2020/11/21 - 2020/11/23
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2020/11/21
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秋の京都を巡る旅の1stステージは京都御所からスタートしました。
広い敷地にあるさまざまな門や内裏を廻りながら、長い間日本の都であった平安京の悠久の歴史を肌で感じ、学生の頃苦手で仕方がなかった源氏物語のことを思い出すこととなりました。
お次の迎賓館のツアーガイドの予約時間は14時。そろそろ時間なので向かうことにしましょう…
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
-
※第1幕(京都御所)の旅行記はこちらから↓
https://4travel.jp/travelogue/11664633
京都御所の後は、事前に申し込んであった京都迎賓館ツアーです。入口で予約確認をし、検温と消毒。注意事項の説明を受け、敷地内へと入ります。京都迎賓館 名所・史跡
-
京都迎賓館は、海外からの賓客を招き日本文化でおもてなしすることで、双方の友好と親睦を深めることを目的として2005年に建設されました。どう見ても改修とかを重ねつつ1000年くらい経ってるんじゃないかというくらいの風格なんですけど(笑)
来場者は、この先にある地下駐車場まで行き、空港の保安検査と同じような検査を受け、チケットを買い、大きな荷物を預けて待合用の椅子に座りながら、ツアーが始まるのを待ちます。(駐車場内はセキュリティーのため撮影禁止です。)
まずは空港さながらの保安検査を受けます。身の回りの貴金属類を外してトレーに預けます。
僕「ベルトも外した方がいいですか?」
係「いえ、ベルトは大丈夫ですよ!」
僕「あ、そうですか(いや、絶対引っ掛かるだろ…)」
俺氏、保安ゲートを潜り抜ける。
ゲート『ピーーーーーーーーーーーー!!!』
僕「(ほーーらwwwww)」
係「すみません、ちょっとこちらで手を上げていただいていいですか?」
俺氏、表情を変えず指示に従い両手を伸ばす。係員、手持ちサイズの金属探知機をかざすも反応がない。
係「すみません、たまに誤作動があるもので(笑)」
いいのかよこれで(笑) -
時間になると、係員の方から見学に際しての説明を受けます。また一人ひとりに受信機付きイアホンが配布され、ガイドの方から多少距離が離れてても声が聞こえる仕組みになっています。説明の後は地下駐車場から地上に出て、正面玄関の隣にあるロッカーに靴を預けスリッパに履き替え、見学がスタート。
予約メールに記載がありましたが、見学に際し注意点がいくつもあります。場違いな服装はいかん、ラリった状態で来るべからず、といった基本的なものから、①館内でメモやスケッチを取っちゃダメ、②飲食不可、③携帯通話は不可、④動画撮影や自撮り棒など撮影補助器具を使っちゃダメ、など少し注意しなきゃいけない項目も多いので、見学する際は十分注意しましょうね。
あと見学コースが始まったらトイレに行かれないので始まる前に行くのを忘れずに。 -
最初に正面玄関から廊下を右に曲がります。
この木のぬくもりがあり清潔でシンプルかつスタイリッシュな廊下が、既に気品に満ち溢れています。
ただ歩いているだけなのに、ピシッとしなければと背筋が立つような思いにさせます。 -
まず最初に案内されたのが夕映えの間(ゆうばえのま)。
大臣の会合や、晩餐会の待合用の部屋として使われます。
大きな部屋の両側には、「比叡月映(ひえいげつえい)」、「愛宕夕照(あたごゆうしょう)」の名の2種類のつづれ織りの織物が飾られています。
こちらの絵は愛宕夕照。京都の西にある愛宕山に夕陽が没む様子を描いたものです。 -
反対にあるこちらの絵が比叡月英。京都の東にある比叡山を月が照らす様子が描かれています。
この「綴織(つづれおり)」という技法。西陣織に見られる技法の1つで、簡単に言うと横糸だけで文様を表すものを指します。色のついた糸を一本一本爪先で織り込むので、完成までに非常に時間を要します。
とても言葉では表せないほどの完成度の高さに、「感動」や「素晴らしい」という感嘆の感情を通り越して「無」になってしまいました。 -
回廊から見る庭園。
水田を表す、1年中緑色をしているネビキグサが植えられています。 -
お次は藤の間。ここでは、晩餐会や歓迎式典が行われる場所であり、迎賓館の中でも最も広い部屋です。
藤の花言葉は「歓迎」。まさしく、迎賓館を象徴する部屋です。 -
格子光天井という天井。
和凧をイメージしたこの天井は、3段の笠になっており、およそ15種類の高さに調節できます。 -
実際はもっと規模が大きいのでしょうが、晩餐会のテーブルがセッティングしてあります。
きっとごっつい立派なフレンチが出てくるんでしょうなぁ~ -
藤の間に飾られているこの大きな絵は、日本画家の鹿見喜陌氏の下絵を元に、綴織の技法で織り込まれたものです。
さまざまな日本の草花が描かれており、特に上から藤の花が描かれているのが印象的です。 -
