日本最北端を目指す旅【３日目】～日本最北端の地～

2020/08/08 - 2020/08/11

旅の発端は、
キャセイパシフィック航空のマイレージ。
いつかは香港へと
コツコツためたマイレージが
目標成就することもなく、
6月末に消えるとの悲しいお知らせ。

なんとか、救済せねばと調べたところ、
JAL特典航空券に交換できることがわかり、
一人旅でルート選定をしていたところに、
お供したいと名乗りを挙げる小さな手。

聞くと、
前回の鉄道旅行が良かったとのこと。

”JR西日本30周年記念乗り放題きっぷの旅”
https://4travel.jp/travelogue/11295779

この時期に出かける十分な感染防止対策し、
思い存分に乗り物に乗ろう！ということで
二人で日本最北端を目的地にして、
旅した記録です。

【旅のしおり】
（1日目）
・JAL特典航空券で空路旭川へ
・宗谷本線で”JR最北端の駅”稚内へ
・さらに北へ　～ノシャップ岬で見る夕日～

（2日目）
・フェリーで巡る”日本最北端の２つの離島”
・島内移動はレンタルバイク！
　目指せ”最果ての宿”

（3日目）
・予定変更！正真正銘の”日本最北端の地”へ
・最北のローカル線で途中下車　～幌延駅～

（4日目）
・乗車時間は約3時間！　
　日本最長クラスの路線バスに乗車
・廃線か存続か～留萌本線～
・札幌を駆け足で観光、千歳空港から帰路へ

～・～・～・～・～・～・～・～・～・～
◎他の鉄道旅行記はこちら↓

三江線に乗る旅　～廃線まで残り294日～
【1日目】https://4travel.jp/travelogue/11252115
【2日目前編】https://4travel.jp/travelogue/11252128
【2日目後編】https://4travel.jp/travelogue/11252375

エリア 天塩・遠別・幌延(北海道)

• 旅行の満足度: 5.0

• 交通手段: 高速・路線バス 船 JRローカル

【3日目】
海に面した宿の窓から朝日が見えました。

天気予報では、今日の天気は下り坂。

アザラシの見える宿 民宿スコトン岬 宿・ホテル

部屋の前では、
小型の舟に乗った漁師さんが、
箱めがねで水中を見ながら、
ウニ採りをしています。

今朝の海は、ほとんど波がない凪です。

向こうに浮かぶ小島（トド島）周辺でも
ウニ採り漁の小舟が数隻。

昨日のバスガイドさんの話では、
ウニ漁は、波があるとできない上に、
エゾバフンウニは、お盆過ぎに産卵期に入り
味が落ちるので、漁が終わるとのこと。

最高級の利尻昆布を食べて育ち、
漁の期間が3か月ほどと短い
礼文島のエゾバフンウニは、
やはり最高級品、特に生ウニの値段は、
毎日の収穫量に左右されるため安定せず、
時価だそうです。

トド島 自然・景勝地

海鳥の鳴き声と波が浜に打ち付ける音を
BGMに海の景色を眺めながら、
贅沢な朝の時間を過ごしていると、
だんだんお腹が空いてきました。

宿を出る際、玄関にて。
最後の客なのか、誰もいません。

（※）今季は素泊まりのみの営業

宿を出た階段を上ったところにある
スコトン岬の展望台で最北の朝に
あいさつ。

今日も元気に出発！

スコトン岬 自然・景勝地

前方に利尻富士、
左手にはずっと海を見ながら、
交通量がほとんどない道をバイクで快走。

バイクを返却した後、
すぐにバスに乗れば、
昨日行った桃岩展望台駐車場に
行くことができます。

そこから3時間ほどトレッキングし、
またバスに乗ればフェリーターミナルで
午後のフェリーに乗り継ぎ、
夕方、稚内に戻ることができます。

しかし、
天候とお供の意見より、
朝のフェリーで稚内に戻ることにしました。

香深港フェリーターミナル 乗り物

雨が降り出しそうで降っていない
海上から最後の利尻富士をのぞむ。
嵐の前の静けさか、無風で静かな海です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
その後のニュースでは、
今日の午後より降り出した雨が、
翌日8/11未明から大雨になり、
島内のトレッキングコースが
大きく侵食され、
すべてのトレッキングコースが
一時通行止めになったとのこと。

