2021/09/27 - 2021/09/28
9位(同エリア98件中)
かっちんさん
長野県小谷村(おたりむら)と新潟県糸魚川との県境に位置する「雨飾山(あまかざりやま)」。
その登山口近くの「小谷温泉奥の湯」に静かな一軒宿「雨飾荘」があります。
紅葉には2週間ほど早いのですがここに泊まり、源泉掛け流しの温泉と信州の味覚を楽しみます。
「雨飾荘」へはJR大糸線南小谷駅前から「雨飾高原行き」の村営バスに乗ります。
バスは途中の「姫川橋」から中谷川沿いに山あいをのぼって行きます。
周りの風景は小さな棚田と山の斜面に古民家が佇み、里山の小谷村を楽しむことができます。
お昼は中谷川沿いの「真木下」バス停で途中下車し、古民家のそば屋「蛍」へ。
手打ちそばを大きな釜で茹であげ、美味しさは絶品。
翌朝、標高984mの雨飾荘からは正面に雄大な北アルプスの山々が眺められます。
次の目的地は紅葉が見頃になってきた「栂池自然園」。雨飾高原から直通する村営バスを利用します。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・小谷村のHP
・信濃路の橋・風「信濃路の橋 姫川」
・大町建設事務所、土木のお宝「姫川橋」
・松本市「姫川水系の発電所」
・古民家noie梢乃雪のHP
・雨飾高原キャンプ場「そばや蛍」
・北アルプスCOOL便「小谷村蛍の蕎麦は、ランプの古民家で一味違います」
・食べログ「蕎麦屋蛍」
・小谷温泉大湯元山田旅館のHP
・雨飾荘のHP
・カズさんのブログmMm「紅葉に着飾った雨飾山!山頂から見た北アルプスの峰々!」
・旅行記『土木アート砂防ダム巡りバスツアー(長野)』
・mirusiru.jp「ノコンギク」
・呑ん子の放浪記「小谷温泉奥の湯・雨飾荘オープン」、2009年5月1日
・小谷村の慣行公式サイト「鎌池」
・ウィキペディア「大糸線」「姫川第3ダム」「ゲンノショウコ」「ママコノシリヌグイ」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
小谷村の案内図
長野県の最北部に位置する小谷村。
JR大糸線の東側に雨飾山、西側に栂池自然園があります。
今晩の宿「雨飾荘」は小谷温泉奥の湯にあり、南小谷駅前から村営バスで中土を経由して向かいます。
翌日は村営バスが直通する栂池高原へ向かいます。 -
JR大糸線南小谷駅前
南小谷駅前から栂池高原始発の「雨飾高原行き」村営バスに乗ります。 -
雨飾高原行きバス(南小谷駅前)
村営バスは、アルピコ交通に委託しています。
では、バスから眺める車窓を紹介していきます。 -
対岸には「JR大糸線」のスノーシェッド(下里瀬付近)
姫川の右岸に「JR大糸線」が通っています。
雪崩や落石から守る「スノーシェッド」は大糸線だけでなく、バスが通っている姫川左岸の車道(旧道)にも設置されています。 -
国道148号のトンネル橋(下里瀬~中土、旧道からの眺め)
現在の国道148号は、姫川沿いにあった旧道から、山の中をトンネルで抜ける災害に強い道に変わっています。
国道は南小谷側の中央橋付近から「下里瀬トンネル(右側)」に入り、姫川を「立山橋」で渡り、「中土トンネル」につながっています。
「立山橋」は周囲を覆われているので連続したトンネルのように見えます。 -
大糸線の第4姫川橋梁(中土駅付近)
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大糸線と姫川に挟まれる旧道(中土~姫川橋)
バスは中土駅を過ぎ、姫川橋へ向かっています。 -
流れの激しい姫川(中土~姫川橋)
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美しい曲線の「姫川橋」
戦前の鋼材が少ない中、長野県技師「中島武」氏の創意により設計された世界最初の「鉄筋コンクリート・ローゼ桁橋」の一群の橋です。
昭和14年(1939)に完成し、現在は土木学会選定「土木遺産」に認定されています。 -
下流側に見える「姫川第3ダム」(姫川橋から)
