2020/09/10 - 2020/09/11
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たびたびさん
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軽井沢と言えば、高級別荘地とか避暑地のイメージ。平成天皇が皇太子の頃、美智子様とテニスで出会われたことなどはその最たるものかと思います。
さて、下の年表の通り、避暑地としてのスタートは明治19年。カナダ生まれの宣教師アレキサンダー・クロフト・ショーが当地を訪問。軽井沢の魅力を見出し、別荘を建てて家族とその暮らしを楽しんだことが端緒とされています。その後、碓氷新鉄道も開通。ショーに続いた多くの外国人宣教師やその家族の影響によって、バタ臭い軽井沢の風潮が育まれました。
その基礎の上に立って、別荘地としての人気が高まり、ホテルの開業、美術館やテニスコートに代表される文化施設の整備もあいまって軽井沢銀座などの賑わいも生まれ、現在の避暑地としての名声が確立されることになったわけですね。
<軽井沢発展の歴史>
明治19年 ショー、ディクソンとともに家族を伴って8月下旬まで滞在
明治26年 アプト式鉄道、横川~軽井沢間開業。
明治33年 軽井沢ホテル開業。
その後、万平ホテルが洋風建築となり、三笠ホテルも開業。
大正 2年 別荘数216戸。
大正 9年 軽井沢ゴルフ倶楽部創立。
昭和 5年 軽井沢テニスコートのクラブハウス竣工。
昭和34年 皇太子ご成婚。
平成 9年 北陸新幹線開業。
平成10年 長野オリンピック開催。
まあ、この辺りは、誰しも違和感はないと思いますが、一方で、軽井沢町には、軽井沢、沓掛、追分という中山道の三つの宿場がありました。で、中山道と長野県の関係でいうと中山道の宿場町は26と実は長野県が一番数が多い。しかし、有名な宿場町は奈良井や妻籠であって、木曽路の方に偏っていますよね。中山道は、軽井沢から下諏訪経由で木曽路に入るのですが、軽井沢から下諏訪間には和田峠という難所があって、結局、明治に入ってからも鉄道は敷かれませんでした。現在でも東京から長野県に向かうのは軽井沢や上田経由長野市に向かう北陸新幹線と諏訪経由松本に向かう中央本線の二本ですが、それぞれ無関係といった感が強くて、今や長野県の東部だと旧中山道の人の行き来を引き継ぐものはほとんど消えてしまったといっても過言ではないでしょう。
つまり、中山道は、宿場町の数こそ多くても長野県のアイデンティティにはなりえなかったわけですが、こうしたバラバラ感は、信濃国の歴史をさらに遡っても感じるところ。国府は上田にあったのか松本にあったのか定かではありませんが、つまり、地形的に言えば、人は盆地に住むしかありませんから、善光寺平、松本平、上田平、佐久平、諏訪、伊那とかそれぞれがそれぞれで暮らしを成り立たせるしかない。中心地をここと定め辛く一体としての交流も限界があったのではないかと思います。江戸時代の藩も松本藩、上田藩、松代藩、小諸藩など小さな藩の細切れです。まあ、武田信玄が信濃を統一したことはあったのですが、信玄は甲府だし、これも長野県民のアイデンティティにはなりえませんよね。しかし、事実として長野にはしっかりアイデンティティはあるわけで、それをどう考えたらいいのでしょうか。
前置きが長くなりましたが、長野のアイデンティティって、軽井沢の避暑地の歴史とも重なるものがあって、それは山岳や高原の恩恵を得ていることなのではないか。そして、それを明治以降、外国人に見出されたことが意外に大きいのではないか。上高地もその典型だし、中央アルプスや南アルプス。志賀高原や八方のスキー場だって日本が受け入れた西洋文化の恩恵を受けたそのものですよね。島崎藤村の「夜明け前」は新しい夜明けを期待したのに、鉄道によって没落してしまう木曽路の宿場町のアイロニーを描いていましたが、長野全体としてみるとちゃんと夜は明けている。軽井沢は特別ではなく、明治以降の長野県全体の発展をある意味で象徴しているのではないか。それが長野のアイデンティティのバックボーンにあるのではないか。私は軽井沢の避暑地の歴史から最後はそんなことに思い至りましたが、いかがでしょうか。
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朝イチのしなの鉄道で、長野駅から軽井沢駅に到着。
レトロな建物ですが、軽井沢駅の旧駅舎口。朝だと多くの学生が普通に利用しています。 -
軽井沢観光は、今日一日と明日はお昼に草津温泉に向かうバスの時間までの半日の一日半の予定。しかし、例によってそれなりに予定を詰め込んでいるので、まあぎりぎりかなあ。
まずは、今日の宿のアパホテルに荷物を預けますよ。 -
まだ、レンタサイクルのお店が開かないので、それまで駅とか周辺をぶらぶら。
これは、軽井沢観光案内所。軽井沢駅の中なんですけど、軽井沢駅に到着して出てくるのは旧軽井沢駅舎の方。こちらは新しい駅舎の二階なので、そこはちょっと分かりにくいかもしれません。 -
軽井沢駅前の酒屋さんの山屋商店。
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酒屋さんですが、ちょこっとパンも置いています。この辺りは、店が開くのは9時頃なんですが、ここはもっと早い。まあ、早朝は前日の売れ残りパンなんですが、それでもちょっと助かります。
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さて、レンタサイクルを利用したのは、こちらの白ネコサイクル。
軽井沢駅前にはレンタサイクルのお店が複数あるのですが、こちらは少し離れた場所。しかし、今回は中軽井沢方面にも行くので、電動自転車。それだと他店と比較すると1000円くらい安くて、とってもお得。バッテリーも強力だし、店が閉まってから返却してもいいとか。いろんな融通もきいてくれて助かりました。 -
