世界の結婚式から～エチオピア～ +香港と台湾　総集編

2012/09/19 - 2012/09/27

時は遡ること2012年夏、会社の廊下でたまたま立ち話をした初対面の同僚との会話から始まりました。

私「へー、あなたエチオピア人なのね」
同「そうなのよ。行った事ある？」
私「ないけど行ってみたい！何月がオススメ？」
同「9月がいいわ！」
私「ほほう、観光シーズンだとか？」
同「それもあるけど、私の結婚式が9月なの」
私「お…おうよ…」
　
ってな訳で、会って5分しか会話した事のない方から結婚式に招待され、その後の会話を含めても10分しか面識ない方の結婚式に参列すべくはるばるエチオピアまで行って来ました！
もちろん結婚式の他にも間を縫って観光もしてきましたが、なかなか濃い内容に。思えば人見知りしなさすぎる私がフットワークの軽さを発揮した最後の旅行だったかも知れません。
結婚してワイフ様の意向や予定を考えると、こんな軽いノリで一万キロ離れた場所にノコノコ出掛けるような事はできなくなりましたね。

以前紹介した私のタイ式結婚式に続き、世界の結婚式シリーズ第2弾の開幕！

エリア ラリベラ(エチオピア)

今日の目的地はエチオピア！
今でこそエチオピア航空が飛んでいますが、それは2015年の事。
当時アフリカへ行くのであれば（今でもわりかし）エミレーツ航空やカタール航空で行くのが定石でしたが、中東系の出発まで待つと現地着が半日以上遅れるので、キャセイさんでとりあえず香港まで向かいましょう。

成田国際空港 空港

香港に到着。
間髪入れずにドバイ便に乗り継ぎ。
せっかく香港に来たのだから美味しい飲茶の一つでも興じたい所ですが、時間がそうは許しませぬ。

香港国際空港 (チェク ラップ コック空港) (HKG) 空港

16:30出発ですが、夜行便かのごとく眠い…。
意地汚いので機内食は食べ続けます。
飲茶は食べれなくても、機内食が食べられれば幸せ。
現金なもんです。

ドバイではさらに乗り継いで今回の目的地アディスアベバへ。
いやぁ…とんでもないカオス状態の搭乗口。
草壁サツキが「順番！」って言って聞かせないとならん。

ドバイ国際空港 (DXB) 空港

久々にアフリカ大陸に上陸！
空港を見ただけならアフリカ系の人たちが多い事を除けば「アフリカ大陸」と言う
実感は皆無。

ボレ国際空港 (ADD) 空港

長旅を終えたら腹が減ります。
今回の旅の主役、同僚である新婦が新郎とともに食事に誘ってくれました。
料理はエチオピアの主食、インジェラをご馳走になりましたが、直接たべさせてくれるのは「親しい友人だよ」と言うエチオピアの習慣に基づいたもの。

いや、直接会ったのは時間は通算10分しかないのに、過分な待遇、恐れ入ります。

空港だけを見たらここがエチオピアだと言う実感はなかったけど、GDP/cがUSD1000未満だという実感を見せつけられる現実。
でも不思議と悲壮感漂う表情じゃないんだよなぁ…。

今夜は結婚式前々夜祭。
私は今日初めて会ったばかりの新郎側家族に参加。
いや、なんと言うか、本当に過分なおもてなしを頂いておりますこと厚く御礼申し上げきれません。

エチオピア人はみんな歌って踊るのが大好き。
結婚式当日もそうだったけど、隙あらば踊ります。
ここでも親戚の子供から新郎父までずーっと踊っております。

踊りにひと段落ついたあたりで、会の〆。
〆はエチオピアコーヒーの儀。

細かい工程はPart 2をご覧頂ければ幸いですが、客人をもてなす作法的なものは日本の茶道と通ずるものがあるように思います。

翌日、新婦親戚が一日付き合って頂けるとのお話でしたが待てど暮らせど来ず。
基本的にエチオピアは時間にルーズのようですが、加えてエチオピアは時間の計算方法がちょっと独特で、0時が日の出の時刻。ひょっとしたら先方も遅れたのではなく、エチオピア時間換算だったのかもですね。

