横浜駅周辺、町中華訪問記2020

2020/01/04 - 2020/01/16

横浜は言わずと知れた中華街を擁する街。無名有名を問わず物凄い数の中華料理店があります。
中華街で働いていた人が独立して開いた店も少なくないと聞きます。

一方、日本人が経営する(違う場合もあるかもしれませんが)いわゆる絶滅危惧種的な町中華も少なからず存在します。
町中華の定義は定かではありませんが、間違いなく言えることはいずこも後継者不足でおそらく早かれ遅かれ姿を消してしまうだろうということ。

店主が高齢で店を閉めてしまい伺うことができなかった店も少なくありません。

中華街にあるようなきらびやかな店でもなく、駅前にある資本系の店でもなく、住宅街や町はずれにひっそりとある地元民や近隣で働く人のための中華食堂。
横浜駅から歩いて行ける距離にある、そんな店を食べ歩いてみました。

子供の頃親に連れられて通った町の中華料理店、学生の頃仕送りが届くと足を向けたあの店。
なんて思い出は、実はこれっぽっちも無いんですが今回廻った店はいずこもどこか懐かしく。

頼んだものはすべてラーメン。
本当は、チャーハン、そう、かまぼこの切れ端なんかがが入ったヤツを頼むのが良いんだろうけれど、あえてラーメン。
無論出てくるのは昔ながらの醤油ラーメン。

ラヲタではないので薀蓄はなし。
端麗やＷスープなんて難しいこととは無縁。
時代は令和となりましたが、うますぎず、まずすぎず、昭和なラーメンは健在でしたよ。

※価格は2020年1月現在のモノです。
おそらく5年もたてば今回行った店の何軒かは消えているかと思います。
訪れるならお早めに。

チャーハンを食べ歩いた2021年の訪問記は下記。

横浜駅周辺、町中華訪問記2021
https://4travel.jp/travelogue/11671186

エリア 横浜(神奈川)

• 旅行の満足度: 5.0
• グルメ: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 徒歩

2020年1月現在の横浜駅。

横浜のサグラダファミリアと呼ばれる横浜駅。
ほんと、ずーっと工事していましたが、駅前にJRのビルが完成しつつあり駅の工事は終焉を迎えています。

西口方面は吹き抜け。

窓の向こうはベイシェラトン。

もっともすぐ隣は今も工事中なので、周辺の再開発が終わるのはまだまだ先なのかもしれません。

東京駅とまではいかなくても、もう少し味のある駅ビルにしてもらいたかったんですが、小型の博多駅みたいだなぁ。

ともあれきれいになることは良いことなのですが、その反面歴史ある店が次々と消えて行っています。

今回は周辺の町中華にフォーカスを当ててみます。

珍来

背の高いJRビルのために日が当たらなくなった場所。
以前ここには珍来という歴史ある中華料理店がありました。
立て直しという張り紙を見たことがあったんですが、テナント募集に変わっていますね。
廃業されたんですかね。

珍来 グルメ・レストラン

富珍楼
こちらは最寄り駅は東横線の反町。

この店を知った数年前の時点で、店主は80歳を超えた老姉妹という情報だったので、今はもう営業してないんでしょうねえ。
数年前までは店頭にメニューが出ていましたが、最近はシャッターが下りています。

うまいとかまずいとかを超越した錦糸卵の乗ったチャーハンやシューマイが名物だったらしいんですが・・・
中華はわかるが軽食って何だったんだろう？


早く行っておけば良かった。

富珍楼 グルメ・レストラン

新会芳楼

インパクトのある外観のこちらら、最寄り駅は京急神奈川。
横浜駅からも徒歩圏内。

新会芳楼 グルメ・レストラン

2019年の11月に一度お邪魔しているんですが、2020年1月に向かうと昨年末で閉店したとの張り紙が。
そんなそぶりは全くなかったのに・・・

ちなみに新会芳楼さんのラーメン510円はこんなの。

美味しかったですよ。

記念？にメニュー写真を載せておきます。

ラーメンみそ味とみそラーメンの二つのメニューの差を解明したかったんですが、無念。

次は龍味。
横浜駅西口のジョイナス地下街の奥の方にあります。

俳優の阿部寛が学生時代通っていたそうな。

龍味 グルメ・レストラン

昼時は店を囲むように壁沿いに行列が出来ます。

表のパネル前あたりに進むと、ぶっきらぼうな店員が“何にします？”
って聞いてくるので、事前に頼むものを決めておかないとあたふたしますよ。

ラーメンは380円(税別)

ここでの個人的なおすすめは、チャーハンと餃子。
まあ、並んでまでって思わなくもないんですが食べてみたい方は11時までに来ると並ばずに入ることができます。
開店は10:30

次いで龍王
相鉄線の改札近く。ちょっとわかりにくい場所にあります。

こちらも昼時は行列。
こちらは、店員から“次の方どーぞー”って声をかけられたら入店するのが暗黙の了解。

無論、並んでいなかったらずんずん入っちゃってください。
この店は個人経営ではなく太平洋観光という会社が経営している店です。最近雑誌で紹介されたらしく凄い行列でした。
今回ご紹介する店の中では、一番席数が多く、50人くらいは座れるんじゃないかな。

