が見られます。
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1時間ほどで、カナダ・アメリカの国境に到着です。左端に見えるのが国境イミグレーションの建物です。最北のカナダ・アメリカ国境であり、おそらく一番の絶景ポイントでしょう。
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カナダの出国手続きはなく、アメリカの入国手続きのみです。
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待つこともなく、アメリカの入国手続きは簡単に終了。アメリカ国旗があり国を越えたことを実感します。
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国境を越えても景色は変わりません。違いは速度がキロ表記からマイル表記に変わった程度です。デンプスターハイウェイとトップオブザワールドハイウェイは、Google ストリートビューでも景色が見られますが、何故か天気が最悪な時に撮影されており非常に残念です。晴れた日なら、ご覧の絶景のパノラマが広がっています。
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出発から174km、この日唯一の集落に到着。何故かチキンが沢山そりを引いている絵が飾っています。そう、この町の名前はチキン Chickenと言うのです。
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土産物屋にはチキンのマグネット。チキンの町の名前の由来はこんな感じです。この地域にチキンに似た鳥がいて当初はその鳥の名前を町の名前にしていたのですが、現地語由来の名前で発音がとても難しく、その鳥の姿がチキンに似ていたためチキンという名前になったとか。
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偽チキンの鳥の像と、遠くに見えるのがゴールドラッシュ時に使われた金の採掘機。この町もかつては栄えていたのでしょうが、現在の人口は数十人です。
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チキンという町のトイレはルースターとヘンで分かれています。英語がわからなければ、どちらに行くか困ってしまいそうです。
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チキンの町では記念に焼きたてのローストチキンを食べたいと思っていたのですが、パイしかありません。看板にもChikenと書いているのにチキンがないなんて。。少しがっかりです。まあ、ここに限らず遠隔地の町での食事は期待できません。
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チキンから先は道が舗装されてドライブは快適です。ここから先は未舗装道路はないのでトラブルは起きる可能性はかなり減ります。それでも山には木が生えていない極北らしい光景が続きます。欲を言えば、野生動物が見たかったです。
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メインのアラスカハイウェイ Alaska Highwayと合流して、西から南東へ進路を変えます。
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アメリカ領内にいたのは僅か3時間ほど、再びカナダへのイミグレーションを越えます。今日はカナダ側の国境の町ビーバークリーク Beaver Creekに宿泊します。この日の走行距離は430km(未舗装道路は174km)で余裕です。
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この日もオーロラ観測は良好。ビーバークリーク町中の見晴らしの良い暗い駐車場からですが、しっかりオーロラが見えます。ユーコン滞在6日目の夜ですが毎日雲がない最高の天候に恵まれます。
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しかし、カーテンの様に揺れるオーロラは遭遇せず、真直ぐなラインのオーロラが多いです。写真はすこし揺れた感じになりましたが、頭上一面に広がるオーロラとはならず、、贅沢でしょうか。
ビーバークリーク空港 (YXQ) 空港
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翌日(レンタカー6日目 9/6)、世界遺産のクルアニ国立公園 Kluane National Parkへ向けて出発。今日も雲ひとつなく最高の天気です。最初は雪山でない山々が見えてきます。
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ドンジェック川の橋 Donjek bridgeがビューポイントで、雪に覆われた山々が一望できます。9月上旬は、およそ3000mを越えた山では冠雪しています。
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ズームで寄った雪山。クルアニ国立公園には氷河が沢山あるのですが、残念ながらアラスカハイウェイからはっきり見る事はできません。クルアニ国立公園は面積22000km2と広大ですが、公園内には車が走れる道はありません。なので車からは全体の極一部しか見られません。
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クルアニ湖の北端に到着、澄み切った湖です。クルアニ国立公園の大自然をもっと味わうにはトレッキングか遊覧飛行しかありません。普通なら出来る限りトレッキングにしますが、ここでは氷河の先端を見るだけでも何日も歩かなければいけない程の巨大な公園なので、今回は遊覧飛行することにします。
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バーウォッシュランディング Burwash Landingの飛行場。ここから1時間のクルアニ国立公園パノラマ遊覧飛行に出発です。他の町ヘインズジャンクションなどからも遊覧飛行できますが、距離的にはバーウォッシュランディングからが一番近くて値段も少し安いです(1時間ひとりCAD$240)。
バーウォッシュランディング空港 (YDB) 空港
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予約なしで直接訪れたので、パイロットを町から呼んでくるのに1時間待った後、4人乗りの軽飛行機でテイクオフ。