昭和30年(1955)に完成した中部電力の重力式コンクリートダムです。
姫川水系の発電所は全部で12ヶ所もあり、中部電力以外にデンカ、黒部川電力、東京発電等が運営しています。 -
黄金色の棚田(白岩)
バスは姫川支流の「中谷川」沿いの県道114号に入ります。 -
古民家noie梢乃雪(瑞穂)
築150年の古民家を利用した宿「梢乃雪(こずえのゆき)」。
noieとは地域の暮らしを旅する「地域接点」となる家。地域密着型ゲストハウスの新名称です。 -
稲架掛け(瑞穂)
稲刈りはすでに終わり、稲干しの最中。 -
赤い屋根の古民家(市場)
緑の木立に囲まれている古民家。 -
斜面に佇む古民家(中土局前)
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イチオシ
小谷村の里山風景(松本橋)
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中谷川(戸石)
小谷温泉のさらに上流が源流。 -
イチオシ
山あいに並ぶ雪国の民家(戸石)
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「真木下」バス停で降ります
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「そば屋蛍」の案内板
バス停から坂道を100m上がったところが真木集落。
そこに「そば屋蛍」があります。 -
青空に映える「ススキ」(真木)
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満開の「ススキ」(真木)
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古民家が見えて来ます(真木)
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板張り2階建ての古民家「そば屋蛍」(真木)
旧山村留学OBの宿泊施設として利用されていた築120年の古民家。
この家を改装して「そば屋蛍」が開業します。 -
お出迎えの案内板(そば屋蛍)
古い民家の中でゆっくりとお蕎麦を食べたくなります。
湯釜で茹でるお蕎麦は美味しそう・・・
釜の絵に「火」と書いてあるので、薪を燃やしているのかな。 -
風情のある玄関(そば屋蛍)
看板の文字「蛍」にホタルがとまっています。 -
囲炉裏を囲む板の間(そば屋蛍)
通された席は窓際の板の間。座布団を敷き座ります。 -
昔の箪笥と扇風機(そば屋蛍)
4枚羽の扇風機と言えば、きめ細やかな風で涼しさを感じさせる「東芝扇風機」。 -
イチオシ
天井から吊るされた「シャレてるランプ」(そば屋蛍)
綺麗に磨かれたガラス製の筒「火屋(ほや)」に周りの景色が映り、斜め被りの笠がちょっと気取ってます。 -
昔からの太い梁(そば屋蛍)
-
お品書き(そば屋蛍)
蕎麦は2種類。
蕎麦殻が練り込まれている「深里(ふかざと)」780円、蕎麦の実だけで練り込んでいる「蛍の緑」880円。
どちらも味わいたいので、家内と半分ずつ食べます。 -
夏ほたるの一品(そば屋蛍)
今年も登場している「ナス田楽」を注文します。
「ナス」の文字を見ていると、採れたてのナスを想像できます。 -
蕎麦を茹でる湯釜(そば屋蛍)
昔のかまどですね。
沸騰している釜の湯で蕎麦を湯がき、冷水で洗います。 -
最初に出てきたのは「蛍の緑」(そば屋蛍)
あっさり味の蕎麦。 -
イチオシ
次に「ナス田楽」(そば屋蛍)
ふっくらしたナスにコクのある味噌を付けて食べます。 -
最後に「深里」(そば屋蛍)
蕎麦殻が練り込んであるので深みのある味。
どちらも風味のある蕎麦で、喉越しがよく絶品です。 -
次の「雨飾高原行き」バス(真木下)
降りた時のバスから56分後のバスに乗ります。
平日の午後2時台に訪れたので、混みあわずに蕎麦にありつけました。 -
圧倒される「ループ橋」(小谷温泉)
小谷温泉手前の高低差75mをループ橋で上がります。