待つ間にクットフォーを食べに。
クットフォーは各種スパイスで味付けした生肉のミンチ。
エチオピアは生肉食文化！

主食はもちろんインジェラです。

予定よりはだいぶ遅れたけど、親戚の方が登場。
残念ながら天気はあいにくですが少し町に繰り出しましょう！

エチオピアは敬虔なキリスト教国。
しかもアフリカでは極めて例外的な植民地化によるキリスト教化ではない国。
4世紀には既にキリスト教が公認されて、独自の進化を遂げたので、ひょっとしたらヨーロッパよりも本来のキリスト教の教義が根付いているのかも知れませんね。

やってきたのはメルカート地区。
エチオピア最大の市場ですが、ちょっとの雨でもとんでもなくぬかるんで道はたちまち川。

メルカート (アディスアベバ) 市場

帰り道、バスに乗る一瞬。
やられました！

一瞬でしたが携帯をスられました。

無くなったものは仕方ない。旅行保険で求償すべく警察で盗難届を出してもらいます。
アムハラ語メインの警察に報告書を書いてもらうのも一苦労(笑)

とんだ一日でしたが、そこで厄落としができ、そのまま結婚式当日に突入！
新郎もバシッとキメて待機中。

前夜祭同様、ここでも踊れや歌えや。
結婚式の最初の次第は新郎が新婦家へ新婦を迎えに行く事から始まります。（除:踊り除く）

エチオピアの結婚式の流れは、恐らく宗派や地域によって大きく異なると思います。
私の知り合い夫婦の場合は
1) 新郎側が新婦側の家まで新婦を迎えに行く
2) 全員そろった所でところで教会へ移動
3) 教会で結婚式
4) 移動して市内各所で記念撮影
5) 披露宴
6) 新郎家へ移動して新婦の名前決め儀式

（上記式次第には各所で偶発的に発生する歌えや踊れやは省略）

結婚式各所の詳細は結婚式回をご参照下さいませ。

さて、披露宴へ場面は飛びます。
壁際に吊るされているのは生肉（牛）です。
でーん！と肉屋ばりに吊るされているからびっくりですよね。

前述の通りエチオピアは生肉食文化があります。
スパイス等と色々調合したクットフォーもあれば、純粋に生で肉を食べるスタイルも健在。
味は素朴、と言うより、肉の味です。そのまんま。
それ以外はあまり辛くないけどカレーよりのスパイス控えめ料理、と言った感じ。

お二人とも末永くお幸せに！

翌日、折角エチオピアまで来たので観光すべく北部へ移動。
エチオピアは日本の国土の3倍ほどの面積があり、陸上交通は極めて脆弱であるため、目的地ラリベラまでは飛行機でビューン。

ボレ国際空港 (ADD) 空港

アディスアベバからゴンダール経由でラリベラへ。
水流でできた形状だとしらた最初に水流が流れたとこ単体でえぐれるだろうし…。この高低差はタモリさんとかだったら熱くなりそうな地形。

ゴンダル空港 (GDQ) 空港

標高2km近い高度にある超高高度空港。
高山植物なのかな？きれいな花々がランダムに咲き誇っています。

ラリベラ空港 (LLI) 空港

早速乗り合いバスに乗って街を目指しましょう。

アフリカの地方都市あるある。
周囲に家の影すら見えないのに延々と歩いている皆様。

いかにもアフリカと聞いて想像しそうな丸壁に円錐茅葺屋根。
こんなミニ集落が点在していてのどかな田舎道約10kmのバス旅の始まり。

町にたどり着くまで何度も延々と歩く人とすれ違います。
本当に、どこまでいくんだろう？

小さな町だったこの土地はは12世紀後半に後にラリベラ王と呼ばれる王によってラリベラと改名。遠くパレスチナのエルサレムがイスラム教徒に占領された報を受けたラリベラ王はここを暫定エルサレムにしようとし、町に流れる川もヨルダン川と改名したほど。

こちらのベテ・メデハネ・アレム（教会）もそんな信心深いラリベラ王によって一夜にして建てられたとか。

ラリベラの岩窟教会群 史跡・遺跡

ラリベラの多くの教会は岩を繰りぬいて作られている、岩窟教会。
継ぎ足しをする事なく、屋根も柱も壁も床も全部一つ、大きな一枚岩を繰りぬいて作られていると考えると驚愕！

ラリベラの岩窟教会群 史跡・遺跡

この大聖堂の特別なのがこの『ラリベラの十字架』。
（多分）金でできていると言われる（恐らく）１２世紀ごろに作成されたもので、エチオピアにおいて国宝級の扱いを受けているキリスト教版法具。
お写真のポーズにも快諾頂いておりますが、それまでの笑顔が写真の瞬間だけ真顔に変化(笑)