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バーウォッシュランディングの町とクルアニ湖が眼下に見えます。最初は湖沿いに南東へ向けて飛びます。
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クルアニ湖の南端です。もしトレッキングで氷河を見る場合、Tachal Dhalビジターセンターからご覧のスリム川 Slims River West Trail沿いを歩きます。
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氷河の先端は温暖化の為に年々遠くなっている様で、氷河が溶けた部分は岩が露出しています。往復3日間で氷河の先端を眺める丘まで歩ける様です。飛行機ならこの間僅か5分で、西へ向かい更に奥を目指します。
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そして氷河が眼下に現れます。長い氷河が綺麗なラインを描いています。これが極地(南極、グリーンランド)以外では世界最大と言われるクルアニ氷原の先端。よくコロンビア氷原が世界最大と言われますが、クルアニ氷原の方が大きいのはGoogle Mapを見れば一目瞭然です。最初から凄い眺めですが、まだこれからです。
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長い氷河に沿って上流を目指します。段々と氷に覆われた大氷原の雰囲気になってきます。何故ここに道がないのかは明らかです、年中氷に覆われていますから。
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この辺りは標高3000m超の万年雪と大氷原に覆われています。極地にでも来た気分です。
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右奥にカナダ最高峰のローガン山が出現。標高5959mはカナダで一番高い山ですが、ユーコン準州の辺境にあり地上からアクセスはほぼ不可能の為、なかなか見る機会がない山です。ローガン山を実際に見たことがあるのはカナダ人でも僅かです。
クルアニ国立公園 国立公園
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眼下には見渡す限りの大氷原。クルアニ国立公園を外から見ただけでは全く想像がつかない異次元の絶景が広がっています。これだけ天気が良く遠くからローガン山全体が見えるのも珍しいそうです。
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ローガン山に最接近した時にズームで撮影。雄大な山です。しかし隣のアラスカ州にある北米最高峰のデナリ山(旧マッキンリー山、標高6193m)と比べると影が薄いのは否めません。デナリ山の方が100倍有名ですし、ハイウェイからも天気が良ければ簡単に見えます。北米で2番目に最高峰のローガン山は山奥にひっそりと聳え立つ、本当に見たい人だけに姿を現す神秘の山といった感じです。
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クルアニ国立公園の巨大な氷原は、1時間のフライトではその一部しか見る事はできませんが、それでも世界最大の氷原を実感するには十分です。
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地球温暖化で世界中の氷河は後退しています(この後に訪れた場所ではそれを実感します)。しかしクルアニ国立公園には現在もそれでもまだ十分すぎる位の氷河が残っています。間違いなく後世に残したい世界遺産です。このまま温暖化が進んで、100年後にはここか極地しか氷河は残っていない事態にならない事を祈ります。
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異次元の絶景からバーウォッシュランディングに戻ります。世界最大の大氷原をこの目で見る事ができて、この旅のハイライトのひとつです。
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再びドライブでホワイトホース方面へ向かいます。今回は時間がなくできませんが、クルアニ湖周辺にはシープマウンテンなど1時間から日帰りでトレッキングするコースが幾つかあり、湖を一望することができます。
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ヘインズジャンクション Haines JunctionのDa Kuビジターセンター。ここには内陸部の先住民シャンパーニ・アイシックの展示があります。手前2つは伝統的な食料倉庫?、高い所にあるのはクマよけのためか。この辺りの先住民には、沿岸部では有名なトーテムポールという文化はありません。
ヘーンズジャンクション空港 (YHT) 空港
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民族衣装の展示。動物の皮で作った服はどの地域でも共通しています。これまで3つの旅行記では、ホワイトホース、イヌビック、ヘインズジャンクションの先住民の展示を紹介しました。厳密にはそれぞれ別の部族でアイデンティティも違います。ユーコン準州には14の先住民部族が暮らしています。どの町に行っても小さな展示があり、文化を守ろうと努力しているのが分かります。しかし残念なことに、現在も先住民の言語を話せるのは各町で数十人程度まで減っています。下のリンクは、先住民の言語が話せる人口が地図に表示されています。カナダ北西部は最も少ない数値を示しています。
https://www.canadiangeographic.ca/article/mapping-indigenous-languages-canada -
工芸品の数々。現在は先住民らしい風習を日常的に見る事はできませんが、6月の夏至頃にユーコン準州の先住民が集まりお祭りの時に使われる様です。後の旅行記で、北米北西部の先住民についてまとめたいと思います。
この後2時間ほどのドライブでホワイトホースに戻り、この日の走行距離450km、6日間で計3000kmのドライブ旅を無事終えました。カナダ北西部のハイライトを凝縮した最高の旅でした。次は再度アメリカ国境を越えてアラスカ州南東部インサイドパッセージへ向かいます。
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