2014/09/21 - 2014/09/21
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モボ101さん
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ドイツ東部、ザクセン州の州都ドレスデンは、エルベ川のフィレンツェと称えられる美しい古都であるとともに交通の要所。2014年のシルバーウイークにドレスデンを訪問し、アルトシュタット機関区の扇形庫とターンテーブルを活用した鉄道博物館を見学しました。
ボランティアで運営されているからでしょうか、博物館がオープンする日は春から秋までの間の月に1~2日だけ。まずは、動画で開館日のドレスデン・アルシュタット機関区鉄道博物館の様子をご覧下さい。
https://youtu.be/bCipc3wrJx8
ここでは毎年4月に、ドイツ各地で動態保存されている多くの蒸気機関車が集合して、ドレスデン蒸気機関車フェスティバルが開催されます。13回目の2021年は、新型コロナウイルスの状況で変更されたのか、10月8日から3日間の予定だとか。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ドレスデン中央駅と、SバーンのS3系統で1駅のドレスデン・プラウエン駅との間に操車場があり、その一角にドレスデン・アルシュタット機関区鉄道博物館があります。
中央駅から公共交通機関での行き方は、3系統のトラムに乗って終点のSüdvorstadtで下車。そのまま道なりに歩くと線路を越える陸橋の上から写真の扇形庫が見え、橋のたもとから細い階段で下に降ります。64系統のバスなら、階段の近くにバス停がありますが、この路線は中央駅を通りません。 -
私は、Sバーンでドレスデンに戻る途中に立ち寄りました。ドレスデン・プラウエン駅で降りて、中央駅の方向へ線路沿いに10分ほど歩くと、陸橋の場所とは別にこんな入口があります。
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入口には看板が出ていますが、ここから扇形庫は見えません。わかりにくいところで、GoogleMap のストリートビューで見当を付けてきましたが、ママに連れられた坊やが入っていくので正解でしょう。あとからついていくと、58型蒸気機関車の動輪を使った看板が出ています。重量貨物機で、3気筒ですね。
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入場券売り場があり、その先には煉瓦造りの扇形庫。
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側面には、18型と22型蒸気機関車の動輪も。
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表に回ると扇形庫の扉が開き、ターンテーブルに向かって機関車が並んでいて、子供連れを中心に、そこそこ賑わっています。
それでは、向かって右から順番に1両ずつ見ていきましょう。車両を説明する看板はありませんが、ホームページに主要目が出ています。ドイツ語に加えて、珍しく英語の記述も。 -
ドイツを代表する急行用旅客機01型、軸配置2C1のパシフィック。出力2240PS、速度130km/h。
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直径2mの赤いスポーク動輪が格好いいですね。
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この01型137号機は、1935年のヘンシェル製。1981年から博物館の所属となり、東ドイツ国鉄DRが動態保存してきた普通のデフを装備する原型。キャブには、ナンバープレートとともにDeutsche Reichsbahn ドイツ帝国鉄道の文字が輝いています。
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東西ドイツ併合前の1988年、オリエント急行が日本に来たとき、東西ドイツ国境のマリエンボルンから首都の東ベルリンまで、パリ発香港経由東京行きの青いオリエント急行の客車を01型が重連で牽引していますが、その時に先頭に立った機関車だとか。
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キャブの中。右側通行のドイツでは、日本の蒸気機関車とは逆に機関士席は右側に。
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左側に機関助士席。
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ターンテーブルに乗っている62型は、旅客列車用タンク機関車。日本の国鉄のタンク機関車と違って、水のタンクをボイラの横に持たず、キャブの後ろに設置しています。
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62型015号機は、ドイツに唯一残る62型で1929年のヘンシェル製。
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動輪経は1750mm、軸配置は2C2で、偶然とはいえ日本で最大の旅客用機関車、C62と同じですね。出力1680PS、速度100km/hもほぼ同等。
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ちょっと古そうに見える急行用旅客機19型は、1922年のハルトマン製。ドイツ帝国成立後も、第一次世界大戦までは以前の王国の鉄道として運営され、19型017号機はザクセン王国の国鉄である王立ザクセン邦有鉄道の207号機としてデビューしたのだとか。
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4つの1905mmの大きな動輪を持つ軸配置2D1、台枠の内部にも2気筒を有する合計4気筒の機関車で、ドイツに残る唯一の19型。出力2100PS、速度120km/h。
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扇形庫に頭から突っ込んでいるためか、外部に姿を見せていない52型。動輪が5軸、軸配置1Eの貨物機。第二次世界大戦中の戦時設計の貨物用は、日本のD52に相当します。出力1600PS、速度80km/h。
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動輪径は、日本のD51やD52と同じ1400mmですが、小さく見えるのは車体が大きいからでしょう。
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この52.80型8079号機は、1960年代に東ドイツで52型をベースにした200両の改良型のうちの1両。博物館のホームページに掲載されていないので、所有者が異なるのかもしれません。
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下部が丸くなった船底型のテンダが52型の特徴。
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古風な89.60型は1902年のフンボルト製、プロイセンT3型。古いだけに出力は小さく、290PSで速度は40km/h。
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軸配置はCで、動輪径や出力のデータがなく不明です。