ここから、中軽井沢を目指します。
いきなりトリュフベーカリーですけど、トリュフベーカリーって、三軒茶屋とか都内にいくつか支店があるパン屋さんですよね。軽井沢にも進出しているんですね。 -
クロワッサンとか香ばしくてやっぱりおいしい。でも、もしかしたら、軽井沢のパン屋さんと思っているお客さんも多いかもしれませんね。
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そして、軽井沢駅と中軽井沢駅の中間辺り。離山です。山頂まで手軽なハイキングコースがあって、それがメインなんですが、中腹から山裾にかけては、軽井沢町歴史民俗資料館、軽井沢現代美術館、市村記念館といった文化施設が集まっていて、自然豊かな文化ゾーンともなっているんです。
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その中で、まずは軽井沢現代美術館へ。急な坂をしばらく上ったところです。
こちらは、東京、神保町の画廊が運営する美術館。 -
展示室は一階と二階。
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草間彌生や奈良美智、村上隆といった人気アーティストの作品のコレクション。
特に、草間彌生の富士山のシリーズの作品は構図に色彩感覚も面白い。草間彌生のもう一つの魅力を感じた気がしました。 -
少し下って。
軽井沢町歴史民俗資料館は、木立の中にたたずむコンクリート打ちっぱなしの建物がとってもおしゃれ。さすが軽井沢は違うなという感じです。 -
展示の方ですが、中山道の宿場としての追分宿の歴史は意外に興味深いし、明治以後の別荘地としての発展は改めて頭の整理が出来たかな。
中国陶磁器のコレクションはなかなか立派だし、明治から昭和にかけての歌人、杉浦翠子の関係も目に留まりました。 -
いったん通りに戻って。
これはふもとの雨宮記念館と市村記念館のエリアです。 -
まずは、雨宮記念館。広い林の中に建つ堂々たる和風建築。
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明治時代一代にして財閥を築いた雨宮敬二郎が明治の末期に建てたもの。この邸宅に政財界の賓客を迎え、建物は雨宮御殿とも呼ばれたそうです。
この日は、書の展覧会をやっていましたが、いずれにしても邸内は無料で公開しています。 -
その奥が市村記念館。
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大正時代によって建てられた洋館で、大正15年に近衛文麿が別荘として購入。その後、昭和7年に軽井沢の別荘地としての開発に尽力した市村今朝蔵が購入しました。
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イチオシ
規模的にはさほどでもないしなんでもない洋館に見えたのですが、突き出た構造部分の部屋は三方が窓になっているので抜群の開放感。何気に特徴があって、個性的な建物だと思います。
なお、内部は撮影禁止なので、写真はここまで。その開放感のあふれる雰囲気をお伝えできないのが残念です。 -
そこから、いったん中軽井沢駅前まで出て。山手の方に向かいます。軽井沢駅からだとかなり距離もあるし、上り坂。やっぱり電動自転車じゃないと無理でしたね。
さて、ハルニレテラスは、軽井沢の星野エリアの入口。星野エリアの中心は山の上ですが、その手前の道路沿い。雰囲気のある飲食店や地元の商品を扱うおしゃれな店が小さな街のように軒を並べます。オープンテラスも多いので、涼しげな軽井沢を優雅に楽しむ感じがムンムン。あちこちお店を回るだけでテンションが上がりますよ~ -
最初のココペリは、ちょっとこだわりのある食料品のお店。表には産直の新鮮な野菜が並んで、内部は加工食品。
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地元の信州そばは種類が豊富だし、ゴールデンマスタードって、料理のグレードを高めるアイテム。甘酒やたまごなんかにも目が移りました。
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ウッドデッキの通路を歩いて。
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これは、ハーベスト ナガイファーム。店内は道の駅のお土産物屋さんみたいな雰囲気ですね。
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一番人気のくるみのだんごをいただきました。もっちりした団子に甘いクルミの味噌だれ。そんなに特別感はないですが、これもしげの屋を始めとする軽井沢の味の一つだと思います。
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もう少しぼーっとしていたいところですが、先を急ぎますか。
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星野リゾート 軽井沢ホテルの敷地内に入ってきましたよ~
木立の道が美しくて気持ちいいです。 -
その一番奥にあるのが石の教会内村鑑三記念堂です。
こちらは軽井沢観光でも人気の高い場所。なので、公共の施設と思っていましたが、敷地内は自転車を降りてくれとか駐輪場は坂の下とか。かなり面倒くさいことを言われるしで、ちょっと感覚が違います。まあ、それはそれとして。。 -
イチオシ
建物は、地上に根を張った石のアーチが何層にも重なる独特のデザイン。
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アメリカ人建築家ケンドリック・ケロッグの手によるもので、内村鑑三の「神が創造した天然こそが祈りの場である」という思想から。
