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 自転車の旅 おーい北海道(4)<br /><br /> 出発から6日目、泊めて貰った大館教会の朝。<br /> 7時のミサのあと朝飯をご馳走してもらえる。ごはんにみそ汁、納豆に煮物というとてもホッとするような朝飯だ。昨晩は遅かったので何もお礼の品を買うことが出来なかったので、ちょっと申し訳ない気がするかな。<br /><br /> 食卓に木を曲げて作った容器があったので民謡で名高い「秋田名物大館まげわっぱ」かと思い喜んだら、これはただの桜の革細工だそうだ。函館ではトラピストに泊めて貰うつもりだなんて話をしたら、トラピストってのは正式には厳律シトー会灯台の聖母大修道院と言う長い名前だと初めて知った。神父さんが持っていた住所録からトラピストの住所と電話番号をメモさせて貰い、これが後で大いに役立つ。<br /><br /> 8時半、お礼を言って大館教会を出発。いい神父さんだった。一宿一飯の恩義が返せなかったのが心残り。<br /><br /> 国道から少し横道にそれた所にストーンサークルなるものがあって見物予定だったのだが、どこだか分からずに通過してしまう。メインのルートから外れたり、ちょっと面倒臭いとすぐに通過してしまいがち。一人旅の利点と弱点。<br /><br /> 大湯温泉という小さな町でかき氷を食べる。そしたら普通の店の半分ほどの値段だったので思わずお代わりをしてしまう。どうも昨日の靴紐みたいに安いと思うと余分に金を使ってしまう傾向があるようだ。気を付けなくては。でも、今の時代にかき氷のお代わりというものは中々できるものではないので少しだけ贅沢した気分になる。<br /><br /> 道はずっとダラダラの上りが続く。でも今までの経験から山の上にある湖に行くのにこのままで済むはずがない。今に凄い上りがあるぞーなんて思っているから気は張っている。何てたって、天下の十和田湖様なんだから半端でない上りがあるに違いない。有名なのと山頂の湖の高さは比例しないだろうが、山の多い群馬辺りで育つと赤城にしろ榛名にしろ、山の湖は全て高い山の上にあるものと相場は決まっているのだ。

自転車の旅 おーい北海道(4)

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1977/08/06 - 1977/08/19

708位(同エリア1172件中)

旅行記グループ 自転車の旅 おーい北海道

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おく

おくさん

 自転車の旅 おーい北海道(4)

 出発から6日目、泊めて貰った大館教会の朝。
 7時のミサのあと朝飯をご馳走してもらえる。ごはんにみそ汁、納豆に煮物というとてもホッとするような朝飯だ。昨晩は遅かったので何もお礼の品を買うことが出来なかったので、ちょっと申し訳ない気がするかな。

 食卓に木を曲げて作った容器があったので民謡で名高い「秋田名物大館まげわっぱ」かと思い喜んだら、これはただの桜の革細工だそうだ。函館ではトラピストに泊めて貰うつもりだなんて話をしたら、トラピストってのは正式には厳律シトー会灯台の聖母大修道院と言う長い名前だと初めて知った。神父さんが持っていた住所録からトラピストの住所と電話番号をメモさせて貰い、これが後で大いに役立つ。

 8時半、お礼を言って大館教会を出発。いい神父さんだった。一宿一飯の恩義が返せなかったのが心残り。

 国道から少し横道にそれた所にストーンサークルなるものがあって見物予定だったのだが、どこだか分からずに通過してしまう。メインのルートから外れたり、ちょっと面倒臭いとすぐに通過してしまいがち。一人旅の利点と弱点。

 大湯温泉という小さな町でかき氷を食べる。そしたら普通の店の半分ほどの値段だったので思わずお代わりをしてしまう。どうも昨日の靴紐みたいに安いと思うと余分に金を使ってしまう傾向があるようだ。気を付けなくては。でも、今の時代にかき氷のお代わりというものは中々できるものではないので少しだけ贅沢した気分になる。

 道はずっとダラダラの上りが続く。でも今までの経験から山の上にある湖に行くのにこのままで済むはずがない。今に凄い上りがあるぞーなんて思っているから気は張っている。何てたって、天下の十和田湖様なんだから半端でない上りがあるに違いない。有名なのと山頂の湖の高さは比例しないだろうが、山の多い群馬辺りで育つと赤城にしろ榛名にしろ、山の湖は全て高い山の上にあるものと相場は決まっているのだ。