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日本の蒸気機関車は型式の10の位が5以上がテンダ機関車、4以下がタンク機関車に分類。ドイツの蒸気機関車は日本とは逆に1桁目が0から5まではテンダ機関車、6から9がタンク機関車です。89.60型はタンク機関車にあとから改造でテンダを連結したものの、改番はされなかったのだとか。
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03型蒸気機関車は、01型を軽量化して軸重を18トンに抑えた急行旅客機。トップナンバー03 001号機は1930年のボルジッヒ製。出力1900PS、速度120km/h。
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軸配置は01型と同じ2C1のパシフィックながら、動輪径は1905mmを採用。
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庫外に、切り離されたテンダーだけがシートをかぶって置かれています。
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軸配置2Cの大型模型が1両だけ、扇形庫内でガラスケースに収められています。プロイセンS10型、後の17型と思われます。
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E77型電気機関車は、1BB1の軸配置に3車体連接構造。この日は、博物館の機関車による運行のデモンストレーションとして、定期の貨物列車を牽引する一仕事を終え、機関区に戻ってきたところです。偶然に途中駅で通過するE77型を見かけたのですが、寄る年波で長い貨物列車の単機牽引は無理があるのか、新型の電気機関車と重連で前補機を務めていました。
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1925年のクラウス製。AC15kV16.67Hz、出力1600kW、速度65km/h。両端の車体に運転台と1台ずつのモーターを収容し、先輪と動輪の間にある減速ギヤからロッドで2軸を駆動。中間の車体には補機類を搭載していると思われます。
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架線のないターンテーブル周辺では自走できないため、青いディーゼルの入れ替え機の助けを借りて移動。
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E77型電気機関車の入れ替えをしていた、青いB型ロッド式のV15型液体式ディーゼル機関車は、1959年の東ドイツ製。出力150PS、速度30km/h。この機関車は、有料で運転台に入場客を乗せ、隣の操車場内まで遊覧走行するアトラクションも行っていました。
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黄色いB型のロッド式、V23型液体式ディーゼル機関車は、1970年の東ドイツ製。出力220PS、速度40km/h。青いV15型より新しいだけに性能が向上しています。しかし、何故か102 188-0 と100番台の電気機関車のようなナンバーを付けています。
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高さ2.7mの背の低いディーゼル機関車。車体には8と記入されていますが、型式はN4だそうで、入れ換え用でしょう。1955年の東ドイツ製、2軸のB型。変速機は機械式だとか。出力90PS、速度30km/h。
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無火の蒸気機関車の移動に従事している、長さ3.1mの2軸、B型のASF1。エンジン音がしないのでバッテリー駆動の電気車でしょう。1984年製と意外と新しく、連続出力5.5kW、最大出力8.5kW、速度6km/h。
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扇形庫内にもう1両、バッファーの長い色違いがいます。
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扇形庫内に1両と庫外に1両のボギー客車がいます。これらは、ホームページの車両リストには掲載されていませんが、東ドイツで活躍した客車でしょう。中国の緑皮車と同じ、共産圏の標準色?
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屋外の客車は屋根が深いので、寝台車かと思われます。
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3軸の客車が1両と2軸の客車が2両。いずれも、ドイツ帝国鉄道時代の2等車を、路線の建設やメンテナンスを行う職員の宿泊車として改造したもの。
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2軸車は1928年製と1929年製。ホイールベースが長いですね。
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オープンデッキの2軸客車には、衛星放送のアンテナが。
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クレーン車がいます。EDK6M型電気式旋回クレーンで、1958年の東ドイツ製。ディーゼル発電機による電気推進で自走できるのでしょうか、エンジン出力45.6kW、速度3.6km/h。
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その他、車両リストにはない貨車も数両。こちらは大型の2軸有蓋車。
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ボギー台車を履いた貨車も。
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機関庫内では、記念品やお土産の売店も出ています。
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Nゲージの模型には、日本製でしょうか、KATOの製品も並んでいます。
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簡単な食事のできるコーナーも。
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博物館と隣の操車場との間は、簡単な金網で隔てられています。
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横の本線を走る赤いDBの車両は、わずか2両の2階建て客車と電気機関車のプッシュプルのSバーン、
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部分低床の電車や、
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ディーゼルカーの普通列車レギオナルバーン、
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私鉄か第三セクターの色違いのディーゼルカーなど。ICやICEは通らないものの、京都梅小路のような雰囲気です。
ドレスデン・アルシュタット機関区鉄道博物館のホームページは、
https://www.igbwdresdenaltstadt.de/
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