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ただ、外観のインパクトと違って、意外に礼拝堂の内部は簡素でちょっと拍子抜けかな。まあ、内村鑑三は無教会主義の人ですからね。
なお、地下に内村鑑三資料展示室はありますが、つまり、結局は直接的に内村鑑三のゆかりがあるわけではない。私としては内村鑑三を冠するネーミングにはちょっと違和感があるようにも思います。
展示は、直筆の書や手紙など。内村鑑三の思想を伝えるというより、まあ、展示の美しさとか展示室全体の雰囲気重視かな。なんとなくそうかなという以上の気持ちにはなかなかならないように思います。ただ、そういえば、内村鑑三は高崎藩士の家だし、新島襄は隣りの安中藩士の家に生まれています。キリスト教の有名な思想家が二人とも群馬の似たような場所にゆかりがあるというのは単なる偶然なんでしょうかね。 -
中軽井沢星野リゾート内でもう一つチェックしたかったのは、この軽井沢高原教会。
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人気の教会なので、結婚式が次々。ただ、観光客もその合い間を縫って、教会のそばまで入っていくことができます。
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今の建物の横にもチャペルがあって、そっちは中まで入れるし、写真撮影も可。木の質感が暖かで、質素ですが雰囲気はあるかなと思います。
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ところで、今日はお昼を予約しているので、ちょっと焦ってきましたが。
これは地域交流施設 くつかけテラス。実質的には中軽井沢駅の駅舎と一体ですよね。 -
ただ、地域交流といった明確なコンセプトは感じないかな。建物の中には、広いロビーと図書館や観光案内所。ただ、そんなのがふんわりあるというだけです。
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湯川ふるさと公園も、中軽井沢駅からだと歩ける範囲。湯川という川べりを開発したけっこう広い公園。せせらぎと芝生の広場とかも悪くないです。ただ、家族連れで遊ぶならまあ分かりますが、そうじゃなければここで時間を使うのはちょっともったいないでしょう。
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イチオシ
さて、お昼は、このエルミタージュ ドゥ タムラ。15千円のコースですが、消費税とサービス料を加えると18千円。妹と二人で久しぶりの贅沢ランチです。
涼しげな林の中に、全面ガラスの建物。なかなかいいじゃないですか。期待が高まります。 -
ただ、あれれ。通されたのは奥のテーブルですか。
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コロナ過で、ギリギリまで予約をためらってましたからね。
こういうところは早いうちから予約を入れないといい席にはなりません。まあ、お料理に集中しましょう。 -
メニューは、アミューズが蛸のジュレ、
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そばがき、
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リンゴのタルトタタンに
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イチオシ
ムール貝。
これは、つかみのところですからね。レストランの印象がかなり決まってしまうんですが、この中でいうとムール貝が最高ですね。 -
ムール貝のエキスがこれでもかというほど詰まっていて、もしかしたら、実は出ているムール貝だけじゃなくてもっと大量のムール貝で出汁を取っているのかなと思うくらい。バターを利かせた香りも素晴らしいですよ~
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以下、毛ガニ・ウフブルイエは、優しいけど複雑な味わい。毛ガニの味わいがむしろ控えめなのも好感度です。
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イチオシ
卵茸・セップ茸・クエ
クエですかあ。ふぐやアンコウも高級ですけど、やっぱりクエは特別ですからね。キノコのちょっと生っぽいようなさっぱり感と合わせたところがとっても新鮮ですよね。 -
それに比べると
オマールエビは定番みたいな感じになってしまいますが、この酸味の効いたミニトマトとの組み合わせは悪くない。少しサプライズの要素もあったかなと思います。 -
そして、これが有名な冷たい桃のスープですよ~
シンデレラのガラスの靴みたいなイメージでしょうか。特別感が半端ではないですね。 -
ふたを開けて、ゆっくりといただきます。
今回このレストランを選んだのは、この名物をいただくためといっても過言ではないですからね。。
むむ。ただ、どうでしょう。このお味。ずばり言えば、確かに桃の香りはあるんですが、桃のおいしさがスープのおいしさにストレートに貢献しているかというとそうでもないかもしれませんね。ジャガイモのスープやカボチャのスープとか。素材を活かしつつ、これが本当にじゃがいも?かぼちゃ?みたいな。もしかしたら素材にはないくらいの得も言われぬ味わいのスープに仕上げるような例を思えば、そういうことではないですよね。
