2018/04/28 - 2018/04/28
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モボ101さん
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ドイツ博物館は南ドイツの中心都市、ミュンヘンにある科学技術の博物館。旧市街の東側を流れるイザール川の中州に建つ本館のほか、旧市街の西側に交通センター分館、ミュンヘン市の北西近郊の街シュライスハイムに航空館、かつての西ドイツの首都ボンにボン・ドイツ博物館があります。
2018年のゴールデンウイークに訪問したのは、交通センター分館 Deutsches Museum Verkehrszentrum。ミュンヘン中央駅に近く、地下鉄UバーンのU4またはU5系統で2駅目の Schwanthalerhöhe で下車。午後の列車でイタリアに向かう前に立ち寄りました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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博物館は3つの建物に分かれ、それぞれのテーマは“都市交通”、“旅行”、“乗り物と技術”です。大型の蒸気機関車やドイツの新幹線ICEから子供用のスケーターまで、500台に及ぶ陸上交通のコレクションがあります。
入場券を買って入ったところがホール1。主に20世紀のはじめ頃から近年までの都市の乗り物。路面電車やバスなどのさまざまな公共交通機関と、自転車から自動車まで、多くの車両が入り交じって一緒に展示されています。主な展示品をご紹介しましょう。ドイツ博物館 交通センター 博物館・美術館・ギャラリー
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最初に出迎えてくれるのは標準軌のB型のタンク機関車、LANDWÜHRDEN号。ホール1のテーマ、“都市交通”には場違いな、1866年にミュンヘンで製造され、ドイツ北西部、グランド・デュカル・オルデンブルク州立鉄道で1900年まで旅客列車を牽引した、ドイツで最も古い蒸気機関車のうちの一両。
ここはホール2の入り口にも近いところ。そのテーマ、“旅行”に関連する展示なのかもしれません。 -
続いて、都市交通そのものの路面電車。
緑とクリームに塗り分けた2軸車は、ニュルンベルクのトラムA80号。車体はMAN、電気品はSiemensが1926年に製造。出力50kW×2。 -
車内は木製でロングシート。
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ダブルルーフの古風な車体に、窓と正面上の方向幕と系統板だけが近代的でアンバランスなミュンヘンのF型トラム642号。1930年製だけど、戦後に車体更新車が行われた結果で、オリジナルの窓は上のニュルンベルク車のような構造でしょう。
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ボギー台車は車輪径の異なるマキシマムトラックで、出力40kW×2。ローラーベアリングやレールを押さえるブレーキ等もオリジナルではないような。
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車内は木製のままで、図面ではデッキ寄りの窓1つがロングシートで、中央部は通路の両側が4人と2人のボックスシートになっているものの、現物はオールロングシート。
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378号は、デュワグ社が1950年に戦災を受けた戦前製のトラムの台枠等を流用して製造した2軸車。出力75kW×2で最高速度60km/h。戦後の復興期に西ドイツの各地に供給された標準型です。日本の2軸車に比べ出力が大きく、モータの無い付随車を牽引。日本では広島電鉄がハノーファーのトラムから譲渡された同型が現役です。
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曲面ガラスで近代的なスタイルになったミュンヘンのM型トラム2443号は1957年製。片運転台で片側扉の3軸車。動軸は2軸で、出力100kW×2。
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脱線した車両を線路に戻す様子か、クレーン車で吊り上げている状態のユニークな展示。
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ミュンヘンの地下鉄UバーンA型6092号。新しい地下鉄の3つのプロトタイプ車両の1つで1967年製のアルミ車体。出力180kW×4、最高速度80km/h。2006年まで運行。
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車内はボックスシート。ヨーロッパの地下鉄はこれが標準です。
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ミュンヘンの地下鉄Uバーンの新型車C型のモックアップ。内装の比較検討のためか、中央のプラグドアの前後で4人のボックスシートと、同じシートを窓を背に並べたロングシート。
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シートの材質も木製と金属製で表面がモケット張りの2種類。量産車には後者が採用されています。車内は奥行きがあるように見えるけど、ボックスシートの後ろの壁面は写真で構成。
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1972年のミュンヘンオリンピックに合わせて開業した、ドイツ鉄道DBのSバーンに導入された4扉のボギー車420型。青と灰色のミュンヘン独自カラー。
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車内はボックスシート。1ユニット3両編成で出力2400kW、最高速度120km/h。現在のSバーンは、赤いDB標準色の3扉の短い車体で、4車体連接車に世代交代。
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リベットで組み立てた車体は、1927年から1933年にベルリンのSバーンに導入された165型。最高速度80km/h。
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第三軌条集電で、板台枠の台車は軸バネも板バネ。ローラーベアリングは後年の改造でしょう。1989年のベルリンの壁崩壊時点でも、東西ベルリンのSバーンにまだこの型の現役車が残っていたとか。
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内装は木製でボックスシート。非貫通式のため、運転台の無い側の車端部には車体幅いっぱいのシート。
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ベルリンの壁崩壊をまたいで、1987年から1992に東ドイツ国鉄が東ベルリンのSバーンに投入した485型。カットモデルの達磨さんになって展示。
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マン社製のバスが2台。左はミュンヘンの市バス。
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これもバスでしょう。車体の構造は馬車に近いですね。荷物は屋根上へ。
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数多くのクラシックカー。
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時代の
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変遷。
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バイクも、
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一緒に展示。
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三輪トラックや、
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道路掃除用なのか、三輪車のスイーパー。後部に乗せているのは水タンクでしょう。1920年代のクルマだそうです。
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混合ガソリンで動く2サイクルのエンジンを搭載し、車体が紙でできているといわれた東ドイツの国民車トラバント。
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西ドイツを代表するフォルクスワーゲン、カブトムシのタクシー。
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時代が新しくなり、ハイブリッド車や、
