マヨルカ島旅行記(ブログ) 一覧に戻る
2017年の大晦日から2018年の成人の日の3連休まで機中泊を含む8泊9日で、冬でも温かいスペインの地中海に出かけました。スペイン第二の都市、カタルーニャ州の州都バルセロナ。さらに南へ200km、地中海に浮かぶリゾートの島、マヨルカ島まで足を延ばすことに。この旅の目的には、マヨルカ島の木造電車が木造客車を牽引するソーイェル鉄道の乗車と、バルセロナから海沿いに快速で1時間余りのヒラノバにある、スペイン最大規模のカタルーニャ鉄道博物館を含めていました。<br /><br />年末年始に安い航空券を入手するには、早い時期の手配がかかせません。でもこのご時世、前年には予約していたバルセロナのホテルから50mほどのところ、ランブラス通りの歩道にイスラム過激派がクルマで突っ込むテロが起き、カタルーニャ州が独立を宣言してスペイン政府と対立、バルセロナではゼネストに突入する等、予期せぬ出来事が次々と。<br /><br />12月の中頃に詳細日程を詰めていると、マヨルカ島のソーイェル鉄道のホームページに改修工事で1月末まで運休の情報が。ヒラノバの鉄道博物館も、2017年は12月中旬から31日まで休館。2018年のスケジュールがホームページに出ていないので、“日本からバルセロナに行くけど年始は開いてる?”とメールで問い合わせると、“ごめんね、改修工事で1月31日まで休館。また次の機会に来てね”との返答でガックリ。<br /><br />旅行を取りやめようかとも思ったけど、羽田-バルセロナ往復66,220円に対してキャンセル料が30,000円。バルセロナ-マヨルカ往復の12,450円は、LCCなのでキャンセルしても返金無し。やっぱり行くしかないなあということで、大晦日の夜に羽田空港へ。<br /><br />0日目<br />羽田-CA168便-北京<br /><br />1日目<br />北京-CA841便-ウィーン-CA841便-バルセロナ<br />空港駅から鉄道でバルセロナ市内へ<br />ブルートラムは運休日 モンジュイックの丘 ゴシック地区からポルト・ベイ サンパウ病院のプロジェクションマッピング サグラダファミリアのライトアップ<br />https://4travel.jp/travelogue/11645124<br /><br />2日目<br />ランブラス通りからバルセロナ港 エアーヨーロッパでマヨルカ島 パルマデマヨルカからマヨルカ鉄道でインカとマナコル<br />https://4travel.jp/travelogue/11645218<br /><br />3日目<br />路線バスでバルデモサとディアに立ち寄りでソーイェル <br />https://4travel.jp/travelogue/11645674<br /><br />ソーイェル鉄道の車庫を見学後ソーイェルトラムでポルト・デ・ソーイェル<br />【この旅行記です】<br /><br />4日目<br />パルマ・デ・マヨルカ市内観光 ベルベル城 市場 カテドラル エアーヨーロッパでバルセロナ<br />https://4travel.jp/travelogue/11646311<br /><br />5日目<br />列車でシッチェス、ビラノバ、タラゴナの円形劇場<br />https://4travel.jp/travelogue/11646370<br /><br />タラゴナの水道橋とカテドラル バルセロナの東方の三賢王パレード<br />https://4travel.jp/travelogue/11647108<br /><br />6日目<br />グエル公園 サグラダファミリア カサミラ カサパトリョ<br />https://4travel.jp/travelogue/11647155<br /><br />ブルートラム 路面電車LRT<br />https://4travel.jp/travelogue/11647191<br /><br />7日目<br />バルセロナ-CA842便-ウィーン-CA842便-<br /><br />8日目<br />-CA842便-北京-CA167便-羽田

スペイン鉄道の旅 お正月のバルセロナとマヨルカ島(その4 ソーイェル鉄道の車庫見学とトラムに乗ってポルト・デ・ソーイェル)

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2018/01/01 - 2018/01/08

70位(同エリア270件中)

モボ101

モボ101さん

2017年の大晦日から2018年の成人の日の3連休まで機中泊を含む8泊9日で、冬でも温かいスペインの地中海に出かけました。スペイン第二の都市、カタルーニャ州の州都バルセロナ。さらに南へ200km、地中海に浮かぶリゾートの島、マヨルカ島まで足を延ばすことに。この旅の目的には、マヨルカ島の木造電車が木造客車を牽引するソーイェル鉄道の乗車と、バルセロナから海沿いに快速で1時間余りのヒラノバにある、スペイン最大規模のカタルーニャ鉄道博物館を含めていました。

