輪島朝市から輪島塗工房の見学が終わってもこの日の夕方の羽田空港行きの便の予約は採れていませんでした。仮に予約で来ても羽田を予定通りに出発しなければ輪島の空港に空いている機体はありません。添乗員さんから「これから2時間かけて金沢に行って近江町市場でお昼を食べましょう。」ということになりました。バスの車内では拍手が湧きあがります。午前10時に輪島を出て「のと里山海道」を突っ走って金沢にはちょうどお昼に到着しました。ここで2時間の自由時間になって「近江町市場」に向かいます。土曜日のお昼なのでとても混んでいて、途方に暮れる場面もありましたが、何とか海鮮の店に入ることが出来て美味しい地元の魚介とお酒をいただくことが出来ました。お腹がいっぱいになってしまうと買い物モードにスイッチが入り、石川県産の椎茸や銀杏などを買い求めます。近所の市場で買い物している気分でどんどん買ってしまいますが、この後今日中に家に帰れるのかも分かりません。バスに集合する前に次の旅行で泊まる計画をしていた「すみよしや」にも立ち寄ってみました。そして隣にある「石黒商店」というアンティークショップで劇的な出会いをして、江戸末期に造られた御所人形と九谷焼の染付のお皿を5枚買い求めました。さすが金沢は良いものが残っているのと、東京や京都では買えないような値段が魅力的です。バスに戻った後は次の予定として小松空港へ行って飛行機に乗れるかどうか待機することになりました。兼六園に行く案も提示されましたが、皆さんもう疲れ果てたのか反応はありませんでした。

トラピックス　奥能登大周遊3日間（8）羽田空港へ帰る方法を失ったツアーは迷走しながら金沢を目指し、近江町市場で海鮮ランチと買い物を楽しむ。

14いいね！

2022/03/26 - 2022/03/26

1994位(同エリア4760件中)

エリア

金沢(石川)

旅行の満足度: 5.0

観光: 5.0

グルメ: 5.0

ショッピング: 5.0

交通: 4.5

同行者: カップル・夫婦（シニア）

一人あたり費用: 3万円 - 5万円

交通手段: 観光バス ANAグループ徒歩

旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

利用旅行会社: 阪急交通社

輪島朝市から輪島塗工房の見学が終わってもこの日の夕方の羽田空港行きの便の予約は採れていませんでした。仮に予約で来ても羽田を予定通りに出発しなければ輪島の空港に空いている機体はありません。次はどこへ行くのだろう？「輪島キリコ会館」に行かないかななど憶測しましたが、添乗員さんから「これから2時間かけて金沢に行って近江町市場でお昼を食べましょう。」ということになりました。バスの車内では拍手が湧きあがります。
気の毒なのはバスの運転手さんで、午前10時に我々を「のと里山空港」へ送ってしまえば仕事は終わりのはずでしたが、金沢までドライブしなければなりません。
昨日の羽咋より先まで「のと里山海道」を突っ走ります。金沢まで2時間ほどなのですが、途中でトイレ休憩もありません。ツアー3日目も1日バスに乗るようなので後方のシートピッチの広い座席でよかったと思います。
バスの中で添乗員さんから「金沢でお昼を食べた後に能登に戻っても午後の便は1便しかありません。欠航になれば帰る方法はありません。金沢でお昼を食べた後に小松空港へ行けば午後に3便あるので確率は高くなります。小松空港の便が全部欠航になった場合は富山駅まで皆さんをお送りします。富山駅から新幹線で各自帰っていただくことになります。」
天候の問題なのでANAにも阪急交通社にも責任は無いので気の毒な感じがします。1日バスを貸し切るので費用も発生するので赤字でしょう。こちらはトラブルを楽しんでいますが、当事者意識は希薄です。
妻と「富山駅到着が遅かったら1泊して、明日観光して美味しい物でも食べてゆっくり帰ろう。」なんて計画を立て始め、スマホで富山駅前のホテルを探したり、おいしそうなお店も物色します。新幹線代も宿泊費も自己負担ですが、多少の復路便の費用も返金になるはずです。
バスは能登半島の西海岸を突っ走りますが、金沢までは2時間かかるようです。内灘海岸の辺りまで来るともうすぐです。
ガントリークレーンが見えると金沢港に差し掛かったと分かります。この辺りは貨物港ですが、その先にはクルーズ船ターミナルもあるはずです。
赤いコンテナ船はPACIFIC NINGBOというリベリア船籍の船でした。NINGBOは中国の寧波のことだと思います。この後に新潟から敦賀に向かっていることはネットから調べることが出来ました。
金沢駅前を通過しました。反対側には鼓門があるのですが、このまま近江町へ向かいます。バスは十間町の観光バス専用の駐車場に停まり、ここで2時間の自由時間になります。