旅行の満足度
4.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
5万円 - 10万円
  •  十和田八幡平国定公園と大書きされた自然木の看板があった。そろそろ十和田湖が近づいたってことかな。その割にはまだ大した上りに出会ってないが、これは嬉しい誤算で意外と簡単に来られたってことかも知れないぞ。ここでさっき仕入れたパンと牛乳、トマトジュースのお昼にする。回りの木立の具合から見ても、もう上りは大してないだろう。ボトルの水もそんなに必要ないだろうと、その水で歯磨きをしておく。山登りをするときの水は、切らすと大変苦しいことになってしまうので、幾ら生ぬるくても命の水となる。峠の頂上にたどり着くまで飲む水の配分には神経を使うようになっている。<br />

     十和田八幡平国定公園と大書きされた自然木の看板があった。そろそろ十和田湖が近づいたってことかな。その割にはまだ大した上りに出会ってないが、これは嬉しい誤算で意外と簡単に来られたってことかも知れないぞ。ここでさっき仕入れたパンと牛乳、トマトジュースのお昼にする。回りの木立の具合から見ても、もう上りは大してないだろう。ボトルの水もそんなに必要ないだろうと、その水で歯磨きをしておく。山登りをするときの水は、切らすと大変苦しいことになってしまうので、幾ら生ぬるくても命の水となる。峠の頂上にたどり着くまで飲む水の配分には神経を使うようになっている。

  •  案の定、そこから20分上ったところに十和田湖を見下ろす発荷峠展望台があった。ホントにもう着いてしまったんだぁ。ここでは身構えていたような凄い上りはなく、ちょっと拍子抜けするほどだった。<br /><br /> さすがに日本で2番目に大きい湖だ。中々の景色。前橋からここまで自転車でやって来たんだなぁと思うと感慨深いものがある。ここがゴールではないが、出発前には憧れだった十和田湖まで本当にやってきたんだなぁとの思いで湖を見渡す。

     案の定、そこから20分上ったところに十和田湖を見下ろす発荷峠展望台があった。ホントにもう着いてしまったんだぁ。ここでは身構えていたような凄い上りはなく、ちょっと拍子抜けするほどだった。

     さすがに日本で2番目に大きい湖だ。中々の景色。前橋からここまで自転車でやって来たんだなぁと思うと感慨深いものがある。ここがゴールではないが、出発前には憧れだった十和田湖まで本当にやってきたんだなぁとの思いで湖を見渡す。