一方で、桃の素のおいしさを考えれば、例えば山形には世界一うまいという桃のジュースがありますが、そんな感動的なおいしさでもありません。まとまりのある落ち着いた味わいは認めますが、それでは違和感がないというだけのことでしょう。ソーセージやハムは、当然、肉よりおいしくなければ意味がない。大手ハムメーカーの社長の言葉ですが、なんかそんな言葉まで思い出してしまいました。どうとらえていいのか。今でも消化不良な感じが残っているところです。 -
シャラン鴨の5品。
これはバルサミコソースの仕立て。ここで、軌道が戻ったかなあ。 -
デザートのメロンとソーテルネのジュレ
ひんやりした甘さが疲れを取ってくれる感じですね。 -
珈琲をいただいたところで、
気が付くと窓際の席が空いています。お客さんがもう帰ったようですね。
それではと、ダメもとで窓際の席への移動をお願いしてみたら、快くOKの返事をいただきました。 -
この角の席。
素晴らしいですよね~ -
ここまでのシチュエーションだと窓の外の景色もお料理のうちですよね。
気分が変わって、また新しい元気が湧いてくるようです。 -
外光に包まれて
締めの焼き菓子と -
緑茶まで。
美しい木立の庭をガラス越しに望みながらいただくしゃれた雰囲気に洗練されたスタッフのおもてなし。ちょっと期待と異なる部分があったにせよ、全体としてはさすが軽井沢を代表するレストランだと改めて感服しました。ごちそうさまでした。 -
ここで、実は隣りのこれ
離山房は、なんとジョン・レノンがよく訪れたという喫茶店なんですよね。
せっかくなので、ここでお茶をしようと思っていたのですが、 -
あーれー。この日はあいにく休みでした。屋根に落ち葉がたまっているし、入口付近もあんまりきれいではなかったのですが、やっぱり、ジョン・レノンゆかりとなると特別感は比べようがない。お店の前で記念写真を撮って帰りました。
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続いては、千住博美術館へ。駐車場横にあるこの建物かなと思ったら、実はこれは敷地内にあるブランジェ浅野屋のお店なんですね。
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小さな売場なので、品数は比較的少なめ。ただ、イートインコーナーがしっかりしていて、雰囲気がいいのでこれは価値あり。
この後、美術館を見た後、恐れていた雨が降ってきたので、雨宿りでしばらくゆっくりさせてもらいました。 -
軽井沢千住博美術館はこの先ですね。
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緑に囲まれた立派な施設。
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周囲も遊歩道を中心に庭園のようにきれいに整備されています。
さて、千住博と言えば例のモノトーンの滝の絵。それがいくつも展示されているのですが、それ以上に見どころは、展示室の建物と展示方法。丘状の土地の凸凹をそのまま活かした床のあちこちに悠々と配置されていて、それ自体が一つの芸術世界となっています。なるほど、こんなやり方がありましたか。
ただ、そもそもですが、千住博の滝の絵については、違和感がない分、私としては独創性や個性、もっと言えば才能自体をイマイチ感じない。先般、テレビで、コロナ過にあって高野山金剛峰寺に山水画の襖絵を収めているのを見ましたが、それもそんな感じ。まあ、好みの問題だから仕方ないんですけどね。 -
雨の上がったところで、再び出発。軽井沢タリアセンに向かいます。
こちらの施設は、塩沢湖を中心にして、 -
かつての別荘、睡鳩荘、ペイネ美術館や深沢紅子野の花美術館、軽井沢高原文庫などのミュージアムが配されたテーマパークです。
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入場してすぐの塩沢湖。軽井沢タリアセンに入らないと見れない湖になってます。
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湖畔には美術館やその他の施設がいろいろ配されていますが、お勧めは睡鳩荘を望むこの眺めかな。絵のように美しい眺めです。
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さっそく、睡鳩荘へ。
設計はあのW・M・ヴォーリズ。軽井沢の別荘の歴史上で最も上質な建築物とも言われる木造建物で、レンガ色の地に白いアクセントのカラーが周囲の緑によく映えます。 -
一階の暖炉のある広間は、
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イチオシ
かつてのサロンを彷彿とさせるシックな雰囲気。
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すべてがうっとりするような気持ちになる建物ですね。
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二階は、
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ちょっとプライベートな空間かな。
まあ、これはこれでいいでしょう。 -
ベランダからの眺めも確認して終了です。
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さらに左回りで奥に進んだ高台に深沢紅子野の花美術館。
深沢紅子の美術館は、盛岡市内にもありますが、こちら軽井沢にもあるんですね。建物は薄いモスグリーンの偽洋館風で、周囲の様式庭園とよく調和しています。
ところで、深沢紅子は、軽井沢にもゆかりのある画家だそうで、軽井沢の草花を描き続けてきたということ。一見、普通の感じなんですが、だんだんとその個性が分かってくるといったところがある画家だと思います。 -
続いては反対側のペイネ美術館へ。