また、路肩崩壊もあり、
トンネルで島の西側に抜ける道も
通行止めに。

結果的に訪れた2日前と
翌日が大雨だったことになり、
島内滞在2日間、雨に降られなかった
幸運に感謝。

さて、船内はカーペット席、
ゴロゴロ寝そべりながら、
これからのプランを考えます。

稚内灯台が見えてきました。
まもなく到着です。

変更プランも決まりました。

いろいろ考えた結果、
日本最北端の宗谷岬に行くことに。

そこで、
バスの時刻表を調べると、

①9：39稚内発⇒10：29宗谷岬着に乗り、
　11:14発⇒12：08稚内着
②13：20稚内発⇒14：10宗谷岬着に乗り、
　14：55発⇒15：47稚内着

日帰りで往復できるバスは1日たったの2便しか
ありません。

宗谷岬は有名な観光地ですが、
公共交通機関での到達難易度が
意外に高いので驚きました。

フェリーが10:50着のため、
13：20発のバスでしか宗谷岬に行くことが
できません。

まだ、雨が降り始めておらず、
時間も少しあるので、
それまでの時間を利用して、
ノシャップ寒流水族館に来ました。

場所は2日前に夕日を見たノシャップ岬の隣、
日本最北端の水族館です。

ノシャップ寒流水族館 動物園・水族館

稚内市営のため、
入場料は非常にリーズナブルです。

入場してすぐの２つの屋外プールに
いきなりアザラシを発見！

しかも、
ここでもエサやり体験ができます。

ということで、
”エサやり体験第三弾！！”

昨日の第二弾同様、
今日も”アザラシにエサやり体験”できる
予想外の展開にお供は大喜び。

もちろん、
エサもお代わりもしました。

エサは、第一弾、第二弾と同様、
100円/杯とリーズナブル。

エサを持った人を追いかけ、
鳴きながら、水面をたたくアザラシ。

エサを持ってない人には近寄って来ません。
頭のいい生き物です。

昨日のエサやりの消化不良だった憂さを
晴らすかのように、
エサやりに夢中！

水族館なので、アザラシたくさんいます。

同じ敷地にある科学館にも入れます。

（ここで、ついに小雨が降り出しました）

稚内市青少年科学館 美術館・博物館

予想以上に水族館と科学館を楽しんだ後、
稚内駅に戻り、
駅に隣接する宗谷バス営業所にて、
宗谷岬への往復割引券を購入しました。

宗谷バス 乗り物

駅の食事処で急いで昼食を済ませ、
13:20発の宗谷岬行きバスに乗車。

途中から意外にも立っている人が
出るくらい車内は満員です。

ふじ田 グルメ・レストラン

最北の海、宗谷海峡を見ながら
バスは走ります。

あいにく、
途中から雨がだんだん強くなってきました。

宗谷岬に到着。

正真正銘の日本最北端の地を踏みました。

ここからロシア　サハリンまで直線約43㎞
フルマラソンぐらいの距離なので、
オリンピック選手なら走っても約2時間強、
高速道路の車速だと30分程度と考えると
近いような気もします。

そんな想像をしながら、
ロシア側を眺めるも、
サハリンはもちろん全く見えず。

日本最北端の地の碑 名所・史跡

昨日訪れた礼文島の最北端スコトン岬は
北緯45度27分51秒

一方、宗谷岬は、北緯45度31分22秒

その差は3分31秒にて、
宗谷岬の方が、約6,541m北に位置します。
（データはWikipedia スコトン岬より）

宗谷岬 自然・景勝地

雨はジャンジャン降り。
ただ、風がないのが幸いです。

いろいろな観光施設が点在しており、
訪れる人も多いためか、
または、地形的に行き止まりの岬では
ないためか、スコトン岬のような
秘境感はありません。

さて、帰りのバスの発車まで45分。

お土産を買って、足早に戻ることにします。

行き一緒だった人が加わり、
帰りも同じバスに乗るので、
バス停に隣接した待合室は満員です。

雨の中、外でバスを待ちます。

14：55発のバスに乗車。
1日4便しかない稚内行きです。

予想通り、満員ですが、
協力して詰めて座ったので、
全員着席で出発。

約50分かけて、稚内駅に戻ります。

16：00ごろに駅に戻りました。

稚内駅はキタカラ（KITAcolor）と
名付けられた複合施設になっており、
食事、喫茶、コンビニ、お土産物店、
映画館など、一通りそろって便利です。

次の列車は、18：04発の普通列車

まだ2時間ほどありますが外は雨。

2階に上がると、
机と椅子、フリー充電スペースまである
きれいな休憩場がありました。

ゲーム機にお菓子とジュースを持ち込み、
旅の”中休み”にします。

キタカラ ショッピングモール

幌延駅には、
この特急宗谷でも行けたのですが、
あえて18分後に出発する
次の普通に乗ります。

さて、今から、
少しずつ南下して家の方向へ

まず最初は、
名寄行き列車に乗り、
幌延駅にある宿を目指します。

稚内発の普通列車は1日わずか4便、
この列車は、幌延から先の
終電になります。

ディーゼルの普通列車に乗るのは、
3年前に芸備線（新見～三次）や
廃線になった三江線以来です。

（三江線に乗る旅）
https://4travel.jp/travelogue/11252115

稚内駅 駅

宗谷本線　稚内～名寄間は、
JR北海道の中でも特に閑散区間です。

JR北海道が公表した
輸送密度ランキング（2019年度）では、
宗谷本線は下位5番目。

そのうち1線区は廃線、
2線区は災害不通区間であることから、
実際は、
1位：留萌本線
2位：根室本線（釧路～根室）に次ぐ
JR北海道全線中3番目のローカル区間です。