年末年始に安い航空券を入手するには、早い時期の手配がかかせません。でもこのご時世、前年には予約していたバルセロナのホテルから50mほどのところ、ランブラス通りの歩道にイスラム過激派がクルマで突っ込むテロが起き、カタルーニャ州が独立を宣言してスペイン政府と対立、バルセロナではゼネストに突入する等、予期せぬ出来事が次々と。

12月の中頃に詳細日程を詰めていると、マヨルカ島のソーイェル鉄道のホームページに改修工事で1月末まで運休の情報が。ヒラノバの鉄道博物館も、2017年は12月中旬から31日まで休館。2018年のスケジュールがホームページに出ていないので、“日本からバルセロナに行くけど年始は開いてる?”とメールで問い合わせると、“ごめんね、改修工事で1月31日まで休館。また次の機会に来てね”との返答でガックリ。

旅行を取りやめようかとも思ったけど、羽田-バルセロナ往復66,220円に対してキャンセル料が30,000円。バルセロナ-マヨルカ往復の12,450円は、LCCなのでキャンセルしても返金無し。やっぱり行くしかないなあということで、大晦日の夜に羽田空港へ。

0日目
羽田-CA168便-北京

1日目
北京-CA841便-ウィーン-CA841便-バルセロナ
空港駅から鉄道でバルセロナ市内へ
ブルートラムは運休日 モンジュイックの丘 ゴシック地区からポルト・ベイ サンパウ病院のプロジェクションマッピング サグラダファミリアのライトアップ
https://4travel.jp/travelogue/11645124

2日目
ランブラス通りからバルセロナ港 エアーヨーロッパでマヨルカ島 パルマデマヨルカからマヨルカ鉄道でインカとマナコル
https://4travel.jp/travelogue/11645218

3日目
路線バスでバルデモサとディアに立ち寄りでソーイェル 
https://4travel.jp/travelogue/11645674

ソーイェル鉄道の車庫を見学後ソーイェルトラムでポルト・デ・ソーイェル
【この旅行記です】

4日目
パルマ・デ・マヨルカ市内観光 ベルベル城 市場 カテドラル エアーヨーロッパでバルセロナ
https://4travel.jp/travelogue/11646311

5日目
列車でシッチェス、ビラノバ、タラゴナの円形劇場
https://4travel.jp/travelogue/11646370

タラゴナの水道橋とカテドラル バルセロナの東方の三賢王パレード
https://4travel.jp/travelogue/11647108

6日目
グエル公園 サグラダファミリア カサミラ カサパトリョ
https://4travel.jp/travelogue/11647155

ブルートラム 路面電車LRT
https://4travel.jp/travelogue/11647191

7日目
バルセロナ-CA842便-ウィーン-CA842便-

8日目
-CA842便-北京-CA167便-羽田

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
交通
4.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
15万円 - 20万円
交通手段
鉄道 高速・路線バス 徒歩 飛行機
旅行の手配内容
個別手配

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  • ここはソーィエル鉄道とソーイェルトラムの車庫。<br />駅の方に振り返ると3線の検修庫があり、駐車しているクルマの向こうにオープンデッキの木造客車と並んで木造電車の姿が見えます。屋外にいた職員にカメラを見せ、写真を撮らせてとお願いして検修庫の中へ。

    ここはソーィエル鉄道とソーイェルトラムの車庫。
    駅の方に振り返ると3線の検修庫があり、駐車しているクルマの向こうにオープンデッキの木造客車と並んで木造電車の姿が見えます。屋外にいた職員にカメラを見せ、写真を撮らせてとお願いして検修庫の中へ。

  • ピットの上にいるのは、お目当ての木造電車2号。正面の貫通扉に加え、屋根上にもナンバーを表示。1929年の電化時に導入された自重33トン、出力360馬力、今や90歳のご老体。当初の計画では、パルマからこれに乗ってソーイェルまで来るはずだったのに。

    ピットの上にいるのは、お目当ての木造電車2号。正面の貫通扉に加え、屋根上にもナンバーを表示。1929年の電化時に導入された自重33トン、出力360馬力、今や90歳のご老体。当初の計画では、パルマからこれに乗ってソーイェルまで来るはずだったのに。