  •  発荷峠を下り、両側が白樺林の爽やかな道を走っていると、休屋という賑やかなところに出る。高村光太郎作の、有名な「乙女の像」がある所だ。観光客で賑わっている中に、同じ自転車野郎がいたのでお互いに乙女の像をバックにシャッターの押しっこをして暫く話をする。<br /><br /> 彼は千葉からやってきて、東北を一周するそうだ。東北の山は険しくてひどい目に遭っているらしく、盛んにくどいている。今日は既に十和田湖畔のキャンプ場にテントを張ってあり、余裕のあるテントだから一緒にどうかと誘ってくれるが、十和田では前々から民宿に泊まろうと予定してたので残念ながら止めておく。お兄ちゃんも残念そうだ。民宿で溜まった洗濯もしなくちゃだしね。<br /><br /> 湖畔にシスターのグループが居たので話しかけてみると、何と前橋の小野先生を知っている男性が居た。更に前橋の教会ニュースも毎月送られて来て読んでいるという。これにはビックリした。そこに描かれているカットは毎回私が描いてるんですよー。世の中広いようでホントに狭い。<br /><br /> 湖岸の小さな土産物屋で絵はがきを買い、名物きりたんぽを食べ缶ビールも飲む。どうでぇ自分だって観光してるんだぜぃという思いがして、ちょっと嬉しくなってくる。こうして早い時間に目的地についてのんびりしていると一人旅の特徴で、時間がひどくゆっくり流れていく気がする。話し相手も感動を分け合う相手もいないからだろね。<br /><br /> 公衆電話で民宿探しをする前に、日課の家に電話して無事を伝える。市外からの長距離電話代をケチっているので、いつも電話のベルを3度鳴らして切れたら自分からの電話だと決めてあるので、どうせ戻ってくるんだからと百円玉を入れて電話したところ、ベルが鳴ったとたんに母親が出てしまった。なんで出るんだよと怒ったらすぐガチャッと切られてしまう。あーっ百円玉がーっ!!どうせ出たんだったら百円分話した方が良かったのに。<br /><br /> この時代はBooking.comもHotels.comも何もない。何しろネットが普及するにはまだ数十年を要するのだから。宿の予約も公衆電話ボックスに備えてある電話帳だけが頼りの時代。民宿への電話は2軒目で決まる。まだ3時過ぎ、この旅で一番早い宿決めだ。たまにはこういうのも呑気でいいもんだ。部屋は初体験の相部屋だった。テレビの水戸黄門では良くある話だが、現代で相部屋と言うのは中々あるもんではない。こういうのも面白い経験だろう。<br /><br /> 相部屋のもう一人は車で一人旅している埼玉の兄ちゃんだった。そしたらその後一人、また一人と、結局4人の相部屋になった。どうせなら大勢の方が賑やかで面白いってもんだ。後から来たのは宮城と京都の兄ちゃんだった。やっぱりみんな一人旅。宮城は車の旅で、京都は電車とバスを乗り継いでの旅ということだった。そいつは明日、埼玉の車で次の地点まで載せて貰うことに決まった。昔の旅みたいに相部屋だと「旅は道連れ世は情け」の文句がそのまま当てはまってしまう感じだ。<br /><br /> 夕飯には名物のしょっつる鍋が出た。うんとしょっぱいのかと思ったら、意外や薄味だった。しょっつるの名前の由来は知らないが、塩っつると想像していたので、いかにも塩っぱそうな名前なんだけどな。有名だけど実際に食べてみると大して旨くもない料理だな。元々魚は好きじゃないし、中でも煮魚や鍋に入った魚が嫌い。<br /><br /> 夕飯後、部屋に戻ってみんなで十和田湖名物のヒメマス肴にビールを飲むことになった。魚の中の更に川魚は好きじゃないのだが、教科書にも出てきた和井内貞行で有名な十和田のヒメマスなので食べてみた。魚嫌いは食べ方も下手くそでグチャグチャの食べ方。<br /><br /> 埼玉が催眠術が出来るというので部屋を暗くしてやってみせる。私以外の2人はいとも簡単に掛かってしまい、嘘みたいだった。私も別に掛からないようにしてた訳じゃないのだが、どうしても掛からなかった。やっぱり天の邪鬼の性格が知らず知らずに掛かりづらくしてるのだろうか。でも、この時よーくかけ方を見ておいたお陰で、今でも真似事くらいはできる。<br /><br /> 興味があったので家に帰ってから催眠術の解説書を読みました。催眠術てのは要するにハッタリでやるもんだというのが分かった。術者に神秘的な力があるなんてこととはまったく違う。要するに上手な催眠術師は心理誘導が旨いってことだけだ。昔、初代引田天功が「さんーにーいちーっ」なんて調子くれた催眠術をテレビで良くやっていたが、あれも見るからにハッタリ野郎だったし、 埼玉の学校の教授は催眠術が得意で、その先生が教室に入ってくるだけでかかりだしてしまう生徒がいるそうだ。どんだけ暗示に掛かりやすいんだよ。それって社会生活を送る上で危険じゃないのか?引田天功効果もそれと同じだろう。<br /><br /> 疲れているので知らないうちに私は眠っていたようだ。<br /><br /><br /> 自転車の旅 おーい北海道(5)へ続く<br />

     発荷峠を下り、両側が白樺林の爽やかな道を走っていると、休屋という賑やかなところに出る。高村光太郎作の、有名な「乙女の像」がある所だ。観光客で賑わっている中に、同じ自転車野郎がいたのでお互いに乙女の像をバックにシャッターの押しっこをして暫く話をする。

     彼は千葉からやってきて、東北を一周するそうだ。東北の山は険しくてひどい目に遭っているらしく、盛んにくどいている。今日は既に十和田湖畔のキャンプ場にテントを張ってあり、余裕のあるテントだから一緒にどうかと誘ってくれるが、十和田では前々から民宿に泊まろうと予定してたので残念ながら止めておく。お兄ちゃんも残念そうだ。民宿で溜まった洗濯もしなくちゃだしね。

