JR北海道６日間周遊　釧路湿原へ

2022/06/06 - 2022/06/11

釧路の街歩きはどうでしょう。
乗り放題切符で釧路まで来たので、３時間ほど昼食と街歩きをしてみました。
お昼は、なんか渋いところで食べてみたい。
釧路な気分に浸れる渋いところ。

エリア 釧路(北海道)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: JRローカル 徒歩

幣舞橋。

幣舞橋 名所・史跡

何度も架け替えられ現在に至るようです。
釧路を象徴するような建築物。

屈斜路湖に源を発し、釧路湿原を潤して太平洋に注いでいます。
こんな風に、河口に街が広がっているところは、北海道では珍しいような気がします。

四人の彫刻家が四季をテーマに四つの作品を配置している。
背後はフィッシャーマンズワーフ。

末広町の繁華街に来ました。

末広町から栄町、川上町にかけての釧路川に近い辺りは、昔から飲み屋街など繁華なところでした。
この付近をウロウロするのは３０何年振り。
この辺りで、昔からやっているような食堂で昼食を食べてみようと思います。

おお！
これはそうとうなものです。
しかし、やっているのか。
そう思う間もなく妻がのぞき込む。
「やってるね。おじさんと目が合った。」
なんという、女は度胸。
私にはできない離れ業。
それにしても飛び込むにはしばしの逡巡がありましたが、こんな店に入るのが昔から旅のつねでした。

ガラリと戸を開けると、二人の先客。
一人は僧侶らしき人物で、もう一人はタクシーの運転手ふう。
おやじさんは、ちらりとこちらに目をやったきり。
もう後には引けないので、適当に腰掛けます。

黙っていると、再びこちらをちらりと見て、「お水とお茶、どっちですか？」と聞かれました。
「お水、お願いします。それから、カツ丼二つお願いします。」
寒い日でしたが、強烈な日差しに晒されたのでお水が飲みたい。

換気扇に油汚れがない。
そうとうなきれい好きらしい。

カツは、なんとその場で揚げてくれます。
先客もカツ丼を頼んだらしく、どんぶりが三つ並ぶ。

その頃、もう一人営業風の男性も。
「いやあ、寒いね。こりゃ二月の寒さだね。」
おやじさん、ちらりと目をやると、
「ああ、火つけちゃったよ。」
見ると、ストーブに火が入っていました。
気づきませんでしたが、釧路の人にとっても寒いものは寒いらしい。
「最近さあ、この店の前に観光バスが停まるんだよね。そんでもって、店覗いて、何やってんのと来る。」
「へえ、観光バスがねえ。大した有名店だね。ああ、カツカレーできる？」
少し間があって
「……できるよ。」
「んじゃ、それお願い。しかし、役所の前の喫煙所、ありゃ居酒屋かってんだ。」
「なにさ。」
「役所の前に、小屋立っててさ、そこが喫煙所なんだけど、暖簾でも出したらまるで居酒屋みたいなのさ。」
「ふーん。」
私も、そう思いました。
先ほど通った役所の前のあのたたずまいを思い出して、思わず含み笑い。

７００円のカツ丼は、カツが二重になるほど入っていて、なかなかご飯まで行きつかない。
出汁も効いてて美味しかったです。

この手の店でガッカリしたことがない。
こんな佇まいになるまで(親父さんも含めて)続いている店は、多くの人に支持されているということですからね。

食事を終えて帰ろうとすると、わざわざ厨房を出て見送ってくれました。
「美味しかったです。ありがとうございました。」
外は相変わらず、抜けるような青空。

そろそろ駅に向かいます。
途中、栄町平和公園。

栄町平和公園 公園・植物園

昭和２０年、釧路も空襲被害に遭いました。
７月１４，１５日にかけて、のべ１４１機の爆撃を受け大勢の人が犠牲になったそうです。
その二年後にできた公園に、平和公園と名付けたのはいかにも市民の気持ちを良く表しています。

勢いよく噴水が躍り出します。
噴水の向こうで、掘り出したミョウガの選別を一心不乱に行っているスタッフの方。

公園から、さらに駅に向かう。

「こういうところに泊まったらどんな感じだろう。」
「泊まったら。私はラビスタの方に泊まって見に来るから。」
「いえ、やめときます。」

１４時１４分発網走行きが停まってます。

釧路駅 駅

モンキー・パンチさんの地元ですね。

原作とアニメを比較するのは野暮というものでしょうか。

そろそろ出発の時間。

後部に陣取ってみます。

キハキハしてます。

窓が煤けていたので外に回り、消毒用に持ち歩いているウェットティッシュで拭き拭きしておきました。
駅を出ると、早々に釧路川を渡ります。

東釧路駅。
ここを出ると、線路は根室本線と釧網線に分岐します。

東釧路駅 駅

ほどなく、釧路湿原に入ります。

釧路湿原駅が見えてくる。

細岡駅も過ぎてしばらく進むと、不愛想な３０代くらいの運転士さんが、ちらりと右手に目をやる。
すぐ横に陣取っていた私もそれを目で追う。

釧路湿原国立公園 自然・景勝地

二羽のタンチョウがいました。
運転士さんはいつも見ているのでしょう。
たぶん、気を利かせて私に見させてくれたんだと思います。
相変わらず無骨ですが、何となく気遣いが伝わってきました。

この釧網線の沿線は、すごい観光資源だと思います。
道東に１０年間住んでいたことがありますが、この路線に乗ったのは初めて。
ここは飛行機を使ってでも乗りに来る価値のある路線です。

なんかもったいない。

摩周駅、川湯温泉駅、何という観光資源。
ここは、一日かけるべき路線です。
むちゃくちゃ便が悪いですけど。

川湯温泉駅 駅

二泊三日くらいでもいいかもしれません。

川湯を過ぎた辺りから、雲が多くなり、斜里を過ぎてオホーツク海にでると、すっかり曇天。
オホーツク海沿岸は海沿いに、止別(やむべつ）、北浜、藻琴と雰囲気のある駅舎が続きます。

北浜駅 駅

ほんとは、流氷と湿原のSLに乗るために、二月に来ようと思っていました。
コロナで、流れました。
まあ、６月にこれだけ晴れれば文句は言えません。

オホーツク海沿いの駅で、コーヒーを飲みながら流氷を見たかった。

藻琴駅 駅

網走に17:17到着。
8分の乗り継ぎ時間で買い物をしようと思っていましたが、駅を出てもコンビニ一つない！
こんなだったっけ？
しまった！そうなると唯一のお店であるキオスクが、せっせと店じまいをしていた。（ほんとに閉まったになってしまう）
ガラガラとシャッターを下ろしていたおじさんから無理を言ってビールを買いました。
さて、釧路駅のおにぎりばんはんで買った釧路ザンギで一杯やりますか。

無事手に入れたサッポロクラッシックを左手、右手の網走湖をつまみにしてまずは一杯。
ザンギは胸肉と思いますが、柔らかくて味が染み、つまみには最高。
今宵宿泊予定の旭川は、21時14分に着く予定で時間はたっぷり。

６日間周遊の「一日目」で旅行記三回分も費やしてしまった。