1977/08/06 - 1977/08/19
224位(同エリア441件中)
おくさん
自転車の旅 おーい北海道(2)
出発から3日目、村上市の自転車置き場の朝。
昨夜に引き続きザーザー降り。これはもう殆ど土砂降りだよ。日本海側の雨ってしつこいんだな。海を渡ってくる風なので水分が多いんか?ここで一日雨宿りするのはホームレスと同じだ。こんな自転車置き場で泊まったと言っても私は健全にサイクリングしてるんだぞ。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
-
期待はしてないが気休めに公衆電話から天気予報に掛けてみると、今日は一日中雨だと無情のアナウンスが聞こえる。聞かなきゃ良かった。でもその予報で腹をくくり、すぐに出発することに決める。嫌だ嫌だと思ってると、土砂降りの中の走行はとんでもなく憂鬱になるが、腹をくくれば先に進む気力が生まれるってものだ。
荷物は濡れないように入念にビニール袋に詰め直し、足にもビニール袋をかぶせる。長いあいだ雨の中を走り続けると、靴の中も浸水してグチョグチョになるのは気持ちの良いものではないので予防になるかなと。格好は悪いけど背に腹は代えられないってことで。仕上げに頭からポンチョを被ったら、いよいよ土砂降りの雨の中へと躍り出る。いててて、さすがにこの雨は強い降りだ。雨粒が身体に叩き付いてくる。でも、良くしたもので走り出してしまえばこの雨でも躊躇してた時よりはマシに見えてくるから不思議だ。気合いだ気合いだ気合いだっ。 -
笹川流れはさすが名所と言うだけあって、入り江にはうまい具合に大小の岩場や小島が配されていてなかなかの景色だった。その間をくねくねと道路が続いてて、素堀りのゴツゴツしたトンネルがそこかしこにある。雨っぷりなのでゆっくり見てられないのが至極残念。これだけの所なのに記念写真を撮ろうって気にもならないのが重ねて残念。せっかくだから珍しいトンネルだけでも1枚撮っておく。デジカメの現代なら(2022年)ここだけでも20枚くらい撮っただろう。
10時50分、海沿いの小さな町にやって来た。開いている小さな食堂があったので遅い朝飯にする。もう昼飯に近い朝飯。これだけ遅いのは別に腹が減ってなかったのではなく、ここまで来るのに開いている食堂がなかっただけのことなのです。
山北町の道沿いにあった大衆食堂で、本当に近所の人しかやってこないような食堂だった。うらぶれ感が半端ない。玉子丼300円、これは量があって安かった。漁師町の食堂らしく実力のある食べ物を出してくれたので、オシャレで上品な食堂より私向きでずっと良かった。アイスも売ってたので一本食べる。店のおばちゃんに山北町(やまきたまち)はまだですか?と聞いたところ、「ここがさんぽくちょうです」変な名前の町だなー。 -
その後もずっと雨雨雨の中を時々雨宿りしながら走り続ける。雨を避けられる所があったらすかさず中に入って休憩するに限る。念珠ヶ関、暮坪の立岩などの名所も雨の中、走りながらの見物だ。折角名所が見られてるのに勿体ないもったいない。写真は暮坪の立岩です、雨の中なのでカメラが濡れない所に置ける状況でないと撮れません。
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小さなトンネルを抜けたところでもの凄い雨に見舞われる。まるで機関銃で撃たれているような雨で、とてもじゃないが走れない。運良くすぐに屋根付きのおんぼろバス停があったので飛び込むことが出来た。時計が止まってしまっているので時間が分からないが、多分3時過ぎ位だろう。靴もソックスも、もうグショグショ。靴の中では水がガバガバと音を立てている。足にビニール袋を履かせる作戦も今日みたいな雨には効き目がないようだ。みっともないだけだから止める。
由良温泉という、海沿いの小さな温泉町に着く。一日中雨の中を走ってきての野宿というのは自分が可哀想すぎるので、この町で安い宿を探すことにする。小さな町をふらつくと、奥まった高台に国民宿舎があったが、今の時期、空いてる訳がない。安そうな海津家旅館という宿が取れホッとする。まだ泊まるには時間は早いが今日は仕方ないだろう、これを逃すといつまた宿屋が見つかるかは見当も付かない。こんな天気なのでスピードが出せないから、前の2日間で稼いだ貯金をはたいて(距離のことね)、おまけに酒田までも行けなかったとは。その分、明日が忙しくなるということだ。
何はともあれ、風呂に入って雨でふやけてしまった皮膚と筋肉をいやす。風呂から上がってもお待ちかねの夕飯までにはまだ暫く時間が掛かるようだ。今日は朝飯が遅かったから、まだ一食しか食べてないので非常に腹減った。早く夕飯になんないかなぁ。旅日記なぞ書いて時間をつぶす。 -