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BMWの燃料電池車。
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電気自動車EVも。
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エンジン付きの4輪や3輪自転車。ハンドルの前の座席に乗客を乗せるバイクタクシーでしょうか。
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馬車。
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このタンク車も牽引するのは馬でしょうか。
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初期の自転車から、
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こんな三輪自転車も。
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水素ボンベを積んだ燃料電池電動アシスト自転車の試作車は、1回の充填で100kmのアシストができるとか。
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荷車から乳母車まで、街中で使う車両なら何でも。
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実物以外に大型模型も。2軸のポール電車は客室と荷物室の合造車。二階建ての蒸機動車は初めて見ました。
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続いてホール2へ移動。
ホール2では“旅行”をテーマに、陸上における移動手段の開発を展示しています。
緑色で軸配置は2C1のパシフィック型、ミュンヘンの機関車工場で1912年に製造されたロイヤル・バイエルン鉄道のS3/6型は、4気筒の急行旅客列車牽引機。急行列車“ラインゴルド”も牽引。出力1770hp、最高速度120km/h。 -
ドイツの新幹線ICEで、最初に開発された動力集中式の電気機関車の試作車。1985年製で、ICEの試験に供された車両。連結器カバーの上にヘッドライトのあるデザインは、後に実用化された短い編成で片側に動力車、他端には制御客車の第二世代ICE2と同じデザイン。
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現在運行中のICE1やICE2とは、側面のICEのロゴと表示位置が違い、赤い帯が正面の連結器カバーに回り込んでいないところも異なります。ICEの動力車の連結面は初めて見ました。
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三線式のレールの内側に乗っているメーターゲージの電気機関車は、氷河急行を運行するスイスのレーテッシュ鉄道Ge6/6Ⅰ型。アルブラ線の電化に合わせて1919年から1929年までに15両製造されたうちの1両で。411号機は1925年製。
スイス国鉄がゴッタルド峠で使用していたクロコダイルと同様の形状をしていることから、レーテッシュ・クロコダイルとよばれ、CCの軸配置で前後2基のモーターから3軸ずつをロッド式で駆動する方式。連続定格出力730kW、最高速度55km/h。 -
レーテッシュ・クロコダイルに連結しているのは、レーテッシュ鉄道の1等客車。
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1930年製のコンパートメントタイプで、クール-サンモリッツ間の急行列車に連結されたのだとか。
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標準軌の食堂車1048号は1929年製。ドイツやオーストリア・ハンガリー帝国鉄道が1916年に設立したMitirpa社が75両の食堂車を所有して、各鉄道会社で運行していたなかで、新しい方のグループに属する車両。その後1048号は、西ドイツ国鉄で1969年まで運行されていたのだとか。
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ダブルルーフの客車は1933年製の郵便車。
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車体側面に郵便物の投函口があり、車内で仕分け作業を行う等、日本の郵政省が所有して国鉄で運行していた郵便車と同じですね。
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13685号は1905年製で15トン積みの2軸有蓋貨車。乗務員室なのか、車端部に狭い部屋を階段を上がった高い所に設置しているのは、屋根越しに貨物列車全体の編成を見渡すためでしょうか。
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ケーブルカーのような1000分の480、世界一の急こう配をラックレールで上り下りするスイスのピラタス鉄道。1889年の開業時の車両は勾配に対応できるよう、ボイラを枕木方向に配置した蒸機動車でした。出力54kW、速度4.4km/hは人が歩くのと同じ。1937年に電化されてスピードアップし、今は電車が運行しています。
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腕木式をはじめとする各種鉄道用信号機。
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丸いモノコックボデー、フロントエンジンキャブオーバーのバス。ホール1が市内の路線バスなら、ホール2は長距離バスでしょう。
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クルマやバイクもたくさん並んでいます。テーマが“旅行”だから、アウトバーンを走るのでしょう。
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カブトムシ、
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アメ車、
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チェコのタトラ、
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この三輪車は世界恐慌時の1931年に、単気筒エンジンを搭載して安価にまとめた、運転免許不要のクルマだとか。最高速度45km/h。
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車外にガス発生装置を装備した木炭車。第二次世界大戦前の1938年製で最高速度70km/h。
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木炭車の後部はこんな姿。
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現在のオーストリアのリンツとチェコのチェスケーブデヨビツェの間で、1832年に運行を始めた鉄道馬車。2頭立ての馬車に乗客定員11人。
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こちらは道路を走る馬車。速度は変わらないものの、当時の凸凹道では鉄道馬車の方が乗り心地は良かったとか。馬車の前にある大きな車輪は三輪自転車。
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ホール2の2階から渡り廊下を通ってホール3へ。子供が乗るおもちゃのクルマも展示されています。
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ホール3では“乗り物と技術”をテーマに、19世紀から20世紀に車両の分野で速度や移動距離、輸送能力を拡大していった技術革新を展示しています。
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ホール3を2階から見下ろすと、モータースポーツの名車から、
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実用的な車まで。
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ホール3の2階の廊下の下に展示されていた“パッフィンビリー”。英国で旅客列車を牽いた、スチーブンソンのロケット号から遡ること15年。1814年にウィリアムヘドリーが製作した最初の実用的な蒸気機関車で、1864年まで炭鉱の貨物鉄道で使用されたものを1906年に再現したレプリカ。2気筒で出力18kW、最高速度10km/h。
ドイツ博物館交通センター分館のホームページは、https://www.deutsches-museum.de/
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