2020/01/30 - 2020/02/01
1348位(同エリア1466件中)
三峯霧美さん
旅の二日目は比叡山へ 真冬の比叡山に入るには坂本側から長いケーブルカーしか公共交通機関がありません。
今回は無動寺谷のお参りが主な目的ですが、その前に大河ドラマで話題の明智光秀ゆかりの西教寺と、無動寺谷とも縁が深い律院にお参りします。
さて、天気はどうなんだろう・・・傘、持ってないんだけどな。
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8:29 旅の二日目は比叡山へ。京都駅から湖西線に乗ります。
真冬の比叡山は京都側からは公共交通機関では行けません。唯一坂本ケーブルだけが動いているので、坂本に向かいます。 -
8:47 比叡山坂本駅
お天気が怪しい。
陽が差してるけどさっきまで雨降ってた雰囲気がバリバリ。
あ~、傘がないんだよなぁ。比叡山坂本駅 駅
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西教寺に行くんだけど、お寺に行くバスと時間が合わず、待ち時間がもったいないので思い切ってタクシーに乗ることにしました。
運転手さんに、この後、比叡山に行くんだけど、雪降ってるかな?って聞いたら、大丈夫ですよ~って言ってた。が・・・。 -
8:57 西教寺に到着。
あー。まじかぁ。観光バスが2台いて、ぞろぞろと人が歩いてく。
「年寄りばっかじゃねーか」なんて思って、おいおいお前も立派な高齢者枠だろって自分に突っ込みを入れてみる。
いや、ほんと、申し訳ない、自覚が無くて。 -
戒光山 兼法勝西教寺
今月(2020年1月)から始まった大河ドラマ「麒麟が来る」の明智光秀ゆかりのお寺なので、ここぞとばかりにノボリ旗が立ってます。 -
参道にはもみじが植えられています。秋は真っ赤になるようですね。
今は澄んだ青空が見えて、雨上がりの湿気を含んだ空気がピリッと身を引き締めてくれます。 -
団体さんに追いつかないように参道に並ぶ塔頭を見て行きましょう
禅明坊 門は取っ払われてます。国の登録有形文化財なんだけど。
4月に禅明坊光秀館という大河ドラマのイベント会場になりました。本来は宿坊のようですが、撮影に使った衣装や小道具の展示があったそうです。 -
この庭は近年造られたようで、広すぎて、ばらばら感がある枯山水ですね。
「麒麟が来る」ちょっと見てました。衣装担当が黒沢和子さん(世界のクロサワのお嬢さん)で、鮮やかな色の衣装が綺麗でした。当時の衣装をそのまま再現したって、画面には映えませんからね。 -
ぎざぎざのレーキ これを引っ張って、模様を描くんですね。
ちょっとやってみたい。
門には越前之國という看板、西教寺は総本山なので、全国から関係者が訪れた時の宿坊になっているようです。。 -
禅智房 門と建物の間に、ソテツ等が植わったお庭がありました。
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禅林坊 門に登録有形文化財の看板
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どの塔頭もお庭の手入れがされてて、きれいですね。
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参道左手の高台にある宗祖大師殿。真盛上人をまつるお堂です。
唐門
真盛上人は比叡山で長く修行に専念し権大僧都になり、説法がお上手で宮中で講義を行ったことが記録されています。
室町時代の1486年に入寺しました。晩年は西教寺の復興と布教に力を注いだそうです。 -
門で額縁になった琵琶湖の眺め
流れる雲が綺麗。 -
扉には三羽雀、天台真盛宗の寺紋。立体だと可愛いですね。
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真盛上人はお念仏と戒律を重んじました。
如来の不思議な力の働きを我が身の中に感じ、その力によって生かされている喜びを念仏として表現し、欲望を抑えて他の人との和合に心がけ、平和な社会をつくるよう努力するというのだそうですよ。 -
真盛上人の子供のころの像
上人は紀貫之の末裔で、幼名を宝珠丸と言いました。
母が地蔵菩薩から宝珠を授かった夢を見て、上人をみごもったので名付けられたそうです。 -
団体さんは中で拝観してるようで、バスガイドさんが戻ってくる。
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参道に戻って、正面には勅使門。
西教寺の創建の詳細は分かっていません。
伝わる話では飛鳥時代、聖徳太子によるとも。 -
勅使門を左に折れて本堂前に出るには石段です。
創建の別の話は、良源(慈恵大師・元三大師)が建てた草庵に、源信(恵心僧都)が伽藍を整備したということですが、いずれも伝承であり、鎌倉時代末期までは記録が無いようです。 -
石段を登り切ると本堂のある広い場所へ。
1325年に後醍醐天皇の帰依を受けた天台僧の円観が再興したことは記録に残っています。
そして1486年に真盛上人によって中興されます。 -
本堂 御本尊は阿弥陀如来
1739年落成
1571年に信長の比叡山焼き討ちで西教寺も焼失します。
その後、坂本は明智光秀に与えられ、坂本城の築城のほか、お寺の復興も行いました。本堂は3年後に再建。 -
明智一族の墓
光秀の死後、一族は坂本城に入り、城に火を放ち自害しました。
一族と光秀もここに葬られたということですが・・・。 -