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こちらは、フランスの画家、レイモン・ペイネの美術館。
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メルヘンチックな暖かいイラスト画がバンガローのような建物に展示されていて、
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自分がここのオーナーになった気分で楽しめます。
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奥の方には明るいサンルームや
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ペンネ夫妻の人となりを紹介するコーナーもありました。
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再び表に出て、
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軽井沢タリアセンの西の端にあるイングリッシュローズ・ガーデンへ。橋を渡って進んだところなので、けっこう距離は遠いです。
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バラはもう季節が過ぎてちょろちょろと花があるくらい。やっぱり、花が咲いていないとどうにもなりませんね。ただ、広さがかなりあるのはよくわかりました。
以上、ひとつひとつの施設はまあほどほどなのですが、歩いて回るだけでもけっこうかかるかなりの広さもあって、実は侮れない。ゆっくり落ち着いて味わえばちゃんとよさが分かる施設かなと思います。 -
もう閉園時間なので、これで軽井沢駅の方に帰りましょう。
もう軽井沢駅に近い場所ですが、これはBON OKAWA 軽井沢チョコレートファクトリー。チョコレートの製造販売を行う広い駐車場とかも備えた立派な構えのお店です。 -
ここはお菓子の工房も兼ねているようですね。
新製品のトリュフショコラをいただきましたが、ちょっとパフパフした食感で、これだとチョコレートのおいしさが伝わりにくいかな。これではお店の実力は分からないと思います。 -
ちょっと限界っぽかったんですが、最後、軽井沢プリンスショッピングプラザにも寄ってみますか。こちらは、軽井沢駅の南側。
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今では珍しくもないアウトレットモールなんですが、敷地面積268千㎡というのは元のゴルフ場を活かした広大さ。
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夕暮れ時、西側の一直線にお店が並んだ辺りをうろうろしましたが、そこだけでもかなりのスケールを感じました。
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で、帰りに明治亭でとんかつをテイクアウト。もうどこかのお店で食べる元気もないですからね。
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まあ、明治亭といえば、駒ケ根のソースとんかつの重鎮。駒ヶ岳登山の後、初めて食べた時のインパクトのある味わいは忘れられませんね。
今回はカツサンドを買いまして、ホテルでパクリ。ソースのうまさが相変わらず。本当に外れのないお店だなと思います。 -
今日もギリギリまで頑張りました。明日は、もう半日。旧軽井沢銀座の辺りを散策します。
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翌日は早朝から散策開始です。
矢ヶ崎公園は、軽井沢駅からほど近く。池を中心に整備された公園で、池のほとりには円形屋根の軽井沢大賀ホールが建って、ちょっとした景色のアクセント。浅間山もここから拝めるということでしたが、天気がイマイチでそれはよく分かりませんでした。 -
これが軽井沢大賀ホールの正面。大賀ホールの大賀は、ソニー名誉会長である大賀典雄のこと。氏から寄贈された16億円の資金等によって建設されたコンサートホール。軽井沢の文化の香りをより高めるものとなりました。
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このまま旧軽井沢銀座に向かって北上します。
軽井沢礼拝堂は、深い森の高級別荘地が続く一角。石とガラスを組み合わせた近代的なデザインですね。 -
特に、外壁の黒い石は重厚そのもの。シャープで近代的なデザインに独特の重さを加えています。ただ、外観だけではあまりこの建物のすごさは分からないかも。ネットの写真とかでは内部の明るさがすごいんですけどね。
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高級別荘地が続いて、これぞ軽井沢って感じですね。
人けは全くしないんですが、夏場だと違うんでしょうかね。 -
しばらく進んで。旧軽井沢礼拝堂は、旧軽井沢ホテル音羽ノ森の敷地内。こんなところにといった感じで現れる意外に小さな教会ですが、ショー記念礼拝堂付属チャペル。デザインがなんかロシアの教会風にも感じましたが、そうではなくて正式な英国国教会というのが自慢です。
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高級別荘地はまだまだ続きます。
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この別荘なんかもどうでしょう。
人けはないし、もしかしたら売りに出ているのかなあ。 -