  • 床下を覗いてみると、台枠にはトラス棒。リベットのない台枠の外側の鋼材や正面のスカートは、後付けのようにも見えます。

    床下を覗いてみると、台枠にはトラス棒。リベットのない台枠の外側の鋼材や正面のスカートは、後付けのようにも見えます。

  • 電車の車内は、中央の窓のない機械室をはさんで前後2部屋に分かれ、パルマ側はもとは1等室なのか大きなソファー。出入り口の壁面を背に1人がけと2人がけがそれぞれ2脚ずつ。中央には窓を背に3人がけが2脚で定員12名。

    電車の車内は、中央の窓のない機械室をはさんで前後2部屋に分かれ、パルマ側はもとは1等室なのか大きなソファー。出入り口の壁面を背に1人がけと2人がけがそれぞれ2脚ずつ。中央には窓を背に3人がけが2脚で定員12名。

  • ソーイェル側は、もと2等室なのか木製の4人がけボックス席が並び、同じ窓3つ分の広さだけど、こちらの定員は2倍の24名。

    ソーイェル側は、もと2等室なのか木製の4人がけボックス席が並び、同じ窓3つ分の広さだけど、こちらの定員は2倍の24名。

  • この電車は、機関車のように客車を牽引するので、正面中央のバッファの両側にねじ式連結器、ヘッドライトの下にジャンパ栓とエアブレーキのホースを装備。

    この電車は、機関車のように客車を牽引するので、正面中央のバッファの両側にねじ式連結器、ヘッドライトの下にジャンパ栓とエアブレーキのホースを装備。

  • 検修庫の奥には、同型の3号がいます。

    検修庫の奥には、同型の3号がいます。

  • 運転室と客室間の、オープンデッキのステップの部分に貼ってあるメーカープレート。CARDE Y ESCORIAZA について調べてみると、本土のサラゴサにあった19世紀末から路面電車を製造するメーカーで、合併により現在はスペインを代表する鉄道車両メーカ CAF のサラゴサ工場に引き継がれているらしい。

    運転室と客室間の、オープンデッキのステップの部分に貼ってあるメーカープレート。CARDE Y ESCORIAZA について調べてみると、本土のサラゴサにあった19世紀末から路面電車を製造するメーカーで、合併により現在はスペインを代表する鉄道車両メーカ CAF のサラゴサ工場に引き継がれているらしい。

  • デッキから中を覗くと、運転席の機器類を整備中。

    デッキから中を覗くと、運転席の機器類を整備中。

  • 作業員に“オラ”と挨拶して車内を見せてもらいます。運転室の機器を取り外して整備中。

    作業員に“オラ”と挨拶して車内を見せてもらいます。運転室の機器を取り外して整備中。

  • 客室では、電球の交換なのか室内灯のグローブを開けて作業中。

    客室では、電球の交換なのか室内灯のグローブを開けて作業中。

  • 3号の隣のピットには、オープンデッキの木造客車の3両編成が入場。鉄道線の客車は全てこのタイプのようで、浅いシングルルーフに大きな2段の側面窓。1912年の開業時に蒸気機関車に牽かれた客車にしては、デザインが新しいような気がするので電化時に用意したのか、いろいろ調べてみたけど情報が見つかりません。

    3号の隣のピットには、オープンデッキの木造客車の3両編成が入場。鉄道線の客車は全てこのタイプのようで、浅いシングルルーフに大きな2段の側面窓。1912年の開業時に蒸気機関車に牽かれた客車にしては、デザインが新しいような気がするので電化時に用意したのか、いろいろ調べてみたけど情報が見つかりません。

  • 客車のボギー台車は、枕バネも軸バネも板バネで構成された古いタイプ。

    客車のボギー台車は、枕バネも軸バネも板バネで構成された古いタイプ。

  • 座席は、車端部のみ固定式、その他は枠が鉄パイプの転換式のクロスシート。

    座席は、車端部のみ固定式、その他は枠が鉄パイプの転換式のクロスシート。

  • このシート、新しくはないけど後で交換したものでしょう。

    このシート、新しくはないけど後で交換したものでしょう。

  • 客車の連結面の貫通路は、渡り板を跳ね上げていて、通常は使用していないのか。渡り板に描いたマークは、日本なら駐停車禁止の道路標識だけど、スペインではこれが通行止めを表すのでしょうか。