こちらは光秀の正室煕子(ひろこ)のお墓。
とても夫婦仲が良かったという、逸話が残っています。
光秀の看病で自らの体調を崩し亡くなりました。
西教寺は明智家だけでなく、実家の妻木家の菩提寺でもあります。 -
真盛上人の御廟は石段の上にあります。
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本坊から建物の中を拝観します。
順路に従って、大きな四つの建物を見て回ります。 -
全ての建物が渡り廊下でつながってます。
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本堂の中では団体さんが法話を聞いていらした。
先からずっと本堂の外にも鉦の音が聞こえていました。
内陣の一角にお念仏を唱えるお坊さんがいます。
不断念仏って、多分交代制でお念仏を唱えているんだと思うんだけど、深夜も唱えているのかな?? -
客殿から本堂を見る
室町時代、坂本で起こった一揆の首謀者が真盛上人だと勘違いした比叡山の僧兵がお寺に攻め込んできます。
お寺には人影がなく静まり返り、鉦の音だけが響きます。
音のする本堂に僧兵が駆け込むと、手の白い一匹の猿が鉦を叩いていました。
日吉山王の使者の猿にまで不断念仏の教えが徹底されているのかと恐れ入った僧兵たちは、そのまま立ち去ったという伝承があります。 -
本堂と客殿の間のお庭。
1590年、後陽成天皇が廃寺になっていた京都の法勝寺を西教寺に合併させました。 -
客殿 伏見城の遺構
1598年に大谷刑部の母が寄進しました。
狩野派(狩野永徳と伝わる)の襖絵があります。
秘仏の薬師如来座像は法勝寺にあったもの。 -
客殿庭園
小堀遠州作と伝わる江戸時代初期の庭 -
書院庭園
明治初期の庭
穴太衆が造ったという庭。 -
阿弥陀如来二十五菩薩石像
1584年近江国の富田民部進が娘を失くし、娘の極楽往生を願って建立しました。
400年余り本堂前に祀られていましたが、風雨による浸食が激しくなり、ここに移設したそうです。 -
渡り廊下の造作がとても綺麗です。
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裏書院庭園 こちらは平成元年の作
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大本坊庭園 江戸初期の庭
これらの庭と比べると、さっきの塔頭の枯山水は・・予算の制約からか、なんかな~って感じです。 -
大本坊の売店に「麒麟が来る」のポスター
若いと思ってた主演の長谷川博己も齢40を超え、大河ドラマ主演男優、びっくりだね。
売店のお姉さまが「かっこいいでしょ?」って身内目線のお言葉。
彼の遠い先祖は鳥取の大山寺を開いた金蓮上人で、天台宗ツナガリですね。 -
西教寺の御朱印
不断念仏 -
観音堂
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中には聖観世音菩薩像。
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山の斜面のお墓に入ります。
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上の方に前田利家の六女、菊姫のお墓があります。
豊臣秀吉の養女となって、大津の金物問屋で養育されていましたが、七歳で死去。
ここに葬られたそうです。
明治に入って、金沢の前田家が墓標を造りました。 -
菊姫のお墓からは、この景色。
湖越しに大津が見える。 -
10:35 1時間半、見どころの多いお寺でした。
さっきまで陽射しがあったのに、雲がかかってきました。 -
日吉大社方面に向かうバスの発車時間に合わせてのお参り、時間が余るかと思った1時間半でしたが、道路の向かい側の塔頭を見る時間はありませんでした。
バスで律院に向かいます。 -
10:50 律院 比叡山律院 比叡山の里坊です
11時からの御護摩に間に合うように到着したのですが、なんと金曜は午後4時からだけなんだそうです。残念(涙)電話で問い合わせればよかったな・・・。
受付所で護摩木を書いて、御朱印を頂きました。
門の手前には穴太衆の芸術的な石垣があります。 -
山門
ここは比叡山横川の総里坊だった松禅院があった場所ですが、明治に入って荒廃し、1949年に戦後初の千日回峰行者の叡南祖賢師が再興しました。
とうとう、雨が降ってきました。それも結構な降りっぷり。 -
本堂 本尊 釈迦如来
豊臣秀吉の長男鶴松の菩提を弔うために淀君が建立したという桃山時代の建物で、ここに移築されました。 -
叡南祖賢和尚の像
現在の住職は三代目で、千日回峰行を満行された叡南俊照師です。
御護摩でお会いできると思っていたのに、こりゃもう一度、坂本までいらっしゃいってことかな。 -
護摩堂
中に入ってお参りできるというので、入ってみると薄暗い照明の奥にお不動様
お参りしている女性とお話をして、これから比叡山に上がるが傘がないので、傘を売っている店(コンビニとか)がないかと聞くと、律院の傘を借りなさいと教えてくださった。 -
祖師道
受付所に戻って傘を拝借したいと伝えると、ちゃんと返してくれればいいですよと。傘を広げると大きく「律院」と書いてあるからねと、笑ってらっしゃる。 -
庫裏
左側に玄関があって、傘立てに傘がたくさん置いてありました。
ここから一本、お借りしました。本当に助かりました。感謝。 -
律院の御朱印
無動尊 -
さあ、傘も借りたし、これで安心して歩けるよ!