さて、せっかくの乗車なので、
前回の三江線乗車と同じように全駅、
記録に残します。

まずは南稚内駅
早々にかなりの人数が、
下車してしまいました。

市内中心にはこちらが最寄り駅です。

南稚内駅 駅

沿線自治体でつくる活性化推進協議会は、
2020年3月27日、
JR北海道が廃止を求めていた
29の無人駅のうち、13駅について、
2021年3月廃止を受け入れる方針。

ここは、その廃止13駅の一つ、
抜海駅です。

13駅とは、北から順に、
（稚内市）
・抜海駅
（幌延町）
・安牛駅・上幌延駅
（美深町）
・南美深駅・紋穂内駅、
・恩根内（2020年7月22日存続に転換）
・豊清水駅
（名寄市）
・北星駅
（士別市）
・下士別駅
（剣淵町）
・東六線駅・北剣淵駅
（比布町）
・南比布駅・北比布駅

https://tabiris.com/archives/soya-13station/
（出典：タビリス旅行総合研究所）

（※追記）
抜海駅は廃駅を免れた一方、徳満駅が追加で廃止になりました。

抜海駅 駅

勇知駅

JR北海道特有の使わなくなった貨車を
改造した駅舎です。

勇知駅 駅

兜沼駅

目の前には見える湖が兜沼です。

兜沼駅 駅

貨車ではなく、
プレハブ駅舎の徳満駅

徳満駅 駅

豊富駅

北海道天塩郡豊富町の中心、
特急停車の主要駅です。

豊富駅 駅

ここで、
稚内方面に向かう普通最終列車
4331Dとすれ違います。

下沼駅
ここも貨車を改造した駅舎です。

駅舎に顔のような絵が見えたので、
後で調べてわかりました。

2017年に錆びついて老朽化した駅舎を
地域の方でお化粧直しをしたとのこと。

1日の乗降客1名以下ですが、
地域住民の足として存続します。

下沼駅 駅

今日の目的地である幌延駅に到着！

他に下車した人はいませんでした。

駅舎もある立派な有人駅、
幌延町の中心です。

ここまで稚内からの停車駅は８駅、
うち廃止駅は、稚内市の抜海駅です。

その他の駅は、利用客は少ないながらも
沿線自治体と地域住民が支えあって、
存続するとのこと。

ローカル線に乗車すると、
地方人口減少、過疎化を実感します。

幌延駅 駅

駅前の本日の宿、サロベツ会館に到着です。

明日の行動を考え、
この宿を調べたのですが、
主要なサイト経由では満室表示。

そこで、直接、宿に電話したところ、
予約できました。

また、ありがたいことに
子供分は少しディスカウントして
もらいました。

サイトは便利ですが無機質。
電話は人と人、直接話してみるものです。

民宿旅館サロベツ（サロベツ会館） 宿・ホテル

食堂には、
ボリューム満点な家庭料理がスタンバイ、
大人も子供も同じ量です。

今日は、天候の都合で予定変更しましたが、
無事に終わりました。

個人旅行は、臨機応変、
天候次第に気分次第。

【4日目/最終日に続く】
https://4travel.jp/travelogue/11640588

民宿旅館サロベツ（サロベツ会館） 宿・ホテル

この旅行記へのコメント （2）

• 機乗の空論さん 2022/01/01 11:15:56

  初めまして！

  あけましておめでとうございます！、見て頂きまして有難うございます。ｊａｙｊａｙさんって鉄っちゃんですよね。私も学生の頃と言っても４５年も前ですが、同ルートを普通列車に乗って初めて稚内へ行って、フェリーで礼文・利尻島を旅しました。
  特に桃岩荘ＹＨでは連夜のお祭り騒ぎでその後も何度も伺いましたが、ＹＨやカニ族と呼ばれた時代は過ぎし日の遠い話に成りました。これからも宜しくね！。

  jayjayさん からの返信 2022/01/05 18:30:21

  RE: 初めまして！

  機乗の空論様
  
  ご訪問して頂き、ありがとうございます。
  
  箕面観光ホテルに行くので、どんなところか調べている時に
  機乗の空論様の旅行記に出会いました。
  参考になりました。ありがとうございます。
  
  では、週末行ってきます！
  
  （追記）
  礼文島は、最北の宿に泊まりました。
  日本離れした秘境感が半端なく、いい思い出です。
  
  
  2022.01.05.jayjay