冬期間のバスは小谷温泉より2km手前の大凪下バス停が終点となり、宿が迎えに来てくれます。 -
小谷温泉「山田旅館」で停車
泊まり客数人がバスを降りました。
ここで、3年前に訪れたことがあるのでちょっと紹介。 -
湯治湯の風情を残す「山田旅館」(2018年10月16日に宿泊)
建物は江戸、明治、大正、平成とそれぞれの時代の建築が軒を連ね、昔ながらの湯治湯の風情を大切に残しています。
田舎会席料理も魅力です。
旅行記にしているのでご覧ください。
『秘境の湯治湯「小谷温泉 山田旅館」と紅葉の名所「鎌池」 2018(長野)』
https://4travel.jp/travelogue/11416225 -
段々と山深くなります(小谷温泉付近)
バスは雨飾高原までさらに坂道を上ります。窓から見える景色は砂防ダムがつくられている「中谷川」です。
小谷村は山と谷に囲まれた地質の弱いところで、豪雨などによる土石流が自然の驚異となり、以前から砂防堰堤(砂防ダム)がいくつも建設されました。
砂防堰堤は設置される周囲の環境から工法が異なり、さまざまな形状の堰堤がまるで「土木アート」のように見えます。
小谷村では砂防堰堤を巡るツアーを定期的に開催しており、2016年7月に参加しました。
旅行記にしているのでご覧ください。
『土木アート砂防ダム巡りバスツアー(長野)』
https://4travel.jp/travelogue/11157017 -
終点の「雨飾高原」に到着
南小谷駅からバスで41分かかります。
ここから「雨飾荘」まで歩いて5分。 -
秋の風物詩「ススキ」(雨飾高原)
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イチオシ
逆光に輝く「ススキの穂」(雨飾高原)
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赤く染まる「オオカメノキの紅葉」(雨飾高原)
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薬草になる「ゲンノショウコ」(雨飾高原)
白い花に淡紫の筋が入っています。 -
黄色い「アキノキリンソウ」(雨飾高原)
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美しく可憐な花(雨飾高原)
「ノコンギク」と「シロヨメナ」の花はとても似ています。
淡青色の花からだと「ノコンギク」、葉の形からだと「シロヨメナ」。さて、どちらかな? -
頭を出す「雨飾山」(雨飾高原)
長野県小谷村と新潟県糸魚川との県境に位置する、標高1,963mの「雨飾山」。
「猫の耳」と呼ばれる二つの山頂があり、そこから360度のパノラマが見事です。 -
「雨飾荘」に到着
平成21年(2009年)5月に移転してきた「雨飾荘」です。
「おたり振興公社」が運営しており、12年ほどしか経ってない建物なので綺麗です。
以前は下のバス停(当時は雨飾荘バス停)前に宿があり、建物老朽化のため閉鎖しました。 -
豪雪地の長靴「すっぺんじょ」(雨飾荘館内の展示)
わらで編んだ長靴で、豪雪地 小谷村では冬の必需品でした。 -
「ヤクシソウ」(雨飾荘周辺)
まだ15時すぎなので、外に散歩に出かけます。 -
通行期間が短い「妙高小谷林道」(雨飾荘周辺)
雨飾荘から乙見山峠を越え、妙高笹ヶ峰(新潟県)まで20km弱の林道です。
冬季は通行止めになります。
閉鎖は11/中~11/末、開通は7/初~8/末なので、通行できる期間は2~4ヶ月と僅か! -
「ママコノシリヌグイ」(雨飾荘周辺)
ピンクと白の花は綺麗ですが、棘だらけの茎や葉から、「憎い継子の尻をこの草で拭く」という和名が付けられています。
恐ろしい・・・ -
「雨飾高原 露天風呂」(雨飾荘周辺)
ブナの原生林の中にある村営の露天風呂。
男女別の無料露天風呂です。 -
岩風呂(露天風呂)
ブナの木漏れ日を浴びながら、源泉掛け流しのお湯は最高です。
なお、雨飾荘館内にも露天風呂があります。 -
