桜橋と極楽洞－2020年秋

2020/10/25 - 2020/10/25

　極楽洞は明治40年（1907年）に竣工した江ノ島電鉄（江ノ電）の煉瓦造りのトンネルで、その長さは209mである。御霊神社（鎌倉権五郎神社）と極楽寺前に架かる桜橋手前までの間にある江ノ電（鎌倉ー藤沢間）唯一のトンネルである。
　ここ桜橋側には「極楽洞」の名前が表示されており、まるで天国にでもあるような洞窟の名前になっているが、ここの地名が極楽寺であることから付けられた名前である。一方、御霊神社（鎌倉権五郎神社）側の入口は坂ノ下にあり、こちら側には「千歳開道」と表示されている。町名が違うとトンネルの名前も違っていたとは、さすがに最古級の鉄道トンネルである。
　この線路と並行する道路は舗装路ではあるが、かつての極楽寺坂切通である。この辺りでは海岸側にある山地も急な山道ばかりで、宅地の奥に線路を通す際にトンネルとなったことは納得できることである。
　平成22年（2010年）に鎌倉市の景観重要建築物、平成26年（2014年）には土木学会選奨土木遺産に指定されている。
　江ノ電は15分間隔で運転されており、単線であることから、ここ極楽洞には桜橋の上で待っていれば何分かで上りか下りの江ノ電電車が通る。隣の長谷駅で上下の電車がすれ違いで交換されている。したがって、10分も待たなくてもどこにでも載っている極楽洞と江ノ電電車の写真は撮れる。今日も多くの人たちが橋上でカメラを構えている。私はプレートの写真を撮って駅に急いだ。
（表紙写真は桜橋から見た極楽洞）

エリア 鎌倉(神奈川)

桜橋。

「極楽洞」。

「土木学會選奨土木遺産」。「選奨」は江ノ電のホームページ（https://www.enoden.co.jp/train/museum/facilities/）では「選定」となっている。

「江ノ島電鉄（極楽洞・千歳開道）」。
御霊神社（鎌倉権五郎神社）側には「千歳開道」、桜橋側には「極楽洞」と表示されている。

桜橋橋上で待つカメラマンたち。
御霊神社（鎌倉権五郎神社）の鳥居辺りにも多くのカメラマンがいた。

桜橋から見た極楽洞。

桜橋に並行して水道橋。

水道橋と桜橋。