ラリベラの岩窟教会群 史跡・遺跡

お昼時なので空腹でございます。
何かいい匂いがするなぁ…と匂いの源に目を馳せるとラリベラマダムが何かでっかい鍋で料理しています。
うひょぉ！うまそう！

マダム…それを一杯ワシに頂けんかのう？

食後に観光を再開。

こちらはアダムの墓所。
詳しい事はわからんけど、あのアダムとイブのアダムの墓所だとか。
人類の祖であるアダムさんってことだから私の祖先様のお墓参りって事かぁ
( ﾟДﾟ)

ラリベラの岩窟教会群 史跡・遺跡

ラリベラのハイライトと言えばやっぱりベテ・ギヨルギスこと聖ギオルギス教会。
他の教会と同じく岩山を直下にくりぬいた岩窟教会。
建物本体を含め岩山から削り取って建築（って言えるの？）されたのがよくわかりますね。

内部の装飾が美しい教会からシンプルすぎて考古学的価値を正確に理解しないと見ごたえが不明な教会まで千差万別。

ラリベラの岩窟教会群 史跡・遺跡

せっかくここまで来たのだからもう少しゆっくりしたいのですが、急遽入った次のスケジュールがおしているのでアディスに戻ります。
ラリベラの町はもっと標高の高い所だから下に降りるまで右へクネクネ、左へクネクネ。

空港には早めに到着したけど、搭乗便は遅延。
飛行機が到着するまで空港前の村でウロウロしたいたら地元の子供たちが集まってきました。
世界中どこへ行っても子供はかわいいね。

ラリベラ空港 (LLI) 空港

帰りのフライトも同じくラリベラからゴンダール経由でアディスアベバ行。
標高が高い地域だからか、やはり地上が近く見えますね。
本当であればもうちょっと北のアクスムか東のダナキル砂漠、もしくはこの経由地のゴンダールにも寄りたかったのですが、いかんせん急きょ予定が変更となったので折角アフリカまで来たのにそうもできず。

ゴンダル空港 (GDQ) 空港

国内線の遅延も大きな影響を受ける事なく、乗り継いでエチオピア出国。
エチオピア旅行記なのに休暇の半分はエチオピア国外で過ごすことになった矛盾。

ボレ国際空港 (ADD) 空港

ドバイではさっと用事を済ませてさらに乗り継ぎ。
ラリベラ→アディスアベバ→ドバイ→香港

もっと堪能したかったUAEの夜景もさようなら～。

ドバイ国際空港 (DXB) 空港

ってな訳で、エチオピア旅行記だったのに香港に到着です。

香港国際空港 (チェク ラップ コック空港) (HKG) 空港

やってきたのは香港名物のレストランでもなく、道教的な廟でもなくカトリック教会。
エチオピアで同僚の結婚式に参列する旅行が、転じて香港でも同僚の結婚式に参列する旅行へと早変わり。

幸せをたくさん吸収する旅となりましたね！

エチオピアの結婚式も初でしたが、香港の結婚式も初でした。

教会で結婚式を実施した後、インターバルを挟んでから夜に披露宴が実施される予定でした。

尖沙咀駅 駅

高級中華料理をフルコース方式で頂いたのって初めてかも？
メニューの詳細は結婚式の旅行記をご覧いただければと思いますが、満漢全席を頂いている気分に。幸せを感じさせるのは新婚夫婦の笑顔だけではなく、胃袋も(笑)

二組の新婚カップル、おめでとうございます！

エチオピアの結婚式が踊って歌ってなら、香港の結婚式は食えや食えやですね。
幸せそうな二人と美味い中華のフルコースで身も心も満たされた気分。
この当時は独身だったので、一週間に2回も海外挙式（って言うか彼らには国内挙式か）を見て、「結婚って良いなぁ…俺もいつかは…」と妄想しながら帰宅の徒につくのでした。