というわけで、滋賀院門跡へ向かいます。 -
滋賀院門跡の手前にある大冨騎鈴神社
大冨社 祭神 登美祝部恒次(とみはふりべつねつぐ)
騎鈴社 祭神 素戔嗚尊
合祀された年代は不詳 -
藤ノ木川にかかる騎鈴橋を渡ります。
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11:23 滋賀院門跡 比叡山延暦寺本坊
穴太衆積の石垣の上に白壁の塀が格式の高さを感じさせます。
創建は1615年 徳川幕府に仕えた天台宗の僧、天海が創建しました。滋賀院門跡 名所・史跡
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後陽成天皇から京都法勝寺の建物を下賜されたそうですが、1878年に火災により焼失してしまい、比叡山無動寺谷の法曼院の建物3棟を移築しました。
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江戸時代まで天台座主の法親王が代々住んでいた場所で、滋賀院御殿と言われていました。
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蹴鞠の庭 宸殿に向かう廊下に面していて、ガラス越しに眺めます。
奥の建物は天台宗総庁 -
殿上輿 てんじょうごし
比叡山で皇室や天皇から直々に法要を命ぜられた時に、勅使が利用した輿 -
建物がみんな広い。
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囲碁や火鉢、お菓子入れ等、生活に使われてた道具の展示がありました。
客殿にある狩野派の絵師、渡辺了慶の障壁画が見事です。
雨降りの冬の平日、他に拝観者はお一人だけ、ゆっくりと見て回ることができました。 -
徳川家光の命で造られた、宸殿前の小堀遠州作という池泉鑑賞式庭園。
建物中から鑑賞するお庭で、何処から眺めて絵画のようにうつります。
以前は撮影禁止だったようですが、今回はそのような注意書きはありませんでした。池の中に見えるのが亀石滋賀院門跡庭園 公園・植物園
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よく分かりませんが右側の滝と両側の石で鶴 なんだそうですよ。
二階の書院、奥まった場所の階段を登った先にある内仏殿を拝観しました。
ご本尊は薬師如来 -
滋賀院門跡の御朱印
醫王殿 -
11:45 天台宗総庁の前を通って、慈眼堂に向かいます。
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梅が咲いている。
寒いけどなぁ。 -
お稲荷さんの祠があります。
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慈眼堂
石段は慈眼堂の脇に出てきました。
天海の廟所で堂内には天海の座像が祀られていましたが、現在は延暦寺の国宝殿に移動しています。慈眼堂 (大津市) 寺・神社・教会
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冬枯れた雰囲気の参道と石燈籠
雨は降り続いています。 -
道路に続く参道は長いね。
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急な坂道の途中に出てきました。
雨でけぶる坂本の町と琵琶湖が見える。
あれ?雨、上がったかな?この急坂を登って行きましょう。 -
この坂道の先は東照宮の石段でした。
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県道を坂本ケーブルの駅に向かっていると、急に陽が差して来て虹が現れました。
こんなに低い虹は見たことがない。
これは、仏様に歓迎されてるって、ことでいいのかな?? -
橋を渡ってケーブル駅に向かいます。
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11:54 ケーブル坂本駅
発車時間は12時ちょうど、いいタイミングで到着した!
さあ、3度目の比叡山だよ!坂本ケーブル 乗り物
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