フィレンツェ芸術巡り②メディチ家礼拝堂

2019/03/06 - 2019/03/11

フィレンツェツアーに参加した記録です。アカデミア美術館、メディチ家礼拝堂、ピッティ宮殿、サンジョバンニ礼拝堂、ジョットの鐘楼、ドゥオーモ、ヴェッキオ宮殿、ウフィツィ美術館、バルジェロ美術館、サンタマリアノヴェッラ教会とまわりました。

エリア フィレンツェ(イタリア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 5.0

• 交通手段: 徒歩
• 航空会社: スイスインターナショナルエアラインズ

アカデミア美術館から徒歩で「メディチ家礼拝堂」へと向かいます。フィレンツェはコンパクトな街で、徒歩での観光が可能です。

サン ロレンツォ教会 寺院・教会

この聖堂はコジモ・デ・メディチ（「老コジモ」や「祖国の父」と呼ばれ、メディチ家やルネサンス文化の発展に寄与）が埋葬されて以来、メディチ家代々の菩提寺（埋葬の場）となります。レンガむき出しのファサードで「何これ？」って感じですが、設計者のブルネレスキが途中で死去したため、未完のまま終わってしまったのです。後にミケランジェロ設計による再建計画も立てられましたが、実現しませんでした。

素朴な外観ですが、中身は静謐で優雅な礼拝堂だそうです。（時間の都合で、入らなかった）

この辺りでジプシー少女の署名スリが「エクスキューズミー！」と言って近づいてきたので逃げました。

ここを右手にぐるっと回ると礼拝堂にたどり着きます。

つきました！「メディチ家礼拝堂」です。

メディチ家礼拝堂 寺院・教会

メディチ家とは15世紀からフィレンツェに君臨した一族で、銀行業から身を起こし、フィレンツェの経済的発展に寄与しました。後には「トスカーナ大公」として本物の領主となり、さらにはフランス王妃まで輩出する欧州屈指の名家となります。
また文化・教養・芸術への理解も深く、ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロらのパトロンとなりました。ルネサンス芸術の隆盛はメディチ家抜きでは考えられなかったと言われます。

さっそく入場していきたいと思います。

入り口にはメディチ家の紋章が見えます。

君主の礼拝堂

２階に上がると礼拝堂があります。すごい。君主の礼拝堂は歴代トスカーナ大公の墓所となります。

天井画も立派なものです。礼拝堂が八角形になっていることがよくわかりますねえ。

君主の礼拝堂

君主の礼拝堂

君主の礼拝堂

君主の礼拝堂

巨大な棺の上にはブロンズの像がのっています。

巨大な棺の上にはブロンズの像がのっています。

とにかく床から壁から、大理石や高価な石で埋め尽くされていますね。床にもメディチ家の紋章が。

君主の礼拝堂

君主の礼拝堂

君主の礼拝堂

君主の礼拝堂

君主の礼拝堂

アンナ・マリア・ルイーザ・デ・メディチの像

1階入口付近には美しい女性の像です。まるで観音様だ。
この人は「最後のメディチ」と言われるアンナ・マリア・ルイーザ・デ・メディチ。

アンナ・マリア・ルイーザ・デ・メディチの像

18世紀にメディチ家がトスカーナ大公の座をハプスブルグ＝ロートリンゲン家のフランツ・シュテファン（マリア・テレジアの夫、マリー・アントワネットの父）に譲り渡した時の、最後の当主です。
彼女は子宝に恵まれず、またその兄弟にも後継ぎがいなかったため、メディチ家直系がここで断絶してしまったのです。350年に渡るメディチ家のフィレンツェ支配が終わりを告げた瞬間でした。

アンナ・マリア・ルイーザ・デ・メディチの像

しかし彼女は遺言として「家族の協定（パット・デ・ファミーリア）」を残します。これが偉大な決断だったのです。

「私が亡き後、メディチ家の財産は全て新トスカーナ大公に譲ります。ただしこれらの絵、彫刻、書物、宝石その他の貴重なものは、フィレンツェ市民の財産であり、トスカーナ公国に利益をもたらすものであるから、領地より持ち出してはいけません。国民でも外国人でも、誰もがそれを見て称賛できる状態にとどめ置かなければなりません」

アンナ・マリア・ルイーザ・デ・メディチの像

彼女のこの遺言のおかげで、ルネサンス芸術の至宝がフィレンツェから散逸せずに、現在私たちが目にできるわけです。

新聖具室・ウルビーノ公ロレンツォの墓碑

新聖具室はミケランジェロが設計と装飾を手がけた、小さな霊廟です。

新聖具室・ウルビーノ公ロレンツォの墓碑

「瞑想的生」を表現しているみたいです。

新聖具室・ウルビーノ公ロレンツォの墓碑

ウルビーノ公ロレンツォ・デ・メディチ。ミケはこの像に「思索」という題名を与えています。表情はよく見えませんが、うつむきかげんで物思いに沈んだ感じです。ロレンツォと言っても、著名なロレンツォ豪華王ではなく、その孫ですね。西欧の名前のバリエーションの少なさには混乱します。彼はマキャベリが「君主論」を進呈した人物として知られます。

新聖具室・ウルビーノ公ロレンツォの墓碑

ロレンツォの像の前には男女の寓意像があります。
男性の方が「黄昏（夕暮）」です。

新聖具室・ウルビーノ公ロレンツォの墓碑

女性の方が「曙」です。

新聖具室・ウルビーノ公ロレンツォの墓碑

「曙」の方の表情は悲しげですね。一番若々しい肉体なのに。

新聖具室・ネムール公ジュリアーノの墓碑

もう一つはネムール公ジュリアーノ・デ・メディチ。真ん中の横を向いた男の墓碑です。

新聖具室・ネムール公ジュリアーノの墓碑

こちらサイドは、「活動的生」を表現していて対称の美をなしています。

新聖具室・ネムール公ジュリアーノの墓碑


ネムール公ジュリアーノ・デ・メディチは、ロレンツォ豪華王の三男です。今すぐ立ち上がらんとする感じですね。ミケは、ジュリアーノやロレンツォ本人に似ているかどうかなどは一切無視して、これらの像をつくったそうです。「1000年経ったら似てるかどうかなんて誰もわからない」的な発言をしていたそうです。確かにこれらの像の美は永遠に生き続けていますね。

新聖具室・ネムール公ジュリアーノの墓碑

ジュリアーノの像の前には男女の寓意像があります。

男性の方が「昼」です

新聖具室・ネムール公ジュリアーノの墓碑

女性の方が「夜」です。出産直後の女性と言われてます。

新聖具室・ネムール公ジュリアーノの墓碑

ミケは女性像をつくる時にも、男性モデルを使っていたことで知られます。この「夜」も乳房をとってしまえば、普通に筋骨隆々の男性に見えますね。この両性のブレンドの美は、ミケならではですね。

ミュージアムショップです。

ミュージアムショップです。

フィレンツェは初めてだったので緊張してお土産もあまり買えなかった。今度行った時はいっぱい買おうと思います。