ブナの森に囲まれる露天風呂
雨飾荘から雨飾高原キャンプ場方面にも道が続き、その先に紅葉が素晴らしい「鎌池」があります。
3年前の秋に訪れたので紹介します。 -
「鎌池」への道(2018年10月16日に訪問)
雨飾荘の先にある鎌池までは3.8km。
直線距離では1.2kmほどですが、山があるのでまわり道します。 -
紅葉の景勝地「鎌池」(2018年10月16日に訪問)
太古のブナの森に囲まれ、ひっそりと佇む神秘の池。
紅葉の時期には息をのむような美しい彩りになります。 -
イチオシ
会席料理の夕食(雨飾荘)
宿に戻り、温泉で疲れをとった後の夕食です。
地元産の食材をふんだんに用いた会席料理です。
前菜は、自家製食前酒、焼茄子のゼリー寄せ、なめこおろし、塩丸いか。
お造りは、清流岩魚の姿造り。
お隣の白馬村で養殖された岩魚は良質な水で育ち、川魚独特の臭みも少なく新鮮で上品な舌触り。 -
山菜茶碗蒸し(夕食)
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岩魚の唐揚げ(夕食)
刺身を食べた後、残ったところを唐揚げにしてくれます。
頭から骨まで食べることができ、サクサクして美味しい。 -
信濃のブランド魚「シナノユキマス」(夕食)
香ばしい醤油麹焼きでいただきます。 -
「信州プレミアム牛 A5」の陶板焼き(夕食)
口の中でほどよくとろけ、岩塩と生山葵でいただきます。 -
甘く薫り高い「手打ちそば」(夕食)
地元小谷村産の地粉と雨飾山の湧水でつくった絶品の手打ちそば。 -
旬菜の天婦羅と小谷産コシヒカリ(夕食)
天婦羅は、海苔菜、糸うり、茗荷、舞茸。 -
デザート(夕食)
鬼灯(ほおずき)、巨峰、栗アイス。
和食中心のフルコースに大満足。 -
翌朝の眺望(雨飾荘玄関から)
西側の景色は、姫川の谷間を挟んで北アルプスの山々が眺められます。
左から鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳等、2000m級の山々。 -
朝食(雨飾荘)
ご飯は昔ながらの羽釜でたいた炊き立て。
おかずは日本海直送のお魚の干物、蕎麦湯で温めるやわらか湯豆腐、とろとろの温泉卵など。 -
柱状節理の石垣かな?(雨飾荘玄関前)
宿を8時半に出発し、バス停へ向かいます。 -
朝の清々しいススキ(雨飾高原)
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イチオシ
見つけました!「白馬大雪渓」(雨飾高原)
バス停へ下りる途中で見られます。 -
「ツルウメモドキの実」(雨飾高原)
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「ナナカマドの実」(雨飾高原)
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「マユミの実」(雨飾高原)
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イチオシ
「オタマジャクシ」(雨飾高原バス停付近)
水溜まりの上に被さる木の枝に「モリアオガエル」の白い卵の跡があります。
おそらく「モリアオガエル」のオタマジャクシでしょう。 -
昔の「小谷温泉広場案内図」(雨飾高原バス停付近)
バス停前の駐車場に昭和60年(1985)当時の案内板があります。
錆びもなくよく残されていると思います。
昔の雨飾荘がバス停近くにあり、散策できる小谷温泉広場があったことがわかります。 -
大糸線の南小谷行き(中土駅のバス車窓)
雨飾高原9:17発の栂池高原行き村営バスに乗っています。
途中の中土駅でJR西日本の南小谷行きに会います。
今日の予定は栂池高原からロープウェイで栂池自然園へ向かいます。
小谷村の里山風景は「日本の原風景」を思わせます。
「雨飾荘」では温泉と信州の会席料理に満喫します。お勧めの宿です。
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