HOKKAIDO LOVE 6日間周遊　北海道は6日で回りきれるか

2022/06/06 - 2022/06/11

北海道６日間周遊券が半額というキャンペーンが、再開されたと思ったらとうとう８月いっぱいまで期間延長になりました。
特急にも乗れて(そもそも鈍行ではほとんど大したところに行けないですが)12,000円はお値打ちと思います。

ところで、6日間あれば北海道をつづ浦浦回りきれるのか。
できるともいえるしできないともいえそう。
とりあえず、札幌在住の60代男性である自分が、やれるだけやってみました。

ちなみに、宿泊は旭川1泊、札幌3泊(うちホテル2泊、自宅1泊)、函館1泊の順で、札幌～釧路～網走～旭川～稚内～札幌～留萌～札幌～函館～倶知安～札幌の順に回りました。
自宅1泊はいろいろ諸事情で。

エリア 釧路(北海道)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: レンタカー JR特急 JRローカル 徒歩

この切符、誰でも買えますが、当然のごとくいくつかの決まりがあります。

まず、前日までにJR北海道の主な駅の話せる券売機・指定席券売機・みどりの窓口で購入となっていますので、前日までに北海道に来て切符を買わなければならない。

そして、指定席は四枚まで購入できるのですが、この6日券を提示したり話せる券売機に読み込ませたりしないといけません。
ちなみに、話せる券売機というのは話の分かるやつですが(どこかのオペレーターと通話できるようになっているらしい)、私は使い方がよく分からないので普通に窓口で買いました。

6月上旬の平日メインで乗ったのですが、夏休みシーズンは席を取るのが難しそうです。
ひと月前に一度北海道に来て、めぼしい路線の予約を入れるとか、北海道の人に頼んで代行してもらうとか……けっこうハードル高そう。
4枚ある指定席購入権をどう活用するか、頭を悩ませるところでしょう。
5回以上指定席を使いたい場合は、別途特急券もまともに購入する必要があります。

そしてこの券には署名をすることになっていますが、乗るまでに書けば良いそうで、旅行中に名前を確認されることは一度もありませんでした。

以上が、この切符の概要です。

6月6日月曜日の早朝自宅を出て、6時48分発の釧路行特急おおぞら1号に乗りました。

札幌に住んでいると便利なようですが、自宅から札幌駅までのバスは6時台が始発なので「おおぞら1号」に間に合わない。
タクシーに乗ると札幌駅まで3千円以上かかるので、自宅から3キロの道のりにあるJR太平駅まで歩いて6時24分の札幌駅行きの電車に乗りました。
まあ、最近健康のためにウォーキングを心掛けているから天気さえよければ散歩気分。

太平駅 駅

そして、天気は予報に反して快晴でした。
神さまに感謝！
雨が降ったらどうしようかけっこう悩んだので、降られずなにより。
実は、その時のためにタクシーの配車アプリまで導入して満を持していたのですが。

無人駅なので、改札もなくホームに立つと、三々五々通勤客が集まってきました。

おおぞら1号の写真は、札幌駅では撮れず釧路に着いてから撮りました。
札幌駅での10分の乗り継ぎ時間におにぎりとお茶を購入するため、キオスクの長い行列に並んでいたら時間なくなりました。
この列車は指定席を取っていませんでしたので、先に自由席車両の席をとっておいたことは言うまでもありません。

札幌駅 駅

ああのどが渇いたから、JR北海道ブランドのお茶「うらら」でも飲もう。
おにぎり2つの朝食。
じゅうぶんだな、最近。

7：52、あっという間に新夕張、しかし特急列車は早い。
今は山中今は浜、今は鉄橋渡るぞと♪

シーズンには駅前のJAで美味しい夕張メロンをカットして売ってます。
ここのはすごく旨い！

新夕張駅 駅

駅を出るとすぐに夕張川を渡り、汽車は大雪山系と日高山脈の間を奥深く縫うように進みます。

斜め前のこちらのご同輩は、さっさと左右のテーブルに日本酒カップ、缶ビールなどなど取り出し、どこで買ったのか焼き鳥まで！
早朝に焼き鳥売ってるのは……、コンビニでチンか。
新聞をめくる音が騒がしく、妻が非難がましい目で睨んでいます。
「もっとスマートにいけないもんかね。」
内心、うらやましく思っていた私は返す言葉もありません。

