2020新春エチオピアその４～ラリベラの白眉・聖ギオルギス教会と聖マリア教会のミサ、間に珈琲セレモニー

2019/12/29 - 2019/12/31

２０１９年末から２０２０年初にかけて、アディスアベバ、ラリベラ、ゴンダール、バハルダールと、エチオピア北部の教会巡りをしました。

その４はラリベラの岩窟教会群の白眉、十字形の聖ギオルギス教会。翌朝は聖マリア教会でマリアの主日のミサに参列し、チャンティングも聞きました。合間にはエチオピアン・コーヒーセレモニーや、民族舞踊も。

・聖ギオルギス教会をじっくり
・民家でのコーヒーセレモニー
・ホテルで夕食と民族舞踊鑑賞
・早朝、聖マリア教会のミサに参列
　　司教の説教、行列、チャンティング
・ラリベラの街の様子
・ゴンダールに向けて空港から飛び立つ

表紙写真は、十字形に岩を掘り下げた聖ギオルギス教会。

エリア ラリベラ(エチオピア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 5.0
• ホテル: 3.5
• グルメ: 3.5

• 交通手段: 観光バス 徒歩
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

岩窟教会群Ⅰ・Ⅱと巡って、残すはラリベラの至宝、聖ギオルギス教会のみとなりました。

教会に向かう途中の林にいたのは、ベルベット・モンキー。

鮮やかなブルーが印象的。

林を抜けると、見えてきました！

夢にまで見た、聖ギオルギス教会（Bet Giyorgis）。

岩を十字形に掘り下げて、教会としています。

岩窟教会群の中では一番新しい教会です。

上から眺められるのはうれしいですね。この教会だけは、保存のための屋根の覆いがないのです。

屋根の部分に十字形が彫られています。

白い服を身にまとった巡礼の人たち。

岩の上部から周囲を回ってみましょう。

縦横の長さが同じ、ギリシャ十字形です。

切り立った岩には手すりもありません。

こちらがわが正面ですね。

三層に見えますが、実際には中は一つの空間。
上から水を流す樋も見えています。

とても端正な形。

窓は、岩窟教会群Ⅰの聖ゴルゴダ教会のものに似ていますが、それよりは若干シンプルになっているよう。

明るいオレンジ色は、地衣類によるものだそう。

正面奥には、岩を隔てて堀がありました。

ここでも、手を挙げて影をつくってみました。

南側。

一番下の窓は、実際には開口部がない、偽の窓になっています。

こちらからみると、屋根が斜めになっていることがよくわかりますね。屋根に水がたまらないようにしているそうです。

こんなに精巧なつくりの建物を、上から掘り下げて作ったとは、なかなか信じられない感じです。

聖ギオルギス教会の案内図。

さて、どこから教会にアクセスするのか・・・

またWebサイトから見取り図を持ってきました。

https://www.zamaniproject.org/site-ethiopia-lalibela-rock-hewn-churches.html
ラリベラの教会を３Dで再現するプロジェクトです。