で、しっかり歩いてやってきたのは万平ホテル。歴史的には、旧軽井沢宿の脇本陣、亀屋が前身です。
万平ホテルの朝食なんて憧れるんですけどね。もしかして、うまく時間が合えば、ここで朝食を食べてもいいんですが。。 -
しばらく坂を上るとホテルの建物が現れて、ここが玄関ですね。
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軽井沢だとやっぱりここがナンバーワンなんでしょうね。玄関から赤いじゅうたんのロビーとか。これぞクラシックホテルという雰囲気はさすがです。
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で、朝食のメニューとかを確認しましたが、まだ開いていない。誰もいないし諦めて帰りました。後で調べると開くのは7時半だったようですね。まあ、ホテルの雰囲気を確認できたので、これでよしとしましょう。
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やっぱり朝飯は軽井沢銀座の方のベーカリー&レストラン 沢村にします。かなり人気のようですからね。
沢村に向かう途中ですが、これは軽井沢会テニスコート。高級避暑地である軽井沢の象徴の一つで、旧軽井沢にある会員制のテニスコート。皇太子であった明仁親王が後の美智子妃殿下と出会った場所というのはあまりにも有名です。大部分は高いフェンスに囲まれていますが、場所によってはこうしてコートが見えています。 -
すぐ近くの軽井沢ユニオンチャーチも、旧軽井沢、軽井沢銀座の裏通り。
明治30年、軽井沢合同基督教会として建てられた国籍も教派も問わず誰もが集える教会。設計は、あの有名な建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ。濃いカーキ色に白のラインが締まって美しいです。内部は入れたのかなあ。入れたのかどうか。そこはよく分かりませんでした。 -
これもすぐそば。旧軽井沢の一角にある諏訪神社です。参道はを進むと少しづつ下っていく恰好で、それがちょっと変わっています。
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祭神は健御名方富命(たけみなかたとみのみこと)。信州の一宮、諏訪大社の分霊を祀り、軽井沢の鎮守とされた神社です。
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イチオシ
さて、これがベーカリー&レストラン 沢村。涼しげな木立に囲まれて、素晴らしい雰囲気ですね。
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オープンでゆったりした構えは、見るからに軽井沢の一番店といった風格さえ漂います。人気の理由は明らかですね。
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適当にパンを買って食べるのもありなんですが、せっかくなのでやっぱりモーニングにしましょうかね。
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イートインのスペースは吹き抜けの悠々空間。
二階で食べるか迷いましたが、 -
まあ、一階の真ん中で。
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さて、肝心のモーニングの方ですが、いかがでしょう。
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なるほど、見た目はそんなに悪くないんですが、パンのおいしさはなんかイマイチだし、付け合わせもどうでしょうか。スープもベーコン巻きのソーセージも普通の域は出ていないかな。この値段ならサラダもレタスだけじゃなくて、キュウリやトマトもついてないと寂しいですよね。そういう目で見ると目玉焼きの二個もなんかごまかされているような気持ちになりました。
実は、名古屋駅近くにも沢村はあるんですが、そこでパンを買った時にも、豪華な店内なのにパンの味は意外に普通だなというのが印象でした。私とはあんまり相性がよくないのかもしれません。 -
ちょっと気分がイマイチの中、軽井沢銀座の方に移動して。
今度はフランスベ-カリーへ。こちらは、なんといってもフランスパンが一押しでしょう。世界が愛したフランスパンというのをいただきました。 -
ここで挽回と行きたいんですがねえ。
うーん。もっと何か味わいがあるのかと期待したのですが、かなりおとなしい感じ。悪く言えば普通っぽいんですが、考えてみれば、フランスパンって毎日食べるもの。そう考えるとこの味は飽きが来ないのかもしれないなという感じ。そう思うと、少し気持ちが変わりましたね。 -
で、その向かいが、ブランジェ浅野屋。なんといっても、こちらこそ軽井沢を代表するパン屋さんですよね。
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特に、ナッツや果実類を練りこんだハード系のパンのおいしさはちょっと図抜けていると思います。そのおいしさは軽井沢のこの本店で初めて知りましたが、その後、東京都内でもいくつかお店があるのを知って、たまに利用しています。
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イチオシ
ただ、今回もそのハード系のパンをいただきましたが、改めて、そのおいしさを実感した次第。なんでこんなにおいしくできるのか不思議なくらいです。
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とりあえず、さらにどんどん進んで。