    客車の連結面の貫通路は、渡り板を跳ね上げていて、通常は使用していないのか。渡り板に描いたマークは、日本なら駐停車禁止の道路標識だけど、スペインではこれが通行止めを表すのでしょうか。

  • その隣に入場している一回り小さなオープンデッキのボギー客車は、トラムに連結する客車。クラシックなスタイルの木造車だけど、2000年以後にここで製作した自家製の新型車らしい。

    その隣に入場している一回り小さなオープンデッキのボギー客車は、トラムに連結する客車。クラシックなスタイルの木造車だけど、2000年以後にここで製作した自家製の新型車らしい。

  • 窓ガラスがなく、腰板もスケスケの夏仕様。車内は4人と6人のボックスシートと、詰め込みタイプで窮屈そう。

    窓ガラスがなく、腰板もスケスケの夏仕様。車内は4人と6人のボックスシートと、詰め込みタイプで窮屈そう。

  • ピットの奥に、ブリル21Eタイプの2軸のトラム用の台車。ポルトガルのリスボンから買ってきた5両の中古車のうち、24号だけ見かけなかったので、どこかでこの上に乗せる自家製の車体を製造中なのかもしれません。<br /><br /><br />

    ピットの奥に、ブリル21Eタイプの2軸のトラム用の台車。ポルトガルのリスボンから買ってきた5両の中古車のうち、24号だけ見かけなかったので、どこかでこの上に乗せる自家製の車体を製造中なのかもしれません。


  • 検修庫の隣、駅に続く線路には、鉄道線の木造客車の編成が留置中。

    検修庫の隣、駅に続く線路には、鉄道線の木造客車の編成が留置中。

  • もう一ヵ所、本線をはさんでトラムの車庫と並ぶ方の建屋の中には天井走行クレーンがあり、木造電車4号が高いところに上がっています。取り外したのであろう2基のパンタグラフは、車輪の付いた台車の上。

    もう一ヵ所、本線をはさんでトラムの車庫と並ぶ方の建屋の中には天井走行クレーンがあり、木造電車4号が高いところに上がっています。取り外したのであろう2基のパンタグラフは、車輪の付いた台車の上。

  • 4号から抜いた電動ボギー台車は、昔の路面電車で一般的なブリル77Eタイプ。ギヤ比を大きくとっているのか、シーメンスの90馬力のモーター4基で6両の長い客車の編成を牽引できるんですね。

    4号から抜いた電動ボギー台車は、昔の路面電車で一般的なブリル77Eタイプ。ギヤ比を大きくとっているのか、シーメンスの90馬力のモーター4基で6両の長い客車の編成を牽引できるんですね。

  • 荷台に高い箱を乗せた2軸のレールカー。車体の横に脚立を取り付けています。電化当時に導入した架線修理車でしょうか。

    荷台に高い箱を乗せた2軸のレールカー。車体の横に脚立を取り付けています。電化当時に導入した架線修理車でしょうか。

  • もう1台、クラシックカーを改造したようなレールカー。

    もう1台、クラシックカーを改造したようなレールカー。

  • 後ろ向きにもヘッドライトがあって、こんなクルマが走っているところを見てみたい。<br /><br />その奥には木造電車1号。これで、鉄道線の木造電車には4両全車に出会うことができました。<br />

    後ろ向きにもヘッドライトがあって、こんなクルマが走っているところを見てみたい。

    その奥には木造電車1号。これで、鉄道線の木造電車には4両全車に出会うことができました。

  • 本線をまたいでトラムの車庫へ。トラムの車両については、Wikipedia の“Tranv&#237;a de S&#243;ller”の情報をもとにしています。<br /><br />並んでいる2軸の単車1号と2号は、もう1両の3号も含めソーイェル鉄道の翌年、1913年にソーイェルから5km先の港のある海岸、ポルト・デ・ソーイェルまで開通したソーイェルトラム生え抜きの車両。メーカは鉄道線の1~4号と同じ CARDE Y ESCORIAZA。御年100歳を優に超えています。<br />

    本線をまたいでトラムの車庫へ。トラムの車両については、Wikipedia の“Tranvía de Sóller”の情報をもとにしています。

    並んでいる2軸の単車1号と2号は、もう1両の3号も含めソーイェル鉄道の翌年、1913年にソーイェルから5km先の港のある海岸、ポルト・デ・ソーイェルまで開通したソーイェルトラム生え抜きの車両。メーカは鉄道線の1~4号と同じ CARDE Y ESCORIAZA。御年100歳を優に超えています。