この図で見ると、建物から右下に延びる斜めの道からアクセスできます。

ここがその入口。岩の狭間を歩いていきます。

そして岩の穴に入ります。

その穴の上のほうには、円形の古いタイプの民家が見えました。

穴の中はこんな感じになっています。

そして・・・　教会の正面に出てきました！

聖ギオルギス教会は、ノアの方舟に例えられています。
ノアの方舟がアララト山に到着した姿をあらわしているそう。

岩に彫られたこの模様は、陸についたことを示す、鳩がくわえてきたオリーブの枝を表したもの・・・だったと思う。

下から見上げても端正な形。

靴を脱いで、中に入りましょう。

中もギリシャ十字形。

至聖所の上がちょうど中心部分です。

聖ギオルギスの龍退治の絵が飾られていました。

聖ギオルギスはエチオピアの守護聖人です。

聖ギオルギスの顔をアップで。

アーチ。これも岩をくり抜いて作られたもの。

天井を見ると、ギリシャ十字形であることがよくわかります。

袖の部分の天井には十字架。

外からは三層に見えましたが、中は一つの空間。

一番上の窓から光が漏れています。

中から入り口を見たところ。

建物の中には、宝物が収められていた箱が展示されていました。

もともとは上にあるネジで鍵がかかるようになっていたそうですが、今は南京錠。

至聖所の前で祈りを捧げる人。

先程の宝箱の前でも。

横の出口から外へ。

もう一度見上げてみました。

ギリシャ十字形の建物の中には、チャンティングルームはなく、外の穴の中に作られていました。

建物の周りの横穴には、16世紀のミイラが。

この場所があまりに素晴らしく、ここで永遠の眠りにつくことを選んだ人のものだそう。自然にミイラになったもの。この岩の成分がミイラを作るのに適していたとのことです。

少し高くなっているこの部分が、アララト山を表しているそうです。

溶岩が流れた跡のようですね。

貯水池には草が生い茂っていました。

岩の狭間を通って上へ。

この景色を瞼の裏に焼き付けます。

名残惜しい。

何度も振り返って眺めました。

聖ギオルギス教会の近くで、英語で話しかけてきた女の子。5年生とのこと。

持っていたペンをあげたらとっても喜んでくれました。この子には翌日にも出会いました。覚えていてくれましたよ。

小学校から高校までは授業料は無料ですが、制服や文具、教科書は個人持ち。
6歳から小学校に行き、8年間。中学は2年、高校も2年。そのあと大学が3－4年。国立大学が45校あるそうで大学進学率は42％とのこと。もっとも地方では3割くらいらしいです。

このあと民家でコーヒーセレモニーを楽しみました。

一家の女主人が珈琲を振る舞ってくれます。

最初に炭火を起こします。

その上で、生豆からコーヒーを炒ります。

さじでかき混ぜながら。

10分ほどすると、いい色になってきました。

この豆をお客にまわして、香りをかいでもらいます。

炒った豆を冷ましているところ。

コーヒーは毎食後に飲むそう。コーヒーを淹れるのは女性の仕事です。

炒った豆を潰します。これも本来は女性の仕事ですが、この杵、結構重いんです。
重労働なので、女主人の弟さんが手伝ってくれました。

挽いた粉をお湯に溶かして、

ポットに戻します。

ポットを火にかけて、

その間、お茶菓子をお客に進めます。

ポップコーンと薄焼きのクレープでした。

お香も焚きます。

ほんとに茶道とよく似ていますね。

ポットを斜めに置いて、多分粉を沈殿させているのでしょう。

カップに注ぎます。

出てきました。

とても爽やかな味。コリアンダーを加えているそうです。

ホテルにもどると日没の時間。

夕食はトマトスープと、

魚（ティラピア）のフライ。

デザートはクレープ。りんごのジャムと。

食後、民族舞踊を披露してもらいました。

一本だけ弦がある、胡弓のような楽器を弾き鳴らします。

エチオピアの民族舞踊は、肩を前後に激しく揺するのが特徴。

トランス状態？

なんと、ホテルのコックさんも参戦。

みんな踊りが大好きなんですね。

さて翌朝。朝早くから聖マリア教会へ、マリアの主日のミサに向かいます。
マリアの主日は毎月あるそうです。

白いショールの二人はミサに向かうのかな。その向こう、藁を頭に載せた人も。

三々五々、教会に向かう人達。

傘を売っているのでしょうか。

ミサはすでに始まっているようです。

聖マリア教会の周囲の岩の上に、司祭たちの姿が見えます。

聖救世主教会の前から、岩の穴を通っていきます。

聖マリア教会の敷地に入ると、司祭たちの様子がよく見えました。

聖母子像の聖画も掲げられています。黒い服の人は司教様のようです。

香炉が振られて、ミサは終わったよう。

このあと説教があります。

司教様の説教。

聖マリア教会の壁に向かって、一心に祈る人も。

ろうそくやお金、そして小麦。すべて信者からの喜捨です。

ミサに参列する人々。

敷地の奥には、大きなテントが張られて、その下でチャンティングの準備が行われています。

手前に太鼓。奥には、シャナシェルという鈴をもった聖職者たちがたくさん並んでいます。

司教様、こんな断崖の上に立っていたのですね。

豪華な衣装。

司教様たちが移動し始めました。

行列しながら、

チャンティングルームへ。

太鼓の前には少年の姿も。

司教様とシャナシェルをもつ聖職者たち、そして太鼓をならす少年。

少年たちの衣装がかわいい。

チャンティングを聞く人たち。

シャナシェルをならす聖職者。

司教様も、片手に十字架、反対の手にシャナシェル。

十字架で信者を祝別する司教様。

私達はそろそろ、ホテルに戻ります。信者たちも三々五々、いなくなっていくそうです。

途中、円形の古い民家の近くを通りました。

街の中心部では、家の中に敷き詰める青い草を売っていました。

街の風景。

左のように、土の壁にトタン屋根の家が圧倒的に多い感じです。

果物類を売っていますね。

ホテルから空港に向かう途中、展望台で売っていたお土産を買うことに。

みんな手に手に、自作の焼き物を持ってきます。

地元の人がたくさん乗ったトラックも。

ラリベラ空港に到着。

ラリベラ空港 (LLI) 空港

ポストがかわいい。

空港のカウンター。

歩いて飛行機へ。

滑走路。まわりには何もありません。

ゴンダールに向けて飛び立ちました。