函館の坂を散策と北海道の名峰・駒ヶ岳を鉄道で一周

2022/03/12 - 2022/03/12

かつて北海道へは、「上野発の夜行列車」で出発し、青森で青函連絡船に乗り継いで津軽海峡を越えて函館に渡り、また鉄道で乗り換えて札幌に向かいました。
函館から鉄道に乗るとまず雄大な駒ヶ岳が見えてきます。
紀行作家の故・宮脇俊三さんは「駒ヶ岳を見ると、北海道に来たと実感する」と記しています。

今回は天気が良かったので、函館の坂を散策したあと、JR北海道の普通電車で駒ヶ岳を一周してみました。
場所ごとに駒ヶ岳の山姿は変わっていました。

https://www.youtube.com/watch?v=23hA578CMOM

エリア 大沼・駒ケ岳(北海道)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

今日は早春の北海道には珍しく青空の広がるいいお天気。
函館市街から函館山に向かっては多くの坂があります。
まずは坂めぐり散策。

とても広い二十間坂です。
遠くに夜景で有名な函館山が見えます。

二十間坂 名所・史跡

二十間坂の途中にある東本願寺別院。
大正時代に造られた日本で初の鉄筋コンクリートのお寺だそうです。

東本願寺函館別院 寺・神社・教会

二十間坂の隣にあるのが大三坂。
地味な坂ですが、この坂の周りには多くの教会があり、「元町教会群」と呼ばれます。

大三坂 名所・史跡

函館の教会でもっとも有名なハリストス正教会。
ローマ教会と喧嘩別れしたコンスタンティノープル教会に由来するロシア正教の教会です。
今年の１２月末まで補修工事中とのことで教会の建物は見ることができませんでした。

函館ハリストス正教会 寺・神社・教会

こちらはローマ・カトリック教会。
幕末に建てられた日本でも古い教会の１つ。
教会の中に入ると、イエス・キリストが磔刑になるシーンの２０枚近い聖画は見ごたえがありました。

カトリック元町教会 寺・神社・教会

こちらは聖ヨハネ教会。
イングランド国教会系の教会です。
聖ヨハネはイエス・キリストがもっとも愛した弟子とされる人です。

かわった形ですが、空から見ると十字架の形をしているとか。

函館聖ヨハネ教会 寺・神社・教会

大三坂の次が八幡坂。
もっとも風光明媚な坂で、ガイドブックやポスターなどにもよくつかわれています。
この時も多くの観光客が坂の上から写真撮影に集まっていました。

函館 八幡坂 名所・史跡

函館の坂を一回りしたあと、函館駅へ。
函館駅発１２時３１分の普通列車に乗ります。
たった１両の「列車」です。

函館市観光案内所 (JR函館駅) 名所・史跡

函館駅名物弁当「鰊みがき弁当」
かつては北海道で豊漁だった鰊の駅弁です。
「身欠きにしん」が３切れ、「数の子」も３切れ入った駅弁です。

駅弁の函館みかど JR函館駅店 グルメ・レストラン

函館駅から３０分ほどで大沼と駒ヶ岳が見えてきました。
ここから見る駒ヶ岳は横に長く、なだらかで優美な女性的印象を与える山姿です。

JR函館本線 乗り物

１３時２５分、駅名もそのまま「駒ヶ岳駅」で途中下車してみました。
この駅はかつては駒ヶ岳登山のための駅で、この駅から多くの登山者が駒ヶ岳に登って行きました。
今はクルマで麓に行ってしまうので、この駅を利用する人は多くはないでしょう。