したがって回転は早い。

中華一 龍王 グルメ・レストラン

この店が偉いのは少なくとも消費税を二回のみ込んじゃった点。

8%になった時も10%になった時も値上げなし。
エライ！

おまけに感謝麺という週替わりの麺類をずーっと480円で提供しています。
週替わりは、
サンマー麺
みそラーメン
酸辣湯麺
タンメン
とんこつの五種類。

ラーメン490円はこんな感じ。
ウズラの卵が特徴的。

レジで前に並んでいたお父さんがにこにこして、「今日で定年なんでもう来れないよ」っていうと、サービスのおばさんたちが集まって最敬礼。

チェーン店じゃこういうのないよなあ。

次いで大和家さん。
場所は旧ダイエーの側。

横浜には吉村家を祖とする家系というとんこつしょうゆラーメンの一大勢力があるんですが、そことは無関係。

ラーメン690円
周辺に飲み屋が多いからかな。飲んだ後向けのラーメン。

萬進楼

楠木町という横浜駅から歩くと15分くらいの場所にある萬進楼。
浅間下交差点という場所からほど近い場所にあるんですが一本脇に入った住宅街にあるので今まで全く存在に気づかず。

萬進楼 グルメ・レストラン

店内は４人用テーブルが５卓ほど。
カウンターはなし。
メニューは結構豊富で出前も行っているようですねえ。

店内は渋い雰囲気。
マンガ本が置いてありましたが料理を待つ客は全員スマホいじり。
時代ですねえ。

イメージとしては手編みのマフラーを巻いたカップルがラーメンを食べていそうな雰囲気(古いナ)でしたが無論そんな客はおらずオッサン率100%。

出てきたラーメンはワカメにもやし、メンマにチャーシューという布陣。
昔懐かし醤油ラーメン。

この店、時間がほんとうにゆっくり流れています。
グルメ雑誌には絶対載らないだろうけれど、いい店でしたよ。

六本木の裏通りや、祇園のはずれあたりにあればそのレトロな雰囲気でちょっとウワサになるに違いない。

ラーメン500円。

500円(税込)を払うとお年賀のタオルを頂いた。
初めて来たのに・・・・

厨房は白髪のお父さんが鍋をふるい、お嬢さん？が調理補助。
近いうちにまた来よう。

頑張ってね、お母さん。

鶴廣

横浜駅から7-8分。鶴屋町の人気店
訪れた時は女性の一人客が多かったですねえ。

5-6席のカウンターと4人掛けのテーブルが4つだったかな。

常連が多い様で、タンメンを太麺でとか結構ワガママなオーダーが飛び交ってました。

ラーメン500円(税込)。

今回紹介させていただいたラーメンの中ではダントツでここを推します。
生姜が香るあっさり系。

1000円札を渡すと、はい、500まんえーんとおつりが帰ってきます。

しかし、ラーメンにナルトって誰がはじめてんだろう？

中華　みゆき

最寄り駅は相鉄線の平沼橋。
残念ながらこちらもお邪魔する前に閉店してしまったようです。
ウワサによるとなかなか美味しいラーメンを出していたそうなんですが。

最期は華月というお店。

中華 みゆきと横浜駅の間に位置しています。

存在は知っていましたが、この何とも言えないルックス、まあ、普通は入店しないよなあ。
暖簾が無ければ店とは思えないし。

知床か礼文あたりで漁師のおかみさんが漁港の外れで経営していそうなビジュアル。

うん、横浜駅から徒歩10分弱で目にする店とは思えない。

しかし、暖簾を潜るといくつか驚くことが。

店内は4人掛けのテーブルが二つ。
外観に比べて店内はきれい。

また、
店の外観からてっきり人生に疲れたオヤジ(汚れたBVDの白いＴシャツの)が客待ちにテレビを眺めているに違いないと思っていたんですがなんと主は女性。
調理から配膳までワンオペレーション。

そして壁のメニューを見てびっくり。
なんとラーメン350円。消費税が上がる前はいくらだったんだろう？

メニューには書かれていないけれど奥にビールケースがあるので頼んだら出てくるんだろうねえ。

驚いたのがこのラーメン。
海苔がイマイチだが、これがまた結構おいしい。
小さいながらもチャーシューもしっかり入っておりメンマ、そしてナルト。
インパクトのあるカイワレ。

少なくとも350円のレベルじゃないな。
400円に値上げして店のテントを直せばよいのになんて考えながら美味しくいただきました。横浜駅付近にある私語が止まらないアルバイトが作る有名店のラーメンより余程うまい。

会計時1000円札を渡すと、ありがとう～って650円のお釣り。
あぁ税込だったんだ。またまたびっくり。

次回は餃子にビールだな。
ちょっと気に入りました。もっと早く来れば良かったな。
しかし、日商どれくらいなんだろう？
気になる。


そうそう、世間はスマホ決済花盛りですが、昭和な町中華はpaypayもウーバーイーツも別世界。すべて現金決済。
訪問される場合は小銭をお忘れなく。

小さなシアワセ、見つけられますよ。

今回の旅、ちょっと面白かったので次は蕎麦か鮨ツアーでもしてみるかな。
乞うご期待。