藤の間には伝統芸能を披露するための舞台が設置されており、その舞台扉には截金(きりかね)と呼ばれる伝統技法で文様が描かれています。
截金とは、金、銀、プラチナ箔を細かく切ったものを筆や接着剤を用いて貼りながら文様を編み出していく技法のことで、「響流光韻(こうるこういん)」という名のこの作品は、2本の線が交じり合うように人と人との繋がりもこうでありたいという願いが込められています。
(人間国宝・江里佐代子氏の作品) -
間仕切りとして使われる几帳(きちょう)には、漆や京織物、組紐などのこれまた伝統技能が使われています。
こういう細かなところにも丁寧に文様が描かれているところに、日本の職人魂を感じます。 -
それから天井の照明ですが、本美濃和紙と京指物を組み合わせた作りになっています。
京指物とは、木と木を組み合わせてさまざまな調度品を作る京都の伝統ある木工芸のことです。 -
廊下にあるこの照明も京指物です。藤の間の天井の照明とはまるで形が異なります。
京指物は木の組み合わせ方が何通りもあるので、このような独創的なものを生み出せるわけですね。
では、次のお部屋へ。 -
続いては、桐の間。先ほどの藤の間では洋食のメニューでの晩餐会が行われますが、こちらでは来賓に京料理で和食のおもてなしをします。
この廊下の外が庭園となっており、写真では伝わりませんが今日みたいに天気のいい日ですと、揺れる池の水面が影となって障子に映ります。 -
桐の間の全景。
ひろーーーーーーーーーい。 -
桐の間に使われている畳の見本。
中継ぎ表と呼ばれる伝統技法を用いており、い草のめっちゃんこいい部分しか使っていない高級畳です。 -
当然海外の来賓は正座に慣れていない方が多いので、そんな方でも楽に過ごしてもらえるように、テーブルの下は掘りごたつ式になっています。
そして特筆すべきはこのテーブル。全長なんと12メートルのこのテーブルは漆の一枚仕上げとなっており、ピッカピカのピッカピカに磨き上げきられております。
この上にケチャップやカレーをこぼすことは断じて許されません。 -
桐の間というだけあり、至るところに五七の桐が描かれています。この欄間にも。
-
そして座椅子にも蒔絵の桐が。
この部屋にはいくつも座椅子が並んでいますが、1つとして同じ文様の桐はありません。
五七の桐は、日本国政府の紋章ですね。 -
最大24人まで着席可能なこの部屋。
空間、調度品、料理と多くの珠玉の和の伝統に囲まれながら過ごす時間は、必ずや究極の贅沢を堪能することができるに違いありません。 -
お次は、庭園にかかる橋を渡りながら外の景色を眺めます。
-
おやおや、橋の屋根の上に蝶の彫刻が。
これは職人の遊び心で、揺れる池の水面の影が映るとまるで蝶が生きているように見える仕掛けなんです。
特に今日は晴れた日なのでそれがよく分かります。
憎い演出だなぁ~ -
まるで平安貴族の屋敷にいるような趣。
-
季節が秋真っ盛りだけあって、とても色彩豊かな美しい光景です。松など年中緑色の植物もあるので、それがいいアクセントになっています。
季節によって庭園の装いも変わるとのこと。
この景色を見た外国の来賓たちは、どのように感じるのでしょうか。 -
錦鯉も泳いでいます。
よく日本庭園の池にも鯉はいますけど、ここの錦鯉は見るからに格が違う… -
反対側にはとんぼの彫刻。
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池には舟遊び用の舟があります。もうここまでくりゃ平安貴族そのものですね。京都迎賓館は現代の貴族屋敷なのかもしれません。
通常舟の造りというのは、底に向かって船体の側面が曲線状になっていますが、この舟の底は真っ平になっています。
庭園の池自体水深が浅いため、それを考慮した形になっているとのことです。
2011年にブータン国王夫妻が来訪された際には、実際にこの舟に乗って舟遊びを嗜まれたそうです。 -
再び最初の正面玄関へ。
来賓客が訪問する際は、左奥の門が開いてこの玄関の前まで車がやってきます。 -
この正面玄関の木の扉ですが、福井県産の樹齢700年の欅の一枚板を使用しています。(おぉぉぉ…)
来賓を迎える際は、玄関を入ったところに、その時の来賓の好みや出身国のイメージに合わせた生花を飾っておもてなしをします。 -
最後は聚楽の間。
晩餐会や大臣会合の前に、ゲストや随行員が待機する場所として使われます。
この椅子は安楽椅子といい、京指物の技法で組み立てたもので、西陣織の生地を使っています。 -
飾り台には、漆や螺鈿細工などの細かい文様が綺麗に描かれています。
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釘隠しとして装飾される錺金物(かざりかなもの)も工夫が施されていて、このように輪の形(千代結び)にすることで、人と人との結びつきと世界平和の輪が実現できるよう願いが込められています。
