2020/01/30 - 2020/02/01
973位(同エリア1469件中)
三峯霧美さん
坂本の町は雨が降ったりやんだり、律院で傘を借りて、坂本ケーブルで比叡山へ向かいます。
真冬の比叡山はこの坂本ケーブルだけが動いていて、京都側からのアクセスはぜんぶ冬季運休中。
今回の最大の目的は、前回時間が無くて行けなかった無動寺谷に行くことです。
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11:57 坂本ケーブルに乗り込みます。
日本一長いケーブルカー 景色を眺めていると、あっという間です。 -
あれ?何?あの白いの、雪??
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ゆ・・・雪だ。それも積もっとる!
坂本のタクシーの運転手さんが「降ってない」って言ってたけど、降ってますよー。 -
ここまで白いって、今日の午前中は降ってたみたい、ってか、前日の雪もあるのかな?
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12:15 ケーブルの駅のテラスから、琵琶湖を望む。
ここは相変わらず絶景ですね。
駅の二階のテラスは立ち入り禁止になってました。 -
12:18 延暦寺と反対側の参道が無動寺谷。
この鳥居、前回ここで撮影しただけでした。
ここからずっと山を下って行きます。
この参道は坂本に至ります。 -
あ・・杖だよ。
下って行くのはいいけどさ、戻って来る時がね、ずっと登り、覚悟はできてる。 -
はい、よろしくお願いします。
無動寺谷は延暦寺の東塔の5谷のひとつ。
叡南(えなみ)、南山ともよばれます。 -
ん?下に落ちてるのは「つき」・・・やばいね。
つきは落ちちゃいかんだろ。
でも、まだ見放されてないだけ、いいかもしれないね、貼り直せばいい。
とりあえず、なんでも前向きに。
人生、自ら暗くしてどうするってことよ。 -
陽射しが差し込む参道、雪が降ってきた!!
でも、ありがたいことに凍結していないので、歩きやすい。
無動寺谷は865年に相応が明王堂を建立して、不動明王を安置しました。
882年勅により、天台別院となり、その後法華堂が創建されます。 -
こんな風に積もってる。ふわふわ。
信長の比叡山焼き討ちで焼失、その後天正年間に明王堂などが再建されますが、江戸時代に焼失、再建。
この道は比叡山焼き討ちの際に、光秀が坂本から登った道なんだそうです。 -
どんどん下ります。 まだ降り続いています。
無動寺谷は回峰行者の拠点です。
千日回峰行は平安時代初期の相応を祖として江戸時代始めに現在の形になったそうです。 -
12:24 郵便屋さんとすれ違う「こんにちは~」って挨拶を交わす。
ということは、この山道、徒歩で配達なんですか?!
こりゃ、足腰強くなりそうだ。
千日回峰行を満行すると北嶺大先達大行満大阿闍梨・・大阿闍梨と呼ばれます。
そう、あの有名和菓子の阿闍梨餅は行者の笠を模してます。 -
12:25 鳥居が見えてきた
これは・・・弁天様の鳥居かな。鳥居が見えてきても、まだ先が長いはず。
千日回峰行は7年間にわたって行われます。
3年目までは連続100日、無動寺で勤行し、深夜2時に真言を唱えながら東塔、西塔、横川、日吉大社を廻り全部で260カ所で礼拝しながら30キロの道を6時間で巡拝します。
山川草木 悉有仏性
さっきケーブルで登ってきたあの高低差です。 -
途中に屋根付きの休憩所がありました。
路面を見ると掃き目が付いてます、参道はずっと落ち葉もゴミもなく綺麗にお掃除されています。
回峰行は休めません、病、怪我、天候が悪くても休むことは無いのです。
白い装束、わらじ(初期のころは素足に直接履きます)、行を続けられない時に自害するための降魔の剣、あの世で使う六文銭と埋葬料10万を携行するそうです。 -
恐ろしく急な坂、右側は階段になってる。
雪が止みました。
4,5年目は年に200日、そして5年目に、最も過酷な「堂入り」が行われます。 -
12:28 参道は九十九折になってきた。
鳥居は弁財天の扁額
堂入りは無動寺明王堂で行われます。まず生前葬を行い9日間(七日半)にわたる断食・断水・断眠・断臥の4無行に入ります。
その間、ずっと不動明王の真言を唱え続けます。 -
参道はとうとう階段状になる。
堂入り中は毎夜2時に閼伽井まで水を汲みに出る以外は、お堂にこもって真言を唱え続けます。
水くみは一人でスタスタ歩くなんてことはできません。 -
12:31 その閼伽井が見えてきました。
堂入りのNHKの取材映像を見ましたが、介添えの僧侶が足元を照らし、たくさんの信者さんに見守られ、真言や般若心境を唱える中、お不動さんに供える水を汲みに出てきます。 -
閼伽井
出てきた行者さんは目はうつろ、頬がこけ、足元もふらついていますが、手には杖と肩に汲んだ水を入れる桶を下げて、自分の足で歩いて行きます。 -
お堂から井戸まで200メートル、初日は片道15分かかったものが、9日目には30分かかったそうです。
汲んだ新鮮な水は仏様に供えられます。 -
堂入りを満了すると行者は阿闍梨となり、衆生救済の行に入ります。
6年目にはこれまでの行程に京都の赤山禅院への往復が追加されて60kmの行程を100日。 -
7年目は200日行いますが、はじめの100日は京都大回りという84km、後の100日は最初の比叡山の30kmの行程にもどります。
右手は弁財天に向かう参道、まずは明王堂にお参りしましょう。
日が差してきました。これは歓迎されているしるしかな? -
満行し、明王堂の輪番職になると、数年後に、「十万枚大護摩供」を行います。
100日間の五穀絶ちの後、7日間の断食断水で御護摩を続けます。
そして満行者は京都御所に土足参内し加持祈祷をおこないます。 -
手前に手水舎
宮中参内は平安時代の清和天皇后の病気平癒祈祷以来の習わしだそうです。
この千日回峰行の歩く距離は地球を一周する長さ。
安土桃山時代から49人の満行者がいるそうです。それ以前の記録は信長の焼き討ちで失われています。 -