駒ヶ岳駅 駅

駅前は小さな集落があるだけの小さな無人駅。
「駅ノート」があったので、書き込んでおきます。
私の前にこの駅に降り立った人は４日前だったようです。

駒ヶ岳駅の近くから見た駒ヶ岳。
この角度から見る駒ヶ岳はさきほどの姿に比べて迫力のある形になってきました。

北海道駒ヶ岳 自然・景勝地

駒ヶ岳駅からはバスで森駅へ。
人口１５０００人の森町の中心駅です。
特急列車も停車する駅ですが、１日の利用客は３００人ほど。

森駅 (北海道) 駅

この小さな森駅の名物が、「駅弁」いかめし」
昭和１６年、当時旅館を経営していた阿部商店夫人の阿部静子さんが、当時手に入りづらかった米を有効活用するために豊富に海で取れたスルメイカに詰め込み、対ソ連のために道北・樺太へ出兵していく兵隊さんに駅で売り出したのが「いかめし」の始まりでした。

その後昭和４１年から始まった京王百貨店の駅弁大会に出品すると、５０回連続１位、５２回の１位となる快挙を達成しています。

今では「いかめし」は道南の郷土料理になっていますが、元祖はこの駅弁です。

いかめし 阿部商店 グルメ・レストラン

すでに平成時代には、９９％は森駅ではなく、駅弁大会や首都圏などでの売り上げとなっていましたが、今回森駅に行ったら、駅の売店が無くなって、とうとう「駅弁」ではなくなっていました。
駅前の柴田商店で販売していたのでここで購入。

柴田商店 グルメ・レストラン

森駅から見た駒ヶ岳。
大沼から見た女性的な優美な山姿と変わって、ここから見ると、ラクダのこぶのような男性的な山姿です。

森駅からは函館本線の海側の路線の列車に乗ります。
車窓からも駒ヶ岳がよく見えました。

尾白内駅 駅

せっかくなので幾つかの駅で途中下車します。
できれば鹿部駅で降りたかったけど、ダイヤ改正で鹿部駅で列車交換になっていたので、その１つ手前の渡島沼尻駅で途中下車。

渡島沼尻駅 駅

この駅は交換駅ですが、駅舎も待合室もない駅。
この小屋は保線のための鉄道会社の待機所で、お客はこの小屋に入れません。
時刻表も外に「展示」。

駅前は民家が２軒、神社があるだけ。
あとは山の中。
利用者はいるのかな。
よく今回のダイヤ改正で廃止にならなかったものです。

鹿部駅で交換してきた列車に乗ります。

１駅森方面に戻り、今度は渡島砂原駅で降りてみました。
かつては砂原町の中心駅として活気のあった駅ですが、今は無人駅。
それでも昭和時代からの駅舎が残っていました。

渡島砂原駅 駅

木々が少しジャマですが、ここから見る駒ヶ岳は富士山のような台形型の山姿です。
「渡島富士」と言われるのも納得。

さらにまた列車に乗って大沼、函館方面へ。
車窓から見た駒ヶ岳。

鹿部駅 駅

大沼駅に戻ってきました。
ここでも途中下車。

大沼駅 駅

大沼駅から歩いて１キロ、１５分ほどの大沼公園へ。
夕暮れの駒ヶ岳。
優雅な山姿でした。

大沼国定公園 公園・植物園

函館駅に戻ってきました。

すでに夜８時なので函館山への夜景は見に行けませんでしたが、夜の函館の町を散歩します。
「はこだて明治館」。
かつては函館郵便局だった建物です。
今はショップが営業しています。

はこだて明治館 専門店

金森赤レンガ倉庫。
今はレストランやお店に使われています。

金森赤レンガ倉庫 名所・史跡

函館の坂で夜景が美しい基坂。
目の前にあるのは明治天皇上陸記念碑、坂の先に見えるのが函館区公会堂。

基坂 名所・史跡

ライトアップされた函館区公会堂。
明治時代に建てられ、大正天皇がここを宿泊したこともある建物です。

「金田一少年の事件簿」では「異人館ホテル」のモデルとなった建物です。

旧函館区公会堂 名所・史跡

函館区公会堂の前にある元町公園から見た函館の夜景です。

元町公園 公園・植物園