京急線各駅下車の旅（４）神武寺駅（神奈川県逗子市）

2020/01/13 - 2020/01/13

京急線各駅下車の旅。第４回目は京急逗子線の神武寺駅です。
逗子市内にあるローカル駅なのにもかかわらず、国内で唯一と思われる米軍専用改札口がある珍しい駅です。これは駅に隣接した米軍池子住宅へのアクセスのための改札口とセキュリティゲートがあるためで、一般人は許可なく出入りすることができません。
また、金沢八景にある総合車両製作所（元東急車輛）への引き込み線がＪＲ横須賀線の逗子駅から分岐して来てきて、ここ神武寺駅で京急線に合流し金沢八景まで三線軌条になっている珍しい区間にもなっています。
駅から西へ１～１．５Ｋｍほどの山中にある天台宗の寺院・神武寺が駅名の由来となっています。

エリア 逗子・葉山(神奈川)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄

京急逗子線の神武寺（じんむじ）駅。
駅番号はＫＫ５２。
駅名の由来は駅から西へ１～１．５Ｋｍの山中にある、天台宗神武寺です。
もう何十年も前に行ったことがありますが、けっこうなきつい山道を登った森の中にあるので駅から歩くと３０分くらいはかかるかと思います。

神武寺駅 駅

神武寺駅に停車する電車はその多くがエアポート急行です。
なお、急行、特急ともに逗子線内は各駅に停車します。

京急逗子線 乗り物

前回（第３回）で金沢八景駅の訪問を終えて、最初に来る電車で移動しようと行き当たりばったりにかけてみたら、エアポート急行新逗子行きが来たので、なんとなく神武寺駅で降りてみました。
（上の写真は金沢八景駅に入った時の列車案内表示です）

金沢八景駅から２駅、およそ５分で着きました。

神武寺駅は２面２線の相対式ホーム。

相互乗り入れしている都営浅草線の車両がちょうど上り２番線に入って来ました。

都編成が逗子線まで足を延ばすことはさほど多くはありません。

上り方には今では希少となった構内踏切が残されています。

構内踏切を渡った２番線側にあるのが米軍池子住宅専用改札口です。
一般人はこの改札を通ると処罰されると明記されています。
この場所は戦時中日本海軍の倉庫だったそうですが、戦後アメリカ軍に接収され長らく池子弾薬庫と呼ばれていた場所に米軍関係者の住宅などの施設を建設したものです。
この場所に米軍住宅を建設するに当たっては地元逗子市が賛否で二分されたという歴史があります。
１９９６年に一部住宅が完成し、数年後に全部が完成したそうです。

構内踏切を地下鉄の電車が通り抜ける姿ってなんだか違和感ありありで面白いです。

１番線側にある改札口。

平日の朝と夜のみ一部特急電車が通りますが日中はほぼ１０分毎のエアポート急行ばかり。
普通電車も朝夜に入りますが、そのほとんどは金沢文庫始発終着もしくは金沢八景からの逗子線内折り返しとなっています。

駅を出るとすぐに神武寺鷹取山ハイキングコースの案内看板がありました。
鷹取山には以前からロッククライミングのコースがあることで知られています。

こじんまりとした神武寺駅舎。

山道を登って神武寺まで行こうと思ったら今の私だと３０分では到底無理でその倍はかかった上に帰って来られなくなりそうなので、今回は駅と、ごくごく周辺だけを散策するにとどめておきます。

駅を出て少しだけ歩きます。

京急逗子線と並行して通る県道２０５号線。
こちらは六浦、金沢八景方向。

こちらは逗子方向。

県道に出るとすぐの場所に鳥居があったので近くまで行ってみました。

池子神明社と書かれていました。

池子神明社 寺・神社・教会

ほんのちょっと階段がありました。

二の鳥居。

さらにもう少し階段を上った先が社殿です。

こちらでお詣りさせていただきました。
訪れた時は誰もいないひっそりとしたお社でした。

でもあたりが開けている上に、前の県道にはひっきりなしに車が通っていたので寂し過ぎる場所というわけではありません。

神武寺駅に戻ってきました。

神武寺駅 駅

上りエアポート急行羽田空港行き見送ります。

駅の中には小さな売店がありました。

改札口を通って構内踏切を渡って２番線側に行ってみます。

歩きながらホームをパチリ。

米軍専用改札口。

上り金沢八景方向。
左側の線路がＪＲ横須賀線の逗子駅から伸びてきた総合車両製作所（元東急車輛）への引き込み線。
この先で京急逗子線の上り線に取り込まれて三線軌条になります。
ＪＲの線路幅が狭軌（１０６７ｍｍ）で京急の線路幅が新幹線と同じ標準軌（１４３５ｍｍ）となっていることは前回の金沢八景駅の記事でも触れた通りです。

こちらは引き込み線の逗子方向。
すぐ右のフェンスの先は米軍施設です。

フェンスの先には樹木があって住宅の様子はよくわかりませんでした。
長い間米軍が接収していたことによってこのあたりの自然が残っていた、のも昔の話。
でも日本に返還されていたらもっと開発されてしまったのかもしれません。
政治的な難しいことは色々ありますが、平和で自然豊かな世界を後世に残すことはとても大事、なことだけは確かなこと。

左のフェンスはＪＲと京急の境界「付近」を示すものらしい？
奥に一本ある留置線。もう４０年近く前になりますが、１５３系急行型電車（たぶん？）が廃車解体前に長い間留置されているのを見てかわいそうになった記憶がよみがえって来ました。

前の写真のフェンスの少し右側に「国鉄／京急」の境界標の名残りらしきものが残っています。
４０年くらい前にはこの札がきちんと立っていて「国鉄／京浜急行」と書かれていたような記憶があります。

２番線ホームから下り方向。

２番線ホームから上り方向。

引き込み線が上り線の線路に取り込まれていることがわかります。

２０２０年の３月１４日に京急で駅名変更があると掲示されています。
一部違和感のある駅名もありますが、徐々に慣れていくことでしょう。

お隣の終点新逗子駅まで乗っていくことにします。

（つづく）