  • 車内は1人がけと2人がけのクロスシートで、車端部を除き転換式。運転室と出入口が一段低く、そこからドアを開けて室内に入る、明治のチンチン電車タイプ。出入口は、ポルト・デ・ソーイェルに向かって右、山側だけで左の海側が閉じられているのは後年の改造によるものでしょう。

    車内は1人がけと2人がけのクロスシートで、車端部を除き転換式。運転室と出入口が一段低く、そこからドアを開けて室内に入る、明治のチンチン電車タイプ。出入口は、ポルト・デ・ソーイェルに向かって右、山側だけで左の海側が閉じられているのは後年の改造によるものでしょう。

  • 台車は米国型のブリル21Eタイプ。軸箱が丸いのは、ローラーベアリングに改造でしょうか。

    台車は米国型のブリル21Eタイプ。軸箱が丸いのは、ローラーベアリングに改造でしょうか。

  • 1号、2号ともピン・リンク式の連結器で、後ろにオープンデッキで窓ガラスのない2軸客車をそれぞれ2両ずつ連結。

    1号、2号ともピン・リンク式の連結器で、後ろにオープンデッキで窓ガラスのない2軸客車をそれぞれ2両ずつ連結。

  • この2両の客車の間の連結面は通行できる構造。

    この2両の客車の間の連結面は通行できる構造。

  • デッキも客室も、海側には柵があるものの、山側はオープンで乗り降り自在。最高速度25km/hとはいえ、運行中に乗客が転げ落ちる事故はないのでしょうか。床の上に車輪カバーの丸い出っ張りが。

    デッキも客室も、海側には柵があるものの、山側はオープンで乗り降り自在。最高速度25km/hとはいえ、運行中に乗客が転げ落ちる事故はないのでしょうか。床の上に車輪カバーの丸い出っ張りが。

  • この4両は1890年の CARDE Y ESCORIAZA 製で、1954年にパルマ・デ・マヨルカから購入となっているので、調べてみると1891年にパルマに開通した鉄道馬車の車両がルーツらしい。その後パルマのトラムは1910年代に電化されたが、戦後は縮小傾向で、最後に残った路線の廃止は1959年だとか。

    この4両は1890年の CARDE Y ESCORIAZA 製で、1954年にパルマ・デ・マヨルカから購入となっているので、調べてみると1891年にパルマに開通した鉄道馬車の車両がルーツらしい。その後パルマのトラムは1910年代に電化されたが、戦後は縮小傾向で、最後に残った路線の廃止は1959年だとか。

  • 隣の建屋には生え抜きの3号と、ポルトガルの首都リスボンから買ってきた1937年製の中古車を1~3号とそっくりに改造した23号。リスボンの線路幅は900mmなので、入線時に車輪の幅を広げて914mmに合わせたのでしょう。また、23号は入線時とは車体の形状が全く異なるので、台枠と機器を流用して車体は新造したと推測します。

    隣の建屋には生え抜きの3号と、ポルトガルの首都リスボンから買ってきた1937年製の中古車を1~3号とそっくりに改造した23号。リスボンの線路幅は900mmなので、入線時に車輪の幅を広げて914mmに合わせたのでしょう。また、23号は入線時とは車体の形状が全く異なるので、台枠と機器を流用して車体は新造したと推測します。

  • 3号の運転席には、昔のシーメンスのロゴが浮き出た直接制御器と、大きな輪のハンドブレーキ。中央のスイッチ類やその右奥のエアブレーキは、後年の追加改造でしょう。

    3号の運転席には、昔のシーメンスのロゴが浮き出た直接制御器と、大きな輪のハンドブレーキ。中央のスイッチ類やその右奥のエアブレーキは、後年の追加改造でしょう。

  • リスボンの中古車を改造した22号の車内は、今もリスボンで運行中の旧型車と同じ出入り口付近がロングシートで、中間は2人がけの転換式クロスシート。

    リスボンの中古車を改造した22号の車内は、今もリスボンで運行中の旧型車と同じ出入り口付近がロングシートで、中間は2人がけの転換式クロスシート。

  • リスボン当時からのものと思われる23号の直接制御器はEE、イングリッシュエレクトリック製。その他の機器配置は3号とほぼ同じ。

    リスボン当時からのものと思われる23号の直接制御器はEE、イングリッシュエレクトリック製。その他の機器配置は3号とほぼ同じ。

  • 3号が後ろに連結している2両のオープンデッキの木造ボギー客車は、先ほど検修庫のピット上で見かけたオープンタイプのボギー客車に腰板と窓ガラスを取り付けたスタイルで、2000年以降の自家製の新造車らしい。