軽井沢きなりは、軽井沢銀座でも一番奥の方。自然食品のお店です。あんずの干したのをいただきましたが、なんでしょうねえ。これが本当の味なんでしょうか。強烈な酸っぱさ。ちょっと目が覚めるような感じでした。少し値段は高いかもしれませんけど、やっぱり信用があると思います。 -
軽井沢銀座を抜けた先の芭蕉句碑は、ショー記念礼拝堂の少し手前の涼しげな木々の間です。
天保14年(1843年)に、地元の門下生である俳人、小林玉蓬によって建立されたもの。句は「馬をさへなかむる雪のあしたかな」
けっこう古びていますが、達筆の文字がしっかり残っています。 -
今日はいい天気ですね。高原の緑は美しいです。
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そして、これが日本聖公会ショー記念礼拝堂。軽井沢開発の父でもあるカナダ人宣教師アレキサンダークロフト・ショーを記念する軽井沢最古の教会です。
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軽井沢銀座を抜けて行った先の静かな山間にあって、
教会内は自由に見学可。前庭には、ショーの胸像と記念碑もあります。 -
イチオシ
そして、その裏手。奥に建つのがショーハウス記念館。正面から朝日を浴びて、いい感じですね。
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これは、明治21年、ショー師自らが和風だった建物を北米のコロニアル風に改築した軽井沢で最初の別荘。
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ただ、現在の建物は昭和61年にショーハウス復元委員会によって復元されたものなんですけどね。
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内部は、木の床で粗野な感じもしますが、
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外光をいっぱいに取り入れた明るい雰囲気があって気持ちがいい。
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別荘暮らしの楽しさもちょっとリアルに想像できると思います。
さて、ここからは、また軽井沢銀座の方に引き返します。 -
さっきは閉まっていたあづまやさんは、ちょっと昔ながらのお茶屋さんです。やっと開いたみたいですね。
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名物の力餅が何種類かあって、「から」をいただきました。お餅自体のおいしさはさすがですが、夏大根の大根おろしがめちゃめちゃ辛い。辛くてマジで涙が出ました。ちなみに、軽井沢の力餅ならしげの屋が有名なんですが、そこまでこだわる必要はないですね。
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室生犀星記念館は、旧軽井沢のちょっと外れ。細い道を辿って行った先の方です。
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建物は、昭和6年に建てられた別荘を改修したもののようですが、
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小ぶりですが
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この母屋と
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イチオシ
もうひとつの離れが見事な苔の庭を挟んで配されていて、その関係性が絶妙。
築山庭園では築山に茶室を配することは珍しくないのですが、その景色としての茶室を景色だけではなくてちゃんと住まいとしても機能させていると見るととても斬新ですよね。 -
まあ、そういう関係性を考えずとも。、それぞれが独自の建物と考えても成り立つ完成度があるので、ここに立つと高級な茶店か料亭にでも招待されたような気分にもなりますね。
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ちなみに、犀星は亡くなる前年の昭和36年まで毎夏をここで過ごし、堀辰雄、川端康成、志賀直哉ら多くの作家と交流をしたのだとか。巨匠の軽井沢での優雅な暮らしぶりが想像できました。
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ところで、室生犀星といえば、泉鏡花や徳田秋聲と並ぶ金沢出身の三大文豪のひとり。泉鏡花や徳田秋聲は、犀星より少し前の明治期を中心に活躍していて、鏡花のロマン主義に対して、秋聲は自然主義。犀星は近代抒情詩での活躍も特徴かなと思います。私は鏡花の作品世界には一種ヒリヒリとするような幻想的な美しさがあるし、三人の中では一番魅力的に感じていましたが、この別荘を拝見すると犀星の「夏の日の匹婦の腹に生まれけり」といったイメージでは捉えきれない高雅な一面も感じられたような。そういう意味でも面白い機会になった気がしました。
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ここで、室生犀星記念館の向かい側に旧軽井沢Cafe 涼の音という喫茶店があるのに気が付きました。
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ショーハウスと同じ構造という建物なのですが、林の中に整備された前庭の雰囲気の良さもちょっと特筆。
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つまり、しゃれた別荘でお茶をするといった雰囲気がそのまま味わえるという趣向ですよね。テラス席で前庭を見下ろしながらお茶をしましたが、ちょっと夢見心地の気持ちになりました。