しかし、この時期のこの路線沿線、とにかく爽やかな新緑が眩しい。

トマムです。
リゾートのスタッフが無線機片手に、送迎バスに乗客の有無を伝えていました。
雲海テラス、いつか満喫したいものです。
今回は、鉄道の旅がテーマなので素通り。
何かを犠牲にしないとミッションを完了することはできない。

トマム駅 駅

新得が近づくと、牧草地などが開けてきます。

なんとなく高原の空気感。

遠くに残雪の山。

この日は、自由席でも問題なく希望の席に座れました。

水害で不通になったままの根室本線と、今乗ってきた石勝線が交わる新得。
かつて最長不倒を誇った普通列車の滝川発釧路行も今は昔。
いつか乗ろうと思ってましたが、台風による幕切れをだれが予想したでしょうか。

新得は蕎麦が有名ですが、「停車はわずかです」ので列車から見るだけ。
この「停車はわずかです」というアナウンスが途中駅では毎回欠かさず流されます。
そのあと、英語でのアナウンスでは「brief stop」とか言ってます。
short stopではなくbriefを使うんだな、と思ってスマホで調べると、briefの方は「短時間」という意味があって、時間についてだけ用いられるという。
あ、そうなんだ。
白パンツのことブリーフとかいうから、短いのは何でもいいと思っていましたが、パンツのブリーフはラテン語から来ているらしい。
綴りはbriefsですから、語源的には一緒なのかな。
ショーツというのも似たようなもんか。

スマホって便利だな。

新得駅 駅

新得も奥が深そう。
駅前は、独特の世界が広がっているのかもしれません。

新得を過ぎると、十勝平野が眼下に広がり、やがてこの地域独特の田園風景が広がる。

たぶんジャガイモですね。
こいつらが、カルビーポテトチップスになるのかな。

これから作付けの畑も。
6月でこれは、いったい何だろう。

ひたすら続く田園風景。

突然都会です。

帯広駅が近づきました。

帯広駅前。
開けています。
お菓子と豚丼とパークゴルフ。
駅前の「ぱんちょう」という豚丼屋さんが元祖の豚丼、美味しかったです。
今回は、電車から見るだけ～♪(電車ではありませんが)。

帯広駅 駅

帯広駅を出るとほどなく広大な十勝川の河川敷。
帯広が発祥といわれるパークゴルフをする人々。
天気最高ですね。

十勝平野を潤す十勝川。
水は清く、10万都市(人口164千)を流れてきたとは思えない。

十勝川 自然・景勝地

松山千春のあの歌が聞こえてくる。

やがて十勝平野のはずれの池田駅を出ると、おおぞら1号は104.1kmを1時間16分もの間ノンストップでひた走ります。
車窓はひたすら原野と森林地帯、そして湿原という北海道の原風景が続きます。
人跡を寄せ付けないかつての蝦夷の大地が目に浮かぶ景色です。
これぞ列車旅という実感を抱き、明治33年の開業当時を思いました。

やがて海岸線に出ると、太平洋は霧が覆いどんよりとしています。
そうか、霧の釧路って言いますよね。
釧路は霧の中かな。

と思っていると、白糠を過ぎるあたりから霧が晴れ、青空が広がります。

景色というのは天気でこうも違うものか……。

貴重なシシャモが遡上する、白糠町を流れる庶路川を渡ります。
本物のシシャモは、スーパーで買っても外国産カラフトシシャモの倍くらいします。
もっちりとした繊細な触感で、美味しいですよね。
アイヌの伝承で、川に流した柳の葉が魚に化身したのだとか。

庶路駅 駅

再び爽やかな波が洗う海岸線を走る。

帯広からの乗客もけっこういました。

釧路が近づくと釧路湿原を予感させる景色。

恋問海岸のあたりだろうか。

どうやら釧路は快晴のようです。
「まもなく列車は終点、釧路に到着いたします。どなたさまもお手回りのものなどお忘れないよう、今一度ご確認のうえご支度ください。本日はご乗車ありがとうございました。」
と鉄道唱歌のメロディーと共にアナウンスが流れました。

疲れたのでいったん終わります。