鐘楼
この旅のスケジュールを決める時に、明王堂か律院のどちらかの御護摩に参列しようと迷って、律院に決めたのです。
ちゃんと確認すればよかったな。そうしたら明王堂の御護摩に出るように組んだのにな。 -
12:38 無動寺明王堂
引き戸を開けて中に入ると、ちゃんと人がいて暖かい、御朱印やらお札やらのお世話をしてくださる。
お不動さんをお参りしました。関東の不動巡礼をしてるので真言は覚えました。 -
御朱印を頂きました。
無動尊 -
日影はフワフワの雪が残ってます。
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明王堂の正面から大津方面が見えます。
雲が綺麗だな。 -
このレンズだと、これが限界。
大津プリンスが目印だね。 -
明王堂の隣には相応さんの行者姿の像がある。
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風で五色の旗が揺れている。静かです。
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山茶花かな、白い花が咲いていました。
参道を戻って弁財天に行ってみよう -
12:49 無動寺弁財天堂
うわ~、ここもすごい下りだよ。 -
比叡山三大弁財天のひとつ、ここをお参りすれば、三つともお参りしたことになる。
石段を降りた方が足が楽ですね。 -
参道は折れ曲がりながら下り続けます。
そもそも無動寺の存在を知ったのも、三大弁財天を調べたからでした。 -
たぶん元三大師像なんじゃないかと思うんだけど、ひどく風化が進んでしまい、よく分からない。
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まだ降りるよ~、凄い斜度だね。帰りを想像しないようにする。
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やっと下りきったかな。
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よ~し!もう下りはなさそう。
寺務所の脇を通って奥に進もうとすると、柴犬がいる。 -
手水舎
さっきからずっと柴犬に吠えられているのです。
なだめようとするも、人の言うことなんて、聞きゃぁしない。
無視して進みます。 -
弁財天の鳥居をくぐると、たくさんの祠やお堂があって、昨日の伏見稲荷を思い出す。
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水かけ大弁財天
今日はもう、誰かが水をかけて御祈願したようですね。 -
この奥が弁天堂なんだけど、建物が写らない。
しっかりお参りしました。 -
左側、お堂というか、拝殿?
その奥が本堂(本殿)という造り。
右手の小さなお堂は白蛇第辨在天女という扁額がかかってます。 -
本殿の奥に大きな杉の木。
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白龍弁財天と書いた石が祀られている
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宇賀神社
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奥の方まで祠がある
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本殿を奥から見る
寺務所まで戻ると、柴犬がまた盛大に吠えたててる。
そこへ勤行にいらしたお坊さんに叱られてましたが、そんなの関係なく吠えてます。 -
寺務所の中は大工さんがいて、お寺の方を呼んできてくださった。
ありがとうございます。 -
御朱印を頂きました
大辨財天女 -
隙あらば、吠えてやるぜって姿勢。肩に力が入ってる。
彼の強い視線に送られて、弁天堂を後にします。 -
さあ、降りた分だけ登ります。
足首の柔軟性がないので、段を上がる方が楽かと思ったら、どっちもキツイ。
木々の先に明王堂がみえてる。 -
息を整えるために休憩しながら。
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13:20 明王堂の参道に戻る。
名残惜しく、明王堂の前に行ってみる -
私はまたここに来ることができるんだろうか。
その機会があるんだろうか、それまでこの参道を上り下りすることができるんだろうか。
そんな思いがよぎる。 -
凄い石段の下に法曼院
意味もなく降りようとして、途中で引き返す。
13:30 もう、帰ろう。
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参道の途中の小屋にキャタピラ車らしきものが保管されている。
たいへんだよね、これがないと。 -
絵にかいたようなきれいに整備された道。
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13:32 閼伽井が見えてきた ここまでは、ほぼ平らな道なので、どーってことない。
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13:33 閼伽井を通過、さあ、登りだ!
撮影を忘れて、ただひたすら登りました。 -
東海自然歩道は弁財天堂から先が通行止めになっているんだって。
ずっと歩いて行くと山を下りて近江神宮の辺りに出るらしい。 -
13:48 ケーブル比叡山駅まで戻ってきました。
辛く長い坂道と思ったけど、実際には17分しかかかってない。
雲がかかって琵琶湖がかすんでいます。 -
ケーブル比叡山駅
いい加減お腹が減ったので、東塔でランチしてから、根本中堂にお参りしよう。
そして、また、雪が降ってきました。
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