    3号が後ろに連結している2両のオープンデッキの木造ボギー客車は、先ほど検修庫のピット上で見かけたオープンタイプのボギー客車に腰板と窓ガラスを取り付けたスタイルで、2000年以降の自家製の新造車らしい。

  • 21世紀の新車でも古い板バネの台車を履いているので、どこからか中古品を都合してきたのでしょう。同型のボギー客車が後ろにもう1両と、隣の線の庫外に1両、それに23号と20号の間に2両連結されています。

    21世紀の新車でも古い板バネの台車を履いているので、どこからか中古品を都合してきたのでしょう。同型のボギー客車が後ろにもう1両と、隣の線の庫外に1両、それに23号と20号の間に2両連結されています。

  • その20号は、海側の扉を埋めてトロリーポールをパンタグラフに換装し、腰板の部分に木目の短冊板を張って木造車風に見せかけた以外は、リスボン当時のままの丸いスタイルを保っています。

    その20号は、海側の扉を埋めてトロリーポールをパンタグラフに換装し、腰板の部分に木目の短冊板を張って木造車風に見せかけた以外は、リスボン当時のままの丸いスタイルを保っています。

  • 車内は、両端の出入り口付近がロングシートで、その間は転換式クロスシート。

    車内は、両端の出入り口付近がロングシートで、その間は転換式クロスシート。

  • ソーイェル鉄道は運休中だけど、ソーイェルの街と港のある海岸ポルト・デ・ソーイェル間5km弱を、20分ほどで結ぶソーイェルトラムは通常通り運行中。冬はオフシーズンのため、ソーイェル発が毎時00分、ポルト・デ・ソーイェル発が毎時30分の1時間間隔。<br /><br />トラムがソーイェルに戻ってくる時間が近づいてきたので、車庫の見学を切り上げて始発の駅前の次、メルカート(市場前)の電停に向かいます。ここには路上に交換設備があるけど、駅前から300m程度の距離なので使う機会はほとんど無いのでは。歩道に手動のポイント切り替え器。施錠してあるのでしょうね。

    ソーイェル鉄道は運休中だけど、ソーイェルの街と港のある海岸ポルト・デ・ソーイェル間5km弱を、20分ほどで結ぶソーイェルトラムは通常通り運行中。冬はオフシーズンのため、ソーイェル発が毎時00分、ポルト・デ・ソーイェル発が毎時30分の1時間間隔。

    トラムがソーイェルに戻ってくる時間が近づいてきたので、車庫の見学を切り上げて始発の駅前の次、メルカート(市場前)の電停に向かいます。ここには路上に交換設備があるけど、駅前から300m程度の距離なので使う機会はほとんど無いのでは。歩道に手動のポイント切り替え器。施錠してあるのでしょうね。

  • メルカートの先は専用軌道になっていて、

    メルカートの先は専用軌道になっていて、

  • 向こうからトラムが現れカーブを曲がって併用軌道に入り電停で停車。

    向こうからトラムが現れカーブを曲がって併用軌道に入り電停で停車。

  • ここで降車を取り扱ったあと、ゆっくりと終点ソーイェル駅前に向かうトラムを追いかけます。

    ここで降車を取り扱ったあと、ゆっくりと終点ソーイェル駅前に向かうトラムを追いかけます。

  • トラムは終点での機回り作業を省くためか、ソーイェル側に21号、ポルト・デ・ソーイェル側に22号の2両の2軸電動車を配し、その間にボギーの付随車をはさんだ3両編成。

    トラムは終点での機回り作業を省くためか、ソーイェル側に21号、ポルト・デ・ソーイェル側に22号の2両の2軸電動車を配し、その間にボギーの付随車をはさんだ3両編成。

  • 発車時間が近づいてくると、乗客が集まってきます。先頭になる22号に乗車。相棒の21号とともに、先ほど車庫で出会った23号と同様に、20号と同じリスボンから購入した中古車の半鋼製車体を木造車体に更新したもの。