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待合椅子の目線の先には絵画が飾ってあり、ゲストが待っている間も目で楽しんでもらおうという趣向です。
僕は絵はさっぱり分からんけどきっと名のある絵画なんでしょうね。 -
これにて迎賓館見学は終了。駐車場に戻り、イアホンを返却します。
もう何もかもが圧倒的でした。本当に至るところに、壁や天井、照明などなかなか目が行き届きにくいところまで、日本の超一流の伝統技法が凝らされていて、来賓のゲストを心からもてなそうという心意気を五感で感じ取りました。
博物館や、お寺や神社の宝物館にも昔のさまざまな技法を用いた調度品、美術品が展示されており、一度告知をすれば上野の博物館のように「お前ら本当に興味あるのか(笑)」と言わんばかりの大行列ができ、注目を集めがちです。
しかしそれらに見られる技法というのは決して昔のものではなく、現代に確実に受け継がれている生きた技術です。京都迎賓館にある全ての調度品の数々は「展示品」ではなく、それぞれが役割や意味を持つ現役選手たちであり、1つ1つに生命力を感じました。
こうした現代に続く伝統技法に、もっとスポットが当てられるべきなのではないかと思います。
京都迎賓館、本当におすすめです。
あまりにも全てが素晴らしすぎていつもみたいに文章でボケをかます隙すらなかったわ(笑)
〈京都迎賓館HP〉
https://www.geihinkan.go.jp/kyoto/ -
迎賓館見学の後は京都駅まで戻り、荷物をピックアップしてバスでホテルまで向かいます。
京都駅 駅
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西洞院六条で下車し、昔ながらの町家が並ぶ小径を通り抜けて本日のお宿、オリエンタルホテル京都六条へ。なんかオシャレ~
部屋に入ったら黒いスーツケースが置いてあって、一瞬サンタさんからのプレゼントかと思いましたが、付いてあるタグを見てみたら全然別の人の名前が。おそらく荷物お届けサービスで届いて間違えて我々の部屋に係の人が置いてしまったのでしょう(笑)
直ちにフロントに「回収してちょ!」と電話して引き取ってもらいました。
…それともこちらが誤った部屋に通されてしまったのか・・・
(そんなことはありませんでしたw)
まあともあれ、少し休憩して夕食に出掛けましょう。オリエンタルホテル京都 六条 宿・ホテル
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夕食は先斗町にあるTAMANOHIKARI 東山望へ。
四条河原町が渋滞してたり人手が多すぎて時間がかかってしまいましたが、何とか予約の時間に間に合いました。先斗町 TAMANOHIKARI 東山望 グルメ・レストラン
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ここでは京料理をカジュアルにいただくことができます。
東山望懐石【葵】コースの前菜。
鴨肉や、いちじくをチーズで挟んだもの、赤こんにゃく。
よくできてるなぁ~ -
お造り。
鯛はイキが良く、マグロは脂が乗ってる。 -
湯豆腐。
京都といったらこれですね。 -
鰆の西京焼き。
身が柔らかい。 -
天ぷら盛り合わせ。
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鱧の酢和え。
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ご飯と赤だし。ちりめんじゃこ付きで。
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デザートはわらび餅。
満遍なくいろいろな料理を味わえて美味しゅうございました。
先斗町は狭く人で混み合っていますが、このお店は感染対策がしっかりしているのはもちろんのこと、他のお客さんもお酒でガヤガヤすることがなかったので、静かに落ち着いて食事を摂ることができました。 -
夜の先斗町。
狭い路地にいろいろな店がひしめき合っています。
どこも美味しそうだな。先斗町 名所・史跡
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鴨川の対岸にはライトアップされた南座。
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レトロな建物で有名な東華菜館本店。
ここもねー、いつか行ってみたいんですよねー。
この後はホテルに戻り、1日目の予定は全て終了。
普段なかなか見ることができないものに触れることができ、満足の行く日となりました。
明日は寺社を廻りがっつり紅葉めぐりをします。
ではまた明日ノシ
ー 〈第2幕〉【1日目:京都迎賓館編】 了 ー
⇛〈第3幕〉【2日目︰大徳寺編】へ続く
https://4travel.jp/travelogue/11669173東華菜館 本店 グルメ・レストラン
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