休暇はまだ３日あるので、香港から移動して台湾へ行こうと思います。
やってきたのは隆雄。

入国審査官のお姉さんが、日本語で話してくれました。
日本語勉強中なんですって。私も中国語少しだけ勉強していたと伝えたら

「一緒に頑張りましょう♪」

かわえぇぇぇぇぇぇ！
（注:結婚前の事です）
もうメロメロでございます。
（注:結婚前の事です）

高雄国際空港 (KHH) 空港

高雄の滞在時間も早々に、少し北上して台南へ。

台南は台湾きっての美食の町。
店舗の外にまでテーブルとイスが広がっている光景は台湾各地で見かけるけど、これいいですよねぇ。異国情緒あって好き。

美食の町なのに台南では何も食べてないなぁ。

台南駅 駅

少し小腹が減ったのでつまみ食いタイム。
ここで食べたのが人生初体験の臭豆腐。
基本的に食わず嫌いにはなりたくないので、食べずして批評無し。

めっちゃ臭いです。マジで。
言わば郊外の公園に併設されている公衆便所なフレグランス。
フレグランスを除けば意外といけるけど、除ききれないフレグランス。

新営駅 駅

体を休める休暇と言えば温泉！
なんとも日本人的な発想ですが、体を休めるのに温泉以上に適した手段はないですね。

曲がりくねる山道をバスに揺られて台南市の北東部にある関子嶺へ。

関子嶺温泉 温泉

関子嶺温泉は世界でも数少ない泥温泉で、泥パックも楽しめます。
しかし、実際に入ってみると灰色掛かった乳白色と言った所で泥もなし。
後で聞いた話によると、雨が降った後は泥の量が増すけど、雨が長期間降らないと泥の量も減って白濁したお湯になるだけだそうです。

古き良き温泉街の雰囲気に、南国の心地よい程度の暖かい微風が気持ち良い。
思ったより早い時間に終バスが出ると発覚したので、山の空気を楽しむ間もなく大急ぎで下山。

関子嶺百年老街 史跡・遺跡

台南名物の担仔麺専門店。
担仔麺はざっくり言えば辛くない汁少な目（汁なしじゃないよ）の担々麺みたいな料理。ちょっと甘めのタレ的なスープにさっぱりとした台湾啤酒にぴったり！

度小月擔仔麵 (台南老店) 地元の料理

食後にそぞろ歩きしていたところ、遠くから何やら派手な電飾を施した台湾風エレクトリカルパレードが接近。

帰国後調べてみたらどうやら惠澤尊王と言う道教（？）の信仰対象な方の功績（？）を祝うお祭りだった模様。
正直、調べてもさっぱり解らないあやふやな情報しかなくお恥ずかしい…。

漬物と何かの串焼きを肴に台湾ビールを楽しみます。
今日の話し相手は近くのテーブルにいたご家族のご子息。
もちろん大した会話はできませんが、一人旅で対面席に誰かがいる食事は嬉しいね！

ほろ酔い気分で今宵の宿へ戻ります。
思い返せばドミトリーに宿泊したのってこれが最後だったかも。

27日の朝、急きょ帰国する事にしました。
当初の予定では28日に帰国する予定だったけど、台風17号が接近していたので、万一に備え急いで桃園空港へ。

私、台湾に来ると台風の影響を受ける事が多いんですよね…。
初めて来台した時もど真ん中に台風がぶち当たるし。
確かに雨男だけどさぁ。

高鐵台南站 駅

初EVA航空で予定より早い帰国。
エチオピアで結婚式に参加することを主とした旅行、出発直前に香港人の友達にも結婚式に招待されると言う重なる幸せに立ち会える貴重な経験ができました。

お二組とも、末永く幸せでありますように！

台湾桃園国際空港 (TPE) 空港

この旅行記へのコメント （2）

• eahawkさん 2021/08/20 17:38:51

  総集編良いですね！！！

  salaamさん
  
  こんにちは！
  総集編改めて色々感じられて良いですね(*^_^*)
  私もタンザニア滞在記終了なので、総集編やろうかな！
  次回は南米の某国滞在記になる予定です(*^_^*)
  さてさて、こんなに急激にラブシャワーを浴びたどれくらい後にご結婚なさったのですか？
  是非参考にしたいので(笑´∀｀)
  
  eahawk

  Salaamさん からの返信 2021/08/21 00:56:26

  RE: 総集編良いですね！！！

  eahawkさん、こんばんは！
  
  まさかタンザニアから離任して南米に行かれるとか…コロナさえなければ既にダルでともにビールを開けた話をできていたのでしょうに残念でなりません。
  お次の南米はどちらでしょうか？その国での旅行（生活）記も楽しみしております！
  
  このダブル海外結婚式参列から自分の入籍までは2年半かかりましたねぇ。
  実際には諸般の事情で自身の結婚式まではさらに数年かかり、旅行記でも書いたあの式は5年後になっちゃいました！
  参考になるかは全く解りませんが、eahawkさんの結婚式のためであればタンザニアでも南米でも行きますよ〜(笑)
  
  Salaam