    発車時間が近づいてくると、乗客が集まってきます。先頭になる22号に乗車。相棒の21号とともに、先ほど車庫で出会った23号と同様に、20号と同じリスボンから購入した中古車の半鋼製車体を木造車体に更新したもの。

  • 運転席にはイングリッシュエレクトロニックの直接制御器とブレーキハンドル。エアブレーキも装備しています。

    運転席にはイングリッシュエレクトロニックの直接制御器とブレーキハンドル。エアブレーキも装備しています。

  • 車内は転換式のクロスシートで、出入り口付近のみロングシート。天井には次停車を合図する紐が通っています。<br />

    車内は転換式のクロスシートで、出入り口付近のみロングシート。天井には次停車を合図する紐が通っています。

  • 発車すると、狭い下り坂をゆっくりと降りていきます。制御器を逆に回すと電気ブレーキになるらしい。

    発車すると、狭い下り坂をゆっくりと降りていきます。制御器を逆に回すと電気ブレーキになるらしい。

  • 専用軌道にはいると少しスピードが上がり、車掌さんが切符を売りにまわります。1人片道7&#8364;(約900円)、2人で乗れば、タクシーの方が安い観光客料金。途中の停留所で1人、地元の客が乗ってきたけど、割引運賃でもあるのでしょうか。<br /><br /><br />

    専用軌道にはいると少しスピードが上がり、車掌さんが切符を売りにまわります。1人片道7€(約900円)、2人で乗れば、タクシーの方が安い観光客料金。途中の停留所で1人、地元の客が乗ってきたけど、割引運賃でもあるのでしょうか。


  • 中央分離帯のある幹線道路を横断すると、道路の端の専用軌道を走ります。高知の土佐電交通や、かつての名鉄美濃町線のようだけど、道路も線路もソーイェルの方が立派。途中に何ヶ所か列車交換が可能な停留所があり、30分間隔の運行になる繁忙期のダイヤでは、この内の1ヶ所で交換が行われるようです。<br /><br /><br />

    中央分離帯のある幹線道路を横断すると、道路の端の専用軌道を走ります。高知の土佐電交通や、かつての名鉄美濃町線のようだけど、道路も線路もソーイェルの方が立派。途中に何ヶ所か列車交換が可能な停留所があり、30分間隔の運行になる繁忙期のダイヤでは、この内の1ヶ所で交換が行われるようです。


  • 検札を終えた車掌が運転士の所に来て、この先終点まで二人のおしゃべりが止まりません。運転士さん、話に夢中になってノッチを入れたままコントローラとブレーキ弁から手を放すのはやめて欲しい。

    検札を終えた車掌が運転士の所に来て、この先終点まで二人のおしゃべりが止まりません。運転士さん、話に夢中になってノッチを入れたままコントローラとブレーキ弁から手を放すのはやめて欲しい。

  • やがて前方に海が見えてきて、湾に沿って湾曲した海岸通りの併用軌道に入ります。

    やがて前方に海が見えてきて、湾に沿って湾曲した海岸通りの併用軌道に入ります。

  • 波打ち際や砂浜と、建ちならぶホテルやカフェ、レストランにはさまれた通りは、クルマを通さないトランジットモールになっているらしい。<br /><br /><br />

    波打ち際や砂浜と、建ちならぶホテルやカフェ、レストランにはさまれた通りは、クルマを通さないトランジットモールになっているらしい。


  • ソーイェルから20分ほどで、トラムは終点のポルト・デ・ソーイェルに到着。

    ソーイェルから20分ほどで、トラムは終点のポルト・デ・ソーイェルに到着。

  • 中間に付随車をはさんだ、3両沿整のトラムの側面。

    中間に付随車をはさんだ、3両沿整のトラムの側面。

  • 終点には立派な駅舎があるけど、外に面した出札窓口らしき所は閉じられています。繁忙期になると開くのかな。

    終点には立派な駅舎があるけど、外に面した出札窓口らしき所は閉じられています。繁忙期になると開くのかな。

  • トラムは、今度は21号を先頭にソーイェルに向けて発車していきます。

    トラムは、今度は21号を先頭にソーイェルに向けて発車していきます。

  • 海岸通りの、

    海岸通りの、

  • トランジットモールを行く後ろ姿。

    トランジットモールを行く後ろ姿。

  • 1時間後に折り返して来たのも、21号と22号の同じ編成。閑散期は、終日1編成のみが単純に往復するだけの運用です。<br /><br />ソーイェルトラムの動画をYoutubeにアップしました。<br />https://youtu.be/WqzA0E4fOLg