テレビではこれから向かう北海道、洞爺湖畔の有珠山が昨日・今日と大噴火して大騒ぎをしていた。有珠山から70Kmも離れた札幌でも火山灰が5ミリも積もったそうだ。私の予定でも洞爺湖や、その隣の昭和新山は是非見物したい場所なんだけど、ま、私が北海道に着く頃には噴火も収まっているだろうと良い方に考えておく。夕飯には海辺の宿らしく魚介類のオンパレードだった。魚介類は得意じゃないので有りがたいようなそうでもないような。イクラが出てきたが、これも苦手。でもせっかくの旅館料理なので頑張って食べてみる。やっぱり旨くないなー。
本日の走行距離、たったの67Km -
出発から4日目の朝、由良温泉の旅館でまったり。
空は雲がいっぱい、風もいっぱい。でも雨はない。今日は大丈夫げだ。このまんまでいてくれよー。まだ朝飯には時間があるので、昨日一日中雨の中を走った自転車を掃除してやり、持参のオイルを丁寧にさしてやる。自分の体だけじゃない、自転車だって何かあったら走り続けることはできないので整備はしてやらんといけん。
8時半、旅館をゆっくりと出発する。雨上がりの空に気持ちのいい風が吹いている。昨日とは行って帰るほどの違いだ。もっとも、昨日の苦労があったから今日の天気がありがたいと感じられるのだろうが。一日中雨の中を走った後なので、今日の天気は感謝感激雨あられ、おっと熊さん雨はいけねえよ雨は。 -
鶴岡市を抜けたところで今回初のパンクになる。いつでもパンクに気づいたときは「ゲゲッ」となる。簡単に直るパンクと直らないパンクがあるからだ。すぐに自転車を止めて丹念にタイヤを見渡して原因を探すが見つからない。すぐ側に、田んぼに水を引き込むための農業用水があったので、チューブを引っぱり出してパンクの穴を捜すことにする。川の流れの中で、小さな泡がプププププと流れ出すのが見つかる。穴さえ見つかればパンク直しは簡単だ。
大火で有名になった酒田市を通過したところで、山菜ラーメンの昼飯にする。この辺りの女の人は、野良仕事でも道路工事でも、みんなハンコタンナとかいう妙な被りもので顔中覆っている。とても奇異な感じだが、日よけ虫除けになっていいのだそうだ。最初見たときは病人かと思ったぞ。
昨日と打って変わって今日は真夏の太陽がギンギラギンだ。暑いけど雨よりは良いかな。この辺りの道路は左側に砂丘がずっと続いていた。砂丘沿いの道路は照り返しで特に暑い気がする。海沿いに石で出来た羅漢像が並んでいたのを横目で見て通り過ぎる。限られたフィルムなのでいちいち撮らない。
海沿いの道に良くある、小高い丘からの急な下り坂でハンドルが急激にブレだし、あわや転倒しそうになる。こんなところで転んでなるものかと渾身の力を込めてハンドルを押さえ急ブレーキ。何とか転倒せずに凌げる。下り坂での前輪のパンクがこんな恐ろしいものと初めて知った。今日2度目のパンクだよ、ある時にはあるもんだ。しかし雨の日の昨日でなくてまだ良かった。お願いだから苦労は一度に一つずつにしてください。
タイヤを良く見渡すが、またもや原因は見つからない。パンクしてから走ってしまうと見つからないことが多い。今回はハンドルを押さえるのに夢中だったので素早く止まるとどころではなかったから仕方ない。近くに水もない家もない。暫く転がして行って、通りにあったガソリンスタンドでドラム缶を半分に切った水場を借りてパンク箇所を探し修理をする。
夕方5時過ぎに秋田市に到着。さすがにでっかい街だ。秋田には涙を流すマリア像で有名になった聖体奉仕会という修道会があり、うちのお袋様は独りで2回も訪問している。なので、その僅かなツテを頼りに今夜の宿をお願いすべく電話を入れる。ありがたいことに電話に出たシスターはお袋さんのことを覚えていてくれたので、すんなり泊めて貰えることに決まる。もっとも、ここの修道会は訪問者のために宿舎の用意があるらしいから、正確には部屋が空いてたってことになるのかも知れないが。
持参の大ざっぱな道路地図でこの大きな秋田市を走るにはちょいと難しいものがある。こういうときは地元の人に聞くのが一番だ。会社帰りらしい自転車のサラリーマン氏に尋ねたら、少々複雑な道なので教えるのは難しいとのこと。分かる地点まで先導してくれるそうだ。自分としてはこれが一番ありがたい方法だ。サラリーマン氏の自転車の後に付いていく。
しかし、この普通の自転車に乗ったサラリーマン氏の早いこと早いこと。くねくねした道を離されないように夢中になってついていく。この人いっつもこんなにスピードを出して自転車に乗ってるんだろうか?ひょっとして遅刻常習者?なんて悪いことを考えてはいけない、きっと私を先導することによって帰宅が遅くなるのだろう。
道は賑やかな都会を通り過ぎ住宅街に続いていく。あとはこの道をまっすぐ行けばいいという地点まで先導して貰って、親切なサラリーマン氏とは別れる。家路から大分離れただろうに、どうもありがとうございました。
この後は修道院目指して山の中に入っていくが、道に迷ってエライことになってしまいます。この続きは次回で。
自転車の旅 おーい北海道(3)へ続く
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