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今朝のイマイチがこの辺りですっかり帳消しになった気分ですね。
室生犀星記念館と旧軽井沢Cafe 涼の音。なかなかいい組み合わせです。 -
すっかり元気になったところで、軽井沢銀座に戻ってきました。この時間なら、もうお店もみんな開いてますよね。
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軽井沢銀座の中ほどにある軽井沢写真館も名物店の一つ。総二階の木造建築がレトロなんですが、なによりも、その店先にキャンバスみたいにこれでもかというほど多くの写真を飾って、圧巻の眺め。これだと通りが本当に華やいだ感じになりますね。
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軽井沢観光会館は、木造のレトロな外観は雰囲気がありますね。
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入ってすぐのロビーが観光案内の受付。宿泊の案内なんかもやってます。ただ、見どころは、この建物自体かな。木調の内部の雰囲気もしっかりレトロです。
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続いての中山のジャムは、創業明治38年と書いた看板にはブルーベリーの絵。いかにも老舗といった外観です。
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ジャムの専門店なんですが、意外に品数は少な目かなあ。あんまりあれこれ手を出さない方針なんだと思いますが、今は種類の多さで売っているジャム屋さんもあるので、そういうお店からするとちょっと寂しい気がしました。
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これはチャーチストリート軽井沢。軽井沢銀座の中ほどに入り口があって、奥に長く伸びる建物。その通路も広いし、雰囲気的に道の駅みたいに産直のお店があるんじゃないかと探したんですが、それはなし。一番奥の円形広場とか雰囲気はあるのですが、ちょっとそれに合わせたテナントになっていないような気がします。
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一彫堂は、初代から万平ホテルや宣教師の別荘家具を製作してきたという軽井沢彫の老舗。
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濃い茶色の色調は漆は漆なんでしょうが、慶春塗よりは濃いにしても地の木目が見えるのでやっぱり薄い方ですよね。葡萄や桜が海外の人にも好まれた伝統の柄。軽井沢の文化も思いながら使うと味わい深く使えるのかなという感じです。二階のショールームも気軽に見せてもらえます。
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チャーチストリート軽井沢には産直はなかったので、代わりに訪ねたのが浅間高原農場。
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旧軽井沢の中ほどにある野菜や果物の生鮮食品、加工品を豊富に扱うお店です。
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この紫の見事なプルーンが目に止まって、それをいただきました。気持ちがシャンとするような酸っぱさでしたが、この瑞々しさはたまりませんね。ほかのお店でも置いている店はありましたが、やっぱりここは安心できるような気がします。
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そろそろ草津温泉に向かうバスの時間なんですが、最後に近場でもうちょっと。
ぱおむは軽井沢銀座の入り口辺り。 -
二階のレストランです。
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復刻の三笠ホテルカレーと自慢の軽井沢プリンをいただきました。カレーの方はどうでしょうねえ。正直言えばあんまりたいしたことはないかな。
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しかし、プリンの方はとろんとした柔らかさもあって素直な口当たり。甘さも上品だし、なかなかのプリンです。お土産物としても売っているようですが、これなら価値あるひと品ではないかと思います。
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さて、ここからは草軽交通のバスで草津温泉に向かいますよ~
所要時間は1時間20分。軽井沢銀座で意外にも満席となり、軽井沢から草津温泉まで行く人ってそんなに多くないと思っていたので変だなあと思ったら、乗客は白糸の滝でほとんど降りてしまいました。まあ、そういうことなんですね。 -
途中のちょっとした見どころなんですが、これは旧草軽電鉄北軽井沢駅舎。大正7年、地蔵川駅として開業されたのですが、その後、大正13年、駅近くで別荘地の開発が行われ、開発主体の法政大学村が駅舎を寄贈。名前も北軽井沢駅へと改められました。赤い屋根と善光寺をモデルにしたというデザインがちょっと強烈です。
ここから先の車窓ですが、涼しげな森の中が随所にあっていい感じ。意外に楽しいバスの旅となりました。
なお、ここまでで長野県編は終了です。
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