    1時間後に折り返して来たのも、21号と22号の同じ編成。閑散期は、終日1編成のみが単純に往復するだけの運用です。

    ソーイェルトラムの動画をYoutubeにアップしました。
    https://youtu.be/WqzA0E4fOLg

  • ポルト・デ・ソーイェルは、岬に狭まれた奥に湾が広がる天然の良港。高台にある灯台からは見晴らしがよさそうだけど、クルマがないと行きづらい距離。

    ポルト・デ・ソーイェルは、岬に狭まれた奥に湾が広がる天然の良港。高台にある灯台からは見晴らしがよさそうだけど、クルマがないと行きづらい距離。

  • こちらはもう一つ、湾の入口に立つ灯台。

    こちらはもう一つ、湾の入口に立つ灯台。

  • 港には数多くのヨットが停泊中。岸から少し離れた沖には、小型漁船の姿も。

    港には数多くのヨットが停泊中。岸から少し離れた沖には、小型漁船の姿も。

  • 海水浴シーズンにはヨーロッパ各国から観光客が押し寄せ、この砂浜も人で埋まるのでしょう。

    海水浴シーズンにはヨーロッパ各国から観光客が押し寄せ、この砂浜も人で埋まるのでしょう。

  • この日は1月3日だけど昼間の気温は20℃まで上がり、冷たいと思うけど元気な子供は海に入って水遊び。

    この日は1月3日だけど昼間の気温は20℃まで上がり、冷たいと思うけど元気な子供は海に入って水遊び。

  • ポルト・デ・ソーイェルが始発のバスで、パルマ・デ・マヨルカへ戻ろうとしたけど、バス停の場所がわかりません。電車通りのレストランで尋ねると、海岸から山の方に行った所らしい。途中にあったスーパーでレジのお姉さんにもう一度尋ねると、さすがは観光地、英語で2つ目のロータリーにあると教えてくれました。GoogleMapにも、あとでよく確かめると載っていた。

    ポルト・デ・ソーイェルが始発のバスで、パルマ・デ・マヨルカへ戻ろうとしたけど、バス停の場所がわかりません。電車通りのレストランで尋ねると、海岸から山の方に行った所らしい。途中にあったスーパーでレジのお姉さんにもう一度尋ねると、さすがは観光地、英語で2つ目のロータリーにあると教えてくれました。GoogleMapにも、あとでよく確かめると載っていた。

  • 211番のバスはトンネルでショートカットして、トラムが20分かかったソーイェルまでわずか5分。バルデモサ等を経由しない直行系統なので、ソーイエル鉄道が1時間以上要するパルマ・デ・マヨルカには40分で到着。何だかあっけない。<br /><br />夕食は、パルマ・デ・マヨルカの旧市街にあるマヨルカ料理のレストラン。<br />

    211番のバスはトンネルでショートカットして、トラムが20分かかったソーイェルまでわずか5分。バルデモサ等を経由しない直行系統なので、ソーイエル鉄道が1時間以上要するパルマ・デ・マヨルカには40分で到着。何だかあっけない。

    夕食は、パルマ・デ・マヨルカの旧市街にあるマヨルカ料理のレストラン。

  • 店名のセラーに合わせてか、酒蔵の大きなワインの樽(のカットモデル)が並ぶ店内。<br /><br /><br />

    店名のセラーに合わせてか、酒蔵の大きなワインの樽(のカットモデル)が並ぶ店内。


  • ハウスワインをデカンタで注文。

    ハウスワインをデカンタで注文。

  • メインはイカのフリッタ。パンの他にオリーブも付いてきます。

    メインはイカのフリッタ。パンの他にオリーブも付いてきます。

  • ホテルへの帰りは、夜の市内を回り道。

    ホテルへの帰りは、夜の市内を回り道。

  • 旧市街の路地には、クリスマスの電飾が残っています。

    旧市街の路地には、クリスマスの電飾が残っています。

  • 時刻はまだ21時過ぎ。これからがスペイン人の晩ご飯の時間だけど、一般の商店が閉まるのは早いようで。<br /><br /><br />

    時刻はまだ21時過ぎ。これからがスペイン人の晩ご飯の時間だけど、一般の商店が閉まるのは早いようで。


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