     湖畔にシスターのグループが居たので話しかけてみると、何と前橋の小野先生を知っている男性が居た。更に前橋の教会ニュースも毎月送られて来て読んでいるという。これにはビックリした。そこに描かれているカットは毎回私が描いてるんですよー。世の中広いようでホントに狭い。

     湖岸の小さな土産物屋で絵はがきを買い、名物きりたんぽを食べ缶ビールも飲む。どうでぇ自分だって観光してるんだぜぃという思いがして、ちょっと嬉しくなってくる。こうして早い時間に目的地についてのんびりしていると一人旅の特徴で、時間がひどくゆっくり流れていく気がする。話し相手も感動を分け合う相手もいないからだろね。

     公衆電話で民宿探しをする前に、日課の家に電話して無事を伝える。市外からの長距離電話代をケチっているので、いつも電話のベルを3度鳴らして切れたら自分からの電話だと決めてあるので、どうせ戻ってくるんだからと百円玉を入れて電話したところ、ベルが鳴ったとたんに母親が出てしまった。なんで出るんだよと怒ったらすぐガチャッと切られてしまう。あーっ百円玉がーっ!!どうせ出たんだったら百円分話した方が良かったのに。

     この時代はBooking.comもHotels.comも何もない。何しろネットが普及するにはまだ数十年を要するのだから。宿の予約も公衆電話ボックスに備えてある電話帳だけが頼りの時代。民宿への電話は2軒目で決まる。まだ3時過ぎ、この旅で一番早い宿決めだ。たまにはこういうのも呑気でいいもんだ。部屋は初体験の相部屋だった。テレビの水戸黄門では良くある話だが、現代で相部屋と言うのは中々あるもんではない。こういうのも面白い経験だろう。

     相部屋のもう一人は車で一人旅している埼玉の兄ちゃんだった。そしたらその後一人、また一人と、結局4人の相部屋になった。どうせなら大勢の方が賑やかで面白いってもんだ。後から来たのは宮城と京都の兄ちゃんだった。やっぱりみんな一人旅。宮城は車の旅で、京都は電車とバスを乗り継いでの旅ということだった。そいつは明日、埼玉の車で次の地点まで載せて貰うことに決まった。昔の旅みたいに相部屋だと「旅は道連れ世は情け」の文句がそのまま当てはまってしまう感じだ。

     夕飯には名物のしょっつる鍋が出た。うんとしょっぱいのかと思ったら、意外や薄味だった。しょっつるの名前の由来は知らないが、塩っつると想像していたので、いかにも塩っぱそうな名前なんだけどな。有名だけど実際に食べてみると大して旨くもない料理だな。元々魚は好きじゃないし、中でも煮魚や鍋に入った魚が嫌い。

     夕飯後、部屋に戻ってみんなで十和田湖名物のヒメマス肴にビールを飲むことになった。魚の中の更に川魚は好きじゃないのだが、教科書にも出てきた和井内貞行で有名な十和田のヒメマスなので食べてみた。魚嫌いは食べ方も下手くそでグチャグチャの食べ方。

     埼玉が催眠術が出来るというので部屋を暗くしてやってみせる。私以外の2人はいとも簡単に掛かってしまい、嘘みたいだった。私も別に掛からないようにしてた訳じゃないのだが、どうしても掛からなかった。やっぱり天の邪鬼の性格が知らず知らずに掛かりづらくしてるのだろうか。でも、この時よーくかけ方を見ておいたお陰で、今でも真似事くらいはできる。

     興味があったので家に帰ってから催眠術の解説書を読みました。催眠術てのは要するにハッタリでやるもんだというのが分かった。術者に神秘的な力があるなんてこととはまったく違う。要するに上手な催眠術師は心理誘導が旨いってことだけだ。昔、初代引田天功が「さんーにーいちーっ」なんて調子くれた催眠術をテレビで良くやっていたが、あれも見るからにハッタリ野郎だったし、 埼玉の学校の教授は催眠術が得意で、その先生が教室に入ってくるだけでかかりだしてしまう生徒がいるそうだ。どんだけ暗示に掛かりやすいんだよ。それって社会生活を送る上で危険じゃないのか?引田天功効果もそれと同じだろう。

     疲れているので知らないうちに私は眠っていたようだ。


     自転車の旅 おーい北海道(5)へ続く

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