土曜日の正午過ぎなのでどの店も混んでいて途方に暮れてしまいます。ネットで近隣のレストランも検索してみましたがこれという店はありません。「浅田屋」ではお昼でも2万円以上ですし、飛び込みで入れる店でもありません。
お昼は食べたいし、買い物もしたいしで2人の意見もまとまらず方針が決まりません。
「舟楽」で棒寿司のイートインも考えますが、お酒とかなさそうなので諦めます。持って帰ろうかとも考えますが、今日帰れるかも分からない状態です。
とりあえず近江町市場の中をさまよい歩いて空いている店を探すことにします。
大きな加能ガニが売られています。オスは3月20日頃までなのでカニのシーズンも終わりです。メスの香箱ガニとかセコガニは年末でシーズンは終わっています。母が元気だったころは島根の境港から生きたままのセコガニを何キロも取り寄せて妻と3人で一言も話さないで食べる「モクモク会」を毎年開催していました。10年位前まではただみたいに安かったセコガニも近年はものすごい値上がりで困っています。
金沢から新幹線で買えるなら買って帰りたい魚がたくさん並んでいます。
上近江町通りも混んでいるのは中通りくらいまでだったので、この辺りでお昼を食べることにします。
ということで入ったのが「市場めしあまつぼ」です。カウンターが空いていたのですぐに座れました。まずは冷えたビールをお願いします。
輪島朝市でも生きたものが売っていたガスエビのから揚げ。ようやく食べることが出来ました。サクサクでとても美味しいです。値段が手ごろなのも嬉しいお店です。
コンロと一緒に出てきたかにみその甲羅焼き。これも少し火が入ったくらいでいただくと甘くておいしいです。

海鮮丼は地物の魚がたくさん載っていて美味しかった。
ビールから地酒の「萬歳楽」に移ります。きりっとした飲み口のお酒でした。
気をつけないと火が入りすぎてしまいます。あまり時間もかからずお腹も満腹になりました。
若い頃から飲み屋の暖簾が似合う人です。
さあお腹もいっぱいになったのでお買い物モードに移ります。お酒も入ったのでこの後のことは考えても仕方ありません。
能登の肉厚の生椎茸が美味しそうです。
能登半島の春はまだでしたが、八百屋さんいは能登の春が来ていました。地元の野菜を見ていきますが、重たいものはちょっと手が出ません。
ということで椎茸を1箱と、石川の銀杏を1キロ買いました。椎茸はお酒を少しかけてオーブンで焼いたら絶品でしたし、水炊きに入れても美味しくあっという間に無くなりました。銀杏も大粒で美味しかった。
生のポルチーニみたい焼いたものをにオリーブオイルと能登の塩で食べたかったけど、そこまで行きつきませんでした。SHIITAKEはフランスでもスペインでも同じ名前で売られています。KAKI（柿）ももう世界標準後かもしれません。
小さなイカも美味しそうです。このままフリット粉をつけて揚げたら美味しいだろうなと思いました。値段も安いし。でも家に帰れるか分からないし。

値段をじっくり見ると東京に比べたら安いです。
生ホタルイカは1匹1円もしないのでしょうね。
魚屋さんの店先で牡蠣やボタンエビや帆立が食べられるようになっていました。以前来たときはそんな店は無かったと思います。
お昼を過ぎると値段も下がってきます。
石川県でも毛ガニは穫れるのだと初めて知りました。ホッケも獲れるし、北海道だけではないのですね。
大きさで考えると北海道の観光客の行く市場より断然安いと感じました。
最初に気になっていた「豆腐家しば田」にも立ち寄りました。ここで40年営業しているお店のようです。
30センチ以上ある油揚げと厚揚げを買ってきましたが、美味しかったです。こんな市場が近所にあったらと思わずにいられません。
お買い物も大満足だったようです。
駐車場に向かう門には「浅田屋」があります。ANAのマイルが貯まりに貯まっているので小松空港から金沢を旅する計画を立てている途中でした。その矢先のイレギュラーな金沢の旅になってしまいました。

この通りの十間町は寛永以前からの古い町名で、当初の戸数が十軒であったことからこの名がついたそうです。現在も古い建物が残っています。
駐車場のバスに戻る前に「すみよしや」という旅館に立ち寄ってみます。ここに5泊くらいしようと考えていたので下見を兼ねて扉を開けてみました。
パンフレットをいただきながら少しお話をするとこの通りについても教えていただけました。
この辺り数軒は同じ時期に立てられた建物で、屋根の上に明り取りの櫓があるのが特徴だそうです。お礼を言って近いうちにまた来ますと伝えます。
隣の家も古く、弁柄格子に白い暖簾がかかり、骨董屋さんのようです。
通りの反対側にも櫓の乗った家がありましたが、ここは純粋に住宅のようです。
一度駐車場に戻りましたが10分くらい時間があるので妻を誘って骨董屋さんを覗いてみることにします。
きれいに手を入れていることが分かります。
ウインドウにもセンスの良さを感じます。
入った左手は立礼式（りゅうれいしき）のような設えになったテーブルがかっこいいです。こっちを覗いたら時間がかかりそうです。

正面の棚の右上にあった御所人形に目が留まりました。妻も同じことを考えたようです。尋ねてみると江戸後期から明治初めのものだそうです。昨年京都で島田耕園さんお作品を2個買っていましたがフラストレーションも残っていました。即決で買い求めましたが、少し傷があるだけでお安い値段でした。さすが金沢だなと思える品でした。それだけでは収まらず明治終わりころの染付の九谷焼のお皿を5枚。
急いで包んでいただきながら吹き抜けの構造を見せてもらいました。右側の壁は隣の「すみよしや」と1枚続きだそうです。何とか10分で買い物を済ませてバスに滑り込みました。
添乗員さんから説明があり、「このまま輪島に戻っても帰れる可能性は低いので小松空港へ向かいます。その前に兼六園にも行けますが。」という提案がありましたが、皆さん疲れているのか返す言葉は無く、空港へ向かうことになります。
バスの車窓からは雪を頂いた白山山脈の山々がきれいに見えました。
晴れていたらもっときれいなのだと思いますが、日本国中低気圧で大変なことになっているのでこれで良しとしましょう。
山に電線がかからない川の上が撮影ポイントです。
この後午後3時に小松空港に着いて、やって来るか分からない飛行機を待ちながらハラハラドキドキの4時間が始まります。